有価証券報告書-第98期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 13:10
【資料】
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【項目】
164項目

対処すべき課題

(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「環境との共生」、「品質優先」、「人間性尊重」を経営の基本理念とし、企業の発展を通じて社会に貢献するとともに、顧客の信頼に応え、職場の活性化を通じて株主の皆様の投資期待に応えるべく常に企業経営の強化をめざしております。
当社の経営理念は下記の3項目であります。
① 環境との共生のもと企業の発展を通じて社会に貢献する
② 品質優先に徹し、顧客の信頼に応える
③ 人間性を尊重し、夢と活力のある職場を創造する
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、「基盤強化」、「永続的発展」、「企業風土改革」を経営戦略の柱とし、その実現のため、2020年度を初年度とする5ヵ年のグローバル中期経営方針を策定いたしました。経営方針の具体的内容は次のとおりであります。
「基盤強化」・・・一歩ずつ着実に「安全」「安心」「安定」が実現できる企業づくりをする
① 総力をあげて職場環境の改善と改革を進めて、真の「安全第一」企業を実現する
② より品質改革に集中して、お客様の「安心と信頼」を誇りにする企業を目指す
③ 仕事の効率化と原価改善に努めて、「安定した成果と自信」のみなぎる企業にする
「永続的発展」・・・日鍛チャレンジ10の達成に向かう
① 総ての事業の付加価値アップを追求し、事業の競争力と将来性を伸ばす
② 新たな発想、新たな研究、新たなチームワークで、「新たな開発」を進める
③ NPMを改善と革新の武器にして「一歩先」の、「一段上」の仕事に進化させる
「企業風土改革」・・・日鍛チャレンジ80に相応しい企業文化を築いて行く
① たゆまぬ改良と開発、そして、豊かな緑化活動で、地域環境の保護に寄与する
② 法令と法規を守り、モラルとマナーを律して、秩序と健康みなぎる企業体質にする
③ 教育を強化して、個性と能力を伸ばし、認め合う研鑽土壌に変えて行く
※日鍛チャレンジ80:設立80周年に向け、「どのような変化にも、どのようなニーズにも対応出来る工場への変革」を目指す当社ビジョン
(3) 会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境、とりわけ当社グループがもっとも影響を受ける自動車業界、二輪車業界につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、生産活動の休停止や需要の急降下等が発生し、甚大な影響が生じております。当社グループでは、経営環境の変化に対応すべく3年を期間とする中期経営計画を毎年改定するローリング方式を採用しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大による需要の大幅な変動が生じている状況下、合理的な計画の策定が困難であることから、新中期経営計画の公表を延期させていただいております。新型コロナウイルス感染症の脅威により世界的に成長率低下が懸念され、また、収束の時期やその後の需要回復の見通しにつきましても予断が許されない状況でありますが、長期的には自動車業界、二輪車業界の市場拡大は続くものと思われます。特に、地球環境保護の観点からCO2排出規制強化の流れが加速を続け、今後、電気自動車やハイブリッド車をはじめとする電動車両の販売台数が大幅に拡大していくことが予測されます。また、従来のガソリン車も今後10年間はその販売規模を維持するものと考えられることから、エンジンが搭載されるハイブリッド車などの増加とあわせ、エンジンバルブをはじめとする当社製品が必要となる領域も今後10年間は拡大することが見込まれます。なお、当該領域においてもCO2排出規制強化への対応のため内燃機関の効率化に対するニーズが年々高まっていくものと考えられます。
当社グループは、このような経営環境を踏まえ、「基盤強化」、「永続的発展」、「企業風土改革」という経営理念のもと、今後10年間で目指す姿を描く中長期ビジョン"日鍛チャレンジ10"を策定しております。当社グループは、"日鍛チャレンジ10"において、連結売上高1000億円、連結営業利益100億円、営業利益率10%という数値目標を掲げており、既存事業領域の拡大と新規事業領域への挑戦を柱として、既存事業領域においては燃焼効率向上に資する製品開発を進め、また、新規事業領域においては電動車両に関わる新機構部品の開発に向けた取り組みを進めております。
今後、企業が存続、発展していくには、今まで以上に厳しく難しい課題が想定されますが、法令の遵守をはじめとしたコンプライアンスを徹底し、災害の未然防止に努め安全な職場づくりを行うとともに、CO2の削減やエコ要素を取り入れた開発による環境保全活動を推進し、企業の社会的責任を絶えず念頭におき、当社グループの業績の向上、永続的発展を目指した企業体質の強化、企業価値の向上に努めてまいります。