有価証券報告書-第91期(2025/01/01-2025/12/31)
多様性を認めた一人ひとりが働きやすい環境づくり
当社は、社員エンゲージメントを重要な指標と位置づけ、2025年からの中期経営計画においてエンゲージメントポジティブスコア80%以上をグローバル共通の目標として設定しました。引き続き、エンゲージメントの向上を目指し、全社を挙げて取り組んでいきます。2022年からYamaha Motor Global Awardを導入し、2023年には、社員も投票に参加することができる「社員投票最優秀賞」を設置、そして2024年には、縁の下の力持ちとして事業継続やサステナビリティに欠くことのできない貢献をしている「影の貢献者賞」を新設しました。2025年度は国内・海外事業部門とグループ会社から挙がった35エントリーからヤマハ発動機らしさを体現する6つの優れたプロジェクトを表彰しています。このような、成功を祝う活動を通じて社員エンゲージメントの向上を図り、Yamaha Day(当社の創立記念日にあたる7月1日とヤマハ株式会社の設立記念日にあたる10月12日をYamaha Dayと定め、本社及び国内外グループ各社にて自律的なイベントを開催)をはじめとする社内イベントとも連動しながら授賞式を行っていきます。
また、エンゲージメントを高める取組として、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンと人財育成に力を入れていきます。
ヤマハ発動機グループの企業理念である「感動創造企業」を実現するためには、さまざまなバックグラウンドで活躍する人々がお互いを認め合い、成長していくことでその価値を最大限発揮することが重要です。また、持続的な成長を実現しお客さまの期待を超える新しい価値を生み出し続けるためにも、多様な視点や価値観を持った人財の育成、活躍が不可欠であると考えています。
多様な人財が集まり、互いの異なる視点や価値観を尊重しながら、新たな気づきや発見を価値創造につなげていける組織風土を醸成するために、2023年9月に「ヤマハ発動機グループ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を制定し、職場内及び子会社への周知を行っています。当方針の中で「ダイバーシティを通じて感動を創造する」ことをステートメントの中心に置き、「RESPECT.」(リスペクト ピリオド)を行動原則としています。「RESPECT.」とは、ヤマハ発動機グループの全員が、同僚、お客さま、サプライヤー、その他のステークホルダーに対して、他者の意見や権利を価値あるものとして認識し、接する責任を持つことを意味します。その上で「重点領域とヤマハ発動機グループの姿勢」を定め、全ての役職員が年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、国籍、人種、宗教・信条、価値観、経験などに関わらず自分の個性(強み・経験・考え方)を最大限に発揮できる職場を目指しています。
「性別」に関わる取組として、女性活躍推進の観点から、女性の管理職比率について目標を設定し取り組んでおり、ヤマハ発動機グループ全体では、女性管理職比率を2023年の11.1%から2027年に13%とする目標を設定しました。この目標の達成に向けて継続して取組を進めていきます。
さらに、重点領域の一つである「LGBTQ+」については、同性パートナー等の取扱いに関する規定を新設しました。就業規則や福利厚生制度において、パートナーシップ宣誓等を行った同性パートナーは、法律上の婚姻関係にある配偶者とみなすとともに、同性パートナーの子も、従業員との養子縁組の有無に関わらず子とみなすとしました。今後も、性自認や性的指向に関わらず、社員一人ひとりが安心して受け入れられ、自分らしく働くことができるような職場環境の整備を進めていきます。
人財育成方針
ヤマハ発動機グループでは求める人財像を以下のように定めています。
1. 自己価値向上に努力する自立・自律型の人財
2. チームワークを大切にした行動ができる人財
3. ヤマハブランドの価値を高められる人財
事業の発展と感動創造企業の実現のため、事業戦略と連動して上記のような人財を効果的に採用・育成・評価・処遇・配置するための人事戦略を実施していきます。
グローバル人財の活用
人財のグローバル化については、性別・年齢・国籍及び原籍等を問わず優秀な人財の早期発掘、キャリアプランの検討、育成、登用を進めています。具体的には、以前から進めてきたグローバルコアポジションの後継者管理に加え、グローバルでの次世代経営人財の発掘と育成強化、人財の可視化を目的としたグローバル人財データベースの拡充に着手しました。
