有価証券報告書-第65期(2023/09/01-2024/08/31)
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)グループ全体におけるサステナビリティの考え方及び取り組み
当社グループは、「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」という企業理念を掲げています。この企業理念は、栃木県・高根沢町での創業時から今に至るまで、当社の全ての事業活動における判断の拠り所であり、全ての社員が共有する価値観として浸透しています。企業理念の実現を目指し、「世界一の品質を世界のすみずみへ」届けるべく、当社はこれまでに開発・生産・営業それぞれの機能を強化しながら(ベストプラクティスの追求)、やらない経営を徹底することで(トレード・オフの追求)、地方企業ながらも世界的に高い市場シェアと高収益率を維持しており、強固な経営基盤を作り上げております。このような経営基盤を背景として、当社本社やベトナム子会社の製造工場を中心に、社員が長く働くことの出来る環境を提供しており、アイレス針や白内障用の眼科ナイフ等の「世界一の品質」を持つ製品を生み出すことにつながったと考えております。
また、当社グループは環境負荷低減と事業成長の両立にも取り組んでおります。創業期には田園地帯に工場が立地していたことから、地域社会との共存を図るために環境負荷低減に向けた投資を早期から実施しておりました。当社製品はステンレスワイヤー(針金)を加工した微小なものが多く、加工に必要なエネルギー消費量を最小限に抑えることが可能なほか、製品は極めて軽量でもあるため、輸送においても環境負荷が軽微であることが特徴です。ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbHにおいても、CO2排出量の削減に向けた施策や人体への影響を考慮した歯科修復材の開発を進めるなど、グループ全体で「良い製品」による「良い治療」を世界の医療現場に普及するべく、取り組んでおります。
当社グループの経営基盤をより強固なものとし、持続的な成長と持続可能な社会の実現を両立するため、グループ全体でのサステナビリティに関する方針として、2021年4月に策定した中期経営計画において「マニーサステナビリティ」を発表いたしました。当社は企業理念を実現することこそ社会に対して最も貢献できることと考えており、「マニーサステナビリティ」の推進により更なる企業価値の向上を目指してまいります。
以下、TCFD提言にて推奨される「①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標と目標」の4項目の内容について、それぞれ記載しております。
①ガバナンス
ESG・環境グループを主管部署として、当社グループの関係部門と連携しながら、気候変動、人権、地域共生、ガバナンス等の「マニーサステナビリティ」主要項目への対応を行います。また活動内容に関する重要事項については、取締役会にて報告され、監督される体制となっております。
②戦略
サステナビリティに関する戦略として、「マニーサステナビリティ」では「カーボンニュートラル達成に向けた省エネルギー活動の推進」、「多様な人財が企業理念のもとに活躍できる職場づくり」及び「環境に配慮したグリーンサプライチェーン評価制度の確立」を掲げており、特に当社グループでは人的資本を重要な経営資源と認識しております。世界一の品質を追求しながら、医療機器事業の更なるグローバル展開を実現するための人財育成に積極的に取り組んでまいります。詳細については(2)人的資本に関する取り組みをご参照ください。
気候変動に関しては、以下の2つの将来シナリオを策定し、各シナリオにおける主要なリスク・機会を整理しております。
③リスク管理
「マニーサステナビリティ」推進を全社活動目標として設定し、目標達成に向けた取り組みを月次でレビューし、その進捗を取締役会にてモニタリングする運用としております。
④指標と目標
グループ全体で以下の指標と目標を設定し、その達成に向けて一丸となって取り組んでまいります。
目標1:再生可能エネルギー由来の電力の使用比率
2030年までに25%
2050年までに100%
目標2:二酸化炭素排出量(2022年比)
2030年までに25%削減
2050年までに85%削減
(2024年8月期における取り組みの状況)
日本、ベトナム、ドイツそれぞれの拠点において、太陽光発電等の仕組みを導入し、環境に配慮した事業活動を推進いたしました。
日本
当社本社清原工場において、地元企業との間で電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結し、2024年6月より太陽光発電システムの稼働を開始いたしました。同本社・工場での年間発電量は約153,080kWhとなり、年間約67tのCO2排出量削減を見込んでおります。また、花岡工場(スマートファクトリー)においても同様の電力購入契約を2024年7月に締結し、2025年6月の稼働を目指しております。花岡工場における太陽光の年間発電量は約734,528kWhとなる予定で、年間約324tのCO2排出量削減を見込んでおります。
