有価証券報告書-第135期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 9:22
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
当期における国内経済は、雇用環境の改善等から緩やかな回復基調で推移していましたが、消費税増税による消費の足踏み感が見られ、さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による影響も加わり、急速に悪化しました。また、こうした感染拡大の影響は海外市場においても大きく、中国の経済活動は急激に縮小し、その他のアジア地域も弱含みの展開となりました。各国との貿易を巡る動きが重しとなり低迷が続いていた米国経済、欧州経済においても大幅に景気を下押しし、先行き不透明感が一層強まる展開となりました。
このような情勢のもと、当社グループは2019年2月に策定した「シチズングループ中期経営計画2021」の初年度として、従来のものづくりだけでなく、今までにない新たな価値創造に挑戦すべく、時計事業及び工作機械事業の成長促進、サステナブル経営の推進、品質コンプライアンスの強化を図ってまいりました。
当期の連結業績は、売上高は2,785億円(前期比13.4%減)、営業利益は61億円(前期比72.6%減)と減収減益となりました。また、経常利益は75億円(前期比71.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は特別損失の計上に伴い166億円(前期は133億円の親会社株主に帰属する当期純利益)といずれも減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(時計事業)
ウオッチ販売のうち、“CITIZEN”ブランドの国内市場は、上期は「The CITIZEN」等の高価格帯製品や「PROMASTER」等の中価格帯製品が好調に推移したものの、消費税増税後の消費マインドの冷え込みからクリスマス商戦での売上は伸び悩み、また、新型コロナウイルスの感染拡大による急激な落ち込みもあり、減収となりました。
海外市場のうち、北米市場は、宝飾チェーンを中心とした実店舗閉鎖による影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の縮小が響き大幅な減収となったほか、比較的底堅さを保っていた欧州市場も同様に急激な減速に見舞われました。アジア市場も中国を中心に大規模な経済停滞の影響が大きく、減収となりました。
マルチブランドについては、“BULOVA”ブランドが主力の北米市場で大きく売上を落とし、その他のブランドについても減収となりました。
ムーブメント販売は、依然として市場の回復に力強さを欠く厳しい環境が続く中、高付加価値商品の需要が伸び悩み、減収となりました。
なお、腕時計の生産規模は、前連結会計年度比10.2%減少し、約1,423億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、時計事業全体では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う急速な景気悪化による完成品の落ち込みや、ムーブメント販売の低迷を受け、売上高は1,416億円(前期比13.4%減)と、減収となりました。営業利益においては、重点施策の一つである高価格帯製品が売上を伸ばしましたが、完成品の急落やムーブメント販売の不振等による影響が大きく、39億円(前期比68.3%減)と、減益となりました。
(工作機械事業)
国内市場は、回復の兆しが見えていた半導体関連が勢いを失ったほか、自動車関連も停滞感が強まり、減収となりました。
海外市場においても、景気の減速傾向に加え大規模な経済活動の停滞が響き、中国市場で医療関連やIT関連に動きが見られたものの、その他のアジア市場、米州市場、欧州市場と軒並み低調な推移となり、減収となりました。
なお、工作機械の生産規模は、前連結会計年度比26.5%減少し、約560億円(販売価格ベース)でありました。
以上の結果、工作機械事業全体では、当社グループの独自技術であるLFV(低周波振動切削)技術搭載機の販売を推し進めましたが、国内外で設備投資に対する慎重姿勢が強まり、売上高は585億円(前期比18.9%減)、営業利益は72億円(前期比44.5%減)と、減収減益となりました。
(デバイス事業)
精密加工部品のうち、自動車部品は、中国をはじめとした新車販売台数の減少や世界的な先行き不透明感の拡大を受け減収となったほか、スイッチもスマートフォンのサイドスイッチ搭載機種の減少により伸び悩み、精密加工部品全体で減収となりました。
オプトデバイスは、車載向けチップLEDやバックライトが落ち込んだほか、照明向けLEDは、厳しい価格競争を強いられる中、価格競争に追随せず収益性を重視した取組みに注力したことにより、オプトデバイス全体で減収となりました。
なお、オプトデバイスの生産規模は、前連結会計年度比19.5%減少し、約235億円(販売価格ベース)でありました。
その他部品のうち、水晶デバイスは、スマートフォンなどの通信機器向け需要が増加し、横ばいとなりました。
以上の結果、デバイス事業全体では、主にオプトデバイスを中心とした売上減の影響により、売上高は559億円(前期比8.0%減)と、減収となりました。営業利益においては、収益を重視した販売戦略に注力したものの売上減の影響が大きく9億円(前期比63.6%減)と、減益となりました。
(電子機器事業)
情報機器は、バーコードプリンターが健闘したものの、設備投資意欲の減退等から主力のフォトプリンターやPOSプリンターが伸び悩み、情報機器全体では減収となりました。
健康機器は、中東及びアジア向けの販売が好調に推移しましたが、国内向けの落ち込みを補うには至らず、減収となりました。
以上の結果、電子機器事業全体では、売上高は168億円(前期比12.7%減)、営業損失は2億円(前年同期は4億円の営業利益)と、減収減益となりました。
(その他の事業)
宝飾製品は、高額品需要に上向きの兆しが見られた一方で、消費税増税後の反動減や地方を中心に厳しさを増す百貨店、専門店の伸び悩み、また、会社清算及び一部事業譲渡に向けた営業活動の縮小等により、減収となりました。
以上の結果、その他の事業全体では、売上高は55億円(前期比4.8%減)、営業利益は0億円(前期比71.3%減)と、減収減益となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ443億円減少し、3,695億円となりました。資産の内、流動資産は、たな卸資産が29億円増加した一方で、受取手形及び売掛金が208億円、現金及び預金が67億円それぞれ減少したこと等により、233億円の減少となりました。固定資産につきましては、繰延税金資産が27億円増加した一方で、投資有価証券が65億円、機械装置及び運搬具が56億円、無形固定資産が41億円それぞれ減少したこと等により、210億円の減少となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ、短期借入金及び長期借入金が合わせて40億円、事業再編整理損失引当金が13億円それぞれ増加した一方で、電子記録債務が56億円、未払費用が52億円、支払手形及び買掛金が40億円それぞれ減少したこと等により75億円減少し、1,387億円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が271億円、その他有価証券評価差額金が45億円、為替換算調整勘定が43億円それぞれ減少したこと等により367億円減少し、2,307億円となりました。
