訂正有価証券報告書-第118期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2019/05/14 16:44
【資料】
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【項目】
144項目
5 偶発債務
・タカタ製エアバック・インフレーターに関連した訴訟
米国、カナダ及びメキシコにおいて、タカタ製エアバッグ・インフレーター(膨張装置)に関連した様々な集団訴訟と民事訴訟が、当社と他の自動車製造会社に対して提起されている。訴訟は、エアバッグ・インフレーターの欠陥、原告が費やした費用や車両の価値の下落などの経済的損失、さらに特定のケースでは人身傷害に対して、損害賠償や懲罰的損害賠償を請求している。米国における集団訴訟の多くは、フロリダ州南地区連邦地方裁判所に移送され、連邦広域係属訴訟として統合された。また、ニューメキシコ州、米領ヴァージン諸島及びハワイ州の司法長官は、タカタと当社を含めた複数の自動車製造会社に対して訴訟を提起した。現時点では、訴訟は進行中であり、将来発生した場合の債務の金額を合理的に見積もることができないために、偶発事象に係る損失に対し引当金は計上していない。
・米国日産販売金融会社の係争案件
2017年5月、カリフォルニア州の陪審は、米国日産販売金融会社(以下「NMAC」という。)がSuperior Auto of Fremont, LLC他(以下「Superior」という。)に対して支払う補償的損害賠償額を121.9百万ドル、懲罰的損害賠償額を134.55百万ドル(総額256.45百万ドル)とする評決を出した。これは2009年2月にNMACがSuperior Automotive Groupのフロアプランとクレジットラインを中断したことに関して、NMACが不告知と過失による不実表示を行ったとの主張に関する裁定である。
NMACは、Superiorに関連するすべての申し立てに対して係争を継続する。したがって、現時点では、今回の裁定が最終的な結論になる可能性は高くないと判断しているため引当金は計上していない。
以前NMACはSuperiorの契約違反に関する訴訟に勝訴しており、約40百万ドルの損害賠償金をSuperiorがNMACへ支払うことを命ずる判決を得ている。この判決は依然として有効であり、すべての上訴は棄却されている。判決後の法定金利の評価を含め、その判決によりNMACが受領すべき賠償金の価値は現在約60百万ドルであるが、その回収可能性に不確実性があるため、債権として計上されていない。この金額は、2017年5月のSuperiorの訴訟から生じ得るいかなる債務とも相殺される可能性がある。