有価証券報告書-第136期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 12:37
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
当期における国内経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるインバウンド需要の減少や消費活動の停滞が続く厳しい状況となりました。また、米国経済は、新型コロナウイルス感染者数の再拡大が景気回復の重しとなり緩やかな回復となった他、欧州経済においても多くの国で再び厳しい行動制限が課せられるなど、経済活動は低い水準となりました。アジア経済は中国が回復に向かっているものの、その他のアジア地域は勢いを欠く展開となりました。
このような情勢のもと、当社グループは2019年2月に策定した「シチズングループ中期経営計画2021」に基づき、従来のものづくりだけでなく、今までにない新たな価値創造に挑戦すべく、時計事業及び工作機械事業の成長促進、サステナブル経営の推進、品質コンプライアンスの強化を図ってまいりました。
当期の連結業績は、売上高は2,066億円(前期比25.8%減)、営業損失は95億円(前年同期は61億円の営業利益)と減収減益となりました。また、経常損失は41億円(前年同期は75億円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は特別損失の計上に伴い251億円(前年同期は166億円の親会社株主に帰属する当期純損失)といずれも減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(時計事業)
ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、直販ECサイトを立ち上げたほか、チタニウム技術50周年限定モデル「コズミックブルーコレクション」などのブランド横断企画商品や新商品が売上を伸ばしましたが、インバウンド需要の激減や移動自粛に伴う消費意欲の減退を受け、大幅な落ち込みとなりました。
海外市場のうち、欧州市場は長引くロックダウンの影響を受けながらも比較的堅調に推移しました。北米市場は商戦期においてオンライン流通等で回復の兆しが見えたものの、移動や営業活動の制限等により実店舗を中心に低迷を余儀なくされるなど低調に推移し、減収となりました。アジア市場は、中国が順調に回復の動きを強める一方で、アジア市場全体では弱含みが続いており、減収となりました。
“BULOVA”ブランドはEC販売が堅調に推移したものの、主力市場である北米市場を中心に実店舗販売が落ち込んだことから、減収となりました。
ムーブメント販売は、機械式ムーブメントが中国市場を中心に堅調さを保ち、下期にはアナログクオーツムーブメントが持ち直しをみせたものの、世界的な消費の落ち込みを受け減収となりました。
なお、腕時計の生産規模は、前連結会計年度比41.8%減少し、約827億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、時計事業全体では、EC販売強化に向けた取組みを加速しましたが、世界的な経済活動の停滞に伴い、売上高は956億円(前期比32.5%減)と、大幅な減収となりました。また、費用削減等による収益性の改善を図りましたが売上減の影響が大きく、81億円の営業損失(前年同期は39億円の営業利益)と、減益となりました。
(工作機械事業)
国内市場は、自動車関連等の受注は底打ち感が見られたものの、上期の設備投資需要が低調に推移したことから、減収となりました。海外市場は、中国市場でIT関連等が引き続き好調に推移したほか、欧州では自動車関連が大幅に受注を伸ばしており、また、米州市場においても医療関連を中心に受注は上向いているものの、前期を上回るには至らず、減収となりました。
なお、工作機械の生産規模は、前連結会計年度比17.7%減少し、約461億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、工作機械事業全体では、市況が回復基調を辿っている中で、オンラインの展示会を開催するなど受注獲得に向けた新たな取組みを強化しましたが、売上高は467億円(前期比20.2%減)と減収となりました。また、営業利益は29億円(前期比59.6%減)と、減益となりました。
(デバイス事業)
精密加工部品のうち、自動車部品は新車販売台数の復調とともに徐々に売り上げを伸ばし、前年同期に迫る実績となったものの、スマートフォン向けスイッチの販売が落ち込み、精密加工部品全体では減収となりました。
オプトデバイスのうち、チップLEDは、照明向けで厳しい価格競争が継続する中、欧米市場や中国市場の需要減退を受け減収となったほか、車載向けLEDも市場は戻りつつあるものの、オプトデバイス全体では減収となりました。
なお、オプトデバイスの生産規模は、前連結会計年度比39.7%減少し、約142億円(販売価格ベース)でありました。
その他部品のうち、主に通信機器向け水晶デバイスおよび医療向け小型モーターの需要が増加したことから、その他部品は増収となりました。
以上の結果、デバイス事業全体では、売上高は459億円(前期比17.9%減)と、減収となりました。営業損失においては、製品の選択と集中を含む構造改革を推進するなど収益性向上に向けた取り組みを進めましたが4億円(前年同期は9億円の営業利益)と、減益となりました。
(電子機器他事業)
情報機器は、バーコードプリンターなどに回復の動きが見られたほか、主力製品のフォトプリンター、POSプリンターも足元は中国市場等で販売を伸ばしましたが、上期の設備投資意欲の落ち込みの影響が大きく、減収となりました。健康機器は、主に国内市場において体温計の需要が大幅に伸長した結果、増収となりました。また、宝飾製品からの撤退により売上が減少しました。
