有価証券報告書-第76期(平成30年11月1日-令和1年10月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、英国のEU離脱の行方、金融資本市場の変動等による影響から、不透明な状況で推移いたしました。米国では、景気は回復が続いており、中国では通商問題、過剰債務問題を含む金融市場の動向等、英国のEU離脱の行方等によって世界経済の景気が下振れするリスクが懸念されます。日本経済においては、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、英国のEU離脱の行方等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要はあるものの、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。
自動車業界においては、日本国内の自動車生産台数は前年同期比3.1%増の993万台となりました。海外では、米国の自動車生産台数は前年同期比0.1%減の1,120万台、中国の自動車生産台数は前年同期比11.4%減の2,583万台となりました。
当連結会計年度の業績は、主に北米並びにインドを除くアジアで販売が堅調に推移した一方で、中国、欧州、日本、インドで販売が減少したことにより、売上高は2,400億2百万円(前年同期比112億4千8百万円減、4.5%減)となりました。営業利益は、主に、中国における自動車市場低迷による販売減少の影響、北米においては、米国における中国からの輸入品に関わる追加関税による大幅なコスト増、2019年に立ち上がる受注対応のため、前々年から実施している建屋拡張を含む大規模な生産能力増強に係る減価償却費、人件費並びにその他製造経費の増加の影響、アジアにおいては、主にインドにおける自動車市場の低迷による販売減少及びインド子会社の新工場での減価償却費、人件費並びにその他製造経費の増加の影響等により前年同期比で大幅に減少し、67億8千9百万円(前年同期比30億1千1百万円減、30.7%減)となりました。経常利益は、主に受取利息5億8千8百万円、受取配当金5億8千6百万円並びに助成金収入4億3千5百万円による収益を計上した一方で、為替差損10億5千4百万円が発生した影響等により、82億9千5百万円(前年同期比35億4千6百万円減、29.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、ロシア、イギリス並びにブラジル子会社で有形固定資産及びのれんに関連する減損損失6億8千1百万円を計上したことと、米国子会社で製品保証引当金繰入額4億3千5百万円を計上したことによる影響により、34億9千5百万円(前年同期比20億2千9百万円減、36.7%減)となりました。
設備投資は、米国子会社での工場拡張及び生産設備増強、チェコの新設子会社の工場建設を中心に、総額102億8千6百万円を実施いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
ア.日本
日本においては、一部既存製品の生産終了の影響により、売上高は579億5千9百万円(前年同期比37億9千万円減、6.1%減)となりました。営業利益は、売上減少による影響で、46億1千5百万円(前年同期比13億1千7百万円減、22.2%減)となりました。
イ.北米
北米においては、顧客への販売が堅調に推移し、特に韓国系自動車メーカー向けの販売が前期比で回復したことにより、売上高は845億9千3百万円(前年同期比18億5千1百万円増、2.2%増)となりました。営業利益は、中国からの輸入に係る追加関税のコスト増と、生産能力増強に伴う工場拡張と新規設備の償却費増加の影響もあり、32億4千7百万円(前年同期比4千5百万円減、1.4%減)となりました。
ウ.中国
中国においては、主に米国との通商問題の影響で国内販売が低迷したことにより、売上高は379億1千5百万円(前年同期比80億3千3百万円減、17.5%減)となりました。営業利益は、中国の国内販売低迷に伴う操業度の低下による影響で、16億1千万円(前年同期比9億8千4百万円減、37.9%減)となりました。
エ.アジア
アジアにおいては、主に韓国系自動車メーカー向けの販売が回復したことにより、売上高は589億1千5百万円(前年同期比9億8千万円増、1.7%増)となりました。営業利益は、インドにおいて主に自動車市場の低迷に伴う業績の伸び悩みの影響があったものの、インドネシア・韓国をはじめとするその他子会社での業績が堅調に推移したこともあり、21億3百万円(前年同期比1億9千4百万円増、10.2%増)となりました。
オ.欧州
欧州においては、主にイタリア子会社の販売が伸び悩んだ影響により、売上高は191億6千3百万円(前年同期比31億8千4百万円減、14.3%減)となりました。営業損益は、主にイタリア子会社の販売が伸び悩んだ影響及びチェコ新会社での開業費用の増加により、16億4千5百万円の営業損失(前年同期は13億4千4百万円の営業損失)となりました。
カ.南米
南米においては、売上高は、新規受注した製品の立ち上げによる増加もあり、6億6千4百万円(前年同期比3億8千1百万円増、135.0%増)となりました。営業損益は、立ち上げにかかる先行コストや設備の減価償却費の発生による影響もあり、4億8千2百万円の営業損失(前年同期は2億5千7百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が130億9千3百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が108億8千2百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が31億4千万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額△29億6百万円及び連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額1億2百万円を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ37億3千3百万円減少し、402億2千1百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ7億8千2百万円(同5.6%)減少し、130億9千3百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益71億4千万円に加え、減価償却費76億5百万円による増加、法人税等の支払額21億5百万円による減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ26億4千1百万円(同19.5%)減少し、108億8千2百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入15億5千7百万円に加え、有形固定資産の取得による支出95億5千9百万円及び投資有価証券の取得による支出18億3千9百万円による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ4千万円(同1.3%)減少し、31億4千万円となりました。これは主に、配当金の支払額20億1千6百万円の支出等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として自動車部品業界で活動し、取引先である自動車業界、大手の自動車メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造・販売を行っております。大手自動車メーカーより約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、その発注量の確定指示は、平均すると1ヶ月であります。また、グループでの生産効率を高めるため、長期受注予測に基づき一部見込み生産を行っております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ア.貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
