有価証券報告書-第13期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
(2) 財政状態の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a.事業全体の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて営業債権及びその他の債権、棚卸資産などが減少したことから、573億20百万円(前連結会計年度末比46億92百万円減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
営業債権およびその他の債権の減少は、主に連結会計年度末にかけての製品の販売状況が前期比で軟調だったことに起因しております。棚卸資産の減少は主に商品及び製品の減少によるもので、北米地域の金型がその主なものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末の非流動資産は、前連結会計年度末に比べて主に有形固定資産が減少したことから、1,015億5百万円(前連結会計年度末比50億47百万円減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
有形固定資産の取得が減価償却費及び償却費を下回ったことに加え、北米連結子会社の事業用資産に係る減損損失の計上により有形固定資産が減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて主に借入金が減少したことから888億62百万円(前連結会計年度末比116億54百万円減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
生産変動等に起因して営業債務が増加しましたが、後述のとおりフリー・キャッシュフローが145億49百万円のプラスとなったことから長期借入金の返済が進むとともに短期借入金が減少し借入金の総額は減少いたしました。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は、699億64百万円(前連結会計年度末比19億13百万円増)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
これは主に利益剰余金の増加によるものであり、親会社所有者帰属持分比率は39.7%(同3.8ポイントのプラス)となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
当社グループはIFRSに基づいて連結財務諸表を作成しており、セグメント情報に財政状態を記載しておりませんので、該当事項はございません。
(3) 経営成績の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a.事業全体の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、英国のEU離脱を巡る混乱や米中貿易摩擦などにより不安定な経済状況下にありました。米国では景気鈍化の懸念から政策金利の引き上げが休止され、欧州でもECB(欧州中央銀行)が金融緩和の縮小を延期しました。日本経済は、戦後最長の景気回復局面にあり雇用環境は引き続き改善していますが輸出などには弱さが見え始め、中国経済も昨秋以降に景気の減速が鮮明になりました。
自動車業界においては、CASE(Connectivity:つながること、Autonomous driving:自動運転、Sharing:共有・シェアリング、 Electric drive systems:電動化)やサービスとしてのモビリティいわゆるMaaS(Mobility as a Service)の流れが台頭していく中、異業種連携などの取り組みが加速しました。そのような中、市場の状況は、米国では自動車需要が踊り場を迎え、中国では昨年7月から今年3月にかけて新車販売が9ヶ月連続で前年同月を下回りました。日本では前期に比べて新車販売台数は増加したものの登録車の占める割合は低下しており、アジア・大洋州地域ではタイが年度を通じて堅調だった一方でインドやインドネシアの新車販売は下期にスローダウンしました。
このような環境下、当社グループは、第5次中期事業計画の経営方針である「H-oneブランドの確立を目指し、品質信頼性向上とNo.1技術確立で収益力向上を強力に推し進める」に沿って、これまでに培った技術力やグローバル展開を活かし、取引先開拓をはじめとする受注拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度の主な実績といたしまして、日本では超ハイテン材加工の生産性向上などを目的に亀山製作所(三重県亀山市)で導入準備を進めていた3,000tサーボ・トランスファー・プレスが今年2月に稼動を開始しました。中国では広州愛機汽車配件有限公司(以下、G-Hapii社)(広東省)が複数の現地完成車メーカーに自動車フレームや金型の納入を開始、また、武漢愛機汽車配件有限公司(湖北省)では主力得意先の生産増加への対応を目的に進めていた第2工場の増床並びに新溶接ラインの導入が完了しました。インドでは、エイチワン・インディア・プライベート・リミテッド(以下、HIL社)のタプカラ工場(ラジャスタン州)が建物を拡張のうえ分散していた工場を集約し同期生産を強化しました。これらに加え、当社グループの生産体質をお客様に評価いただき、当社及びG-Hapii社、HIL社がそれぞれの主力得意先からQCD(品質・価格・納期)に係るサプライヤー表彰を授与されております。
