有価証券報告書-第41期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/23 15:30
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141項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、“快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する”という企業理念のもと、健康・医療をメインテーマに事業を展開し、グローバルなメディカルカンパニーへと飛躍することを目指しております。
当社グループは、「社会はいつでも我々の製品を必要としている」をスローガンに、ESG、SDGsを意識した経営を推進し、人々のWell-beingの実現、サステナブルな社会の創造に貢献してまいります。
当社グループの事業は、ウォーターヘルスケア事業と医療関連事業からなり、現在、ウォーターヘルスケア事業が連結売上高の87.3%を占めておりますが、今後、医療関連事業を新たな事業軸の一つとして構築していくことを目指しております。電解水透析事業や再生医療関連事業を展開する医療関連事業を拡充することにより、グループの収益基盤が強化されるだけでなく、当社グループをメディカルカンパニーとしてブランディングすることで、整水器販売を中心とするウォーターヘルスケア事業への大きな波及効果を得ることが出来ると考えております。
ヘルスケア、医療に関連する当社グループ事業の成長には、科学的エビデンスによる裏付けが不可欠です。これまで30年以上に亘り産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌に論文として多数発表してまいりました。今後も、理化学研究所や東京大学、神戸大学、早稲田大学を始めとする研究機関と連携し、既存ビジネスの拡大とともに新たな事業シーズの発掘を目的に、基礎研究から臨床研究まで幅広い研究開発を実施してまいります。
資本面では、「資本効率性」、「株主還元」、「財務健全性」をバランス良く実現することを基本方針とし、常に経営効率の向上に取り組み、適正な利益を生む経営を実施するとともに、ステークホルダーへの適切な収益の分配、安定した財政基盤の更なる充実に努めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、効率的で筋肉質な経営を目指しており、連結売上高経常利益率及びROE(自己資本利益率)を意識した経営を行っており、連結売上高経常利益率20%以上、ROE10%以上を中期的目標としております。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
3年に亘り社会経済活動に多大な影響を与えた新型コロナが収束に向かい、感染症法上の位置付けが本年5月に5類に移行されたことにより、経済活動はようやく正常化へと戻りつつあります。一方で、ウクライナ情勢の懸念や中台関係の緊張の高まりなどもあり、今後の世界経済の先行きはいまだ不透明な状況にあります。そのような環境のもと、当社グループにおきましては、コロナ禍により制限を受けていた対面販売や医療機関向けの営業活動が正常化へと向かうことで、2021年3月期を底とした成長路線を加速していくことが出来るものと考えております。コロナ禍を経て、世間の健康意識がより高まっていることも、ヘルスケア、医療分野を主事業とする当社グループにとってはチャンスであると捉えております。製造におきましては、部材の調達やコスト増など引き続き厳しい環境が予測されるため、効率化のためのシステム導入によるコスト削減などのほか、製品の値上げや新たな部材調達先の確保など先行して対策を講じており、強いサプライチェーンの構築、より筋肉質な経営へと繋げてまいります。
当社グループは、2027年3月期連結売上高320億円を目標とし、その実現並びに中長期的な企業価値向上を目指し、以下の3点を重点的に取り組んでまいります。
1.主事業である整水器販売事業の直接販売部門の効率化を伴う量的拡大
2.整水器販売事業の卸・OEM部門における海外展開の拡大
3.世界に先駆けた電解水透析の普及と、保険適用も視野に入れた研究開発等の活動
①ウォーターヘルスケア事業
当社の電解水素水整水器は、アルカリ性で抗酸化性のある水素を含有した電解水素水を生成し、「胃腸症状の改善」に効果が認められた、厚生労働省所管の管理医療機器です。腸は免疫機能の約70%を担っており、また第二の脳とも呼ばれ、健康の維持・増進のためには腸内環境を整えることが重要であるとの認知が広まってきております。コロナ禍もあり、腸を健康にする「腸活」がさらに脚光を浴びており、「胃腸症状の改善」に効果のある整水器の需要は、今後、高まっていくと考えております。
電解水素水は胃腸症状の改善だけでなく、含有する水素の抗酸化性による健康保持、増進、疾病予防への効果も期待されており、当社では30年以上に亘りさまざまな大学、研究機関と産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌で論文発表してまいりました。当社は、健康寿命の延伸、医療費の削減には「予防」が最も重要との考えのもと、その一助として「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」を提唱しております。これは「健康長寿社会の実現」を掲げ、健康保持・増進策に注力している国策にまさに合致するものであり、厚生労働省、経済産業省が推奨する「健康経営®」を切り口に、企業への一括導入に注力しております。また、導入企業の従業員への展開へと広げてまいります。