また、2020年からグローバル人事異動を促すGAP(Global Assignment Policy 旧:Yamaha Assignment Policy)を導入し、優秀な人財の国際間異動を推進しています。これまでに27件の実績があり、今後もさらなる拡大を図っていきます。
人財育成
階層に応じた研修をはじめ、ハイポテンシャル人財に対する選抜研修、機能面での専門スキルを磨く研修、世界で活躍できる人財を目指す海外トレーニー制度、チーム力を高めて組織としてのパフォーマンスを高めるコーチング研修やダイバーシティ研修などを整備しています。また、自ら学ぶ風土の定着に向けて、自己啓発への支援を拡充し、学びの選択肢を増やすとともにオンデマンド型教育を整備しています。
人財育成に関しては、成長を望めば誰しもが機会を与えられる仕組みの構築を目指し、Yamaha Motor Learning System(YLS)オンライン・オンデマンド型の学習プラットフォームの導入と、自己啓発講座の推進を進めてきました。YLSの利用者数は約2万人に達し、自己啓発講座は社員の多様な学びのニーズに対して豊富な選択肢を提供できるようカフェテリアプラン(※)の適用範囲を外部の自己啓発講座・セミナー・オンライン語学講座・オンライン学習サービス・自己啓発用テキスト・書籍購入にまで拡大しました。また、グローバルな経営人財を育成するための選抜研修プログラムを2015年から実施し、これまで延べ179人が参加しています。
※ それぞれのライフスタイルに合わせて、会社が設定した福利厚生メニューの中から好きなメニューを選び、補助を受けることができる「選択型福利厚生制度」
当社のモノづくり現場では、「人が主役のモノづくり」を軸に、人財の獲得・育成・配置・定着の仕組みを強化しています。
事業を継続・発展させるためには、製造業を魅力的な仕事として認知してもらい、これからの世代からも選ばれる現場づくりが欠かせません。そのため、女性活躍推進、社内DX留学による製造DX人財育成、監督職・匠・保全人財の育成を総合的に進め、「生産職中心の工場経営を実現するキャリアパス」を構築しています。社員がキャリアを明確に描き、志向に応じて成長できる支援制度の整備にも取り組んでいます。特に監督職、DX人財については、育成講座やDX推進部門への社内留学制度を通じ、選抜・段階的育成・評価を組み合わせた育成プログラムを、社内リソースを投入して実運用しています。
さらに、当社のモノづくりの基本理念「ヤマハ発動機モノづくりWay」教育動画をグループ会社やお取引先に展開することで、理念共有と人財育成を進め、製品価値向上につなげています。
健康かつ安心して働ける安全な環境づくり
当社グループでは、従業員の健康・安全を企業成長の基盤と考え、労働環境の向上に努めています。ヤマハ発動機グループ労働安全衛生基本方針、「安全・健康 最優先」の考えの下、従業員全員参加で安全と健康の確保に取り組むとともに、快適な職場環境の形成を促進しながら、業務遂行の円滑化を図り生産性の向上にもつなげています。
ヤマハ発動機においては、従来から推進してきた労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を再構築し、2023年に国際規格であるISO45001を導入、認証を取得しています。マネジメントシステム運用の中軸である、職場におけるリスクアセスメント(危険性や有害性を特定・評価)の実施、その結果に基づく計画的な労働安全衛生リスクの除去・低減に取り組み、労働災害の未然防止を図っています。また、全従業員の安全意識向上のため、法規制上の教育・講習はもちろん、リスクアセスメントや実践的な危険予知トレーニング等、各種教育・研修の充実にも取り組んでいます。
なお、2023年5月、当社浜北工場(浜松市浜名区)にてエンジン部品加工作業に従事していた社員1名が死亡する労働災害事故が発生しました。このような重大な労働災害を二度と発生させないため、労働安全衛生マネジメントシステムの運営強化に加え、設備機械の安全対策、「安全の日」設定による安全意識の高揚など、再発防止に取り組み続けます。
ヤマハ発動機グループ全体の労働安全衛生水準の向上に向けては、労働災害発生リスクが相対的に高いと考えられる製造拠点を中心に、ISO45001を基軸とした労働安全衛生マネジメントシステムの整備を進めるとともに、継続的な改善に取り組んでいます。2025年にはヤマハ発動機とグループ会社の認証を一つの枠組みで運用するISO45001統一認証(グローバル認証)をスタートさせました。今後も製造拠点における労働安全衛生マネジメントシステムの整備を進めるとともに、統一認証の枠組みを拡大することで、グループ全体の労働安全衛生水準のさらなる向上及びガバナンス強化を図っていきます。
一方、健康に関しても、会社の発展に欠かせない重要な経営課題ととらえ、会社・社員が一体となって健康の保持・増進に取り組んでいます。