以上を受けた当連結会計年度における経営成績は、主力得意先向けの自動車フレームの生産台数が前期に比べて約4.5%増加しましたが、金型設備等の販売が前期を下回ったことなどから売上収益は1,967億18百万円(前期比2.1%減)となりました。利益面では、売上収益の減少のほか労務費の増加などから売上総利益は227億56百万円(同6.6%減)となり、販売費及び一般管理費の増加に加え北米連結子会社における事業用資産に係る減損損失によりその他の費用が前期に比べて増加したことによって営業利益は56億48百万円(同34.2%減)となりました。また、支払利息の減少を主因に金融損益のマイナスが縮小したものの持分法による投資利益が減少したことから税引前利益は47億89百万円(同37.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は40億71百万円(同34.3%減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、自動車フレームの売上収益については中国とアジア・大洋州での減少を日本と北米が補い全体としての前期を上回った一方で、金型設備等の販売がすべてのセグメントで前期を下回ったことなどから、外部顧客に対する販売高が前期に比べて減少いたしました。
なお、当連結会計年度の売上収益のうち、「商品および製品」は1,965億17百万円(前期比2.1%減)、「サービスの提供等」は46百万円(同53.8%減)、「ロイヤリティ」は1億55百万円(同16.5%減)となりました。
(その他の損益)
当連結会計年度のその他の損益が前期に比べて悪化しておりますが、北米での事業用資産の減損損失に起因して費用が増加したことが主な要因であります。
(金融損益)
前期に比べて支払利息が減少したことに加えて為替差益(前期は為替差損)が生じたことから金融損益は前期に比べて改善しております。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当期利益は34億14百万円(前期比34.5%減)となりました。このうち、非支配持分に帰属する当期損失△6億56百万円を控除した親会社の所有者に帰属する当期利益は、40億71百万円(同34.3%減)となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
(日本)
主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて増加したものの金型取引が減少したことから売上収益は535億76百万円(前期比0.0%減)となりました。利益面では、効率改善等により製造コストは前期に比べ低下したものの在外子会社からの配当金の受取額が減少したことから税引前利益は37億49百万円(同12.6%減)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
自動車フレームの生産量が増加した背景には、前期に生産が始まった新型軽自動車の受注及び販売が通年で寄与したことが挙げられます。一方で、新モデルの端境期であったことから金型取引が減少いたしました。
(北米)
主力得意先向けの自動車フレームの生産量は前期並みだったものの金型取引が減少したことを主因に売上収益は814億70百万円(前期比1.2%減)となりました。利益面では、効率改善等により製造コストは前期に比べ低下したものの事業用資産に係る減損損失の計上と持分法による投資利益の減少を主因に税引前損失11億18百万円(前期は税引前損失12億15百万円)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
当連結会計年度においてアメリカ アラバマ州の子会社では収益性の低下などから減損損失(24億68百万円)を計上しております。持分法適用会社は主力得意先が災害によって数ヶ月にわたり稼動を休止した影響から減益となりました。
(中国)
主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて増加したものの金型取引が減少したことを主因に売上収益は434億80百万円(前期比10.5%減)となりました。利益面では、売上収益の減少のほか前期は一時的な付加価値良化要素が利益に寄与した影響もあり当期の税引前利益は27億71百万円(同52.4%減)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
当連結会計年度は主力得意先向けの生産量が前期に比べて2.2%増加しましたがモデルミックスの悪化や金型取引の減少から売上収益は減収、前期の一時的な付加価値良化要因の剥落もありセグメント利益は減益となりました。
(アジア・大洋州)
金型取引の減少のほかインドネシアで生産量が前期を下回ったことなどにより売上収益は278億46百万円(前期比8.1%減)となりました。利益面では、売上収益の減少のほか前期は一時的な付加価値良化要素が利益に寄与した影響もあり当期の税引前利益は1億26百万円(同73.7%減)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
アジア・大洋州セグメントは、3ヶ国(タイ、インド、インドネシア)の連結子会社で構成されており、新車市場の状況や主要顧客の動向は連結子会社各社で異なっております。