ベトナム
ベトナム工場全体で省電力なLED照明機器に変更する等、CO2排出量削減に取り組んでおります。
フーエン第2工場においては、2025年1月の太陽光パネル設置完了を目標に、現在工事が進行しております。
ドイツ
新工場に設置された太陽光発電パネルは2023年9月から稼働を開始し、昨年度は165,000kWhの電力が生成されました。また、工場敷地内に設置されたEVチャージャーステーションを活用すべく、“Electronic Vehicle Car Policy”を策定し、社用車をEV車へ段階的に切り替える取り組みを進めております。さらに、新工場敷地内の樹木への散水のため、雨水収集システムの利用を開始し、雨水の効率的な活用にも努力しております。
(2)人的資本に関する取り組み
人財戦略
更なる企業価値の向上を目的として、中期経営計画においては「世界で戦える製品開発」、「グローバルでの事業拡大」、「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」を重要課題として掲げています。中期経営計画の詳細は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
本中期経営計画で掲げた重要課題の達成及び「これからの進化」を実現するため、人財戦略として以下の3つのテーマを設定しております。
「これからの進化」を実現する人財の確保
ビジネスモデルを変革し真のグローバル企業へ進化すべく、それを実現する人財の採用や育成に注力します。
人財の多様性の確保
多様な人財の視点や経験によりお客様のニーズを捉え、スピード感をもってイノベーションを創出できる体制を目指します。
ワークエンゲージメントの向上
経営戦略を実行するためには、社員と経営が一体となり進めていくことが不可欠です。社員一人ひとりが力を発揮できる職場環境を目指します。
また、これからの進化に向けて、自らの意思で価値創造や成長を目指す、お互いの違いを活かして協力し合う、などの意識の醸成も重要であると考えております。このような背景から、すべての人財に求める要素として、「価値創造・自律・成長・多様性の尊重」を設定いたしました。今後は、この4つの要素を全社に浸透させ、一人ひとりが体現できるよう、コミュニケーションの場を設けるなどの環境整備を進めてまいります。
「これからの進化」を実現する人財と多様性の確保を含む育成方針
1.「世界で戦える製品開発」に必要な人財の確保と育成
「『世界一の品質』の追求」をキーワードに新製品の開発を加速するため、製品領域別と開発プロセス別のそれぞれの専門人財が必要であると認識しております。このような人財を育成するため、医科や歯科の専門知識および製品開発に必要な技術・スキルを養うとともに、それぞれのキャリアを見据えた業務配分を行っております。
また、それぞれの専門性に基づく採用やKOL医師との連携強化も進めております。
2.「グローバルでの事業拡大」に必要な人財の確保と育成
国や地域により市場特性やニーズが異なるため、それぞれのニーズに合わせたマーケティングの推進が必要だと考えております。世界中の顧客ニーズをいち早くキャッチし、問題・課題を解決するための製品を開発・提供していくために、より戦略的なマーケティング活動、能動的な営業スタイルへの変革、地域×製品セグメント毎のエキスパートが必要であると認識しております。このような専門人財の採用とともに、社内の専門教育やOJTの強化を図っております。
3.「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」に必要な人財の確保と育成
2023年10月よりスマートファクトリーの建設を開始しました。デジタル技術を活用した生産プロセス改善のため、デジタルスキルを持ち合わせた設備保全、歩留り改善などの経験をもつ人財の採用・育成を進めております。
加えて、製品開発後の量産フェーズや、生産子会社への開発技術の速やかな移管を強化するため、「生産技術・製造技術のエキスパート」を育成しております。
「これからの進化」を実現する人財と多様性の確保を含む育成方針に沿った具体的な取り組み事例は、下記のとおりです。
なお、人財の多様性においては、経験者採用を積極的に進めることで、これまで自社になかった多様な視点を取り込んでおります。また、男女問わず活躍できる環境を目指して、女性管理職比率の向上に取り組んでまいります。さらに、「多様性受容の文化」醸成のための情報発信や研修の場を設けます。
人財戦略を実現する社内環境整備方針
人事制度の改訂に伴い、組織全体として社員一人ひとりの役割認識の強化を目的として全社的な教育体系を整備し、その一環として社員の階層別研修を開始しております。加えて、業務効率化や生産性向上など、事業運営の高度化に必要な専門性を高めるための教育制度の整備を進めております。具体的には、全社横断的な取り組みとして、業務のデジタル化を進めるとともに、社員のITリテラシー向上に向けた様々な施策に取り組んでまいります。
指標及び目標
