有価証券報告書-第13期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 14:29
【資料】
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【項目】
137項目

業績等の概要

(1) 業績
遊技機業界におきましては、パチスロ遊技機市場において、新基準機の販売が低調に推移する傾向が続いております。また、パチンコ遊技機市場におきましては、遊技産業の更なる健全化を目的として、業界14団体で構成するパチンコ・パチスロ産業21世紀会が『検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機』の回収・撤去を平成28年12月末までに行うことなどを宣言した『遊技業界における健全化推進に関する声明』に基づき、該当遊技機の回収・撤去が進められました。そのような状況の中、一部の実績あるシリーズ機を中心に高い評価を受けるタイトルが登場してきており、今後の市場活性化に向けては、各種自主規制等に適応した、幅広いエンドユーザーに支持される機械の開発、供給等が求められております。
エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境につきましては、スマートデバイス向けなどのデジタルゲーム市場において、国内におけるスマートフォン普及の鈍化、及び有力パブリッシャーの優位性が増していることから、より品質の高いコンテンツの供給が求められており、開発期間の長期化や運営費用が増加傾向にあります。一方、海外におきましては、アジアを中心に今後の成長が期待されております。
パッケージゲーム市場におきましては、家庭用ゲーム機の現世代ハードに加え、新世代ハードの普及による今後の市場拡大に期待が高まっているほか、欧米及びアジアでは、PC向けゲームが大きな市場を形成しております。アミューズメント施設・機器市場につきましては、新作ビデオゲームを中心に、施設稼働の向上やユーザー層拡大の兆しが表れております。
リゾート業界におきましては、訪日外国人数の伸び率は鈍化しているものの増加傾向にあり、ホテルの客室稼働率は引き続き上昇傾向にあります。また、観光立国の実現に向けて、『特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(IR推進法案)』が国会で成立し、公布、施行されました。
このような経営環境のもと、当連結会計年度における売上高は3,669億39百万円(前期比5.4%増)、営業利益は295億27百万円(前期比67.6%増)、経常利益は285億42百万円(前期比73.9%増)となりました。また、固定資産売却益など特別利益を133億19百万円、減損損失など特別損失を81億23百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は276億7百万円(前期比414.2%増)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
また、当グループの報告セグメントとして従来「エンタテインメントコンテンツ事業」に含まれていた一部事業について、当連結会計年度より「遊技機事業」に変更しており、前期との比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。セグメント情報に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
《遊技機事業》
パチスロ遊技機におきましては、主力タイトル『パチスロ北斗の拳 修羅の国篇』や『パチスロ コードギアス 反逆のルルーシュ R2』等の実績あるタイトルのシリーズ機の販売を行ったことから、215千台の販売となりました(前期は142千台の販売)。パチンコ遊技機におきましては、『ぱちんこCR蒼天の拳天帰』や『ぱちんこCRモンスターハンター4』等の個別タイトルの販売は堅調だったものの、政策的に大型タイトルの販売を翌期に変更したため、138千台の販売となりました(前期は199千台の販売)。
また、部材リユース等による原価改善や、開発費等の費用低減により収益性の改善に取り組みました。
以上の結果、売上高は1,482億22百万円(前期比5.1%増)、営業利益は263億31百万円(前期比25.7%増)となりました。
《エンタテインメントコンテンツ事業》
エンタテインメントコンテンツ事業におきましては、各事業分野において、業績が好調に推移いたしました。
デジタルゲーム分野において、配信開始から4年目を迎え、昨年4月にPlayStation® 4版でもサービスを開始した『ファンタシースターオンライン2』が引き続き好調に推移いたしました。スマートデバイス向けタイトルにおきましては、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』、『ぷよぷよ!!クエスト』等の既存主力タイトルを中心に、各種イベントやアップデート等を実施し、堅調に推移いたしました。
パッケージゲーム分野におきましては、欧州を中心に高い人気を誇り、16年間で合計2,000万本以上を販売している『Total War』シリーズの新作『Total War: WARHAMMER』や、『ペルソナ』シリーズの新作『ペルソナ5』等の主力タイトルを発売し、販売本数は1,028万本(前期は922万本の販売)となりました。
アミューズメント機器分野におきましては、新作タイトル『艦これアーケード』等のレベニューシェアモデルによる収益貢献や、人気トレーディングカードゲームの新作『三国志大戦』等の販売が好調に推移いたしました。
アミューズメント施設分野におきましては、既存のゲームセンター業態における『艦これアーケード』等のビデオゲームの稼働が好調なことから、国内既存店舗の売上高は前期比で108.5%と堅調に推移いたしました。
映像・玩具分野におきましては、国内で人気を博した劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』の配給収入や、TVアニメ等の制作収入等を計上したほか、玩具において、『アンパンマン』シリーズや『ぷに♡ ジェル』シリーズ等の定番・主力製品等を中心に販売いたしました。
以上の結果、売上高は2,057億4百万円(前期比8.0%増)、営業利益は111億76百万円(前期比165.1%増)となりました。
《リゾート事業》
リゾート事業におきましては、国内有数のリゾート『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、平成28年8月に『シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート』の開業以来最大規模となるリニューアルが完了したほか、九州域内を中心とした集客施策を行いました。しかしながら、上期に発生した、平成28年熊本地震によるキャンセル等の影響を補うには至りませんでした。
なお、リゾート事業においては、屋内型テーマパーク事業の開発・運営会社株式の一部売却等を実施いたしました。
海外におきましては、Paradise Co., Ltd.と当社の合弁会社であるPARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)が、韓国・仁川において、既存のカジノ施設の運営に取り組んだほか、韓国初の本格的IR(統合型リゾート)となる『パラダイスシティ』の開業準備を進めました。
以上の結果、売上高は130億12百万円(前期比20.6%減)、営業損失は22億44百万円(前期は営業損失18億25百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ135億95百万円増加し、1,992億8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益337億38百万円及び減価償却費205億61百万円を計上したこと、仕入債務が124億96百万円増加したこと等により、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは591億26百万円の収入(前連結会計年度は169億6百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の売却により134億6百万円の収入があった一方、有形固定資産の取得により152億95百万円、無形固定資産の取得により92億50百万円それぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは47億67百万円の支出(前連結会計年度は352億80百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済により140億43百万円、社債の償還により142億円、配当金の支払により93億76百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは383億34百万円の支出(前連結会計年度は142億85百万円の収入)となりました。