当連結会計年度は主力得意先向けの生産が、タイ及びインドでは増加した一方でインドネシアでは減少となりました。利益面では、3ヶ国とも連結子会社が前期を下回る利益水準であったことに加えて前期の一時的な付加価値良化要因の剥落もありセグメント利益は減益となりました。
c.目標とする経営指標等
当社グループでは、第5次中期事業計画(2017年4月~2020年3月)(以下「5中」)において、以下のとおり連結会計年度毎の売上収益税引前利益率目標を定めております。
2018年3月期 売上収益税引前利益率3%
2019年3月期 売上収益税引前利益率4%
2020年3月期 売上収益税引前利益率5%
2019年3月期においては、上記「a.事業全体の状況」のとおり売上収益税引前利益率が2.4%となり中期計画2年目の目標値には届きませんでした。当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり経営戦略の推進及び課題への対処を通じて、5中最終年度の売上収益税引前利益率の達成に鋭意取り組んでまいります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権の減少、棚卸資産の減少、営業債務の増加、長期借入れによる収入の増加などの資金の増加要因があった一方、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の減少、長期借入金の返済による支出などの資金の減少要因によって24億38百万円(前期比4億27百万円減)となりました。
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べて85億66百万円(50.6%)増加の254億92百万円となりました。これは主に営業債権及びその他の債権の減少額24億74百万円(前期は営業債権及びその他の債権の増加額12億62百万円)、営業債務の増加額7億46百万円(前期は営業債務の減少額50億60百万円)などの資金の増加要因によるものであります。
投資活動の結果支出した資金は、前期に比べて33億12百万円(23.2%)減少の109億42百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が前期に比べて45億22百万円(29.3%)減少したことによるものであります。
財務活動の結果支出した資金は、前期に比べて128億57百万円(614.5%)増加の149億49百万円となりました。これは主に短期借入金の純減少額83億4百万円(前期は短期借入金の純増加額41億81百万円)によるものであります。
経営者による分析は次のとおりであります。
減価償却費及び償却費は前期に比べ5億96百万円(3.9%)減少の148億41百万円となりましたが、主に運転資金増減(営業債権及びその他の債権、棚卸資産、営業債務の各増減額の合計)に起因して営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べて85億66百万円(50.6%)増加しております。また、当社グループでは大型の設備投資が一巡しており、現状は省人化及び生産関連設備の更新等に伴う設備投資を中心に、減価償却費及び償却費に見合う有形固定資産の取得を行っており、投資活動の結果支出した資金は前連結会計年度に比べ33億12百万円(23.2%)減少の109億42百万円となりました。当連結会計年度のフリー・キャッシュフローは145億49百万円のプラスとなり、これを主に借入金の返済に充当いたしました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、上記「(4)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、受注・生産及び販売の動向を踏まえ運転資金増減(営業債権及びその他の債権、棚卸資産、営業債務の各増減額の合計)の増加を見込むことから営業活動により得られる資金は当連結会計年度を下回る水準を計画しております。また、計画中の生産関連設備の新設及び更新の設備投資を踏まえ投資活動により支出する資金は、当連結会計年度比増加を見込んでおります。これらの結果、フリー・キャッシュフローは若干のマイナスを想定し、必要に応じて借入金による資金調達を行いながらも手元流動性も活用することから翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、当連結会計年度を若干下回る水準となる見込みであります。
(キャッシュ・フローに関する補足情報)
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(金型に係るファイナンス・リース取引)
日本基準では固定資産となる一部の金型の会計処理について、IFRSでは国際財務報告解釈指針(以下、「IFRIC」)第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」に規定される要件を満たすことからリース取引と判断し、国際会計基準(以下、「IAS」)第17号「リース」に従いファイナンス・リース取引の貸手として処理しております。その結果、連結財政状態計算書では「営業債権及びその他の債権」が10億41百万円、「有形固定資産」が63億46百万円それぞれ減少し、「棚卸資産」が22億円「利益剰余金」が12億92百万円、「その他の金融資産」が58億71百万円、それぞれ増加しております。
(有給休暇に係る債務の調整)
日本基準においては認識しない有給休暇に係る債務について、IFRSではIAS第19号「従業員給付」に従い未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、連結財政状態計算書では「その他の流動負債」の金額が12億85百万円増加し、「利益剰余金」が同額減少しております。