人財戦略とそれぞれの重点領域に即した指標及び目標は下表のとおりです。目標達成のため、定期的にその実績をモニタリングしております。
(注)当社では人財の多様性を図る取り組みとして女性管理職比率の指標は重要と捉え、女性管理職比率のみ目標(2026年8月期)を設定し、それ以外の取り組みは指標としてモニタリングしてまいります。なお、当社の連結子会社においては、各国の法規制、労働慣行、従業員構成などがそれぞれ異なり、連結ベースでの記載が困難であることから、上記指標及び目標は当社単体ベースで記載しております。
人権尊重に関する取り組み
「ビジネスと人権」に関する企業の対応への要請はますます強まっており、当社グループの事業活動において、適切な対応が求められています。当社は、事業活動を行う過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、事業活動に関わる全ての人の人権を尊重するために、2024年9月に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り「マニーグループ人権方針」を策定いたしました。今後、人権デュー・ディリジェンスの取り組み等を通じて、人権に配慮した経営に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)グループ全体におけるサステナビリティの考え方及び取り組み
当社グループは、「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」という企業理念を掲げています。この企業理念は、栃木県・高根沢町での創業時から今に至るまで、当社の全ての事業活動における判断の拠り所であり、全ての社員が共有する価値観として浸透しています。企業理念の実現を目指し、「世界一の品質を世界のすみずみへ」届けるべく、当社はこれまでに開発・生産・営業それぞれの機能を強化しながら(ベストプラクティスの追求)、やらない経営を徹底することで(トレード・オフの追求)、地方企業ながらも世界的に高い市場シェアと高収益率を維持しており、強固な経営基盤を作り上げております。このような経営基盤を背景として、当社本社やベトナム子会社の製造工場を中心に、社員が長く働くことの出来る環境を提供しており、アイレス針や白内障用の眼科ナイフ等の「世界一の品質」を持つ製品を生み出すことにつながったと考えております。
また、当社グループは環境負荷低減と事業成長の両立にも取り組んでおります。創業期には田園地帯に工場が立地していたことから、地域社会との共存を図るために環境負荷低減に向けた投資を早期から実施しておりました。当社製品はステンレスワイヤー(針金)を加工した微小なものが多く、加工に必要なエネルギー消費量を最小限に抑えることが可能なほか、製品は極めて軽量でもあるため、輸送においても環境負荷が軽微であることが特徴です。ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbHにおいても、CO2排出量の削減に向けた施策や人体への影響を考慮した歯科修復材の開発を進めるなど、グループ全体で「良い製品」による「良い治療」を世界の医療現場に普及するべく、取り組んでおります。
当社グループの経営基盤をより強固なものとし、持続的な成長と持続可能な社会の実現を両立するため、グループ全体でのサステナビリティに関する方針として、2021年4月に策定した中期経営計画において「マニーサステナビリティ」を発表いたしました。当社は企業理念を実現することこそ社会に対して最も貢献できることと考えており、「マニーサステナビリティ」の推進により更なる企業価値の向上を目指してまいります。
以下、TCFD提言にて推奨される「①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標と目標」の4項目の内容について、それぞれ記載しております。
①ガバナンス
ESG・環境グループを主管部署として、当社グループの関係部門と連携しながら、気候変動、人権、地域共生、ガバナンス等の「マニーサステナビリティ」主要項目への対応を行います。また活動内容に関する重要事項については、取締役会にて報告され、監督される体制となっております。
②戦略
サステナビリティに関する戦略として、「マニーサステナビリティ」では「カーボンニュートラル達成に向けた省エネルギー活動の推進」、「多様な人財が企業理念のもとに活躍できる職場づくり」及び「環境に配慮したグリーンサプライチェーン評価制度の確立」を掲げており、特に当社グループでは人的資本を重要な経営資源と認識しております。世界一の品質を追求しながら、医療機器事業の更なるグローバル展開を実現するための人財育成に積極的に取り組んでまいります。詳細については(2)人的資本に関する取り組みをご参照ください。
気候変動に関しては、以下の2つの将来シナリオを策定し、各シナリオにおける主要なリスク・機会を整理しております。
シナリオ | 1.5℃~2℃シナリオ | 4℃シナリオ | |