具体的には、ヤマハ発動機では健康診断受診率100%の達成、メタボリックシンドローム(該当者+予備群)・喫煙率・メンタル不調による休職者の低減を重点課題とし、各種施策を推進しています。メタボリックシンドローム低減に向けては、若年層を含むリスクを抱えた社員に対する看護職・管理栄養士による継続的な保健指導の実施、専門医の治療に早期につなぐための受診勧奨となる「イエローペーパー制度」の運用等を行っています。また、喫煙率低減に関しては従来の禁煙支援に加え、2024年1月よりヤマハ発動機敷地内・就業時間中の全面禁煙化を開始し、国内グループ会社にも順次展開しています。
社員のメンタル不調を未然に防止するため、ストレスチェック実施後には高ストレス者の希望者全員に産業医や看護職等によるフォロー面談を実施するとともに、集団分析結果を職場へフィードバックし職場環境改善につなげる他、セルフケア・ラインケア等のさまざまな教育・研修も実施しています。
フィジカル・メンタル双方の休職者に対しては、復職前に社内リワークプログラムを実施し、復職後も所属長・人事部門・産業医が連携して約1年ほどフォローすることで再発防止に努めています。
また、人事部門と健康推進部門が連携し、適正な労働時間管理の徹底を図りながら、過重労働対策とワークライフバランスの確保に取り組んでいます。女性特有の健康課題に対応するための専用相談窓口やセミナー等の整備など、さまざまな取組をきめ細かく展開しています。
これらの活動を通じ、ヤマハ発動機は健康経営を戦略的に取り組む法人を認定する「健康経営優良法人認定制度」において健康経営優良法人2026(大規模法人部門)・ホワイト500に認定されています。
コンプライアンスの遵守
ヤマハ発動機グループでは、グループ全体のコンプライアンス遵守の体制を構築する目的で、チーフ・リスク・コンプライアンス・オフィサー(CRCO)を2025年1月に任命し、CRCOが委員長となり指名する執行役員を委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」において、コンプライアンス遵守のための計画を審議し、その実行状況やコンプライアンス遵守の風土についてモニタリングを行います。また、その下部委員会として、CRCOが指名する主要各地域を統括するリスク・コンプライアンス・オフィサーを委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、本社各リスク主管部門長等による「リスク・コンプライアンス推進会議」を設置し、コンプライアンスについての方針や計画、モニタリングと対策などを専門的視点で審議することとしています。そしてこの結果は、グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会での審議事項としてCRCOよりESGリスクとともに取締役会に適宜報告するものとされており、実効性を担保した体制を整備しています。具体的な活動は「コンプライアンス管理規程」に従って展開し、CRCOとコンプライアンス統括部門がグループ全体の活動を管理します。
また、コンプライアンス風土を測定する手段の一つとして、グループ会社共通のコンプライアンス意識調査を毎年実施し、「倫理行動規範」の理解度や規範の実践度合い、レポーティングラインやホットラインの利用度、教育の有効性などコンプライアンス施策の有効性を確認しています。また、調査の結果や社会の潮流も踏まえ、「倫理行動規範ガイドブック」の毎年の更新と「倫理行動規範」の定期的な見直しを行っています。
この倫理行動規範では、日々の活動の中で遵守すべき行動基準をコンプライアンスの視点から表していますが、中でも人権は重要なものと位置付けており、職場で人権を侵害し得る、職場でのセクシュアルハラスメントや、職場における地位や人間関係などの優位性を背景にした相手の人格・尊厳の侵害など、あらゆる種類のハラスメントを一切禁止しています。そのために主にマネジメント層に対して「人権・ハラスメント」研修を毎年開催しています。もしハラスメントの報告を受けた際には当事者から詳細なヒアリングを行い事実確認した上で、懲戒を含めた適正な対応を行うとともに、再発防止に向けた取組を進めています。
関連法令、社内規則または倫理行動規範等に違反する行為に気付いた場合の通報先として「コンプライアンス・ホットライン」及び「グローバルホットライン」を設置し、国内外のグループ会社からの内部通報を受け付けるとともに、必要な調査・是正を実施しています。加えて、仕入先からの通報を対象にした「フェアビジネスホットライン」、社外ステークホルダー向けの「人権ホットライン」を設置し、課題の是正・救済に取り組んでいます。
ヤマハ発動機が受け付けたホットラインの件数