イ.繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ウ.固定資産の減損
当社グループは管理会計上の単位を資産グループの基礎とし、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングして、将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。
エ.退職給付に係る負債
退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等の多くの見積りが存在します。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、法改正や採用する退職給付制度の変更がある場合、過年度における数理差異の累計は、将来の退職給付に係る負債残高や退職給付に係る調整累計額、退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
オ.製品保証引当金
当社グループは製品に係るクレーム費用の支出に備えるため、クレーム費用の発生可能性を勘案し、将来支出見込額を製品保証引当金として計上しております。支出するクレーム費用は見込と異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
資産
当連結会計年度末における流動資産は1,180億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ95億7千1百万円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が54億7千5百万円、現金及び預金が43億4千7百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は1,249億4千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億8千8百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が61億9千6百万円増加し、のれんが14億2千2百万円、無形資産のその他が9億2千1百万円、有形固定資産が6億8百万円、長期貸付金が2億6千1百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,430億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億8千8百万円減少いたしました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は465億2千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ77億4千4百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が56億8千6百万円、流動負債のその他が11億1千2百万円、短期借入金が8億8千9百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は186億4千万円となり、前連結会計年度末に比べ17億4千2百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債(長期)が15億9千9百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、651億6千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億2百万円減少いたしました。
純資産
当連結会計年度末における純資産合計は1,778億3千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億8千6百万円減少いたしました。これは主に為替換算調整勘定が60億4千2百万円減少し、その他有価証券評価差額金が35億6千万円、利益剰余金が17億1百万円それぞれ増加したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
イ.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度に比べ4.5%減少の2,400億2百万円、経常利益が29.9%減少の82億9千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が36.7%減少の34億9千5百万円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
売上高
当連結会計年度の売上高は2,400億2百万円でありますが、これを事業の部門別に見ますと、コントロールケーブルは主に北米・南米地域で増加した一方で、中国・欧州地域での販売が減少したことから、前連結会計年度に比べ6.0%減少の804億8千万円となりました。ウインドレギュレータの販売は、南米地域で増加した一方で、主に中国・北米地域で減少したことにより9.6%減少の674億1千7百万円となり、ドアモジュールは中国・欧州地域で減少した一方で、北米・アジア地域で増加したことにより5.2%増加の694億3千1百万円となりました。その他部門は、主に北米・アジア・南米地域で増加した一方で、中国・日本・欧州地域での減少により9.5%減少の226億7千3百万円となりました。
営業損益
当連結会計年度の営業利益は、主に原材料コストの上昇、生産能力増強に伴う設備償却費の増加等の影響により、前連結会計年度(98億円)に比べ30.7%減少の67億8千9百万円となりました。
営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、主として助成金収入4億3千5百万円発生した一方で、前連結会計年度で1億1千万円の為替差益が発生したのに対して、当連結会計年度では10億5千4百万円の為替差損となったことにより、前連結会計年度(20億4千1百万円の利益(純額))に比べ減少し15億6百万円の利益(純額)となりました。
特別損益
