有価証券報告書-第66期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
(2017年3月期におけるハイライト)
(経営成績に関する分析)
<連結業績概要>(単位:百万円)
売上高は167,661百万円(前年度比2.8%増)と増加いたしました。
国内市場では、定番商品である「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」において、引き続き既存商品ラインを充実させるとともに、各商品ラインの拡大を図りました。また、2016年4月からテレビアニメがスタートした次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」、トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」の販売が大幅に増加いたしました。さらに、海外市場においても「ポケモン」が好調に推移いたしました。
営業利益は、7,744百万円(同187.0%増)と大幅に伸長いたしました。
利益率の高い国内玩具が好調に販売を伸ばしたことに加え、仕入原価などの減少に伴い売上総利益が増加したことによるものです。
経常利益は、7,823百万円(同435.9%増)と大幅に増加いたしました。
営業外収益として為替差益を計上したことなどに加え、前述のとおり営業利益が大幅に増加したことによるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、5,372百万円(前年度親会社株主に帰属する当期純損失6,703百万円)と大幅に改善いたしました。
今年度の第2四半期において、TOMY International グループのオセアニアにおける一部ベビー用品等の無形固定資産の減損損失などを計上したものの、前述のとおり経常利益が大幅に増加したことによるものです。
<セグメント別業績の概況>
<日本>(単位:百万円)
定番商品「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」においては、既存商品ラインの充実に加え、各商品ラインの拡大を図りました。「トミカ」では、「トミカ」の走行遊びの世界観を広げる「トミカワールド スリリングマウンテン」が人気を集めるとともに、大人の嗜好にも応えるフォルムをリアルに再現したハイディテールコレクションモデル「トミカプレミアム」をはじめとする単品シリーズの販売がコンビニエンスストアや書店などの新たなPOA(Point of Availability:販売箇所)拡大もあり、伸長いたしました。「プラレール」では、「日本おもちゃ大賞2016」イノベイティブ・トイ部門で大賞を受賞した、車両に搭載した2台のカメラの映像をスマートフォンで見ながら運転操作ができる「スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー」が話題を集めました。「リカちゃん」では、赤外線で反応するリアルなセルフレジを使ったお買いもの遊びができる「セルフレジでピッ!おおきなショッピングモール」が好評を得ました。また、子どもも大人も楽しめる新たな商品ラインとして、2016年6月に販売を開始した少し大人っぽいリアルクローズのリカちゃん「リカビジューシリーズ」が人気を博しました。さらに、ブランドとしての価値を高めるため、ツイッターやインスタグラムなどのSNSを活用した情報発信や企業タイアップなどを積極的に展開いたしました。
2016年4月からテレビアニメ放送が始まった次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」は、全国で開催している店頭イベントなどのプロモーション効果もあり、販売が好調に推移いたしました。トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は前年度における商品とプロモーションの見直しにより、新規ユーザー層が増えたため販売が伸長いたしました。年末商戦においては、タマゴを孵化させる感動体験が話題となった新感覚ペット「うまれて!ウーモ」が人気となり、メディアでも大きく取り上げられました。さらに、当社が原作を手掛けたテレビアニメ作品など、新規キャラクターの商品展開にも取り組みました。
㈱タカラトミーアーツにおいては、成田国際空港などに設置した「ガチャ」がユニークなPOAとして外国人観光客を中心に人気を集めました。また、2016年7月より稼働した、ゲーム上で捕まえたポケモンがその場で印刷され手に入れられるアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」が好評を博しました。
以上のとおり、定番商品に加えて重点商品などの玩具の販売が好調に推移したことや、今年度より商流変更に伴うアメリカズ向けの出荷が含まれたことから、売上高は131,810百万円(前年度比21.5%増)と前年度より大幅に増加いたしました。また、売上高の伸長に伴う売上総利益の大幅な増加により、営業利益は10,030百万円(同20.9%増)と好調に推移いたしました。
<アメリカズ(北米・中南米)>(単位:百万円)