当連結会計年度末の受取手形及び売掛金が大きく減少しておりますが、これは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う急速な景気悪化による時計事業や工作機械事業等の減収に伴い、売上債権が減少したことが主な理由です。また、減損損失の計上により固定資産が大きく減少しております。
一方負債ではリファイナンスによる長期借入金の返済と借入を行っております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度に比べ65億円減少し、当連結会計年度末には、779億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比べ25億円減少し173億円となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が150億円、仕入債務の減少額89億円、法人税等の支払額71億円等による減少要因がありました一方、減価償却費が154億円、減損損失が192億円となりましたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比べ43億円支出が減少し、154億円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入40億円、有形固定資産の売却による収入7億円等がありました一方、有形固定資産の取得による支出が168億円となりましたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比べ11億円支出が増加し、70億円の支出となりました。これは主に長期借入れによる収入152億円等がありました一方、長期借入金の返済による支出が107億円、配当金の支払額が69億円、自己株式の取得による支出が30億円となりましたこと等によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失となりましたことにより、前年度対比で大きく減少しておりますが、主なものは非資金損益項目の減損損失の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ設備投資による支出が減少したことから、前年度対比で投資活動による支出が減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出により、前年度対比で支出が増加しております。また、当連結会計年度は、リファイナンスによる長期借入金の返済と借入を行っております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことをしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に次のとおりであります。
a.退職給付債務及び退職給付費用
当社グループでは、退職給付債務及び退職給付費用について、数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件に基づき算出しております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループでは、繰延税金資産の算定において慎重な判断を行い、評価性引当額を計上することにより実現可能性の高い金額への修正を行っております。評価性引当額における必要性の評価については、将来の課税所得と継続的な税務計画を慎重に判断しております。
c.固定資産の減損
当社グループは、固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。
なお、経営者は見積り及び判断・評価につきまして、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
また、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損においては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が、2020年6月頃まで続くものと仮定し、会計上の見積りを行っておりますが、この仮定は不確実性が高く、影響の長期化や深刻化した場合は、将来の損失額に影響を与える可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績等に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報についての記載
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び部品等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。自己資金につきましては国内グループ会社間の資金効率を上げるためキャッシュマネージメントシステムを導入しております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入と債券市場からの社債等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債(リース債務含む)の残高は56,616百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は77,996百万円となっております。
不測の事態に備えて、金融機関との良好な関係の維持に努めるとともに、複数の金融機関との間で合計20,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
⑥ 目標とする経営指標の達成状況
当社グループは、2019年度から2021年度までの中期経営計画において、グループ中期経営ビジョンとして「Innovation for the next ~時を感じ、未来に感動を~」を掲げ、これまでのものづくりにとどまらない新たな価値創造に挑戦いたします。
中期経営計画においては、時計事業と工作機械事業をコア事業と位置付け、中長期的な成長に向けた取り組みを推進いたします。一方で、前中期経営計画で実施したM&A等の大型投資は一巡したことから、各事業における投資効率やバランスシートに対する意識を高め、資本効率と収益性の向上を目指すため、以下の目標指標を設定しております。
なお、2020年3月期は、時計事業で製造の省人化・合理化を推進し、工作機械事業においては次の成長に向けた中国工場の移転拡張を決定する等の施策を実施、また、デバイス事業他においては構造改革を実施しましたが、市況環境の変化や新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、苦戦を強いられました。
2021年3月期
目標指標
2020年3月期
実績
売上高3,700億円2,785億円
営業利益300億円61億円
ROE8.0%△7.0%

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