当連結会計年度の特別損益は、減損損失6億8千1百万円並びに退職特別加算金2億4百万円の損失が発生した一方で、製品保証引当金繰入額において前連結会計年度で19億8千8百万円の損失に対して、当連結会計年度では4億3千5百万円の損失となり、前連結会計年度(24億8千7百万円の損失(純額))に比べ減少し11億5千5百万円の損失(純額)となりました。
ウ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、社業の健全性を示す「自己資本」並びに「営業利益」、株主の皆様にとっての収益性を示す「ROE(株主資本利益率)」と配当の原資となる「親会社株主に帰属する当期純利益」を定めております。
当連結会計年度においては、「ROE(株主資本利益率)」は、前年同期比1.3ポイント減少し、2.1%となりました。主な変動の要因は売上高当期純利益率の減少によるものであります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
その他の指標等についての分析・検討内容は、「自己資本」については前項「ア.財政状態の分析 純資産」に記載の通りであり、「営業利益」並びに「親会社株主に帰属する当期純利益」については、前項「イ.経営成績の分析」に記載の通りであります。
エ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は402億2千1百万円となっており、前連結会計年度と比較して37億3千3百万円減少しております。これは主に「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源と資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金について、主に自己資金を充当しております。資金については、当社においては金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、また一部の海外子会社については、資金需要への機動的な対応を目的とし、当社による債務保証を実施した上で、金融機関からの借入を行っております。これらの方策により、必要とされる資金水準を満たす十分な流動性を保持していると考えております。
資金の需要
今後の重要な資本的支出の予定は、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設」に記載のとおりですが、その資金の調達に関しましても、主として自己資金を充当する予定であります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、英国のEU離脱の行方、金融資本市場の変動等による影響から、不透明な状況で推移いたしました。米国では、景気は回復が続いており、中国では通商問題、過剰債務問題を含む金融市場の動向等、英国のEU離脱の行方等によって世界経済の景気が下振れするリスクが懸念されます。日本経済においては、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、英国のEU離脱の行方等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要はあるものの、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。
自動車業界においては、日本国内の自動車生産台数は前年同期比3.1%増の993万台となりました。海外では、米国の自動車生産台数は前年同期比0.1%減の1,120万台、中国の自動車生産台数は前年同期比11.4%減の2,583万台となりました。
当連結会計年度の業績は、主に北米並びにインドを除くアジアで販売が堅調に推移した一方で、中国、欧州、日本、インドで販売が減少したことにより、売上高は2,400億2百万円(前年同期比112億4千8百万円減、4.5%減)となりました。営業利益は、主に、中国における自動車市場低迷による販売減少の影響、北米においては、米国における中国からの輸入品に関わる追加関税による大幅なコスト増、2019年に立ち上がる受注対応のため、前々年から実施している建屋拡張を含む大規模な生産能力増強に係る減価償却費、人件費並びにその他製造経費の増加の影響、アジアにおいては、主にインドにおける自動車市場の低迷による販売減少及びインド子会社の新工場での減価償却費、人件費並びにその他製造経費の増加の影響等により前年同期比で大幅に減少し、67億8千9百万円(前年同期比30億1千1百万円減、30.7%減)となりました。経常利益は、主に受取利息5億8千8百万円、受取配当金5億8千6百万円並びに助成金収入4億3千5百万円による収益を計上した一方で、為替差損10億5千4百万円が発生した影響等により、82億9千5百万円(前年同期比35億4千6百万円減、29.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、ロシア、イギリス並びにブラジル子会社で有形固定資産及びのれんに関連する減損損失6億8千1百万円を計上したことと、米国子会社で製品保証引当金繰入額4億3千5百万円を計上したことによる影響により、34億9千5百万円(前年同期比20億2千9百万円減、36.7%減)となりました。
設備投資は、米国子会社での工場拡張及び生産設備増強、チェコの新設子会社の工場建設を中心に、総額102億8千6百万円を実施いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
ア.日本
日本においては、一部既存製品の生産終了の影響により、売上高は579億5千9百万円(前年同期比37億9千万円減、6.1%減)となりました。営業利益は、売上減少による影響で、46億1千5百万円(前年同期比13億1千7百万円減、22.2%減)となりました。
イ.北米
北米においては、顧客への販売が堅調に推移し、特に韓国系自動車メーカー向けの販売が前期比で回復したことにより、売上高は845億9千3百万円(前年同期比18億5千1百万円増、2.2%増)となりました。営業利益は、中国からの輸入に係る追加関税のコスト増と、生産能力増強に伴う工場拡張と新規設備の償却費増加の影響もあり、32億4千7百万円(前年同期比4千5百万円減、1.4%減)となりました。
ウ.中国
中国においては、主に米国との通商問題の影響で国内販売が低迷したことにより、売上高は379億1千5百万円(前年同期比80億3千3百万円減、17.5%減)となりました。営業利益は、中国の国内販売低迷に伴う操業度の低下による影響で、16億1千万円(前年同期比9億8千4百万円減、37.9%減)となりました。
エ.アジア
アジアにおいては、主に韓国系自動車メーカー向けの販売が回復したことにより、売上高は589億1千5百万円(前年同期比9億8千万円増、1.7%増)となりました。営業利益は、インドにおいて主に自動車市場の低迷に伴う業績の伸び悩みの影響があったものの、インドネシア・韓国をはじめとするその他子会社での業績が堅調に推移したこともあり、21億3百万円(前年同期比1億9千4百万円増、10.2%増)となりました。
オ.欧州
欧州においては、主にイタリア子会社の販売が伸び悩んだ影響により、売上高は191億6千3百万円(前年同期比31億8千4百万円減、14.3%減)となりました。営業損益は、主にイタリア子会社の販売が伸び悩んだ影響及びチェコ新会社での開業費用の増加により、16億4千5百万円の営業損失(前年同期は13億4千4百万円の営業損失)となりました。