当社は、社員エンゲージメントを重要な指標と位置づけ、2025年からの中期経営計画においてエンゲージメントポジティブスコア80%以上をグローバル共通の目標として設定しました。引き続き、エンゲージメントの向上を目指し、全社を挙げて取り組んでいきます。2022年からYamaha Motor Global Awardを導入し、2023年には、社員も投票に参加することができる「社員投票最優秀賞」を設置、そして2024年には、縁の下の力持ちとして事業継続やサステナビリティに欠くことのできない貢献をしている「影の貢献者賞」を新設しました。2025年度は国内・海外事業部門とグループ会社から挙がった35エントリーからヤマハ発動機らしさを体現する6つの優れたプロジェクトを表彰しています。このような、成功を祝う活動を通じて社員エンゲージメントの向上を図り、Yamaha Day(当社の創立記念日にあたる7月1日とヤマハ株式会社の設立記念日にあたる10月12日をYamaha Dayと定め、本社及び国内外グループ各社にて自律的なイベントを開催)をはじめとする社内イベントとも連動しながら授賞式を行っていきます。
また、エンゲージメントを高める取組として、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンと人財育成に力を入れていきます。
ヤマハ発動機グループの企業理念である「感動創造企業」を実現するためには、さまざまなバックグラウンドで活躍する人々がお互いを認め合い、成長していくことでその価値を最大限発揮することが重要です。また、持続的な成長を実現しお客さまの期待を超える新しい価値を生み出し続けるためにも、多様な視点や価値観を持った人財の育成、活躍が不可欠であると考えています。
多様な人財が集まり、互いの異なる視点や価値観を尊重しながら、新たな気づきや発見を価値創造につなげていける組織風土を醸成するために、2023年9月に「ヤマハ発動機グループ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を制定し、職場内及び子会社への周知を行っています。当方針の中で「ダイバーシティを通じて感動を創造する」ことをステートメントの中心に置き、「RESPECT.」(リスペクト ピリオド)を行動原則としています。「RESPECT.」とは、ヤマハ発動機グループの全員が、同僚、お客さま、サプライヤー、その他のステークホルダーに対して、他者の意見や権利を価値あるものとして認識し、接する責任を持つことを意味します。その上で「重点領域とヤマハ発動機グループの姿勢」を定め、全ての役職員が年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、国籍、人種、宗教・信条、価値観、経験などに関わらず自分の個性(強み・経験・考え方)を最大限に発揮できる職場を目指しています。
「性別」に関わる取組として、女性活躍推進の観点から、女性の管理職比率について目標を設定し取り組んでおり、ヤマハ発動機グループ全体では、女性管理職比率を2023年の11.1%から2027年に13%とする目標を設定しました。この目標の達成に向けて継続して取組を進めていきます。
さらに、重点領域の一つである「LGBTQ+」については、同性パートナー等の取扱いに関する規定を新設しました。就業規則や福利厚生制度において、パートナーシップ宣誓等を行った同性パートナーは、法律上の婚姻関係にある配偶者とみなすとともに、同性パートナーの子も、従業員との養子縁組の有無に関わらず子とみなすとしました。今後も、性自認や性的指向に関わらず、社員一人ひとりが安心して受け入れられ、自分らしく働くことができるような職場環境の整備を進めていきます。
人財育成方針
ヤマハ発動機グループでは求める人財像を以下のように定めています。
1. 自己価値向上に努力する自立・自律型の人財
2. チームワークを大切にした行動ができる人財
3. ヤマハブランドの価値を高められる人財
事業の発展と感動創造企業の実現のため、事業戦略と連動して上記のような人財を効果的に採用・育成・評価・処遇・配置するための人事戦略を実施していきます。
グローバル人財の活用
人財のグローバル化については、性別・年齢・国籍及び原籍等を問わず優秀な人財の早期発掘、キャリアプランの検討、育成、登用を進めています。具体的には、以前から進めてきたグローバルコアポジションの後継者管理に加え、グローバルでの次世代経営人財の発掘と育成強化、人財の可視化を目的としたグローバル人財データベースの拡充に着手しました。
また、2020年からグローバル人事異動を促すGAP(Global Assignment Policy 旧:Yamaha Assignment Policy)を導入し、優秀な人財の国際間異動を推進しています。これまでに27件の実績があり、今後もさらなる拡大を図っていきます。