(退職給付の調整)
日本基準では、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務年数内の一定期間にわたり定額法により費用処理となりますが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益で認識しております。その結果、連結財政状態計算書では「利益剰余金」が14億38百万円増加しております。
(のれん)
日本基準では、のれんは投資効果が発現すると合理的に見積もられる期間にわたって規則的に償却となりますが、IFRSではのれんの償却は行われておりません。
(表示組替)
日本基準では、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関連項目を「金融収益」又は「金融費用」に、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」でそれぞれ表示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
(2) 財政状態の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a.事業全体の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて営業債権及びその他の債権、棚卸資産などが減少したことから、573億20百万円(前連結会計年度末比46億92百万円減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
営業債権およびその他の債権の減少は、主に連結会計年度末にかけての製品の販売状況が前期比で軟調だったことに起因しております。棚卸資産の減少は主に商品及び製品の減少によるもので、北米地域の金型がその主なものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末の非流動資産は、前連結会計年度末に比べて主に有形固定資産が減少したことから、1,015億5百万円(前連結会計年度末比50億47百万円減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
有形固定資産の取得が減価償却費及び償却費を下回ったことに加え、北米連結子会社の事業用資産に係る減損損失の計上により有形固定資産が減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて主に借入金が減少したことから888億62百万円(前連結会計年度末比116億54百万円減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
生産変動等に起因して営業債務が増加しましたが、後述のとおりフリー・キャッシュフローが145億49百万円のプラスとなったことから長期借入金の返済が進むとともに短期借入金が減少し借入金の総額は減少いたしました。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は、699億64百万円(前連結会計年度末比19億13百万円増)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
これは主に利益剰余金の増加によるものであり、親会社所有者帰属持分比率は39.7%(同3.8ポイントのプラス)となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
当社グループはIFRSに基づいて連結財務諸表を作成しており、セグメント情報に財政状態を記載しておりませんので、該当事項はございません。
(3) 経営成績の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a.事業全体の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、英国のEU離脱を巡る混乱や米中貿易摩擦などにより不安定な経済状況下にありました。米国では景気鈍化の懸念から政策金利の引き上げが休止され、欧州でもECB(欧州中央銀行)が金融緩和の縮小を延期しました。日本経済は、戦後最長の景気回復局面にあり雇用環境は引き続き改善していますが輸出などには弱さが見え始め、中国経済も昨秋以降に景気の減速が鮮明になりました。
自動車業界においては、CASE(Connectivity:つながること、Autonomous driving:自動運転、Sharing:共有・シェアリング、 Electric drive systems:電動化)やサービスとしてのモビリティいわゆるMaaS(Mobility as a Service)の流れが台頭していく中、異業種連携などの取り組みが加速しました。そのような中、市場の状況は、米国では自動車需要が踊り場を迎え、中国では昨年7月から今年3月にかけて新車販売が9ヶ月連続で前年同月を下回りました。日本では前期に比べて新車販売台数は増加したものの登録車の占める割合は低下しており、アジア・大洋州地域ではタイが年度を通じて堅調だった一方でインドやインドネシアの新車販売は下期にスローダウンしました。
