有価証券報告書-第77期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 12:31
【資料】
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【項目】
119項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境の見通しにつきましては、グローバルな視点で見ると、米国では、金融緩和縮小の影響や雇用動向を注視する必要があるものの、景気は緩やかな回復傾向が続くものと考えられます。また、中国やその他新興国では経済成長の鈍化などの不安材料がありますが、欧州では景気に持ち直しの動きが見られており、世界経済は緩やかな回復基調で推移することが予想されます。一方、国内では、個人消費や住宅建設において消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減が見込まれるものの、次第にその影響が薄れ、政府の各種政策の効果が発現する中で景気の回復基調が続くことが期待されます。
当社グループの主要なマーケットである国内住宅市場においては、昨今、住まい手の住宅に対する価値観やライフスタイルが多様化する中で、特に耐震性・省エネ性・環境負荷軽減などの高付加価値の住宅性能に対するニーズが、ますます高まっております。
また、今後のストック市場の拡大を踏まえると、住まい手のライフステージに合わせた多様なリフォームニーズが想定されるため、住宅市場活性化の観点からもこうしたニーズの変化への対応が重要と考えております。
このような市場の変化を踏まえ、当社グループは、引き続き「新中期経営計画(平成24年4月~平成27年3月)」に基づき、二つの経営目標「世界で通用する『建物の壁材専業メーカー』を目指す」、「顧客にも、地球にも優しい環境を提供し続ける」を掲げ、各種課題に対応してまいります。
具体的には、住まい手のニーズの変化を的確に捉え、住宅の耐震性を高める耐力面材、省エネ機能を有する遮熱外壁材や断熱パネル、軽量且つ耐久性の高い金属系外装材、外張断熱工法などの商品開発と販売促進を実践し、住宅の耐震性・省エネ性など各種性能向上に尽力いたします。
さらに、国民の環境に対する意識の高まりの中で、環境負荷軽減への取り組みが重要になってまいります。当社の主力製品である国産木材チップを原料に使用した「オフセットサイディング」は、CO2を固定できることから地球温暖化防止と国内の森林保護に貢献できる環境配慮型商品として、その「環境貢献度の見える化」等の仕組みづくりとともに、各界から高い評価を得ております。当社グループは、住宅市場や公共施設・商業施設等の非住宅市場において、この「オフセットサイディング」の認知度をアップし、さらなる販売拡大に繋げることにより、国内市場での優位性を高めていく所存です。
また、成長が期待される海外市場においては、Nichiha USA, Inc.メーコン工場において安定生産体制を確立し、さらなる増産や高付加価値製品の生産に取り組むとともに、米国を含め海外の有望市場に向けて販路開拓、拡販を推進するなど、海外事業の拡大に注力してまいります。