人財育成
階層に応じた研修をはじめ、ハイポテンシャル人財に対する選抜研修、機能面での専門スキルを磨く研修、世界で活躍できる人財を目指す海外トレーニー制度、チーム力を高めて組織としてのパフォーマンスを高めるコーチング研修やダイバーシティ研修などを整備しています。また、自ら学ぶ風土の定着に向けて、自己啓発への支援を拡充し、学びの選択肢を増やすとともにオンデマンド型教育を整備しています。
人財育成に関しては、成長を望めば誰しもが機会を与えられる仕組みの構築を目指し、Yamaha Motor Learning System(YLS)オンライン・オンデマンド型の学習プラットフォームの導入と、自己啓発講座の推進を進めてきました。YLSの利用者数は約2万人に達し、自己啓発講座は社員の多様な学びのニーズに対して豊富な選択肢を提供できるようカフェテリアプラン(※)の適用範囲を外部の自己啓発講座・セミナー・オンライン語学講座・オンライン学習サービス・自己啓発用テキスト・書籍購入にまで拡大しました。また、グローバルな経営人財を育成するための選抜研修プログラムを2015年から実施し、これまで延べ179人が参加しています。
※ それぞれのライフスタイルに合わせて、会社が設定した福利厚生メニューの中から好きなメニューを選び、補助を受けることができる「選択型福利厚生制度」
当社のモノづくり現場では、「人が主役のモノづくり」を軸に、人財の獲得・育成・配置・定着の仕組みを強化しています。
事業を継続・発展させるためには、製造業を魅力的な仕事として認知してもらい、これからの世代からも選ばれる現場づくりが欠かせません。そのため、女性活躍推進、社内DX留学による製造DX人財育成、監督職・匠・保全人財の育成を総合的に進め、「生産職中心の工場経営を実現するキャリアパス」を構築しています。社員がキャリアを明確に描き、志向に応じて成長できる支援制度の整備にも取り組んでいます。特に監督職、DX人財については、育成講座やDX推進部門への社内留学制度を通じ、選抜・段階的育成・評価を組み合わせた育成プログラムを、社内リソースを投入して実運用しています。
さらに、当社のモノづくりの基本理念「ヤマハ発動機モノづくりWay」教育動画をグループ会社やお取引先に展開することで、理念共有と人財育成を進め、製品価値向上につなげています。
健康かつ安心して働ける安全な環境づくり
当社グループでは、従業員の健康・安全を企業成長の基盤と考え、労働環境の向上に努めています。ヤマハ発動機グループ労働安全衛生基本方針、「安全・健康 最優先」の考えの下、従業員全員参加で安全と健康の確保に取り組むとともに、快適な職場環境の形成を促進しながら、業務遂行の円滑化を図り生産性の向上にもつなげています。
ヤマハ発動機においては、従来から推進してきた労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を再構築し、2023年に国際規格であるISO45001を導入、認証を取得しています。マネジメントシステム運用の中軸である、職場におけるリスクアセスメント(危険性や有害性を特定・評価)の実施、その結果に基づく計画的な労働安全衛生リスクの除去・低減に取り組み、労働災害の未然防止を図っています。また、全従業員の安全意識向上のため、法規制上の教育・講習はもちろん、リスクアセスメントや実践的な危険予知トレーニング等、各種教育・研修の充実にも取り組んでいます。
なお、2023年5月、当社浜北工場(浜松市浜名区)にてエンジン部品加工作業に従事していた社員1名が死亡する労働災害事故が発生しました。このような重大な労働災害を二度と発生させないため、労働安全衛生マネジメントシステムの運営強化に加え、設備機械の安全対策、「安全の日」設定による安全意識の高揚など、再発防止に取り組み続けます。
ヤマハ発動機グループ全体の労働安全衛生水準の向上に向けては、労働災害発生リスクが相対的に高いと考えられる製造拠点を中心に、ISO45001を基軸とした労働安全衛生マネジメントシステムの整備を進めるとともに、継続的な改善に取り組んでいます。2025年にはヤマハ発動機とグループ会社の認証を一つの枠組みで運用するISO45001統一認証(グローバル認証)をスタートさせました。今後も製造拠点における労働安全衛生マネジメントシステムの整備を進めるとともに、統一認証の枠組みを拡大することで、グループ全体の労働安全衛生水準のさらなる向上及びガバナンス強化を図っていきます。
一方、健康に関しても、会社の発展に欠かせない重要な経営課題ととらえ、会社・社員が一体となって健康の保持・増進に取り組んでいます。
