有価証券報告書-第81期(2023/11/01-2024/10/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では消費の落ち込みと景気の下振れリスクが懸念される中で経済は底堅く推移しております。欧州では堅調な雇用や物価上昇の鈍化にともない消費の回復が期待されております。一方、中国では不動産不況や消費の鈍化による景気の不透明感が増大し、アジア経済への影響も懸念されております。さらにウクライナ紛争とパレスチナでの軍事衝突の長期化により、各地域では依然として不透明な状況が続いており、世界経済の不確実性は増加しております。また、日本国内においては自動車生産の停滞による景気の踊り場を経て緩やかな回復へと推移しております。
自動車業界におきましては、日本国内の自動車生産台数は前年同期比2.9%減の836万台、米国の自動車生産台数は前年同期比1.4%増の1,084万台、中国の自動車生産台数は前年同期比7.4%増の3,052万台となりました。
当連結会計年度の経営成績は、主に北米・欧州において主要顧客の減産による影響、アジアでは主にインドネシア、ベトナムでの自動車市場低迷の影響により、販売が伸び悩む一方で、中国においては新規車種の生産開始が増加したこと等の影響により販売が前年比で伸長し、全体では円安による邦貨換算額の増加影響もあり、売上高は3,083億8千2百万円(前年同期比97億5千8百万円増、3.3%増)となりました。
営業利益については、原価低減、生産性向上並びに経費削減等の合理化による収益の確保や、各グループ会社での販売価格改定を始めとした利益改善の取り組みを進めたことで、中国、欧州、日本の各地域では営業利益は増加したものの、北米地域での売上の伸び悩みと労務費の増加、アジア地域における主にインドネシア、ベトナムでの売上減少による影響もあり、3億6千5百万円(前年同期比26億1千5百万円減、87.8%減)となりました。
経常利益は、主に受取配当金10億4千万円、受取利息9億1千7百万円、助成金収入5億1千5百万円並びに持分法による投資利益1億1千万円等を収益に計上したものの、支払利息4億5千2百万円、為替差損3億6千1百万円等を費用に計上したことにより、27億2千7百万円の経常利益(前年同期比26億円減、48.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、主に政策保有株式の売却により投資有価証券売却益48億9千1百万円、主に米国子会社での建物売却により固定資産売却益8億5千万円を特別利益に計上する一方で、特別損失で減損損失19億4千5百万円、貸倒引当金繰入額4億6千1百万円、インド子会社を中心に退職特別加算金1億3千8百万円を計上した影響等により、19億7千3百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期は29億9千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
設備投資は、当社の設備増強、韓国・中国子会社の生産設備増強を中心に、総額118億6千2百万円を実施いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ア.日本
日本におきましては、殆どの顧客向け販売は前年と同水準で推移したものの、一部顧客の生産停止に伴う販売減少による影響もあり、売上高は561億4千6百万円(前年同期比3億3千3百万円減、0.6%減)となりました。営業利益は、原価低減と生産性向上、経費削減等の合理化による収益の確保に取り組んだ影響により、15億8千5百万円(前年同期比5千2百万円増、3.4%増)となりました。
イ.北米
北米におきましては、主要顧客の減産により販売が伸び悩む一方で、円安による邦貨換算額の増加影響とメキシコ子会社の操業開始により、売上高は1,046億2千6百万円(前年同期比18億7千6百万円増、1.8%増)となりました。営業損益は、原価低減と生産性改善、価格戦略の見直し等に取り組んだものの、操業度の低下による影響と、増加した労務費及び経費の回収が不足し、38億5千2百万円の営業損失(前年同期は8億6千5百万円の営業利益)となりました。
ウ.中国
中国におきましては、円安による為替影響はあったものの、顧客の増産並びに新規車種向け製品の生産立ち上げが増加した等の影響により、売上高は510億2千3百万円(前年同期比40億4千2百万円増、8.6%増)となりました。営業利益は、売上増加に伴う操業度の増加影響及び原価低減等の影響により、10億1千1百万円(前年同期は7億9千5百万円の営業損失)となりました。
エ.アジア
アジアにおきましては、インドでは顧客への販売が堅調に推移した一方で、インドネシア、ベトナム、韓国を中心として販売が伸び悩みましたが、円安による為替影響等もあり、売上高は827億4千2百万円(前年同期比29億7千4百万円増、3.7%増)となりました。営業利益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、販売が減速した影響から、32億8百万円(前年同期比3億5百万円減、8.7%減)となりました。
オ.欧州
欧州におきましては、ハンガリー、イタリアでは主要顧客の生産減少の影響を受けた一方で、セルビア、チェコを中心に主要顧客の生産台数が伸びたこと、また円安による邦貨換算額の増加影響等もあり、売上高は290億5千9百万円(前年同期比7億7百万円増、2.5%増)となりました。営業利益は、売上増加に伴う操業度の増加影響及び原価低減等の影響により、4億4千9百万円(前年同期は4億6千1百万円の営業損失)となりました。
カ.南米
南米におきましては、新規量産立ち上げによる生産台数の増加及び円安による邦貨換算額の増加影響等により、売上高は27億7百万円(前年同期比5億8千5百万円増、27.6%増)となりました。営業損益は、生産拡大に伴う操業度上昇による改善効果があったものの、外貨建て購入部材における為替影響を含む材料コストの増加等により、6千4百万円の営業損失(前年同期は1億7千1百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が118億1千3百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの収入が4億4千5百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が45億2千2百万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額8億1千3百万円を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ69億2千1百万円増加し、484億7千6百万円(前年同期比16.