アメリカズにおいては、引き続き事業の立て直しに取り組んでおり、再建策の一環である“収益性改善を目的とした事業の集中と選択”として一部ベビー商品における不採算商品から撤退を行うとともに、ベビー用品「The First Years」、「JJCole」や農耕車両玩具「John Deere」など主力の6つのブランドへ集中的に経営資源を投入いたしております。「ポケモン」においては従来商品に加え、ぬいぐるみやフィギュアなどの20周年記念商品や、ゲームと連動する主人公が身に付ける腕輪型アイテム「ポケモン Zリング」を発売するとともに、「ポケモンGO」の人気などもあり、シリーズ全体の販売が好調に推移いたしました。一方、映画コンテンツの商品展開が一巡したことに加え、農耕車両玩具やベビー、プリスクール関連商品の販売が低調に推移したため、売上高は28,512百万円(前年度比17.6%減)となりました。また、売上高が減少したものの販売費及び一般管理費を減少させたことにより、営業利益197百万円(前年度営業損失1,586百万円)と良化いたしました。
<欧州>(単位:百万円)
欧州地域においてもアメリカズと同様に事業の立て直しに取り組んでおります。ロシア及びポーランドなどにおいて自社販売から代理店販売への転換を図り、英・仏・独に事業を集中させて事業を効率化するとともに、前年度中には組織の見直しに伴う人員削減を完了いたしました。加えて、今年度は8つの主力ブランドに経営資源を集中投下しております。
「ポケモン」においては、20周年記念商品が人気となるとともに、ぬいぐるみやフィギュア、ゲームソフト連動玩具「ポケモン Zリング」をはじめとしたシリーズ全体の販売が伸長いたしました。一方、映画コンテンツの商品展開が一巡した影響に加え、ベビー、プリスクール商品や農耕車両玩具の販売が低調に推移したことなどにより、売上高は8,573百万円(前年度比19.4%減)となりました。なお、前述のとおり、事業立て直しに係る販売コストの減少などにより、営業損失は581百万円(前年度営業損失2,418百万円)と大幅に改善いたしました。
<オセアニア>(単位:百万円)
オセアニアにおいては、昨年度人気を博した映画コンテンツの商品展開が一巡したものの、「ポケモン」関連商品の販売が好調に推移いたしました。また、日本商品の展開を進めるなど、売上高は2,509百万円(前年度比0.0%増)となりました。また、販売費及び一般管理費を減少させたことにより、営業利益57百万円(前年度営業損失104百万円)を計上することができました。
<アジア>(単位:百万円)
アジア地域においては、シンガポールにTOMY SOUTHEAST ASIA PTE. LTD.を開設し、2016年11月より、東南アジアでの販売及びマーケティング活動をスタートいたしました。「トミカ」については、玩具代理店と連携した売場づくりと、日本と同様にPOA拡大に取り組んでおり、コンビニエンスストアや書店などでの取り扱い増加により、販売が好調に推移いたしました。また、国や地域の購買水準に対応した低価格「トミカ」の「TOMICA COOL DRIVE」を中国、タイ、インド、インドネシア、マレーシアにおいて販売しております。さらに、韓国、香港、台湾などにおいてテレビアニメが始まった次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」が好評を博しました。一方で、生産子会社であるTOMY(Hong Kong)Ltd.における欧米向け出荷が減少したことなどにより、売上高は47,771百万円(前年度比16.6%減)、営業利益は725百万円(同17.4%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、24,896百万円の収入(前年度は8,675百万円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払額1,681百万円、売上債権の増加1,038百万円等があった一方で、減価償却費7,300百万円、税金等調整前当期純利益7,127百万円、たな卸資産の減少4,045百万円、未払費用の増加2,234百万円、未払金の増加2,214百万円、のれん償却額1,404百万円、仕入債務の増加1,069百万円等があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、3,793百万円の支出(前年度は3,974百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出3,560百万円、無形固定資産の取得による支出1,388百万円等があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、1,927百万円の支出(前年度は6,014百万円の支出)となりました。これは主として、自己株式の処分による収入7,215百万円、長期借入れによる収入2,000百万円等があった一方で、長期借入金の返済による支出4,396百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出4,025百万円、短期借入金の純減3,471百万円等があったことによるものです。
以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ18,627百万円増加して58,530百万円となりました。
(2017年3月期におけるハイライト)
