有価証券報告書-第91期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 10:26
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、政府の経済対策により雇用情勢や企業収益の改善がみられ、緩やかな回復基調が続きましたが、世界経済は、米国の政策動向や地政学リスクなどにより先行き不透明な状況で推移しました。
このような経営環境のもと、創立90周年を迎えた当社グループは、100年ブランドとしての企業価値向上を推進し、長期的な安定成長を目指すことを基本方針とした中期経営計画「Resonate2018」で掲げる主要戦略と基盤づくりに取り組んでまいりました。
国内では、教室・販売・アフターサービスを一体化した地域ユニット体制による営業活動の強化に継続して取り組み、カワイブランドの発信拠点となる中核店舗のリニューアルを進め、『Shigeru Kawai』をはじめとした高付加価値製品の販売拡大に注力しました。また、音楽教室ではピアノコースの募集強化や、学研教室とカワイ音楽教室の相互開設など、教室の高付加価値化に取り組み、事業と収益力の拡大を図りました。
海外では、販売基盤の強化として米国のヒューストンに続いてダラスに直営店をオープンし、欧州ではさらなる販売拡大・ブランド力強化を目指し、フランスに新たに販売会社を設立するとともに、ドイツのハンブルグに直営店を開設しました。特に重要市場である中国においては、各地でプロモーション活動を展開して鍵盤楽器の拡販に努めるとともに、カワイ音楽教育システムによる幼児教育の普及や、調律技術指導者の育成事業に取り組むなど、中長期的な成長に向け楽器販売・音楽教室・調律サービスの三位一体での事業展開を着実に進めております。東南アジアにおいては、インドネシアでは生産・販売・音楽教育を担うグループ各社が一体となって、直営教室並びに販売店へのフランチャイズ方式による音楽教室の展開や顧客の新規開拓を進めるとともに、タイ、ベトナムでのカワイ音楽教育システムの展開加速に取り組みました。
商品政策面では、オンキヨー株式会社の最新オーディオ技術を採用し、グランドピアノの鍵盤アクションを搭載したハイブリッドデジタルピアノ『NOVUS NV10』を発売しました。昨年10月に発表した最上位モデル「CAシリーズ」にもその高付加価値技術を展開し、デジタルピアノの全世界での販売拡大を図りました。また、90周年を記念して新型クリスタルグランドピアノを開発し、ブランディングとしてイタリアのミラノで開催された世界最大規模のデザインイベント「ミラノデザインウィーク2018」に出展して、ピアノと音楽がある空間の豊かさや魅力を発信しました。
創立90周年の節目に合わせ創設した『Shigeru Kawai国際ピアノコンクール』では、世界25カ国から351名ものピアニストがエントリーして熱い演奏が繰り広げられ、各方面から高い評価を頂きました。引き続きその評価に応えるべく、本年8月にも予選枠を拡大するなど内容をより充実させて、第2回のコンクールを開催致します。今後も次世代を担うピアニストを世界各地から発掘して育成を進めるとともに、国際交流の推進や世界の音楽文化の振興を目指してまいります。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は 70,795百万円(前年同期比 6.4%増)、営業利益は 2,749百万円(前年同期比 18.5%増)、経常利益は 3,068百万円(前年同期比 19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 1,951百万円(前年同期比 19.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(楽器教育事業)
楽器教育事業は、鍵盤楽器販売については、フラッグシップモデルの『Shigeru Kawai』が国内・海外ともに伸長し、ピアノ全体につきましても中国や北米などで好調に推移し販売が増加しました。デジタルピアノについては、音色や操作パネル、外装デザインを刷新した「CNシリーズ」や、当社のピアノ技術と資本業務提携をしたオンキヨーのオーディオ技術を融合した「CAシリーズ」の発売により、日本や北米などで堅調に推移しました。音楽教室では、引き続きピアノコースの展開に注力した結果、生徒数が増え売上が増加しました。
この結果、売上高は 55,536百万円(前年同期比 5.9%増)となり、営業利益 1,637百万円(前年同期比 30.8%増)となりました。
(素材加工事業)
素材加工事業は、半導体関連部品や自動車関連部品の受注が増加し、売上高は 10,844百万円(前年同期比 7.6%増)となり、営業利益 1,194百万円(前年同期比 9.6%増)となりました。
(その他)
その他の事業は、医療機関向けIT機器の販売が増加し、売上高は 4,414百万円(前年同期比 9.7%増)となりましたが、ソフトウェア開発の受託減などにより営業損失 4百万円(前年同期は 52百万円の利益)となりました。
また、財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、預金の増加、受取手形や売掛金の増加により 29,050百万円(前期末比 7.3%増)となりました。また固定資産は投資有価証券の増加等により 23,861百万円(前期末比 4.8%増)となり、資産合計は 52,911百万円(前期末比 6.2%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、17,198百万円(前期末比 21.8%増)となりました。これは主に短期借入金が増加したことによるものです。また固定負債は、長期借入金の減少や退職給付に係る負債の減少などにより 12,401百万円(前期末比 9.3%減)となり、負債合計は 29,599百万円(前期末比 6.5%増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は 23,311百万円(前期末比 5.8%増)となりました。これは、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金が増加したことなどによるものです。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出等による減少、税金等調整前当期純利益及び減価償却費並びに短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ 1,348百万円増加し、当連結会計年度末には 9,960百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は 3,112百万円(前年同期比 22.6%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益 2,961百万円、減価償却費 1,713百万円、法人税等の支払額 1,677百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は 2,515百万円(前年同期比 37.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出 1,583百万円、投資有価証券の取得による支出 1,144百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は 687百万円(前年同期は 1,330百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増加額 2,973百万円、長期借入金返済による支出 1,037百万円、自己株式の取得による支出 800百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