コロナ禍を契機として、新たな販売チャネルとして注力しておりますECサイト等のWEBマーケティングも引き続き推進してまいります。
当社の電解水素水整水器のユーザー数は、直接販売、間接販売合わせて現在約85万件ですが、これを300万件規模に拡大することを目指しております。これにより、消耗品である浄水カートリッジ販売がストックビジネスとして安定した収益基盤となります。仮に300万件のユーザー数を実現し、その70%が浄水カートリッジを購入した場合、売上高は年間約20,000百万円となります。その早期実現のため、価格帯も含めてより普及しやすい商品の開発、認知向上を目的とした広報施策など、中長期的視野に立った俯瞰的な対策を講じてまいります。
海外事業では、インドネシアで、日本の技術で生成した、より安全で美味しいアルカリ性の水をコンセプトとした「Pristine(プリスティン)」をブランドに、ボトルドウォーター事業を展開しております。インドネシアは、世界4位の人口と経済成長による中間所得層の増加により、ボトルドウォーター市場が拡大路線にあります。その中で、まずは売上高を伸ばして同国内でのシェアを高めることを方針とし、2030年度に売上高1兆ルピア(90億円、1ルピア=0.0090円)の目標を現地パートナーのシナルマスグループと掲げております。従来からのSNS等を通じたデジタルマーケティングに加え、より幅広い層への認知を拡大させるため2023年度よりインドネシア全土でのテレビCMを開始するなど、改めてマーケティングへの先行投資を実施しております。ジャワ島外へも展開地域を拡大していくとともに、今後の業績伸長を見据えた製造体制の強化にも取り組んでまいります。
上記飲用以外にも、新たな事業創出を目的に、農業、工業などへの電解水素水の応用に関する産学共同研究を推進しております。
②医療関連事業
電解水透析は、これまで透析液原液の成分(溶質)ばかりに主眼が置かれていた透析治療に、溶媒である「水」そのものに世界で初めて着目した次世代新規治療法です。透析患者のQOL向上とともに病院経営にも収益面で寄与することが期待されております。2018年7月に厚生労働省から提出された腎疾患対策検討会報告書において、CKD(慢性腎臓病)重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOL(生活の質)の維持向上を図ることが大方針に掲げられ、電解水透析がまさにその指針に沿うものとしての認知も広がっております。コロナ禍においては医療施設への訪問ができないなどの営業上の制約がありましたが、新型コロナの収束により徐々に緩和されてきております。現在、全国展開する大手病院グループの主病院や地域で主導的立場の病院への導入を進めており、それらを起点に更に普及を促進してまいります。まずは、国内約4,500施設の約7%、300施設への設置を目指します。また、国内にとどまらずグローバルスタンダードへの発展を目指します。
再生医療関連事業では、ステムセル研究所が、再生医療・細胞治療を目的とした、「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及び、それらの細胞を利用した、新たな治療法、再生医療等製品の開発、そしてこれらの事業基盤をベースにした再生医療・不妊治療・出産・子育て等の領域での事業開発及び投資等の事業展開を行っております。同社は、国内のさい帯血保管総数の約99%のシェアを占める国内最大手の民間さい帯血バンクです。従来の「さい帯血」に加え、2021年4月より日本初の「さい帯保管サービス」も展開しております。コロナ禍においては、リアル・マーケティングが制約を受ける中、新たに取り組んでまいりましたデジタル・マーケティングがそれを補う形で展開してまいりました。新型コロナの収束により、従来のリアル・マーケティングが再開することで、双方をミックスした「Ⅹ(クロス)マーケティング」の展開がスタートし、双方のシナジーにより、認知向上、保管検体数増加に大きく寄与するものと考えております。
一方、同社の強みである、全国の産婦人科医院及び出産を控える妊婦さんとその周辺の関係者の方々へアプローチできる独自のネットワークを活用し、AIなどの新しい技術を利用したデータサイエンス(先制医療)分野や、「さい帯血」や「さい帯」以外の他の細胞のバンキング、またそれらを利用した新たなプロダクトやサービスの開発等の事業展開を、M&Aも含めて推進してまいります。
中国での病院運営事業につきましては、糖尿病治療や血液透析治療などの慢性期疾患領域における高度な日本式医療サービスの提供をコンセプトに展開しております。コロナ禍の影響などにより、事業の進捗は想定よりも遅れておりますが、堅実に来院者数・稼働率ともに増加しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、以下のテーマを課題とし、その対策に取り組んでおります。また、SDGsの取組みとも連携し、持続的成長、企業価値向上を実現してまいります。
①ウォーターヘルスケア事業