・売上高は、2.8%の増加となりました。欧米豪地域において映画コンテンツの商品展開が一巡したものの、国内及びアジア市場での玩具販売が好調に推移したことによるものです。 ・営業利益は、大幅に増加いたしました。利益率の高い国内玩具の販売が好調に推移したことや仕入原価の減少などによる売上総利益の大幅な増加によるものです。 ・国内市場では、定番商品の「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」において、既存商品ラインの充実に加え、各商品ラインの拡大を図りました。また、2016年4月からテレビアニメがスタートした次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」、トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」の販売が大幅に増加いたしました。年末商戦においては、新感覚ペット「うまれて!ウーモ」が大きな話題となりました。 ・海外市場においては、映画関連商品の展開が一巡したことにより売上高が減少したものの、「ポケットモンスター」(以下「ポケモン」)20周年記念商品を発売するとともに「ポケモンGO」の人気を受け関連商品の売上が好調に推移いたしました。 ・TOMY Internationalグループでは、前年度において、本社主導によりアメリカズ(北米・中南米)、欧州、オセアニアを直接経営管理する体制に変更し、海外事業の立て直しに取り組んでおります。その一環として、今年度第2四半期において、オセアニアにおける一部ベビー用品等の無形固定資産の減損損失を計上いたしました。 ・東南アジアでの販売、マーケティング強化を目的として、シンガポールにおいてTOMY SOUTHEAST ASIA PTE. LTD.を開設し2016年11月より活動を開始いたしました。 ・事業環境の変化に対応するとともに、新たな時代のおもちゃづくりを目指し、今年度第4四半期において、当社グループが今後注力するテレビまたは映画キャラクターなど新規コンテンツの取得・出資、及びスマホアプリ事業の強化等を目的とした自己株式の処分及び当社株式の売出しによる資金調達を行いました。 |
(経営成績に関する分析)
<連結業績概要>(単位:百万円)
前期 | 当期 | 増減 | 増減率(%) | |
売上高 | 163,067 | 167,661 | 4,594 | 2.8 |
営業利益 | 2,698 | 7,744 | 5,046 | 187.0 |
経常利益 | 1,459 | 7,823 | 6,363 | 435.9 |
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) | △6,703 | 5,372 | 12,075 | - |
売上高は167,661百万円(前年度比2.8%増)と増加いたしました。
国内市場では、定番商品である「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」において、引き続き既存商品ラインを充実させるとともに、各商品ラインの拡大を図りました。また、2016年4月からテレビアニメがスタートした次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」、トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」の販売が大幅に増加いたしました。さらに、海外市場においても「ポケモン」が好調に推移いたしました。
営業利益は、7,744百万円(同187.0%増)と大幅に伸長いたしました。
利益率の高い国内玩具が好調に販売を伸ばしたことに加え、仕入原価などの減少に伴い売上総利益が増加したことによるものです。
経常利益は、7,823百万円(同435.9%増)と大幅に増加いたしました。
営業外収益として為替差益を計上したことなどに加え、前述のとおり営業利益が大幅に増加したことによるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、5,372百万円(前年度親会社株主に帰属する当期純損失6,703百万円)と大幅に改善いたしました。
今年度の第2四半期において、TOMY International グループのオセアニアにおける一部ベビー用品等の無形固定資産の減損損失などを計上したものの、前述のとおり経常利益が大幅に増加したことによるものです。
<セグメント別業績の概況>
(単位:百万円) |
前期 | 当期 | 増減 | 増減率(%) | ||
売上高 | 163,067 | 167,661 | 4,594 | 2.8 | |
日本 | 108,519 | 131,810 | 23,291 | 21.5 | |
アメリカズ | 34,622 | 28,512 | △6,110 | △17.6 | |
欧州 | 10,641 | 8,573 | △2,068 | △19.4 | |
オセアニア | 2,509 | 2,509 | 0 | 0.0 | |
アジア | 57,288 | 47,771 | △9,516 | △16.6 | |
消去又は全社 | △50,513 | △51,515 | △1,002 | - | |
営業利益又は営業損失(△) | 2,698 | 7,744 | 5,046 | 187.0 | |
日本 | 8,293 | 10,030 | 1,736 | 20.9 | |
