有価証券報告書-第92期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 13:27
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、政府の経済対策により雇用情勢や企業収益の改善がみられ緩やかな回復基調が続いていましたが、世界経済は、米中の貿易摩擦や新興国経済の減速懸念に伴い金融市場が不安定になるなど、先行き不透明な状況で推移し、年度終盤では日本経済もこの影響により弱まりを見せています。
このような経営環境のもと、当社グループは中期経営計画「Resonate2018」の最終年度として、100年ブランドとしての企業価値向上の推進と長期的な安定成長を目指し、掲げている主要戦略と基盤づくりに取り組みました。
こうした中で、昨年11月に開催された『第10回浜松国際ピアノコンクール』において、前回に引き続き、公式ピアノである当社フラッグシップモデル『SK-EX』を弾いたジャン・チャクムル氏(トルコ)が優勝、また第5位・第6位入賞者も『SK-EX』を選択するという当社にとって大きなトピックがありました。
国内では店舗戦略として「カワイ仙台」をリニューアルオープンし、これまで継続的に取り組んできた中核都市におけるお客様とのタッチポイントの拡大を進め、『Shigeru Kawai』をはじめとした高付加価値商品の販売に取り組みました。
海外では、米国やドイツでの直営店展開の強化により鍵盤楽器の販売拡大を図るとともに、中国や東南アジアでは、当社の強みである販売・音楽教室・調律・生産の四位一体のノウハウを活かして、中長期的な成長に向けた展開を推進しました。
商品政策としては、消音機能と高性能の響板スピーカーを搭載したハイブリッドアップライトピアノ『AURES(オーレス)』を開発し、大型のスピーカーに匹敵する迫力と、響板ならではの豊かな響きを実現し、お客様がよりピアノライフを楽しめる新製品を市場に投入しました。
また創立90周年の節目に合わせ創設した、『Shigeru Kawai国際ピアノコンクール』の第2回を開催し、17の国と地域から239名のピアニストがエントリーしてハイレベルな演奏が繰り広げられ、大きな反響を頂きました。引き続き次世代を担うピアニストの発掘・育成や、世界の音楽文化の振興にも力を入れてまいります。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は 72,376百万円(前年同期比 2.2%増)、営業利益は 3,669百万円(前年同期比 33.5%増)、経常利益は 3,918百万円(前年同期比 27.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 2,010百万円(前年同期比 3.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(楽器教育事業)
楽器教育事業は、主力のピアノは中国での二桁伸長をはじめ、欧州、北米、日本で販売が堅調に推移しました。
また商品としましても『Shigeru Kawai』や、ハイブリッドアップライトピアノ『AURES』、消音ピアノ『ATX』などの高付加価値商品の販売が好調でした。デジタルピアノは、グランドピアノアクションを搭載したハイブリッドデジタルピアノ『NOVUS NV10』や、最上位モデルの『CA』シリーズが欧州や日本で順調に推移しました。音楽教室ではピアノコースの展開に注力した結果、生徒数が増え売上が増加しました。
この結果、売上高は 58,586百万円(前年同期比 5.5%増)となり、営業利益 2,578百万円(前年同期比 57.5%増)となりました。
(素材加工事業)
素材加工事業は、半導体関連部品や自動車の内装部品の受注が減少したことなどにより、売上高は 10,606百万円(前年同期比 2.2%減)となり、営業利益 1,131百万円(前年同期比 5.3%減)となりました。
(その他)
その他の事業は、医療機関向けIT機器の販売減少により、売上高は 3,183百万円(前年同期比 27.9%減)となりましたが、ソフトウェア開発の受託増などにより営業利益 7百万円(前年同期比 12百万円増益)となりました。
また、財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金の増加、たな卸資産の増加により 29,861百万円(前期末比 5.0%増)となりました。また固定資産は、投資有価証券の減少等により 23,370百万円(前期末比 4.5%減)となり、資産合計は 53,231百万円(前期末比 0.6%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、16,602百万円(前期末比 3.5%減)となりました。これは主に短期借入金が減少したことによるものです。また固定負債は、長期借入金の減少や退職給付に係る負債の減少などにより 11,624百万円(前期末比 6.3%減)となり、負債合計は 28,226百万円(前期末比 4.6%減)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は 25,005百万円(前期末比 7.3%増)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益などによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出等の減少、税金等調整前当期純利益及び減価償却費等により、前連結会計年度末に比べ 1,094百万円増加し、当連結会計年度末には 11,055百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は 3,654百万円(前年同期に得られた資金は 3,112百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益 3,430百万円、減価償却費 1,526百万円、法人税等の支払額 765百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は 846百万円(前年同期に使用した資金は 2,515百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出 1,287百万円、無形固定資産の取得による支出 343百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は 1,656百万円(前年同期に得られた資金は 687百万円)となりました。これは主に短期借入金返済による支出 516百万円、長期借入金返済による支出 816百万円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
楽器教育26,854112.7
