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有価証券報告書-第78期(2025/06/21-2026/06/20)

【提出】
2026/09/16 10:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、賃上げや設備投資に支えられ緩やかな回復が続いています。一方で円安の進行によりエネルギー資源を中心として物価の上昇基調は続いており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような状況のもと、「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げ、第11次中期経営計画(2025年6月期から2027年6月期)の目標達成に向けた取り組みを実行し、既存ビジネスを強化しながら、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針を遂行してまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は 391億3,478万円(前連結会計年度比 1.3%減)となりました。利益面では、売上総利益率の改善(前連結会計年度比 1.1ポイント増)と販売費及び一般管理費率の改善(前連結会計年度比 0.4ポイント減)により、営業利益は 11億2,891万円(前連結会計年度比 109.9%増)、経常利益は 15億1,094万円(前連結会計年度比 80.7%増)となりました。また、投資有価証券売却益の増加、減損損失の減少もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は 10億44万円(前連結会計年度比 135.4%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
・文具事務用品事業
ステーショナリーにおいて価格改定効果や海外事業の売上増があったものの、生活環境用品において当社EC事業の一部を子会社へ移管したことや防災用品等の売上減などにより、売上高は 249億291万円(前連結会計年度比 1.1%減)となりました。利益面では、売上総利益率の改善や販管費率の改善により、営業利益は 6億6,030万円(前連結会計年度比72.6%増)となりました。
各領域の主な内容は、以下のとおりであります。
「テプラ」では、現場向けにより役立つPC/スマートフォン専用の新型モデル、「テプラ」PRO SR-R5600Pを発売いたしました。本機は発売から10年以上にわたって親しまれてきたロングセラー商品(「テプラ」PRO SR5500P)を、さらに使いやすく、現場のニーズに応える仕様へとリニューアルしたモデルで、乾電池駆動に対応し、電源の確保が難しい製造現場や倉庫などでもコードレスで使用できます。また、さまざまな「機能性テープ」の利便性を訴求する全3編のWeb CMを公開いたしました。これに合わせて、販売パートナー各社との協働企画や「テプラ」店頭陳列コンテストなど、各種販促活動を実施いたしました。テープの活用シーン拡大を目的とした販売施策の効果により、「テプラ」テープの売上は堅調に推移しました。
オフィス・生活環境用品では、近年の自然災害のリスクの高まりを受け、2025年8月に防災ブランド『KOKOBO(ココボ)』を立ち上げました。『KOKOBO』は、日々の生活に溶け込み、無理なく取り入れられる“日常に寄り添った防災”をコンセプトにした防災ブランドです。2025年10月に「縦横使える防災テント」、「屋根が開く防災テント」、「自動で膨らむ防災マット」を発売し、官公庁を中心に導入されておりますが、特需的な需要増があった前年同期の売上には及びませんでした。2026年3月に発売した、A4ファイルサイズの箱に瞬間冷却パックや保存水などの防災用品をまとめた「災害暑さ対策セット」が、東京都と公益財団法人東京都環境公社が主催する「暑さ対策グッズコンテスト」の水分・塩分補給部門においてグランプリを受賞いたしました。このほか、暑さ対策への意識の高まりを背景に、2026年6月に3種の暑さ指数計を発売いたしました。
ステーショナリーでは、㈱大創産業が運営する「Standard Products」との初のコラボレーションを実現いたしました。両社が共同開発した多機能で使いやすいファイル、マグネットケース、クリップボードなど全13種のアイテムを、全国の「Standard Products」店舗にて発売いたしました。加えて、インバウンド向け文房具シリーズ「Japan Design Collection(ジャパン デザイン コレクション)」を立ち上げ、2026年6月に「おはしボールペン」「カードウォレット」「プライバシーローラー」を発売いたしました。
2026年5月にキングジム公式SNSを通じてご応募いただいたお客様を対象に「キングジムファンミーティング2026」を開催し、同年6月には日本最大級の文具の祭典「文具女子博トーキョー2026」に出店いたしました。イベントを通じてファンの皆さまと直接交流し、開発メンバーも参加のうえ当社商品についてのご意見を伺うとともに、当社についてより深く知っていただく機会となりました。
EC事業では、自社商品直販サイトにおいては、新商品の予約受注実施に加えて、「ポメラ」EC限定カラーなどのオリジナル商品の投入などにより売上が伸長いたしました。ラチュナ事業においても、新商品を投入し売上の拡大に努めました。