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ51億円(同30.2%)減少し、118億1千3百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益57億7千9百万円による増加、減価償却費102億5千2百万円による増加、売上債権の減少38億2千6百万円による増加、減損損失19億4千5百万円による増加の一方で、投資有価証券売却益48億9千1百万円による減少、仕入債務の減少25億8千1百万円による減少及び受取利息及び受取配当金19億5千8百万円による減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、4億4千5百万円(前年同期は113億5千3百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出213億8千9百万円、有形固定資産の取得による支出101億3千6百万円の一方で、定期預金の払戻による収入255億4千9百万円、投資有価証券の売却による収入49億8千2百万円、投資有価証券の償還による収入15億8百万円及び有形固定資産の売却による収入13億7千1百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ2億6千4百万円(同6.2%)増加し、45億2千2百万円となりました。これは主に、子会社の自己株式の取得による支出15億7千2百万円、配当金の支払額13億8千9百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として自動車部品業界で活動し、取引先である自動車業界、大手の自動車メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造・販売を行っております。大手自動車メーカーより約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、その発注量の確定指示は、平均すると1ヶ月であります。また、グループでの生産効率を高めるため、長期受注予測に基づき一部見込み生産を行っております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
資産
当連結会計年度末における流動資産は1,466億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億1千1百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が38億6千4百万円増加した一方で、売掛金が31億8百万円、有価証券が26億5千5百万円、原材料及び貯蔵品が13億9千5百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は1,235億9千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億2千万円減少いたしました。これは主に投資有価証券が43億8千3百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,702億6千万円となり、前連結会計年度末に比べ107億3千3百万円減少いたしました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は696億8千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億3千9百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が33億1千万円、流動負債の「その他」が10億8千2百万円、短期借入金が5億1千6百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は159億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億9千8百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が1億1千9百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、856億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億4千1百万円減少いたしました。
純資産
当連結会計年度末における純資産合計は1,845億8千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億9千2百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が29億7百万円、為替換算調整勘定が21億1千3百万円減少したことによるものであります。
イ.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度に比べ3.3%増加の3,083億8千2百万円、経常利益が48.8%減少の27億2千7百万円、親会社株主に帰属する当期純損益は19億7千3百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期は29億9千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
売上高
当連結会計年度の売上高は3,083億8千2百万円でありますが、グループ全体の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。これを事業の部門別に見ますと、コントロールケーブルは日本・中国を中心に減少し、前連結会計年度に比べ0.8%減少の771億5千2百万円となりました。ウインドレギュレータの販売は、北米・欧州・アジア・中国・南米など総じて増加し、8.0%増加の868億7千8百万円となり、ドアモジュールはアジア・北米を中心に減少し、6.9%減少の1,067億5千1百万円となりました。パワーリフトゲートの販売は、日本・中国・アジア及び北米において増加し、114.6%増加の225億5千8百万円となり、その他部門はアジア・欧州地域で減少し、1.3%減少の150億4千1百万円となりました。
営業損益
当連結会計年度の営業損益は、原価低減と生産性改善、経費削減等の合理化による収益の確保に努めたものの、材料コスト及び調達コストの上昇、輸送コストの高止まり、生産能力増強に伴う設備償却費の増加等の影響等により、前連結会計年度に比べ87.8%減少の3億6千5百万円の営業利益となりました。
営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、主として受取配当金10億4千万円(前連結会計年度は7億1千1百万円の受取配当金)、受取利息9億1千7百万円(前連結会計年度は7億4千1百万円の受取利息)、持分法による投資利益1億1千万円(前連結会計年度は6億円の持分法による投資利益)となったことにより、前連結会計年度(23億4千6百万円の利益(純額))に比べ増加し23億6千2百万円の利益(純額)となりました。