概要 | 政府による環境規制の強化がなされ、 気候変動対応が進展する | 気候変動対応が進捗せず、災害が激化、 増加する | |
リスク | 移行 リスク | 温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務への影響は限定的 | 温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務へ の影響は限定的 |
物理 リスク | ・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等が増加し、財務への影響は大きい ・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点であるベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的 | ・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等がさらに増加し、財務への影響は非常に大きい ・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点である ベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的 | |
機会 | 市場 | 当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない | 当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない |
③リスク管理
「マニーサステナビリティ」推進を全社活動目標として設定し、目標達成に向けた取り組みを月次でレビューし、その進捗を取締役会にてモニタリングする運用としております。
④指標と目標
グループ全体で以下の指標と目標を設定し、その達成に向けて一丸となって取り組んでまいります。
目標1:再生可能エネルギー由来の電力の使用比率
2030年までに25%
2050年までに100%
目標2:二酸化炭素排出量(2022年比)
2030年までに25%削減
2050年までに85%削減
(2024年8月期における取り組みの状況)
日本、ベトナム、ドイツそれぞれの拠点において、太陽光発電等の仕組みを導入し、環境に配慮した事業活動を推進いたしました。
日本
当社本社清原工場において、地元企業との間で電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結し、2024年6月より太陽光発電システムの稼働を開始いたしました。同本社・工場での年間発電量は約153,080kWhとなり、年間約67tのCO2排出量削減を見込んでおります。また、花岡工場(スマートファクトリー)においても同様の電力購入契約を2024年7月に締結し、2025年6月の稼働を目指しております。花岡工場における太陽光の年間発電量は約734,528kWhとなる予定で、年間約324tのCO2排出量削減を見込んでおります。
ベトナム
ベトナム工場全体で省電力なLED照明機器に変更する等、CO2排出量削減に取り組んでおります。
フーエン第2工場においては、2025年1月の太陽光パネル設置完了を目標に、現在工事が進行しております。
ドイツ
新工場に設置された太陽光発電パネルは2023年9月から稼働を開始し、昨年度は165,000kWhの電力が生成されました。また、工場敷地内に設置されたEVチャージャーステーションを活用すべく、“Electronic Vehicle Car Policy”を策定し、社用車をEV車へ段階的に切り替える取り組みを進めております。さらに、新工場敷地内の樹木への散水のため、雨水収集システムの利用を開始し、雨水の効率的な活用にも努力しております。
(2)人的資本に関する取り組み
人財戦略
更なる企業価値の向上を目的として、中期経営計画においては「世界で戦える製品開発」、「グローバルでの事業拡大」、「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」を重要課題として掲げています。中期経営計画の詳細は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
本中期経営計画で掲げた重要課題の達成及び「これからの進化」を実現するため、人財戦略として以下の3つのテーマを設定しております。
「これからの進化」を実現する人財の確保
ビジネスモデルを変革し真のグローバル企業へ進化すべく、それを実現する人財の採用や育成に注力します。
人財の多様性の確保
多様な人財の視点や経験によりお客様のニーズを捉え、スピード感をもってイノベーションを創出できる体制を目指します。
ワークエンゲージメントの向上
経営戦略を実行するためには、社員と経営が一体となり進めていくことが不可欠です。社員一人ひとりが力を発揮できる職場環境を目指します。
