有価証券報告書-第91期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 14:09
【資料】
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【項目】
135項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社の経営の基本方針は次のとおりです。
① 技術を極め、顧客の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する。
ものづくりを本業とするメーカーとしてQCD(品質、コスト、納期)について世界最高の体制を構築し、高いCS(顧客満足)を得ることを目標にしています。
② 地球環境を守り、企業責任を全うし、社業を通じて社会に貢献する。
製品の開発・生産・販売から廃棄までの全工程で地球保護に積極的に取り組みます。
エンジンバルブの専門メーカーとして社業の発展を通じて社会的責任を全うします。
③ 世界を視野に高い目標に挑戦し、企業の発展と個人の成長を実現する。
個人を尊重し、相手の立場で考え、意欲・能力を最大限に発揮することで、世界に飛躍する製品・
技術・人を創造することに挑戦します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは2016年に三菱重工工作機械株式会社と業務提携を開始し、そのシナジー効果を得るための準備を行ってまいりました。長期ビジョン※「Global 10」の実現に向け、2018年度を初年度とする3ヶ年の「2020年中期経営計画」では、そのシナジー効果の発現とグローバル企業として確固たる基盤を構築する経営戦略に基づき、以下の内容に注力してまいります。
・中空バルブの世界拡販
新市場/新顧客の獲得
軸中空バルブの海外量産化
・QCD刷新とグローバル体制進化
国内マザー拠点の充実(グローバル対応力強化)
物造り力の強化(安定生産と安定品質の実現)
・モノ造り改善へ原点回帰と新展開
稼ぐ力の回復(新たなモノ造り改革・強化・改善活動の展開)
老朽化設備のリフレッシュとプロダクトミックスの変化に対応したライン再編
自主改善活動の進化と中核となる人材の育成
※当社グループによる自動車用エンジンバルブ世界シェア10%獲得を「Global 10」と称しています。
中期経営指標
経営指標2018年度2019年度2020年度
売上高(億円)230250270
営業利益(億円)102127
売上高営業利益率(%)4810


(3)対処すべき課題
今後の当社グループの属する自動車産業を取り巻く経営環境は、海外需要は米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題、中東をはじめとする国際情勢の悪化、また自動車業界は電動化・情報化・AI化等の大きな変革が見られますが、業界自体は新興国をはじめとする底堅い成長が続くことが期待されます。国内需要に関しても、景気は回復基調が続く見通しとなっており、今後も堅調に推移することが見込まれております。
このように変化する経営環境のなか、当社グループといたしましては、自動車エンジンの燃焼効率の更なる改善に貢献する新たな主力製品であります傘中空バルブにおきまして、更なる生産性改善による生産能力アップ、低コスト化による収益の安定的な確保、そして、その先を見据え、傘中空バルブを超える低廉高機能バルブの開発を行ってまいります。
海外は、グローバル化・現地化要請に対応する為、海外子会社の増産体制強化として、従業員1人1人のスキルアップの上での生産性向上を推進し、中空バルブのマルチ供給基盤の構築に取組むとともに、PQCD(Production、Quality、Cost、Delivery)を更にレベルアップしてまいります。
国内は、静岡工場を当社グループのグローバルマザー工場に位置付け、生産人材育成の中核を担うのはもちろんのこと「従業員の働き方」に目を向けた働き易い環境を整えることを第一に、少子高齢化等へ対応出来るよう働き方の多様化に取り組んでまいります。また、経年劣化設備のリフレッシュや労働生産性向上、品質改善など徹底したコスト改善にも引き続き取組んでまいります。
グループ全体として更なる成長を目指し、中空バルブをはじめとする高機能バルブの事業基盤を確立し、更なる海外拠点の強化に取り組んでまいります。
本年度は、スローガンと基本方針を以下のように定め、それぞれの重点課題への取組みの具体化による年度目標の実現を目指してまいります。
スローガン
『自分のためにチャレンジしよう。皆のために助け合おう』
~個人の成長=会社の成長~
基本方針
① 高機能バルブの事業基盤確立
② グローバル生産体制の進化
③ 働き方の改革
[重点課題1]高機能バルブの事業基盤確立
当社グループの主力製品である高機能バルブ(中空バルブ)の更なる販売拡大を目指し、国内での傘中空バルブおよび軸中空バルブの生産量と収益を確保できるための生産基盤を確立する。
[重点課題2]グローバル生産体制の進化
海外でのPQCD(生産(Production)、品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery))の更なるレベルアップを目指すとともに、中国・インドネシア・メキシコの各海外子会社でのグローバル最適生産体制の確立と軸中空バルブの海外生産の開始によるマルチ供給への基盤を構築する。
[重点課題3]働き方の改革
当社グループの理想の働き方の改革を目指し、ロボット化や無駄の排除を実行するとともに、少子高齢化に対応する多様な働き方への取り組みを追い求める。
また、引続き徹底したコスト改善に向けた会社全体の構造改革を推進するとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、世界のなかで存在価値のある会社として認められる、理想を追求していくことができる体質を目指します。