以上の結果、電子機器他事業全体では、売上高は183億円(前期比18.0%減)、営業利益は3億円(前年同期は2億円の営業損失)と、減収増益となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ37億円減少し、3,658億円となりました。資産の内、流動資産は、現金及び預金が216億円増加した一方で、たな卸資産が109億円減少したこと等により、87億円の増加となりました。固定資産につきましては、繰延税金資産が93億円、工具、器具及び備品が18億円それぞれ減少したこと等により、125億円の減少となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ、長期借入金が272億円、繰延税金負債が16億円それぞれ増加した一方で、短期借入金が75億円減少したこと等により141億円増加し、1,529億円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、為替換算調整勘定が59億円、その他有価証券評価差額金が29億円それぞれ増加した一方で、利益剰余金が264億円減少したこと等により179億円減少し、2,128億円となりました。
当連結会計年度末の利益剰余金が大きく減少しておりますが、これは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響による時計事業や工作機械事業等の減益、繰延税金資産の取崩しによる法人税等調整額の増加や特別損失の計上が主な理由です。
また負債では、資金の流動性の確保のため、長期借入金の借入を行っております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度に比べ215億円増加し、当連結会計年度末には、995億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比べ98億円減少し74億円となりました。これは主にたな卸資産の減少額137億円、減価償却費115億円、助成金の受取額32億円等の増加要因がありました一方、税金等調整前当期純損失137億円、仕入債務の減少額35億円、事業再編整理損失引当金18億円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比べ78億円支出が減少し、76億円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入31億円、有形固定資産の売却による収入15億円等の増加要因がありました一方、有形固定資産の取得による支出92億円、無形固定資産の取得による支出28億円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比べ253億円収入が増加し、183億円の収入となりました。これは主に主に長期借入れによる収入351億円等の増加要因がありました一方、長期借入金の返済による支出137億円等の減少要因によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響で税金等調整前当期純損失となりましたこと等により、前年度対比で大きく減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ設備投資による支出が減少したことから、前年度対比で投資活動による支出が減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入により、前年度対比で収入が増加しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことをしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、セグメント業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、経営者は見積り及び判断・評価につきまして、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績等に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報についての記載
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び部品等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。自己資金につきましては国内グループ会社間の資金効率を上げるためキャッシュマネージメントシステムを導入しております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入と債券市場からの社債等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債(リース債務含む)の残高は75,986百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は99,561百万円となっております。
不測の事態に備えて、金融機関との良好な関係の維持に努めるとともに、複数の金融機関との間で合計20,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
⑥ 目標とする経営指標の達成状況
当社グループは、2019年度から2021年度までの中期経営計画において、グループ中期経営ビジョンとして「Innovation for the next ~時を感じ、未来に感動を~」を掲げ、これまでのものづくりにとどまらない新たな価値創造に挑戦してきました。
中期経営計画においては、時計事業と工作機械事業をコア事業と位置付け、中長期的な成長に向けた取り組みを推進いたします。一方で、前中期経営計画で実施したM&A等の大型投資は一巡したことから、各事業における投資効率やバランスシートに対する意識を高め、資本効率と収益性の向上を目指すため、以下の目標指標を設定しております。
なお、2021年3月期は、時計事業で製造の省人化・合理化を推進し、時計製造子会社の構造改革を実施した他、工作機械事業においては能力増強を図るべく中国工場を移転・拡張し、2021年夏からの稼働に向けた投資を進めました。
新型コロナウイルス感染拡大により中期経営計画で想定した市場環境から大きく変化していることから、目標指標に 対して大きく乖離が生じてはおりますが、引き続き中期経営計画で掲げた施策を着実に推し進めてまいります。
2022年3月期
目標指標
2021年3月期
実績
売上高3,700億円2,066億円
営業利益又は営業損失(△)300億円△95億円
ROE8.0%△11.8%

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