有価証券報告書-第92期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/23 11:38
【資料】
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【項目】
142項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社の経営理念は次のとおりです。
① 技術を極め、顧客の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する。
② 地球環境を守り、企業責任を全うし、社業を通じて社会に貢献する。
③ 世界を視野に高い目標に挑戦し、企業の発展と個人の成長を実現する。
当社グループとして経営理念に基づき、ものづくりを本業とするメーカーとしてPQCD(Productivity 生産性、Quality 品質、Cost 価格、Delivery 納期)について世界最高の体制を構築し、高いCS(顧客満足)を得ることを目標に、製品の開発・生産・販売から廃棄までの全工程で地球保護に積極的に取り組みます。また、個人を尊重し、相手の立場で考え、意欲・能力を最大限に発揮することで、世界に飛躍する製品・技術・人を創造することに挑戦します。エンジンバルブの専門メーカーとして低燃費技術の進化を通じて社会に貢献してまいります。
(2)経営環境と対処すべき課題
現在の当社グループの経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、先行きについては不透明感が一段と増しております。当社グループの主要需要先である自動車関連の受注は、世界各地での生産活動停止を受け、回復には時間がかかることが想定され、当面は厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。このような状況下、当社グループは、出張および来訪者受入れの自粛、従業員の健康モニタリング、一部事務の在宅勤務等、すべての関係者の皆様や従業員およびその家族の安全を最優先とし、新型コロナウイルスの感染防止に努めるとともに、固定費を中心とした徹底的なコスト圧縮策を推し進め、影響が最小限となるよう事業活動の継続を図ってまいります。
当社グループは、長期ビジョン※「Global 10」の実現に向け、グローバル企業として確固たる基盤を構築する経営戦略に基づき、2016年に三菱重工工作機械株式会社と事業統合に合意し、同社からの中実バルブの事業譲渡を受け、また高機能バルブであります「傘中空バルブ」製造の合弁会社を設立し、そのシナジー効果を得るべく2018年度を初年度とする3ヶ年の「2020年中期経営計画」を立案し実践してまいりました。しかしながら、最終年度となる2020年度の目標達成は、冒頭記載いたしました経営環境が想定以上に大きく変化するなか、困難な状況にあると認識しております。
2020年度は、2021年度を初年度とする「次期中期経営計画」に向けた準備期間と位置づけ、原点に立ち返り、徹底した合理化・スリム化・事業構造の変革を当社グループ一丸となり取り組んでまいります。
【2020年度の取り組み】
国内事業は、静岡工場を当社グループのグローバルマザー工場に位置付け、生産人材育成の中核を担うのは勿論のこと「従業員の働き方」に目を向けた働き易い環境を整えることを第一に、少子高齢化等へ対応できるよう働き方の多様化に引き続き取り組んでまいります。また、生産ラインの最適化を目指した合理化、固定費を徹底圧縮し利益の出る体制の構築、製品不良の低減などコスト改善にも引き続き取り組んでまいります。
海外事業は、自動車業界のグローバル化・現地化要請に対応する為、海外子会社の体制強化として、従業員1人1人のスキルアップを目指したグローバル人材の育成、特に各拠点ごとの課題を解決する力や営業力の強化を図り、PQCDを更にレベルアップしてまいります。
本年度はスローガンと基本方針を以下のように定め、それぞれの重点課題への取り組みの具体化による年度目標の実現を目指してまいります。
スローガン
『自分のためにチャレンジしよう。皆のために助け合おう』
~個人の成長=会社の成長~
基本方針
① 良品生産性の向上
② 海外拠点の基盤強化
③ 固定費の徹底圧縮
[重点課題1]良品生産性の向上
全ての製品の生産体制について、様々な改善(生産ラインの再編・合理化、工場環境の改善、小ロット生産改善、不良品低減活動)を行うことによる、良品の生産性向上と最適生産・最適職場の実現
[重点課題2]海外拠点の基盤強化
海外拠点(中国、インドネシア、メキシコ)において、各社がそれぞれ利益を出すための課題を解決し、営業力の強化やグローバル人材の育成を行う等、PQCDの更なる向上のための基盤強化
[重点課題3]固定費の徹底圧縮
更なるコスト改善活動、特に固定費(製品在庫・労務費・減価償却費等)を徹底的に圧縮することにより、安定的な収益確保が可能となる体制構築
また、引き続き会社全体の構造改革を推進するとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、世界のなかで存在価値のある会社として認められる、理想を追求して行くことができる企業体質を目指します。
※当社グループによる自動車用エンジンバルブ世界シェア10%獲得を「Global 10」と称しています。
中期経営指標 単位:億円
経営指標2018年度2019年度2020年度
計画/実績計画実績計画実績計画
売上高230232250228270
営業利益10921827
売上高営業利益率4%4%8%4%10%