有価証券報告書-第114期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 15:40
【資料】
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【項目】
151項目
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
a. 監査役監査の組織、人員及び手続
当社の監査役は、3名であり、当社の管理部門を歴任し営業及び総務に関して長年に亘って積み重ねられた豊富な業務経験と知見を有する玉谷昌明氏が常勤監査役として、また、法律事務所のパートナー弁護士として培われた豊富な法務経験と優れた専門的知見、社外役員としての多様な経験を有する田辺邦子氏に加えて、長年金融機関での財務及び国際業務等に精通し、他の事業会社の取締役・執行役としての知識と経験、会社経営全般を統治するための十分な見識を有する松田和雄氏がそれぞれ社外監査役として、当社の監査役監査を担っております。
各監査役は、常勤監査役が中心となって、監査役会において決議した監査役監査基準、監査方針・監査計画等に沿って取締役の職務執行を監査していますが、具体的には、取締役会その他重要会議への出席、取締役、使用人及び会計監査人等から受領した報告内容の検証、会社の業務及び財産の状況に関する調査等を行い、取締役又は使用人に対する助言又は勧告等の意見表明、取締役の行為の差し止めなど必要な措置を適時に講じるほか、代表取締役と定期的な会合を持ち、経営方針の確認と会社が対処すべき課題、会社を取り巻くリスク、監査役監査の環境の整備状況、監査における重要課題等について意見交換をしております。さらに、子会社の経営及び業務の監査を各監査役が連携し、グループ全体の経営状況の把握と視点を変えての監査を的確かつ効率的に実施しております。
また、かかる監査役監査を日常的に補助すべき部門として、取締役から独立した「監査役事務局」が設置され、専任のスタッフ(1名)が配置されています。当該スタッフは、監査役からの指揮命令に基づき職務を遂行することになっており、適切な調査・情報収集権限が付与されています。また、監査役会は、人事担当役員から当該スタッフの人事異動及び人事考課について事前に報告を受けるとともに、必要な場合は人事担当役員に変更を申し入れることができるよう「株式会社の業務の適正を確保するための体制」を整備しております。
b. 監査役及び監査役会の活動状況
・監査役会は、原則毎月1回、その他必要に応じて臨時に開催されており、当事業年度においてはインターネットを経由した手段も含め合計15回開催されました。各監査役の出席状況につきましては、監査役全員が15回すべてに出席しております。
・監査役会においては、監査報告の作成、常勤監査役の選定及び解職、監査の方針その他監査役の職務の執行に関する事項の決定を主な検討事項としています。また、会計監査人の選解任又は不再任に関する事項や、会計監査人の報酬等に対する同意等、監査役会にて決議すべき事項についても随時検討を行っています。さらに、監査役会は、原則として取締役会に先立って開催されているため、翌日又は当日引き続いて開催される取締役会の決議事項及び報告事項について、事前確認が必要と思われる事項について内容説明を求めることによって、取締役会において問題として指摘すべき事項や更に説明を求めるべき事項がないか検討を行っております。
これらに加えて、新たに2021年3月期決算に係る財務諸表の監査から、監査人の監査報告書にKAM(監査上の主要な検討事項)の記載が義務付けられたことから、監査役会は、会計監査人がKAMを選定するにあたり、会計監査人と意見交換を行いました。
・監査役全員は、合計15回開催された取締役会すべてに出席しております。また、各監査役は、取締役のセルフチェックリストや部門往査といった方法により業務執行取締役による職務の執行状況についても監査を実施しており、子会社については、国内の重要な子会社2社及び近年買収により子会社となった2社の取締役等と意思疎通及び情報の交換を図り、事業の状況報告を受けました。内部監査部門(監査センター)及び内部統制・コンプライアンス部門(コンプライアンスユニットに属するコンプライアンスセンター。以下同じ。)とも定期的(原則年4回開催しています。)に合同の情報交換会を実施しており、問題・課題の共有を図るとともに、監査役としての意見を都度表明しております。会計監査人に対しては独立の立場を保持し、かつ適正な会計監査を実施しているかを監視及び検証するとともに、会計監査人からは、その職務の執行状況について報告を受け、必要に応じ説明を求めるほか、四半期決算レビュー・監査の結果報告を受け、また、意見交換等によりKAMを含む主要課題等に関する認識の共有を図っております。