アメリカズ | △1,586 | 197 | 1,783 | - | |
欧州 | △2,418 | △581 | 1,837 | - | |
オセアニア | △104 | 57 | 161 | - | |
アジア | 878 | 725 | △153 | △17.4 | |
消去又は全社 | △2,364 | △2,685 | △320 | - |
<日本>(単位:百万円)
前期 | 当期 | 増減 | |
売上高 | 108,519 | 131,810 | 23,291 |
営業利益 | 8,293 | 10,030 | 1,736 |
定番商品「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」においては、既存商品ラインの充実に加え、各商品ラインの拡大を図りました。「トミカ」では、「トミカ」の走行遊びの世界観を広げる「トミカワールド スリリングマウンテン」が人気を集めるとともに、大人の嗜好にも応えるフォルムをリアルに再現したハイディテールコレクションモデル「トミカプレミアム」をはじめとする単品シリーズの販売がコンビニエンスストアや書店などの新たなPOA(Point of Availability:販売箇所)拡大もあり、伸長いたしました。「プラレール」では、「日本おもちゃ大賞2016」イノベイティブ・トイ部門で大賞を受賞した、車両に搭載した2台のカメラの映像をスマートフォンで見ながら運転操作ができる「スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー」が話題を集めました。「リカちゃん」では、赤外線で反応するリアルなセルフレジを使ったお買いもの遊びができる「セルフレジでピッ!おおきなショッピングモール」が好評を得ました。また、子どもも大人も楽しめる新たな商品ラインとして、2016年6月に販売を開始した少し大人っぽいリアルクローズのリカちゃん「リカビジューシリーズ」が人気を博しました。さらに、ブランドとしての価値を高めるため、ツイッターやインスタグラムなどのSNSを活用した情報発信や企業タイアップなどを積極的に展開いたしました。
2016年4月からテレビアニメ放送が始まった次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」は、全国で開催している店頭イベントなどのプロモーション効果もあり、販売が好調に推移いたしました。トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は前年度における商品とプロモーションの見直しにより、新規ユーザー層が増えたため販売が伸長いたしました。年末商戦においては、タマゴを孵化させる感動体験が話題となった新感覚ペット「うまれて!ウーモ」が人気となり、メディアでも大きく取り上げられました。さらに、当社が原作を手掛けたテレビアニメ作品など、新規キャラクターの商品展開にも取り組みました。
㈱タカラトミーアーツにおいては、成田国際空港などに設置した「ガチャ」がユニークなPOAとして外国人観光客を中心に人気を集めました。また、2016年7月より稼働した、ゲーム上で捕まえたポケモンがその場で印刷され手に入れられるアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」が好評を博しました。
以上のとおり、定番商品に加えて重点商品などの玩具の販売が好調に推移したことや、今年度より商流変更に伴うアメリカズ向けの出荷が含まれたことから、売上高は131,810百万円(前年度比21.5%増)と前年度より大幅に増加いたしました。また、売上高の伸長に伴う売上総利益の大幅な増加により、営業利益は10,030百万円(同20.9%増)と好調に推移いたしました。
<アメリカズ(北米・中南米)>(単位:百万円)
前期 | 当期 | 増減 | |
売上高 | 34,622 | 28,512 | △6,110 |
営業利益又は営業損失(△) | △1,586 | 197 | 1,783 |
アメリカズにおいては、引き続き事業の立て直しに取り組んでおり、再建策の一環である“収益性改善を目的とした事業の集中と選択”として一部ベビー商品における不採算商品から撤退を行うとともに、ベビー用品「The First Years」、「JJCole」や農耕車両玩具「John Deere」など主力の6つのブランドへ集中的に経営資源を投入いたしております。「ポケモン」においては従来商品に加え、ぬいぐるみやフィギュアなどの20周年記念商品や、ゲームと連動する主人公が身に付ける腕輪型アイテム「ポケモン Zリング」を発売するとともに、「ポケモンGO」の人気などもあり、シリーズ全体の販売が好調に推移いたしました。一方、映画コンテンツの商品展開が一巡したことに加え、農耕車両玩具やベビー、プリスクール関連商品の販売が低調に推移したため、売上高は28,512百万円(前年度比17.6%減)となりました。また、売上高が減少したものの販売費及び一般管理費を減少させたことにより、営業利益197百万円(前年度営業損失1,586百万円)と良化いたしました。
<欧州>(単位:百万円)
前期 | 当期 | 増減 | |
売上高 | 10,641 | 8,573 | △2,068 |
営業損失(△) | △2,418 | △581 | 1,837 |