特別損益
当連結会計年度の特別損益は、主として48億9千1百万円の投資有価証券売却益並びに8億5千万円の固定資産売却益が発生した一方で、前連結会計年度では45億8千2百万円の減損損失が発生したのに対して、当連結会計年度では19億4千5百万円の減損損失となり、前連結会計年度の65億3千3百万円の損失(純額)に比べ増加し30億5千1百万円の利益(純額)となりました。
ウ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、社業の健全性を示す「自己資本」並びに「営業利益」、株主の皆様にとっての収益性を示す「ROE(自己資本利益率)」と配当の原資となる「親会社株主に帰属する当期純利益」を定めております。
当連結会計年度において、「ROE(自己資本利益率)」は、1.1%となりました。前連結会計年度においては、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移(1)連結経営指標」に記載しておりません。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
その他の指標等についての分析・検討内容は、「自己資本」については前項「ア.財政状態の分析 純資産」に記載のとおりであり、「営業利益」並びに「親会社株主に帰属する当期純利益」については、前項「イ.経営成績の分析」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備投資資金は、主に自己資金を充当しております。資金については、当社においては金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、また一部の海外子会社については、資金需要への機動的な対応を目的とし、当社による債務保証を実施した上で、金融機関からの借入を行っております。これらの方策により、必要とされる資金水準を満たす十分な流動性を保持していると考えております。今後の重要な資本的支出の予定及びその資金の調達につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では消費の落ち込みと景気の下振れリスクが懸念される中で経済は底堅く推移しております。欧州では堅調な雇用や物価上昇の鈍化にともない消費の回復が期待されております。一方、中国では不動産不況や消費の鈍化による景気の不透明感が増大し、アジア経済への影響も懸念されております。さらにウクライナ紛争とパレスチナでの軍事衝突の長期化により、各地域では依然として不透明な状況が続いており、世界経済の不確実性は増加しております。また、日本国内においては自動車生産の停滞による景気の踊り場を経て緩やかな回復へと推移しております。
自動車業界におきましては、日本国内の自動車生産台数は前年同期比2.9%減の836万台、米国の自動車生産台数は前年同期比1.4%増の1,084万台、中国の自動車生産台数は前年同期比7.4%増の3,052万台となりました。
当連結会計年度の経営成績は、主に北米・欧州において主要顧客の減産による影響、アジアでは主にインドネシア、ベトナムでの自動車市場低迷の影響により、販売が伸び悩む一方で、中国においては新規車種の生産開始が増加したこと等の影響により販売が前年比で伸長し、全体では円安による邦貨換算額の増加影響もあり、売上高は3,083億8千2百万円(前年同期比97億5千8百万円増、3.3%増)となりました。
営業利益については、原価低減、生産性向上並びに経費削減等の合理化による収益の確保や、各グループ会社での販売価格改定を始めとした利益改善の取り組みを進めたことで、中国、欧州、日本の各地域では営業利益は増加したものの、北米地域での売上の伸び悩みと労務費の増加、アジア地域における主にインドネシア、ベトナムでの売上減少による影響もあり、3億6千5百万円(前年同期比26億1千5百万円減、87.8%減)となりました。
経常利益は、主に受取配当金10億4千万円、受取利息9億1千7百万円、助成金収入5億1千5百万円並びに持分法による投資利益1億1千万円等を収益に計上したものの、支払利息4億5千2百万円、為替差損3億6千1百万円等を費用に計上したことにより、27億2千7百万円の経常利益(前年同期比26億円減、48.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、主に政策保有株式の売却により投資有価証券売却益48億9千1百万円、主に米国子会社での建物売却により固定資産売却益8億5千万円を特別利益に計上する一方で、特別損失で減損損失19億4千5百万円、貸倒引当金繰入額4億6千1百万円、インド子会社を中心に退職特別加算金1億3千8百万円を計上した影響等により、19億7千3百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期は29億9千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
設備投資は、当社の設備増強、韓国・中国子会社の生産設備増強を中心に、総額118億6千2百万円を実施いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ア.日本
日本におきましては、殆どの顧客向け販売は前年と同水準で推移したものの、一部顧客の生産停止に伴う販売減少による影響もあり、売上高は561億4千6百万円(前年同期比3億3千3百万円減、0.6%減)となりました。営業利益は、原価低減と生産性向上、経費削減等の合理化による収益の確保に取り組んだ影響により、15億8千5百万円(前年同期比5千2百万円増、3.4%増)となりました。
イ.北米
北米におきましては、主要顧客の減産により販売が伸び悩む一方で、円安による邦貨換算額の増加影響とメキシコ子会社の操業開始により、売上高は1,046億2千6百万円(前年同期比18億7千6百万円増、1.8%増)となりました。営業損益は、原価低減と生産性改善、価格戦略の見直し等に取り組んだものの、操業度の低下による影響と、増加した労務費及び経費の回収が不足し、38億5千2百万円の営業損失(前年同期は8億6千5百万円の営業利益)となりました。
ウ.中国
中国におきましては、円安による為替影響はあったものの、顧客の増産並びに新規車種向け製品の生産立ち上げが増加した等の影響により、売上高は510億2千3百万円(前年同期比40億4千2百万円増、8.6%増)となりました。営業利益は、売上増加に伴う操業度の増加影響及び原価低減等の影響により、10億1千1百万円(前年同期は7億9千5百万円の営業損失)となりました。
エ.アジア