・また、2019年に英国の連結子会社である大同メタルヨーロッパLTD.において売掛金が滞留していた事実が判明したことを受け、当社は、大同メタルヨーロッパLTD.及び大同メタルヨーロッパGmbH等のモニタリング体制の強化を図っております。監査役会は、その進捗状況を定期的に確認しておりますが、社内調査委員会の再発防止策の提言に沿って、業務プロセス・管理体制・組織・人員体制の強化見直しが実施されており、また、滞留していた売掛金も当事業年度内で概ね回収に至ったことを確認しております。
監査役会としましては、引き続き、関係部門とも情報共有を図り、再発防止に努めてまいります。
・常勤監査役は、上記の活動のほか、取締役会以外の経営会議(合計43回)その他の重要な会議に出席し、必要に応じて意見を表明しております。また、重要な決裁書類等を閲覧し、主要な事業所の財産の状況を調査しました。
② 内部監査の状況
当社の内部監査部門である監査センター(3名)は、社長直轄の組織として、法令・社内規程・社内ルールや職務分掌に基づく業務遂行等に対する遵守状況、それに内部統制システムの整備・運用・改善状況等を検証する目的で内部監査(業務監査)を実施しております。内部監査は、海外関係会社を含む全部署を対象とし、リスクの重要度を考慮し、社長の承認を得た年度方針・監査計画に沿って実行されております。内部監査は海外関係会社を含む経営活動全般を対象に、具体的には業務監査、テーマ監査のほか、内部統制監査、不正発見監査等を行っております。監査センターは監査実施後速やかに監査報告書を作成し、会長・社長に提出して確認と承認を受けた後、被監査部門の責任者に交付し、指摘改善事項に対する回答の提出指示を行っております。その回答結果につきましては、監査センターより改善の実行状況を確認したうえで、会長・社長に報告しております。
監査の連携につきましては、監査役監査、内部監査及び監査公認会計士等による三様監査体制を確立しております。監査役は監査センターの内部監査計画や監査結果の報告を受けるとともに、監査センターチーフ(部門長)との会合を定期的に開催(原則4回/年)し、双方の監査報告の内容に基づき業務の執行状況を確認・検証し、監査の実効性を確保するため積極的に意見・情報交換を行っております。また、監査役は監査公認会計士等との会合も定期的に開催(年間6回前後)するほか、監査公認会計士等による実地棚卸にも立会うなど、年間を通じて監査公認会計士等と積極的に意見や情報の交換を行っております。監査センターは内部監査計画や監査実施結果を監査公認会計士等に報告するとともに、双方の監査結果の内容に基づき業務の執行状況を確認・検証し、監査の実効性を確保するため積極的に意見・情報交換を行っております。
この三様監査を通して互いに緊密な連携が生まれ、適正かつ効果的な監査に結びついております。
それに、監査役、監査センター及び監査公認会計士等は、財務の信頼性に係る内部統制システムを担当するコンプライアンスセンターとも定期的に、あるいは随時に会合を開催しており、内部統制に係る監査の実効性を確保するため積極的に意見・情報交換を行っております。

③ 会計監査の状況
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、指定有限責任社員・業務執行社員 奥田真樹、後藤泰彦の2名であり、有限責任監査法人トーマツに所属しております。
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士7名、その他20名であります。
有限責任監査法人トーマツによる継続監査期間は39年間であります。
(会計監査人の解任又は不再任の決定の方針)
当社の会計監査人の解任又は不再任の決定の方針は、以下のとおりであります。
a.会社法第340条第1項各号に定める場合のほか、会計監査人の監査能力、信用力、監査報酬、継続監査年数等を総合的に勘案し、会計監査人の解任又は不再任が必要と判断された場合、監査役会は会計監査人の解任又は不再任に関する議案を決定します。
b.会社法第340条第1項各号に定める場合が発生し、かつ、株主総会を開催して会計監査人を解任することが適当でない程の緊急性がある場合、監査役全員の同意に基づき、監査役会が会計監査人を解任します。この場合、監査役会が選定した監査役が、解任後最初に招集される株主総会において、解任の旨及びその理由を報告します。
c.監査役会は、会計監査人の解任又は不再任に際しては、できる限り早期に新たな会計監査人候補に関する情報収集及び審議を行うものとし、会社法第340条第1項、第4項に基づき会計監査人を解任した場合には解任後最初に招集される株主総会までに、会計監査人の解任又は不再任の議案が株主総会に提出される場合には当該株主総会までに、会社法第344条第1項、第3項に基づき、その監査能力、信用力、監査報酬等を総合的に勘案した上で、新たな会計監査人の選任に関する議案の内容を決定します。