海外事業では、第11次中期経営計画において海外事業戦略の重点地域と位置付ける中国、ベトナムおよびその他ASEAN諸国を中心に販売が好調に推移し、売上高が大幅に伸長いたしました。中国では、オリジナルブランド「可麗塔(クリータ)」シリーズの商品を継続的に投入しております。なかでも「折りたたみカッターマット」は、現地の手帳ブームを背景にラインアップ拡充が奏功し、販売が大きく伸長いたしました。また、推し活に焦点を当てた「SUGArrr」シリーズを投入するなど、市場ニーズを捉えたマーケットイン型の商品展開を積極的に進めております。ベトナムでは、BtoB流通チャネルの開拓・深耕を進め、「テプラ」および自社工場であるKINGJIM(VIETNAM) CO., LTD.で生産した事務用ファイルの販売が大きく伸長いたしました。アメリカでは、テキスト入力に特化したデジタルメモ「ポメラ」の現地向けモデル「DM250US」が順調に販売を伸ばしているほか、BtoC向けステーショナリー製品の販売も拡大しております。
(注)「可麗塔(クリータ)」には中国語簡体字を含んでいるため、日本語常用漢字で代用しております。
・ライフスタイル用品事業
㈱ラドンナをはじめとするグループ会社の売上は堅調に推移したものの、㈱ぼん家具が低調に推移したため、売上高は 142億3,187万円(前連結会計年度比 1.6%減)となりました。利益面では、売上原価率の改善や販管費率の改善により、営業利益は4億5,124万円(前連結会計年度比 243.5%増)となりました。
各子会社の主な内容は、以下のとおりであります。
㈱ぼん家具では好調な若年層向け「Toffy PUTUPUTU」コレクションや、「完成品サービス」を軸としたふるさと納税市場への参入、法人向けサイト「ゲキカグビジネス」のオープンなどの施策が売上に寄与いたしましたが、家具EC業界における競争激化や大型商品の配送料の上昇により、厳しい事業環境が続いており、減収となりました。利益面では、価格改定や値引き抑制による売上総利益率の改善に加え、物流網の再編による保管料の圧縮効果もあり、黒字には届かなかったものの改善傾向となりました。
㈱ラドンナでは主力のキッチンカテゴリーにおいて、電子レンジ用調理器がOEM受注拡大とあわせて好調に推移し、売上を牽引いたしました。加えて季節商材の販売も好調に推移したことで増収となりました。利益については、EC事業の移管に伴う収益性の改善に加え、大口案件の獲得による売上総利益率の改善や金型償却費の減少、販管費の抑制により、大幅増益となりました。
ライフオンプロダクツ㈱では3月より夏物商材の展開を開始し、「ターボハンディファン」をはじめとする新商品の売上が順調に推移したほか、OEM商品の導入も計画通り進捗しましたが、暖冬の影響による冬物商材の不振を補うには至らず減収となりました。利益面においては、売上減ながら値付けの見直しなど売上総利益率の改善により、大幅増益となりました。
㈱アスカ商会では観葉類のオフィス装飾需要の取り込みが成功したこともあり、年間を通じて好調に推移し、売上高は前年を上回りました。利益面では、上期において前年に比べ円高に推移したことにより、売上総利益率が改善し、過去最高水準の利益となりました。
ウインセス㈱では主要販売先である半導体・電子部品関連業界向けの需要が引き続き堅調に推移したことに加え、前期に実施した価格改定の効果により収益性も向上したことで、増収・増益となりました。また、ナフサ市況の不安定化等を背景に、原材料価格の上昇や納期の長期化が発生し、一部では先行手配や駆け込み需要も見られました。
また、財政状態の状況については、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して18億3,891万円増加し、373億5,208万円となりました。これは主に、投資有価証券や退職給付に係る資産が増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して3億4,148万円減少し、111億1,939万円となりました。これは主に、短期借入金や長期借入金が減少したことによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して21億8,040万円増加し、262億3,269万円となりました。これは主に、利益剰余金やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して3,594万円減少し、63億6,351万円(前連結会計年度比 0.6%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ6億4,527万円増加し、21億1,425万円となりました。これは主に、法人税等の支払額4億6,687万円等があった一方、税金等調整前当期純利益16億3,409万円や減価償却費6億4,908万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ2億7,573万円減少し、5億5,021万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入2億5,634万円があった一方、有形固定資産の取得による支出5億8,577万円や無形固定資産の取得による支出1億6,979万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、18億7,652万円(前連結会計年度は 1億7,573万円の資金獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額10億4,000万円や長期借入金の返済による支出4億3,780万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注および販売の状況
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、文具事務用品のみ生産活動を行っております。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
文具事務用品事業電子製品14,063,19695.2
生活環境用品1,362,86090.8
ステーショナリー8,377,394100.3
合計23,803,45196.7