素材加工10,882101.5
報告セグメント計37,736109.2
その他20889.9
合計37,945109.1

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
楽器教育12,065113.5
素材加工16994.3
報告セグメント計12,235113.1
その他2,30066.3
合計14,535101.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における素材加工事業及びその他の事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。
なお、素材加工事業、その他の事業の一部を除く製品については主に見込み生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
素材加工6,85791.4641103.5
その他4,146102.22,173205.6
合計11,00395.22,814167.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、その他の受注残高に著しい変動がありました。これは、IT機器の受注が増加したことによるものであります。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
楽器教育58,586105.5
素材加工10,60697.8
報告セグメント計69,192104.2
その他3,18372.1
合計72,376102.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
パーソンズ ミュージック
コーポレーション グループ
9,98114.110,90615.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度末現在における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りについては、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性がありますため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は 72,376百万円(前年同期比 2.2%増)となりました。
基幹事業である楽器教育事業は、国内では店舗戦略として「カワイ仙台」をリニューアルオープンし、これまで継続して取り組んできた国内の中核都市での店舗リニューアルや、海外では、米国ヒューストン、ダラスにおける直営店展開など販売基盤の強化・タッチポイントの拡大などを進めてまいりました。これらの施策により、鍵盤楽器販売については、フラッグシップモデルの『Shigeru Kawai』が国内・海外ともに伸長し、ピアノ全体につきましても中国や北米などで好調に推移し販売が増加しました。商品政策としましては、消音機能と高性能の響板スピーカーを搭載したハイブリッドアップライトピアノ『AURES(オーレス)』を開発し、大型のスピーカーに匹敵する迫力と、響板ならではの豊かな響きを実現し、お客様がよりピアノライフを楽しめる新製品を市場に投入しました。また音楽教室ではピアノコースの展開に注力した結果、生徒数が増え売上が増加しました。この結果、売上高は 58,586百万円(前年同期比 5.5%増)となり、営業利益 2,578百万円(前年同期比 57.5%増)となりました。
素材加工事業は、半導体関連部品や自動車の内装部品の受注が減少したことなどにより、売上高は 10,606百万円(前年同期比 2.2%減)となり、営業利益 1,131百万円(前年同期比 5.3%減)となりました。
その他の事業は、医療機関向けIT機器の販売減少により、売上高は 3,183百万円(前年同期比 27.9%減)となりましたが、ソフトウェア開発の受託増などにより営業利益 7百万円(前年同期比 12百万円増益)となりました。
b.営業損益
当連結会計年度の営業利益は 3,669百万円となり、前連結会計年度に比べ 920百万円の増益となりました。
主に基幹事業の楽器教育事業で、売上が好調に推移したことに加え、高付加価値商品の販売が好調だったことにより前年同期比で 941百万円増益となり全体の利益を押し上げたことによります。
c.経常損益
当連結会計年度の経常利益は 3,918百万円となりました。営業利益の増益などにより、前連結会計年度に比べ 850百万円増益となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果に加え、投資有価証券売却損の発生などにより、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は 2,010百万円となり、前連結会計年度に比べ 58百万円増益となりました。
当社グループは、目標経営指標として中期経営計画「Resonate2018」の最終年度(2019年3月期)で営業利益率5%以上の達成、またROE(自己資本利益率)は8%以上を掲げておりましたが、当連結会計年度における営業利益率は 5.1%(前年同期比 1.2%改善)、ROE(自己資本利益率)は 8.4%(前年同期比 0.2%悪化)となりました。
2019年4月からの3か年を対象とする第6次中期経営計画「Resonate 2021」を2019年3月に発表いたしましたが、中期経営計画で掲げている各戦略を着実に実行し企業価値の向上に取り組んでまいります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
・主要拠点(日本・欧米・中国・インドネシア)の政治及び経済状況の著しい変化
・主要市場における製品需要の急激な変動
・為替相場の大幅な変動
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、楽器製造のための材料費、楽器製造・販売及び音楽教室等の運営に携わる要員の給料手当、福利厚生費などの人件費の他、販売並びに役務提供に関する販売促進費、運送・保管料、物件費等であり、営業キャッシュ・フローによる充当を基本としています。また、設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入れによっております。
当連結会計年度末において複数の金融機関との間で機動的な資金調達が可能となるコミットメントライン契約及び当座貸越契約等を締結し、10,799百万円の資金調達枠を設定しており、事業展開での資金需要に伴う手元資金の一時的な減少を防ぎ、経営の更なる安定化を図っております。(借入実行額残高 5,382百万円、借入未実行残 5,417百万円)

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