アジアにおきましては、インドでは顧客への販売が堅調に推移した一方で、インドネシア、ベトナム、韓国を中心として販売が伸び悩みましたが、円安による為替影響等もあり、売上高は827億4千2百万円(前年同期比29億7千4百万円増、3.7%増)となりました。営業利益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、販売が減速した影響から、32億8百万円(前年同期比3億5百万円減、8.7%減)となりました。
オ.欧州
欧州におきましては、ハンガリー、イタリアでは主要顧客の生産減少の影響を受けた一方で、セルビア、チェコを中心に主要顧客の生産台数が伸びたこと、また円安による邦貨換算額の増加影響等もあり、売上高は290億5千9百万円(前年同期比7億7百万円増、2.5%増)となりました。営業利益は、売上増加に伴う操業度の増加影響及び原価低減等の影響により、4億4千9百万円(前年同期は4億6千1百万円の営業損失)となりました。
カ.南米
南米におきましては、新規量産立ち上げによる生産台数の増加及び円安による邦貨換算額の増加影響等により、売上高は27億7百万円(前年同期比5億8千5百万円増、27.6%増)となりました。営業損益は、生産拡大に伴う操業度上昇による改善効果があったものの、外貨建て購入部材における為替影響を含む材料コストの増加等により、6千4百万円の営業損失(前年同期は1億7千1百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が118億1千3百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの収入が4億4千5百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が45億2千2百万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額8億1千3百万円を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ69億2千1百万円増加し、484億7千6百万円(前年同期比16.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ51億円(同30.2%)減少し、118億1千3百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益57億7千9百万円による増加、減価償却費102億5千2百万円による増加、売上債権の減少38億2千6百万円による増加、減損損失19億4千5百万円による増加の一方で、投資有価証券売却益48億9千1百万円による減少、仕入債務の減少25億8千1百万円による減少及び受取利息及び受取配当金19億5千8百万円による減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、4億4千5百万円(前年同期は113億5千3百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出213億8千9百万円、有形固定資産の取得による支出101億3千6百万円の一方で、定期預金の払戻による収入255億4千9百万円、投資有価証券の売却による収入49億8千2百万円、投資有価証券の償還による収入15億8百万円及び有形固定資産の売却による収入13億7千1百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ2億6千4百万円(同6.2%)増加し、45億2千2百万円となりました。これは主に、子会社の自己株式の取得による支出15億7千2百万円、配当金の支払額13億8千9百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 50,241 | 100.2 |
| 北米 (百万円) | 94,168 | 99.5 |
| 中国 (百万円) | 47,854 | 109.4 |
| アジア(百万円) | 80,609 | 105.5 |
| 欧州 (百万円) | 28,401 | 103.0 |
| 南米 (百万円) | 2,208 | 125.4 |
| 合計(百万円) | 303,484 | 103.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として自動車部品業界で活動し、取引先である自動車業界、大手の自動車メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造・販売を行っております。大手自動車メーカーより約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、その発注量の確定指示は、平均すると1ヶ月であります。また、グループでの生産効率を高めるため、長期受注予測に基づき一部見込み生産を行っております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 51,127 | 101.3 | 5,044 | 109.6 |
| 北米 | 104,845 | 101.4 | 7,076 | 105.2 |
| 中国 | 47,495 | 108.9 | 7,837 | 100.0 |
| アジア | 74,407 | 104.0 | 4,477 | 108.5 |
| 欧州 | 28,812 | 102.3 | 1,548 | 92.2 |
| 南米 | 2,626 | 120.4 | 179 | 68.9 |
| 合計 | 309,315 | 103.3 | 26,163 | 103.7 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 50,684 | 99.9 |
| 北米 (百万円) | 104,496 | 101.8 |
| 中国 (百万円) | 47,494 | 108.7 |
| アジア(百万円) | 74,055 | 103.9 |
| 欧州 (百万円) | 28,944 | 102.7 |
| 南米 (百万円) | 2,707 | 127.6 |
| 合計(百万円) | 308,382 | 103.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 現代自動車株式会社 | 33,977 | 11.4 | 36,258 | 11.8 |
| Stellantis N.V. | 39,696 | 13.3 | 35,765 | 11.6 |
| 起亜株式会社 | 33,125 | 11.1 | 35,251 | 11.4 |
| トヨタ自動車株式会社 | 25,276 | 8.5 | 32,445 | 10.5 |
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
資産