楽器教育23,837102.9
素材加工10,716104.3
その他23189.2
合計34,785103.3

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
楽器教育10,633111.6
素材加工17980.2
報告セグメント計10,813110.9
その他3,468125.8
合計14,282114.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における素材加工事業及びその他の事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。
なお、素材加工事業、その他の事業の一部を除く製品については主に見込み生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
素材加工7,498113.861997.4
その他4,057100.91,056116.0
合計11,556108.91,676108.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
楽器教育55,536105.9
素材加工10,844107.6
報告セグメント計66,380106.2
その他4,414109.7
合計70,795106.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
パーソンズ ミュージック
コーポレーション グループ
8,02912.19,98114.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度末現在における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りについては、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性がありますため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は 70,795百万円(前年同期比 6.4%増)となりました。
基幹事業である楽器教育事業は、これまで継続して取り組んできた国内の中核都市での店舗リニューアルや、米国ヒューストン、ダラスにおける直営店展開など販売基盤の強化・タッチポイントの拡大などにより、鍵盤楽器販売については、フラッグシップモデルの『Shigeru Kawai』が国内・海外ともに伸長し、ピアノ全体につきましても中国や北米などで好調に推移し販売が増加しました。デジタルピアノについては、音色や操作パネル、外装デザインを刷新した「CNシリーズ」や、当社のピアノ技術と資本業務提携をしたオンキヨー株式会社のオーディオ技術を融合した「CAシリーズ」の発売により、日本や北米などで堅調に推移しました。今後も引き続き両社の強みを活かした競争力ある商品の投入を進め、事業の拡大を目指してまいります。音楽教室では、引き続きピアノコースの展開に注力した結果、生徒数が増え売上が増加しました。また、中長期的な成長に向けてアジアでの音楽教室展開や、資本業務提携をした株式会社学研ホールディングスとの協業による教室の高付加価値化による展開も着実に進んでおります。この結果、売上高は 55,536百万円(前年同期比 5.9%増)となり、営業利益 1,637百万円(前年同期比 30.8%増)となりました。
素材加工事業は、半導体関連部品や自動車関連部品の受注が増加し、売上高は 10,844百万円(前年同期比 7.6%増)となり、営業利益 1,194百万円(前年同期比 9.6%増)となりました。
その他の事業は、医療機関向けIT機器の販売が増加し、売上高は 4,414百万円(前年同期比 9.7%増)となりましたが、ソフトウェア開発の受託減などにより営業損失 4百万円(前年同期は 52百万円の利益)となりました。
b.営業損益
当連結会計年度の営業利益は 2,749百万円となり、前連結会計年度に比べ 429百万円の増益となりました。
主に基幹事業の楽器教育事業で、売上が好調に推移したことにより前年同期比で 385百万円増益となり全体の利益を押し上げたことと、素材加工事業における受注が堅調だったことによります。
c.経常損益
当連結会計年度の経常利益は 3,068百万円となりました。期末に外貨建て債権の評価替えによる為替差益の発生があり、前連結会計年度に比べ 492百万円増益となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は 1,951百万円となり、前連結会計年度に比べ 320百万円増益となりました。
当社グループは、目標経営指標として中期経営計画の最終年度(2019年3月期)で営業利益率5%以上の達成、またROE(自己資本利益率)は8%以上を掲げておりますが、当連結会計年度における営業利益率は 3.9%(前年同期比 0.4%改善)、ROE(自己資本利益率)は 8.6%(前年同期比 1.0%改善)となりました。
引き続き、中期経営計画で掲げている各戦略を着実に実行し企業価値の向上に取り組んでまいります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
・主要拠点(日本・欧米・中国・インドネシア)の政治及び経済状況の著しい変化
・主要市場における製品需要の急激な変動
・為替相場の大幅な変動
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、楽器製造のための材料費、楽器製造・販売及び音楽教室等の運営に携わる要員の給料手当、福利厚生費などの人件費の他、販売並びに役務提供に関する販売促進費、運送・保管料、物件費等であり、営業キャッシュ・フローによる充当を基本としています。また、設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入れによっております。
平成30年3月31日現在、長期借入金残高は 2,234百万円であります。また、当連結会計年度末において複数の金融機関との間で機動的な資金調達が可能となるコミットメントライン契約及び当座貸越契約等を締結し、12,849百万円の資金調達枠を設定しており、事業展開での資金需要に伴う手元資金の一時的な減少を防ぎ、経営の更なる安定化を図っております。(借入実行額残高 5,948百万円、借入未実行残 6,900百万円)。

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