(注) 金額は標準出荷価格で表示しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
文具事務用品事業
ステーショナリー
1,863,255102.23,55950.2

(注) 当社および連結子会社においては、大部分は見込生産であり、特注品のみ受注生産であります。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
文具事務用品事業電子製品13,797,16899.7
生活環境用品2,482,71585.0
ステーショナリー8,623,033102.4
文具事務用品事業計24,902,91698.9
ライフスタイル用品事業14,231,87198.4
合計39,134,78898.7

(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
アスクル㈱5,026,27212.74,145,66010.6
エコール流通グループ㈱4,344,80211.04,366,07811.2

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
イ.売上高
「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
ロ.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価につきましては、売上原価率は 61.4%となり、前連結会計年度の売上原価率 62.5%より 1.1ポイントの低下となりました。
販売費及び一般管理費率は 35.7%となり、前連結会計年度の 36.1%より 0.4ポイントの低下となりました。
ハ.営業利益
当連結会計年度につきましては、売上総利益率の改善(前連結会計年度比 1.1ポイント増)、販売費及び一般管理費率の改善(前連結会計年度比 0.4ポイント減)により、営業利益11億2,891万円(前連結会計年度比109.9%増)となりました。
ニ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度につきましては、特別利益として政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益1億7,944万円等があり、親会社株主に帰属する当期純利益10億44万円(前連結会計年度比135.4%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
ロ.資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、原材料調達や製品の製造費用、商品仕入費用、販売費及び一般管理費等の運転資金、企業価値向上を目的とした各種設備投資資金、また、事業拡大の一つの手段として実施しているM&Aのための資金等であります。これらは、自己資金、借入金により調達しております。
④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
(棚卸資産)
「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
(固定資産の減損)
当社グループは、原則として継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を考慮し資産のグルーピングを行い、遊休資産については個別に資産のグルーピングを行っております。固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、この検討は一定の仮定に基づき見積もった割引前将来キャッシュ・フロー等を基に行っております。対象となる資産または資産グループの帳簿価額に減損が生じていると判断した場合、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。
減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては、将来キャッシュ・フロー等の見積りやその前提となる仮定を用いており、今後、経営環境等の変化により前提条件や仮定に変動が生じた場合には、固定資産の減損処理に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。市場環境の変化等により、課税所得の見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画において、「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げ、既存ビジネスを強化しながら、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針に基づき、売上高520億円、経常利益28億円、経常利益率5.4%、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%を目標としておりました。
しかし、M&A案件の未成約やサービス事業における事業立ち上げの遅れに加え、事業環境の変化や想定を上回る為替変動の影響などを踏まえ、第11次中期経営計画の最終年度である2027年6月期の目標を、売上高420億円、経常利益16億2,000万円、経常利益率3.9%、自己資本当期純利益率(ROE)4.0%に修正いたしました。
なお、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)会社の中長期的な経営戦略と対処すべき課題」をご参照ください。

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