訂正有価証券報告書-第151期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2019/03/25 15:34
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127項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、先進国を中心に景気の回復傾向が続いたことから、全体的には緩やかな改善基調となりました。海外では、米国経済は雇用・所得環境の着実な改善を背景として好調に推移し、欧州においても、英国のEU離脱問題など政治情勢に不安定さが見られたものの、全体としては緩やかな景気回復が続きました。また、中国においても、経済は引き続き安定した成長となりました。日本は、改善が続く海外経済を背景に緩やかな回復基調となりました。しかしながら、為替相場の変動や各国の経済情勢等、今後の事業環境は依然として不安定な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画「構造改革ステージ2」の下、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を両立する魅力ある商品をお届けするとともに、全領域でビジネスの質的成長を目指し、ブランド価値の更なる向上に向けて取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、新型「マツダ CX-4」と新型「マツダ ロードスター RF(海外名:MX-5 RF)」によるラインアップ拡充に加えて、新世代商品群として初めてのフルモデルチェンジとなる新型「マツダ CX-5」を発表いたしました。また、新世代車両運動制御技術「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス」の第一弾となる「G-ベクタリング コントロール」などの最新技術により、「走る歓び」を深化させております。今後も、SKYACTIV商品の拡充と継続的進化により、着実な台数成長を図ってまいります。
当連結会計年度のグローバル販売台数は、グローバルに通年で寄与した「マツダ CX-3」や新型「マツダ CX-9」、中国で導入した新型「CX-4」などのクロスオーバー系車種の販売拡大により、前期比1.6%増の1,559千台となりました。
市場別の販売台数は、次のとおりであります。
<日本>他社との競合等により、前期比12.8%減の203千台となりました。足元では、昨年12月に導入した新型「ロードスター RF」や、本年2月に導入した新型「CX-5」の好調な滑り出しにより、販売モメンタムは改善しております。
<北米>米国では、新型「CX-9」などのクロスオーバー系車種の販売が順調であった一方で、セダン系車種の台数減により前期を下回ったほか、メキシコにおいても為替の悪化等により厳しい販売環境が続いたことから、北米全体で前期比2.1%減の429千台となりました。
<欧州>ロシアで需要縮小の影響があったものの、主要市場であるドイツを中心に販売が好調に推移したことにより、欧州全体で前期比2.0%増の262千台となりました。車種別では、堅調な販売が続く「CX-3」のほか、「MX-5」が販売増加に貢献しました。
<中国>導入以来好調な販売が続く新型「CX-4」が台数貢献したほか、小型車減税政策の効果継続により、「Mazda3(日本名:マツダ アクセラ)」の販売が増加したことから、前期比24.1%増の292千台となりました。
<その他の市場>主要市場であるオーストラリアでは、「CX-3」及び「CX-5」がともにセグメント販売台数で1位を獲得するなど、前期を上回る販売となりました。また、ASEAN市場では、ベトナムで販売が大幅に増加したほか、その他の地域においても、コロンビアやニュージーランドなどで過去最高の販売を達成したことにより、その他の市場全体で前期比0.6%増の373千台となりました。
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は、為替相場の円高影響により、3兆2,144億円(前期比1,922億円減、5.6%減)となりました。営業利益は、「モノ造り革新」によるコスト改善などの取組みを強化したものの、為替影響や品質関連費用の増加により、1,257億円(前期比1,011億円減、44.6%減)、経常利益は1,395億円(前期比841億円減、37.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、938億円(前期比406億円減、30.2%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 日本
売上高は、2兆6,780億円(前期比1,377億円減、4.9%減)となり、セグメント別営業利益(以下、利益)は、659億円(前期比966億円減、59.5%減)となりました。これは主に、出荷台数の減少や為替の円高影響に加え、品質関連費用の増加等があったことによるものです。
② 北米
売上高は、1兆3,187億円(前期比1,218億円減、8.5%減)となり、利益は、267億円(前期比31億円減、10.5%減)となりました。これは主に、出荷台数の減少や為替の円高影響等によるものです。
③ 欧州
売上高は、6,048億円(前期比852億円減、12.3%減)となり、利益は、54億円(前期比33億円減、38.0%減)となりました。これは主に、出荷台数の減少や対ユーロでの円高影響等によるものです。
④ その他の地域
売上高は、5,892億円(前期比58億円減、1.0%減)となり、利益は、202億円(前期比14億円減、6.5%減)となりました。これは主に、出荷台数が増加した一方で、為替の円高影響等があったことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より419億円減少し、5,269億円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,284億円等により、1,611億円の増加(前期は2,628億円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出782億円に対し、定期預金の払戻しによる収入等があったことにより638億円の減少(前期は1,081億円の減少)となりました。
これらの結果、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、973億円の増加(前期は1,547億円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払等により1,499億円の減少(前期は941億円の減少)となりました。