当連結会計年度末における流動資産は1,466億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億1千1百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が38億6千4百万円増加した一方で、売掛金が31億8百万円、有価証券が26億5千5百万円、原材料及び貯蔵品が13億9千5百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は1,235億9千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億2千万円減少いたしました。これは主に投資有価証券が43億8千3百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,702億6千万円となり、前連結会計年度末に比べ107億3千3百万円減少いたしました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は696億8千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億3千9百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が33億1千万円、流動負債の「その他」が10億8千2百万円、短期借入金が5億1千6百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は159億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億9千8百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が1億1千9百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、856億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億4千1百万円減少いたしました。
純資産
当連結会計年度末における純資産合計は1,845億8千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億9千2百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が29億7百万円、為替換算調整勘定が21億1千3百万円減少したことによるものであります。
イ.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度に比べ3.3%増加の3,083億8千2百万円、経常利益が48.8%減少の27億2千7百万円、親会社株主に帰属する当期純損益は19億7千3百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期は29億9千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
売上高
当連結会計年度の売上高は3,083億8千2百万円でありますが、グループ全体の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。これを事業の部門別に見ますと、コントロールケーブルは日本・中国を中心に減少し、前連結会計年度に比べ0.8%減少の771億5千2百万円となりました。ウインドレギュレータの販売は、北米・欧州・アジア・中国・南米など総じて増加し、8.0%増加の868億7千8百万円となり、ドアモジュールはアジア・北米を中心に減少し、6.9%減少の1,067億5千1百万円となりました。パワーリフトゲートの販売は、日本・中国・アジア及び北米において増加し、114.6%増加の225億5千8百万円となり、その他部門はアジア・欧州地域で減少し、1.3%減少の150億4千1百万円となりました。
営業損益
当連結会計年度の営業損益は、原価低減と生産性改善、経費削減等の合理化による収益の確保に努めたものの、材料コスト及び調達コストの上昇、輸送コストの高止まり、生産能力増強に伴う設備償却費の増加等の影響等により、前連結会計年度に比べ87.8%減少の3億6千5百万円の営業利益となりました。
営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、主として受取配当金10億4千万円(前連結会計年度は7億1千1百万円の受取配当金)、受取利息9億1千7百万円(前連結会計年度は7億4千1百万円の受取利息)、持分法による投資利益1億1千万円(前連結会計年度は6億円の持分法による投資利益)となったことにより、前連結会計年度(23億4千6百万円の利益(純額))に比べ増加し23億6千2百万円の利益(純額)となりました。
特別損益
当連結会計年度の特別損益は、主として48億9千1百万円の投資有価証券売却益並びに8億5千万円の固定資産売却益が発生した一方で、前連結会計年度では45億8千2百万円の減損損失が発生したのに対して、当連結会計年度では19億4千5百万円の減損損失となり、前連結会計年度の65億3千3百万円の損失(純額)に比べ増加し30億5千1百万円の利益(純額)となりました。
ウ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、社業の健全性を示す「自己資本」並びに「営業利益」、株主の皆様にとっての収益性を示す「ROE(自己資本利益率)」と配当の原資となる「親会社株主に帰属する当期純利益」を定めております。
当連結会計年度において、「ROE(自己資本利益率)」は、1.1%となりました。前連結会計年度においては、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移(1)連結経営指標」に記載しておりません。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
その他の指標等についての分析・検討内容は、「自己資本」については前項「ア.財政状態の分析 純資産」に記載のとおりであり、「営業利益」並びに「親会社株主に帰属する当期純利益」については、前項「イ.経営成績の分析」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備投資資金は、主に自己資金を充当しております。資金については、当社においては金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、また一部の海外子会社については、資金需要への機動的な対応を目的とし、当社による債務保証を実施した上で、金融機関からの借入を行っております。これらの方策により、必要とされる資金水準を満たす十分な流動性を保持していると考えております。今後の重要な資本的支出の予定及びその資金の調達につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。