このような環境下、当社グループは、第5次中期事業計画の経営方針である「H-oneブランドの確立を目指し、品質信頼性向上とNo.1技術確立で収益力向上を強力に推し進める」に沿って、これまでに培った技術力やグローバル展開を活かし、取引先開拓をはじめとする受注拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度の主な実績といたしまして、日本では超ハイテン材加工の生産性向上などを目的に亀山製作所(三重県亀山市)で導入準備を進めていた3,000tサーボ・トランスファー・プレスが今年2月に稼動を開始しました。中国では広州愛機汽車配件有限公司(以下、G-Hapii社)(広東省)が複数の現地完成車メーカーに自動車フレームや金型の納入を開始、また、武漢愛機汽車配件有限公司(湖北省)では主力得意先の生産増加への対応を目的に進めていた第2工場の増床並びに新溶接ラインの導入が完了しました。インドでは、エイチワン・インディア・プライベート・リミテッド(以下、HIL社)のタプカラ工場(ラジャスタン州)が建物を拡張のうえ分散していた工場を集約し同期生産を強化しました。これらに加え、当社グループの生産体質をお客様に評価いただき、当社及びG-Hapii社、HIL社がそれぞれの主力得意先からQCD(品質・価格・納期)に係るサプライヤー表彰を授与されております。
以上を受けた当連結会計年度における経営成績は、主力得意先向けの自動車フレームの生産台数が前期に比べて約4.5%増加しましたが、金型設備等の販売が前期を下回ったことなどから売上収益は1,967億18百万円(前期比2.1%減)となりました。利益面では、売上収益の減少のほか労務費の増加などから売上総利益は227億56百万円(同6.6%減)となり、販売費及び一般管理費の増加に加え北米連結子会社における事業用資産に係る減損損失によりその他の費用が前期に比べて増加したことによって営業利益は56億48百万円(同34.2%減)となりました。また、支払利息の減少を主因に金融損益のマイナスが縮小したものの持分法による投資利益が減少したことから税引前利益は47億89百万円(同37.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は40億71百万円(同34.3%減)となりました。
経営者による状況の分析は次のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、自動車フレームの売上収益については中国とアジア・大洋州での減少を日本と北米が補い全体としての前期を上回った一方で、金型設備等の販売がすべてのセグメントで前期を下回ったことなどから、外部顧客に対する販売高が前期に比べて減少いたしました。
なお、当連結会計年度の売上収益のうち、「商品および製品」は1,965億17百万円(前期比2.1%減)、「サービスの提供等」は46百万円(同53.8%減)、「ロイヤリティ」は1億55百万円(同16.5%減)となりました。
(その他の損益)
当連結会計年度のその他の損益が前期に比べて悪化しておりますが、北米での事業用資産の減損損失に起因して費用が増加したことが主な要因であります。
(金融損益)
前期に比べて支払利息が減少したことに加えて為替差益(前期は為替差損)が生じたことから金融損益は前期に比べて改善しております。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当期利益は34億14百万円(前期比34.5%減)となりました。このうち、非支配持分に帰属する当期損失△6億56百万円を控除した親会社の所有者に帰属する当期利益は、40億71百万円(同34.3%減)となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
(日本)
主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて増加したものの金型取引が減少したことから売上収益は535億76百万円(前期比0.0%減)となりました。利益面では、効率改善等により製造コストは前期に比べ低下したものの在外子会社からの配当金の受取額が減少したことから税引前利益は37億49百万円(同12.6%減)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
自動車フレームの生産量が増加した背景には、前期に生産が始まった新型軽自動車の受注及び販売が通年で寄与したことが挙げられます。一方で、新モデルの端境期であったことから金型取引が減少いたしました。
(北米)
主力得意先向けの自動車フレームの生産量は前期並みだったものの金型取引が減少したことを主因に売上収益は814億70百万円(前期比1.2%減)となりました。利益面では、効率改善等により製造コストは前期に比べ低下したものの事業用資産に係る減損損失の計上と持分法による投資利益の減少を主因に税引前損失11億18百万円(前期は税引前損失12億15百万円)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
当連結会計年度においてアメリカ アラバマ州の子会社では収益性の低下などから減損損失(24億68百万円)を計上しております。持分法適用会社は主力得意先が災害によって数ヶ月にわたり稼動を休止した影響から減益となりました。
(中国)
主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて増加したものの金型取引が減少したことを主因に売上収益は434億80百万円(前期比10.5%減)となりました。利益面では、売上収益の減少のほか前期は一時的な付加価値良化要素が利益に寄与した影響もあり当期の税引前利益は27億71百万円(同52.4%減)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