カ.南米
南米においては、売上高は、新規受注した製品の立ち上げによる増加もあり、6億6千4百万円(前年同期比3億8千1百万円増、135.0%増)となりました。営業損益は、立ち上げにかかる先行コストや設備の減価償却費の発生による影響もあり、4億8千2百万円の営業損失(前年同期は2億5千7百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が130億9千3百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が108億8千2百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が31億4千万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額△29億6百万円及び連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額1億2百万円を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ37億3千3百万円減少し、402億2千1百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ7億8千2百万円(同5.6%)減少し、130億9千3百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益71億4千万円に加え、減価償却費76億5百万円による増加、法人税等の支払額21億5百万円による減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ26億4千1百万円(同19.5%)減少し、108億8千2百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入15億5千7百万円に加え、有形固定資産の取得による支出95億5千9百万円及び投資有価証券の取得による支出18億3千9百万円による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ4千万円(同1.3%)減少し、31億4千万円となりました。これは主に、配当金の支払額20億1千6百万円の支出等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 50,140 | 93.5 |
| 北米 (百万円) | 75,174 | 102.6 |
| 中国 (百万円) | 33,194 | 81.3 |
| アジア(百万円) | 55,179 | 102.0 |
| 欧州 (百万円) | 18,180 | 83.6 |
| 南米 (百万円) | 647 | 447.7 |
| 合計(百万円) | 232,517 | 95.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として自動車部品業界で活動し、取引先である自動車業界、大手の自動車メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造・販売を行っております。大手自動車メーカーより約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、その発注量の確定指示は、平均すると1ヶ月であります。また、グループでの生産効率を高めるため、長期受注予測に基づき一部見込み生産を行っております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 51,631 | 92.2 | 4,105 | 101.9 |
| 北米 | 84,284 | 101.7 | 4,822 | 97.9 |
| 中国 | 32,078 | 80.7 | 4,785 | 89.8 |
| アジア | 52,289 | 101.4 | 2,561 | 109.4 |
| 欧州 | 18,601 | 82.9 | 1,127 | 91.9 |
| 南米 | 757 | 249.8 | 131 | 342.9 |
| 合計 | 239,643 | 94.8 | 17,533 | 98.0 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 51,554 | 92.9 |
| 北米 (百万円) | 84,388 | 102.4 |
| 中国 (百万円) | 32,623 | 82.2 |
| アジア(百万円) | 52,070 | 101.4 |
| 欧州 (百万円) | 18,700 | 84.6 |
| 南米 (百万円) | 664 | 235.0 |
| 合計(百万円) | 240,002 | 95.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年11月1日 至 2018年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 本田技研工業株式会社 | 32,678 | 13.0 | 30,423 | 12.7 |
| FIAT CHRYSLER AUTOMOBILES US LLC | 25,413 | 10.1 | 28,226 | 11.8 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ア.貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
イ.繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ウ.固定資産の減損
当社グループは管理会計上の単位を資産グループの基礎とし、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングして、将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。
エ.退職給付に係る負債
退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等の多くの見積りが存在します。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、法改正や採用する退職給付制度の変更がある場合、過年度における数理差異の累計は、将来の退職給付に係る負債残高や退職給付に係る調整累計額、退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
オ.製品保証引当金
当社グループは製品に係るクレーム費用の支出に備えるため、クレーム費用の発生可能性を勘案し、将来支出見込額を製品保証引当金として計上しております。支出するクレーム費用は見込と異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
資産