具体的には、ヤマハ発動機では健康診断受診率100%の達成、メタボリックシンドローム(該当者+予備群)・喫煙率・メンタル不調による休職者の低減を重点課題とし、各種施策を推進しています。メタボリックシンドローム低減に向けては、若年層を含むリスクを抱えた社員に対する看護職・管理栄養士による継続的な保健指導の実施、専門医の治療に早期につなぐための受診勧奨となる「イエローペーパー制度」の運用等を行っています。また、喫煙率低減に関しては従来の禁煙支援に加え、2024年1月よりヤマハ発動機敷地内・就業時間中の全面禁煙化を開始し、国内グループ会社にも順次展開しています。
社員のメンタル不調を未然に防止するため、ストレスチェック実施後には高ストレス者の希望者全員に産業医や看護職等によるフォロー面談を実施するとともに、集団分析結果を職場へフィードバックし職場環境改善につなげる他、セルフケア・ラインケア等のさまざまな教育・研修も実施しています。
フィジカル・メンタル双方の休職者に対しては、復職前に社内リワークプログラムを実施し、復職後も所属長・人事部門・産業医が連携して約1年ほどフォローすることで再発防止に努めています。
また、人事部門と健康推進部門が連携し、適正な労働時間管理の徹底を図りながら、過重労働対策とワークライフバランスの確保に取り組んでいます。女性特有の健康課題に対応するための専用相談窓口やセミナー等の整備など、さまざまな取組をきめ細かく展開しています。
これらの活動を通じ、ヤマハ発動機は健康経営を戦略的に取り組む法人を認定する「健康経営優良法人認定制度」において健康経営優良法人2026(大規模法人部門)・ホワイト500に認定されています。
コンプライアンスの遵守
ヤマハ発動機グループでは、グループ全体のコンプライアンス遵守の体制を構築する目的で、チーフ・リスク・コンプライアンス・オフィサー(CRCO)を2025年1月に任命し、CRCOが委員長となり指名する執行役員を委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」において、コンプライアンス遵守のための計画を審議し、その実行状況やコンプライアンス遵守の風土についてモニタリングを行います。また、その下部委員会として、CRCOが指名する主要各地域を統括するリスク・コンプライアンス・オフィサーを委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、本社各リスク主管部門長等による「リスク・コンプライアンス推進会議」を設置し、コンプライアンスについての方針や計画、モニタリングと対策などを専門的視点で審議することとしています。そしてこの結果は、グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会での審議事項としてCRCOよりESGリスクとともに取締役会に適宜報告するものとされており、実効性を担保した体制を整備しています。具体的な活動は「コンプライアンス管理規程」に従って展開し、CRCOとコンプライアンス統括部門がグループ全体の活動を管理します。
また、コンプライアンス風土を測定する手段の一つとして、グループ会社共通のコンプライアンス意識調査を毎年実施し、「倫理行動規範」の理解度や規範の実践度合い、レポーティングラインやホットラインの利用度、教育の有効性などコンプライアンス施策の有効性を確認しています。また、調査の結果や社会の潮流も踏まえ、「倫理行動規範ガイドブック」の毎年の更新と「倫理行動規範」の定期的な見直しを行っています。
この倫理行動規範では、日々の活動の中で遵守すべき行動基準をコンプライアンスの視点から表していますが、中でも人権は重要なものと位置付けており、職場で人権を侵害し得る、職場でのセクシュアルハラスメントや、職場における地位や人間関係などの優位性を背景にした相手の人格・尊厳の侵害など、あらゆる種類のハラスメントを一切禁止しています。そのために主にマネジメント層に対して「人権・ハラスメント」研修を毎年開催しています。もしハラスメントの報告を受けた際には当事者から詳細なヒアリングを行い事実確認した上で、懲戒を含めた適正な対応を行うとともに、再発防止に向けた取組を進めています。
関連法令、社内規則または倫理行動規範等に違反する行為に気付いた場合の通報先として「コンプライアンス・ホットライン」及び「グローバルホットライン」を設置し、国内外のグループ会社からの内部通報を受け付けるとともに、必要な調査・是正を実施しています。加えて、仕入先からの通報を対象にした「フェアビジネスホットライン」、社外ステークホルダー向けの「人権ホットライン」を設置し、課題の是正・救済に取り組んでいます。
ヤマハ発動機が受け付けたホットラインの件数
| 2023年 | 2024年 | 2025年 |
| 203件 | 247件 | 264件 |