当連結会計年度は主力得意先向けの生産量が前期に比べて2.2%増加しましたがモデルミックスの悪化や金型取引の減少から売上収益は減収、前期の一時的な付加価値良化要因の剥落もありセグメント利益は減益となりました。
(アジア・大洋州)
金型取引の減少のほかインドネシアで生産量が前期を下回ったことなどにより売上収益は278億46百万円(前期比8.1%減)となりました。利益面では、売上収益の減少のほか前期は一時的な付加価値良化要素が利益に寄与した影響もあり当期の税引前利益は1億26百万円(同73.7%減)となりました。
経営者による分析は次のとおりであります。
アジア・大洋州セグメントは、3ヶ国(タイ、インド、インドネシア)の連結子会社で構成されており、新車市場の状況や主要顧客の動向は連結子会社各社で異なっております。
当連結会計年度は主力得意先向けの生産が、タイ及びインドでは増加した一方でインドネシアでは減少となりました。利益面では、3ヶ国とも連結子会社が前期を下回る利益水準であったことに加えて前期の一時的な付加価値良化要因の剥落もありセグメント利益は減益となりました。
c.目標とする経営指標等
当社グループでは、第5次中期事業計画(2017年4月~2020年3月)(以下「5中」)において、以下のとおり連結会計年度毎の売上収益税引前利益率目標を定めております。
2018年3月期 売上収益税引前利益率3%
2019年3月期 売上収益税引前利益率4%
2020年3月期 売上収益税引前利益率5%
2019年3月期においては、上記「a.事業全体の状況」のとおり売上収益税引前利益率が2.4%となり中期計画2年目の目標値には届きませんでした。当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり経営戦略の推進及び課題への対処を通じて、5中最終年度の売上収益税引前利益率の達成に鋭意取り組んでまいります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) | |
| 報告セグメント | 日 本 | 45,409 | 115.4 |
| 北 米 | 78,452 | 98.7 | |
| 中 国 | 43,993 | 92.5 | |
| アジア・大洋州 | 27,761 | 93.6 | |
| 合 計 | 195,616 | 99.8 | |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) | |
| 報告セグメント | 日 本 | 45,784 | 108.4 | 3,454 | 112.6 |
| 北 米 | 81,530 | 101.8 | 6,398 | 109.9 | |
| 中 国 | 43,847 | 92.4 | 3,788 | 119.7 | |
| アジア・大洋州 | 26,916 | 89.6 | 1,894 | 89.4 | |
| 合 計 | 198,079 | 99.1 | 15,536 | 109.6 | |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) | |
| 報告セグメント | 日 本 | 45,397 | 109.5 |
| 北 米 | 80,956 | 98.7 | |
| 中 国 | 43,224 | 91.3 | |
| アジア・大洋州 | 27,139 | 89.9 | |
| 合 計 | 196,718 | 97.9 | |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッド | 38,801 | 19.3 | 46,571 | 23.7 |
| 本田技研工業株式会社 | 30,984 | 15.4 | 32,700 | 16.6 |
| 広汽本田汽車有限公司 | 22,076 | 11.0 | 21,383 | 10.9 |
| 東風本田汽車有限公司 | 24,633 | 12.3 | 20,712 | 10.5 |
3.上記の金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権の減少、棚卸資産の減少、営業債務の増加、長期借入れによる収入の増加などの資金の増加要因があった一方、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の減少、長期借入金の返済による支出などの資金の減少要因によって24億38百万円(前期比4億27百万円減)となりました。
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べて85億66百万円(50.6%)増加の254億92百万円となりました。これは主に営業債権及びその他の債権の減少額24億74百万円(前期は営業債権及びその他の債権の増加額12億62百万円)、営業債務の増加額7億46百万円(前期は営業債務の減少額50億60百万円)などの資金の増加要因によるものであります。
投資活動の結果支出した資金は、前期に比べて33億12百万円(23.2%)減少の109億42百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が前期に比べて45億22百万円(29.3%)減少したことによるものであります。