当連結会計年度末における流動資産は1,180億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ95億7千1百万円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が54億7千5百万円、現金及び預金が43億4千7百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は1,249億4千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億8千8百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が61億9千6百万円増加し、のれんが14億2千2百万円、無形資産のその他が9億2千1百万円、有形固定資産が6億8百万円、長期貸付金が2億6千1百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,430億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億8千8百万円減少いたしました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は465億2千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ77億4千4百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が56億8千6百万円、流動負債のその他が11億1千2百万円、短期借入金が8億8千9百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は186億4千万円となり、前連結会計年度末に比べ17億4千2百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債(長期)が15億9千9百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、651億6千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億2百万円減少いたしました。
純資産
当連結会計年度末における純資産合計は1,778億3千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億8千6百万円減少いたしました。これは主に為替換算調整勘定が60億4千2百万円減少し、その他有価証券評価差額金が35億6千万円、利益剰余金が17億1百万円それぞれ増加したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
イ.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度に比べ4.5%減少の2,400億2百万円、経常利益が29.9%減少の82億9千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が36.7%減少の34億9千5百万円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
売上高
当連結会計年度の売上高は2,400億2百万円でありますが、これを事業の部門別に見ますと、コントロールケーブルは主に北米・南米地域で増加した一方で、中国・欧州地域での販売が減少したことから、前連結会計年度に比べ6.0%減少の804億8千万円となりました。ウインドレギュレータの販売は、南米地域で増加した一方で、主に中国・北米地域で減少したことにより9.6%減少の674億1千7百万円となり、ドアモジュールは中国・欧州地域で減少した一方で、北米・アジア地域で増加したことにより5.2%増加の694億3千1百万円となりました。その他部門は、主に北米・アジア・南米地域で増加した一方で、中国・日本・欧州地域での減少により9.5%減少の226億7千3百万円となりました。
営業損益
当連結会計年度の営業利益は、主に原材料コストの上昇、生産能力増強に伴う設備償却費の増加等の影響により、前連結会計年度(98億円)に比べ30.7%減少の67億8千9百万円となりました。
営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、主として助成金収入4億3千5百万円発生した一方で、前連結会計年度で1億1千万円の為替差益が発生したのに対して、当連結会計年度では10億5千4百万円の為替差損となったことにより、前連結会計年度(20億4千1百万円の利益(純額))に比べ減少し15億6百万円の利益(純額)となりました。
特別損益
当連結会計年度の特別損益は、減損損失6億8千1百万円並びに退職特別加算金2億4百万円の損失が発生した一方で、製品保証引当金繰入額において前連結会計年度で19億8千8百万円の損失に対して、当連結会計年度では4億3千5百万円の損失となり、前連結会計年度(24億8千7百万円の損失(純額))に比べ減少し11億5千5百万円の損失(純額)となりました。
ウ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、社業の健全性を示す「自己資本」並びに「営業利益」、株主の皆様にとっての収益性を示す「ROE(株主資本利益率)」と配当の原資となる「親会社株主に帰属する当期純利益」を定めております。
当連結会計年度においては、「ROE(株主資本利益率)」は、前年同期比1.3ポイント減少し、2.1%となりました。主な変動の要因は売上高当期純利益率の減少によるものであります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
その他の指標等についての分析・検討内容は、「自己資本」については前項「ア.財政状態の分析 純資産」に記載の通りであり、「営業利益」並びに「親会社株主に帰属する当期純利益」については、前項「イ.経営成績の分析」に記載の通りであります。
エ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は402億2千1百万円となっており、前連結会計年度と比較して37億3千3百万円減少しております。これは主に「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源と資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金について、主に自己資金を充当しております。資金については、当社においては金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、また一部の海外子会社については、資金需要への機動的な対応を目的とし、当社による債務保証を実施した上で、金融機関からの借入を行っております。これらの方策により、必要とされる資金水準を満たす十分な流動性を保持していると考えております。
資金の需要
今後の重要な資本的支出の予定は、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設」に記載のとおりですが、その資金の調達に関しましても、主として自己資金を充当する予定であります。