有価証券報告書-第79期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 10:40
【資料】
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【項目】
112項目

対処すべき課題

今年度の日本経済は、政府の金融緩和策や財政施策等の経済政策の効果などを背景にして、ゆるやかな景気回復基調で推移してきておりますが、中国をはじめとする新興国経済の不透明感や資源価格の高騰に対する警戒感は依然として残っており、消費税増税による反動も懸念されるなど、当社グループを取り巻く事業環境は引き続き不安定な要素を払拭できない状況が続くものと予想しております。
このような事業環境の中、当社グループは、競争力のある新製品の開発、総合力の強化とソリューション型ビジネスの積極的展開を図ってまいります。
主力のオフィス環境事業につきましては、都心の新築大規模オフィスビルの供給量増加にともない、業績が回復した企業のオフィスの新規移転や連鎖移転などの需要増加が見込まれ、当社グループの強みであるトータル提案を展開することによる大型案件の獲得と、教育、研究施設、医療・福祉、官公庁・自治体などのオフィス周辺市場の売上拡大を目指してまいります。また、製品開発力・技術力の優位性を最大限に活かした、新製品の開発に積極的に取り組んでまいります。
商環境事業につきましては、積極的な出店計画が見込まれる小売業界などに対し、総合力を活かしたトータル提案を強化するとともに、店舗の新規出店増加や省エネニーズの高まりを追い風に、御殿場事業所の生産能力を増強し、冷凍・冷蔵ショーケースのシェアアップに注力することで、売上高と利益の拡大に取り組んでまいります。また、オフィス環境事業とのシナジーを活かした店舗セキュリティシステムの提案や、専門店向けの内装事業を取り込み、事業領域の拡大を目指してまいります。
その他(物流機器事業他)につきましては、食品、医療、通販会社の物流センターなどの有力分野に注力し、提案力と優位性のある製品の強みを最大限に活かしたトータル受注を拡大するとともに、他事業とのシナジーを活かした業種別ソリューション営業を徹底してまいります。また、産業用車両市場の拡大が続く中国に設立した合弁会社、杭州岡村伝動有限公司において、機械事業での売上拡大に取り組んでまいります。
海外展開につきましては、代理店の獲得と販売拠点の強化を行うとともに、世界市場での知名度の向上と戦略製品の積極的投入により市場拡大を図り、売上高の拡大を目指してまいります。
収益改善面につきましては、生産性向上と調達、配送などでのコストダウンによる市場競争力の向上を図ってまいります。また、経営環境の変化に柔軟に対処し得る安定的な経営基盤と、経営資源の重点的・効率的投入による堅実かつ、より収益性の高い経営体質の構築に向け、企業改革を着実に進めてまいる所存でございます。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
(当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の導入)
(1) 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。そして、当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させることができない場合などには、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
(2) 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
イ 基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的な内容の概要
当社は、「情報化」「国際化」「専門化」を企業経営のキーワードに、開発・製造・販売を一貫して行う当社の強みを更に強化し、企業価値の向上に努めております。
また、当社は、株主の皆様に対する経営陣の責任の所在を明確化するため、取締役の任期を1年としております。また、独立性を有する社外取締役を3名選任しております。さらに、監査役4名のうち、2名は独立性を有する社外監査役です。これら社外取締役と社外監査役が取締役会等に出席し、取締役の業務執行を十分に監視できる体制となっておりコーポレート・ガバナンス体制の強化に努めております。
ロ 基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取組みの具体的な内容の概要
当社は、平成24年5月9日開催の当社取締役会決議及び同年6月28日開催の当社株主総会決議において、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(会社法施行規則第118条第3号ロ)として導入された、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)を更新しております(以下、かかる更新後の当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)を「本プラン」といいます。)。
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、本プランの目的を実現するために必要な手続を定めております。
買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会又は当社株主総会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。
買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株券等の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権に係る新株予約権無償割当て等を実施します。本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。また、このほか、本プラン所定の要件を満たし、かつ、相当性を有する場合には、当社は法令及び当社定款の下でとりうる合理的な手段を講じることがあります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当て等の実施、不実施又は取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、独立委員会を設置し、独立委員会規則に従い、当社経営陣から独立した当社社外取締役等のみから構成される独立委員会の判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には、株主総会を招集し、新株予約権の無償割当て等の実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしております。
(3) 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
コーポレート・ガバナンスの強化等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、上記(2)ロに記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、①株主総会において株主の承認を得た上導入されたものであること、②一定の場合には本プランの発動の是非について株主の皆様の意思を確認する仕組みが設けられていること、③本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、④独立性を有する社外取締役等によって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、⑤独立委員会は当社の費用で専門家を利用することができるとされていること、⑥本プランの有効期間が3年間と定められた上、株主総会又は取締役会により廃止できるとされていること、⑦当社取締役の任期は1年とされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。