また、これからの進化に向けて、自らの意思で価値創造や成長を目指す、お互いの違いを活かして協力し合う、などの意識の醸成も重要であると考えております。このような背景から、すべての人財に求める要素として、「価値創造・自律・成長・多様性の尊重」を設定いたしました。今後は、この4つの要素を全社に浸透させ、一人ひとりが体現できるよう、コミュニケーションの場を設けるなどの環境整備を進めてまいります。
「これからの進化」を実現する人財と多様性の確保を含む育成方針
1.「世界で戦える製品開発」に必要な人財の確保と育成
「『世界一の品質』の追求」をキーワードに新製品の開発を加速するため、製品領域別と開発プロセス別のそれぞれの専門人財が必要であると認識しております。このような人財を育成するため、医科や歯科の専門知識および製品開発に必要な技術・スキルを養うとともに、それぞれのキャリアを見据えた業務配分を行っております。
また、それぞれの専門性に基づく採用やKOL医師との連携強化も進めております。
2.「グローバルでの事業拡大」に必要な人財の確保と育成
国や地域により市場特性やニーズが異なるため、それぞれのニーズに合わせたマーケティングの推進が必要だと考えております。世界中の顧客ニーズをいち早くキャッチし、問題・課題を解決するための製品を開発・提供していくために、より戦略的なマーケティング活動、能動的な営業スタイルへの変革、地域×製品セグメント毎のエキスパートが必要であると認識しております。このような専門人財の採用とともに、社内の専門教育やOJTの強化を図っております。
3.「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」に必要な人財の確保と育成
2023年10月よりスマートファクトリーの建設を開始しました。デジタル技術を活用した生産プロセス改善のため、デジタルスキルを持ち合わせた設備保全、歩留り改善などの経験をもつ人財の採用・育成を進めております。
加えて、製品開発後の量産フェーズや、生産子会社への開発技術の速やかな移管を強化するため、「生産技術・製造技術のエキスパート」を育成しております。
「これからの進化」を実現する人財と多様性の確保を含む育成方針に沿った具体的な取り組み事例は、下記のとおりです。
取り組み事例 | グローバル での事業拡大 | 世界で戦える製品開発 | グローバル生産体制 の構築 |
・コア技術/術式等勉強会 ・各本部での勉強会 | ● | ● | ● |
海外工場における現場研修 | ● | ● | |
多様な背景を持つ経験者採用 | ● | ● | ● |
なお、人財の多様性においては、経験者採用を積極的に進めることで、これまで自社になかった多様な視点を取り込んでおります。また、男女問わず活躍できる環境を目指して、女性管理職比率の向上に取り組んでまいります。さらに、「多様性受容の文化」醸成のための情報発信や研修の場を設けます。
人財戦略を実現する社内環境整備方針
人事制度の改訂に伴い、組織全体として社員一人ひとりの役割認識の強化を目的として全社的な教育体系を整備し、その一環として社員の階層別研修を開始しております。加えて、業務効率化や生産性向上など、事業運営の高度化に必要な専門性を高めるための教育制度の整備を進めております。具体的には、全社横断的な取り組みとして、業務のデジタル化を進めるとともに、社員のITリテラシー向上に向けた様々な施策に取り組んでまいります。
指標及び目標
人財戦略とそれぞれの重点領域に即した指標及び目標は下表のとおりです。目標達成のため、定期的にその実績をモニタリングしております。
重点領域の実現に向けた取り組み | 指標(注) | 2024年8月期実績 |
成長を支える経験者採用 | 採用充足率 | 目標超過 |
経験者採用(管理職) | 管理職の経験者採用比率 | 33% |
女性リーダー育成 | 女性管理職比率15%以上(単体) | 4.9% |
人財開発への投資 | 人財開発投資額 | 年間15万円/人 |
チャレンジを促す人事制度の運用 | 運用高度化施策の実行 | 計画に沿い進捗 |
ワークエンゲージメントの向上 | コミュニケーション向上施策の実行 | 計画に沿い進捗 |
(注)当社では人財の多様性を図る取り組みとして女性管理職比率の指標は重要と捉え、女性管理職比率のみ目標(2026年8月期)を設定し、それ以外の取り組みは指標としてモニタリングしてまいります。なお、当社の連結子会社においては、各国の法規制、労働慣行、従業員構成などがそれぞれ異なり、連結ベースでの記載が困難であることから、上記指標及び目標は当社単体ベースで記載しております。
人権尊重に関する取り組み
「ビジネスと人権」に関する企業の対応への要請はますます強まっており、当社グループの事業活動において、適切な対応が求められています。当社は、事業活動を行う過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、事業活動に関わる全ての人の人権を尊重するために、2024年9月に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り「マニーグループ人権方針」を策定いたしました。今後、人権デュー・ディリジェンスの取り組み等を通じて、人権に配慮した経営に努めてまいります。