(会計監査人の選定方針と理由)
監査役会は、監査役会で決定した「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」及び日本監査役協会公表の「会計監査人の評価基準策定に関する実務指針」の14項目を参考にした「評価基準」に基づき、経営執行部門からの意見聴取及び会計監査人からの報告聴取を行ったうえで、会計監査人の品質管理体制、監査チームの独立性、監査報酬等の水準及び監査役・経営者・監査センター・コンプライアンスセンターとのコミュニケーションの状況等を総合的に評価することによって、会計監査人を選定しております。
監査役会は、有限責任監査法人トーマツに関しては、その品質管理体制、監査チームの独立性等の評価項目いずれについても問題がなく、監査報酬の水準も合理的であることから、当社の会計監査人として選定することが適切であると判断しております。
(監査役及び監査役会による会計監査人の評価)
当社の監査役及び監査役会は、会計監査人に対して評価を行っております。会計監査人が監査品質を維持し適正に監査しているかを評価するために、(会計監査人の選定方針と理由)に記載のとおり、予め設定している「評価基準」に基づき総合的な評価を行っております。
当社の監査役及び監査役会は、有限責任監査法人トーマツについては、実効的な経営機関を設け、組織的な監督・評価機関が有効であること、職業倫理の遵守及び監査チームの独立性が維持され、監査報酬の水準が合理的であること、また監査役や経営者及び監査センター(内部監査部門)、コンプライアンスセンター(内部統制・コンプライアンス部門)とのコミュニケーションが円滑であること等から、監査品質を維持し適正に監査していることを確認し、評価しております。

④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
区 分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
提出会社60361
連結子会社2221
合計82382

(注)監査証明業務に基づく報酬には英文財務諸表に関する金額(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度2百万円)を含んでおります。
前連結会計年度において、当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は、収益認識に関する会計基準適用のためのアドバイザリー費用等であります。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト&トウシュLLP等)に対する報酬(a.を除く)
区 分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
提出会社17
連結子会社35134013
合計35154021

当社における非監査業務は移転価格分析や申請書提出にかかる支援費用等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務アドバイザリー業務等であります。
c. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
当社の連結子会社である大同メタルU.S.A.INC.は、PricewaterhouseCoopersに対して、監査報酬等を40百万円支払っております。(前連結会計年度の監査報酬等は、43百万円)
当社の連結子会社である大同インダストリアルベアリングヨーロッパLTD.は、PricewaterhouseCoopersに対して、監査報酬等を11百万円支払っております。(前連結会計年度の監査報酬等は、9百万円)
d.監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針としましては、監査公認会計士等の独立性に鑑み、監査日程、当社の規模・業務の特性等の要素を勘案して適切に決定しております。
e. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、当事業年度の報酬について、会計監査人から事前に説明を受けた監査計画、監査内容やそれに伴う報酬の見積の算定根拠等を確認し、また、前事業年度の見積と実績の差異の分析結果などを総合的に検討した結果、妥当と判断し、会社法第399条第1項の同意を行っております。