欧州地域においてもアメリカズと同様に事業の立て直しに取り組んでおります。ロシア及びポーランドなどにおいて自社販売から代理店販売への転換を図り、英・仏・独に事業を集中させて事業を効率化するとともに、前年度中には組織の見直しに伴う人員削減を完了いたしました。加えて、今年度は8つの主力ブランドに経営資源を集中投下しております。
「ポケモン」においては、20周年記念商品が人気となるとともに、ぬいぐるみやフィギュア、ゲームソフト連動玩具「ポケモン Zリング」をはじめとしたシリーズ全体の販売が伸長いたしました。一方、映画コンテンツの商品展開が一巡した影響に加え、ベビー、プリスクール商品や農耕車両玩具の販売が低調に推移したことなどにより、売上高は8,573百万円(前年度比19.4%減)となりました。なお、前述のとおり、事業立て直しに係る販売コストの減少などにより、営業損失は581百万円(前年度営業損失2,418百万円)と大幅に改善いたしました。
<オセアニア>(単位:百万円)
前期 | 当期 | 増減 | |
売上高 | 2,509 | 2,509 | 0 |
営業利益又は営業損失(△) | △104 | 57 | 161 |
オセアニアにおいては、昨年度人気を博した映画コンテンツの商品展開が一巡したものの、「ポケモン」関連商品の販売が好調に推移いたしました。また、日本商品の展開を進めるなど、売上高は2,509百万円(前年度比0.0%増)となりました。また、販売費及び一般管理費を減少させたことにより、営業利益57百万円(前年度営業損失104百万円)を計上することができました。
<アジア>(単位:百万円)
前期 | 当期 | 増減 | |
売上高 | 57,288 | 47,771 | △9,516 |
営業利益 | 878 | 725 | △153 |
アジア地域においては、シンガポールにTOMY SOUTHEAST ASIA PTE. LTD.を開設し、2016年11月より、東南アジアでの販売及びマーケティング活動をスタートいたしました。「トミカ」については、玩具代理店と連携した売場づくりと、日本と同様にPOA拡大に取り組んでおり、コンビニエンスストアや書店などでの取り扱い増加により、販売が好調に推移いたしました。また、国や地域の購買水準に対応した低価格「トミカ」の「TOMICA COOL DRIVE」を中国、タイ、インド、インドネシア、マレーシアにおいて販売しております。さらに、韓国、香港、台湾などにおいてテレビアニメが始まった次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」が好評を博しました。一方で、生産子会社であるTOMY(Hong Kong)Ltd.における欧米向け出荷が減少したことなどにより、売上高は47,771百万円(前年度比16.6%減)、営業利益は725百万円(同17.4%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 増減額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 8,675 | 24,896 | 16,221 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,974 | △3,793 | 180 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △6,014 | △1,927 | 4,086 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 39,902 | 58,530 | 18,627 |
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、24,896百万円の収入(前年度は8,675百万円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払額1,681百万円、売上債権の増加1,038百万円等があった一方で、減価償却費7,300百万円、税金等調整前当期純利益7,127百万円、たな卸資産の減少4,045百万円、未払費用の増加2,234百万円、未払金の増加2,214百万円、のれん償却額1,404百万円、仕入債務の増加1,069百万円等があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、3,793百万円の支出(前年度は3,974百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出3,560百万円、無形固定資産の取得による支出1,388百万円等があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、1,927百万円の支出(前年度は6,014百万円の支出)となりました。これは主として、自己株式の処分による収入7,215百万円、長期借入れによる収入2,000百万円等があった一方で、長期借入金の返済による支出4,396百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出4,025百万円、短期借入金の純減3,471百万円等があったことによるものです。
以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ18,627百万円増加して58,530百万円となりました。