有価証券報告書-第56期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:26
【資料】
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【項目】
108項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における国内経済は、企業収益や雇用情勢が改善するなど緩やかな回復基調で推移したものの、欧州の政治リスクや米国の政策動向など海外情勢の懸念材料もあり、先行き不透明な状況が続きました。
医療業界におきましては、増加し続ける医療費を背景に、国が推し進める社会保障・税の一体改革で描かれた2025年の医療・介護の将来像の実現に向けて、地域医療連携の強化や医療機能の分化・強化を図る政策が取られており、高度急性期病院・急性期病院では生き残りに向けて厳しい経営努力が求められております。その中で、当医療機器業界におきましても厳しい環境変化への対応が求められており、引き続き各企業はより一層の経営の効率化及び合理化が求められる状況となっております。
このような環境の下、当社グループでは、医療機関の経営改善を支援する「オペラマスター」の販売拡大と、顧客のメリットを最大限に追求したキット製品である「プレミアムキット」の臨床試用の推進と販売拡大、及び新製品の開発・販売に注力してまいりました。
「オペラマスター」の契約状況は、包括医療費支払制度(DPC)対象の医療機関を中心に、新規契約件数は30件となりました。大型医療機関を中心に契約する戦略を進めており、新規採用いただいた医療機関の手術件数は例年通りの規模となり、「オペラマスター」の市場への浸透は順調に拡大しております。また、解約は13件で、累計契約件数は289件となりました。
キット製品は、「オペラマスター」の売上高が伸長しましたが、従来の新規販売にかけていた営業活動に加え、「プレミアムキット」及び新製品の販売にも傾注したため、営業活動が分散し新規販売が遅れました。また、新製品「内視鏡用ホルダ EMARO」の販売は3施設に留まりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は36,859百万円(前年同期比0.8%増)となりました。キット製品の売上高は21,124百万円(同4.3%増)、このうち「オペラマスター」の売上高は14,561百万円(同6.3%増)、不織布製品の売上高は9,406百万円(同3.3%減)となりました。売上原価は、新キット工場の償却費の増加や為替の影響等により前年同期に比べ上昇いたしました。販売費及び一般管理費は、販売拡大に必要な経費を使用しました。この結果、営業利益は7,443百万円(同15.3%減)となりました。経常利益は、外国付加価値税の計上等により7,403百万円(同17.0%減)となりました。また、株式の一部売却による特別利益1,024百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は5,786百万円(同2.1%減)となりました。
なお、セグメント情報の記載は、医療用消耗品等の製造・販売の単一事業でありますので省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより16,244百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,251百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を8,422百万円、減価償却費を4,409百万円、投資有価証券売却益を1,024百万円計上し、たな卸資産の増加938百万円、未収消費税等の減少1,192百万円、法人税等の支払2,755百万円がありました。これらの結果、キャッシュ・フローは10,066百万円となり、主に前連結会計年度の新キット工場の建屋の取得による未収消費税等の増加と、当連結会計年度の未収消費税等の減少により、前連結会計年度に比べ3,257百万円増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新キット工場の機械設備の構築等に伴う有形固定資産の取得による支出5,308百万円、投資有価証券の一部売却による収入1,062百万円、定期預金の払戻しによる収入1,006百万円等がありました。この結果、3,868百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ11,801百万円支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)の導入による長期借入れによる収入574百万円、自己株式の取得による支出574百万円、配当金の支払1,873百万円等がありました。これらの結果、1,877百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ66百万円支出が増加いたしました。