整水器関連事業につきましては、現在の約85万件の整水器アクティブユーザー数を300万件とすることを目指しております。ユーザー数拡大の早期実現のためには販売力を強化し、整水器市場を拡大させることが最も重要であると考えております。
職域販売におきましては、セミナー数の増加が業績拡大の大きな要素となります。これまで代理店である企業からの紹介をもとにセミナーを実施してまいりましたが、新たな取組みとして、人材紹介会社などを介して多様なネットワークを持つ個人からの紹介により、これまでリーチできていない先の開拓に取り組んでおります。一方、営業効率につきましては、1セミナーあたりの販売台数を指標とし、その向上のため、営業トークを基本に立ち返ってブラッシュアップしております。また、これからの業容拡大に備え、営業人員の増強にも取り組んでおります。
卸・OEM部門では、国内外での新規取引の開拓に取り組んでおります。特に、ベトナムをはじめとした海外向け製品の展開が活発化しており、成長余地が特に大きな部門として、体制強化も含め、精力的に進めてまいります。
一方、新型コロナへの対応から本格的にスタートしたWEBマーケティングにも引き続き注力しております。この取り組みは、電解水素水、整水器の認知や理解向上にも寄与するものであり、既存の販売チャネルにも大きな後押しとなります。
インドネシアでのボトルドウォーター事業につきましては、ミネラルウォーター市場に占めるアルカリ水の市場割合を拡大させることが重要であると考えております。将来の飛躍的成長に向けて、2023年度よりインドネシア全土でのテレビCMを開始するなど、改めてマーケティングへの先行投資を開始しております。ペットボトルの販売では、ジャワ島外へ展開地域を拡大し、ガロンの宅配では、ジャカルタ市内を中心に専属のディストリビューターを増やし、より地域に密着した体制構築に取り組んでおります。
②医療関連事業
電解水透析事業につきましては、2023年4月末現在、全国にある透析施設4,493施設のうち32施設(945床)に電解水透析システムが導入されており、約2,800名の患者の方々が電解水透析治療を受けられております。電解水透析の導入施設数を増やし、全国の透析患者が居住地域に関係なく、電解水透析治療を選択出来る環境を作る事が急務であると考えております。2024年3月期は、当期の徳洲会グループの山内病院に続き、同グループの他施設への導入が予定されております。このような系列病院での展開とともに、聖路加国際病院、医療法人鉄蕉会 亀田総合病院や社会医療法人愛仁会 井上病院といった透析治療の基幹施設への導入実績をもとにした、面での展開で普及を拡大してまいります。本年6月には、神戸にて開催された日本透析医学会学術集会・総会においてランチョンセミナーを開催し、これを契機に、まだ展開の弱い関西以西での普及拡大にも注力してまいります。
また、電解水透析システムをより多くの施設に導入いただくには、水の質、安定性はもちろん、システムの小型化やメンテナンス性の向上、コストも重要な要素です。今後、より普及を促進することを目指し、医療機器化も視野にさらなる改良、開発に取り組んでおります。
細胞バンク事業における、さい帯血の保管につきましては、厚生労働省健康局より「臍帯血取扱事業の届出」の提出を要請されており、ステムセル研究所は今後も同省と協議しながら、適切に事業運営を行ってまいります。
また、近年さい帯血の保管の需要が急激に高まってきており、同社は2021年3月に新たな細胞処理センター(横浜市)を増設いたしました。今後も2021年4月に開始した「さい帯(へその緒)保管サービス」を含めた、出産に由来する組織由来の細胞(周産期組織由来細胞)等の採取、保管事業の拡大に備え、細胞処理能力、細胞保管能力の増強を行ってまいります。
③新規事業
当社グループが持続的に成長するためには、現在の主軸事業である整水器関連事業の他に、新たな事業軸を構築することが必要であると考えております。その一つとして最も注力しております医療関連事業の他、農業分野や工業分野でも電解水素水による新規事業の創出を目的とした研究開発に取り組んでおります。いずれも非常に大きな将来性がある分野です。今後も、グループ全体のシナジーを念頭に、将来性の見込める新規事業に対して先行投資を実施してまいります。
④サステナビリティ
当社グループでは、5つの重要領域(健康・医療、環境、ひと、社会、サプライチェーン)における9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。企業活動を通じて、社会課題を解決していくべく鋭意取り組んでまいります。
・健康寿命の延伸への貢献
・新しい医療(治療法・サービス)の開発
・地球温暖化対策への対応
・環境対策(循環型社会の構築)への貢献
・ダイバーシティ&インクルージョンの推進
・働き方改革の実施
・地域社会との共存
・農業分野への貢献
・持続可能な調達の実施
⑤人財
当社グループが持続的な成長を実現するためには、多様な人財の登用、育成が必要です。中でも、女性の活躍は不可欠であると考えており、マテリアリティでもありますダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでまいります。また、社員の生産性の向上や健全な労働環境づくりを目的に、代表取締役を責任者とした体制で「健康経営」を推進するなど、働き方改革にも取り組んでまいります。

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