財務活動の結果支出した資金は、前期に比べて128億57百万円(614.5%)増加の149億49百万円となりました。これは主に短期借入金の純減少額83億4百万円(前期は短期借入金の純増加額41億81百万円)によるものであります。
経営者による分析は次のとおりであります。
減価償却費及び償却費は前期に比べ5億96百万円(3.9%)減少の148億41百万円となりましたが、主に運転資金増減(営業債権及びその他の債権、棚卸資産、営業債務の各増減額の合計)に起因して営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べて85億66百万円(50.6%)増加しております。また、当社グループでは大型の設備投資が一巡しており、現状は省人化及び生産関連設備の更新等に伴う設備投資を中心に、減価償却費及び償却費に見合う有形固定資産の取得を行っており、投資活動の結果支出した資金は前連結会計年度に比べ33億12百万円(23.2%)減少の109億42百万円となりました。当連結会計年度のフリー・キャッシュフローは145億49百万円のプラスとなり、これを主に借入金の返済に充当いたしました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、上記「(4)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、受注・生産及び販売の動向を踏まえ運転資金増減(営業債権及びその他の債権、棚卸資産、営業債務の各増減額の合計)の増加を見込むことから営業活動により得られる資金は当連結会計年度を下回る水準を計画しております。また、計画中の生産関連設備の新設及び更新の設備投資を踏まえ投資活動により支出する資金は、当連結会計年度比増加を見込んでおります。これらの結果、フリー・キャッシュフローは若干のマイナスを想定し、必要に応じて借入金による資金調達を行いながらも手元流動性も活用することから翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、当連結会計年度を若干下回る水準となる見込みであります。
(キャッシュ・フローに関する補足情報)
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | |
| 親会社の所有者に帰属する持分比率(%) | 31.4 | 35.9 | 39.7 |
| 時価ベースの親会社の所有者 帰属持分比率(%) | 27.0 | 22.8 | 15.4 |
| 債務償還年数(年) | 3.3 | 3.5 | 1.8 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 12.8 | 12.4 | 22.1 |
| (注) 親会社の所有者に帰属する持分比率(%) | 親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計 |
| 時価ベースの親会社の所有者に 帰属する持分資本比率(%) | 株式時価総額/資産合計 |
| 債務償還年数(年) | 有利子負債/営業キャッシュ・フロー |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 営業キャッシュ・フロー/利払い |
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(金型に係るファイナンス・リース取引)
日本基準では固定資産となる一部の金型の会計処理について、IFRSでは国際財務報告解釈指針(以下、「IFRIC」)第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」に規定される要件を満たすことからリース取引と判断し、国際会計基準(以下、「IAS」)第17号「リース」に従いファイナンス・リース取引の貸手として処理しております。その結果、連結財政状態計算書では「営業債権及びその他の債権」が10億41百万円、「有形固定資産」が63億46百万円それぞれ減少し、「棚卸資産」が22億円「利益剰余金」が12億92百万円、「その他の金融資産」が58億71百万円、それぞれ増加しております。
(有給休暇に係る債務の調整)
日本基準においては認識しない有給休暇に係る債務について、IFRSではIAS第19号「従業員給付」に従い未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、連結財政状態計算書では「その他の流動負債」の金額が12億85百万円増加し、「利益剰余金」が同額減少しております。
(退職給付の調整)
日本基準では、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務年数内の一定期間にわたり定額法により費用処理となりますが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益で認識しております。その結果、連結財政状態計算書では「利益剰余金」が14億38百万円増加しております。
(のれん)
日本基準では、のれんは投資効果が発現すると合理的に見積もられる期間にわたって規則的に償却となりますが、IFRSではのれんの償却は行われておりません。
(表示組替)
日本基準では、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関連項目を「金融収益」又は「金融費用」に、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」でそれぞれ表示しております。