有価証券報告書-第10期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/19 13:43
【資料】
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【項目】
136項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、金融・財政政策の効果を背景に円安・株高の傾向となり、デフレ脱却と景気回復への期待感が高まったものの、消費税率引き上げによる景気への影響の懸念もあることから依然として不透明な状況となりました。
このような状況の中、遊技機業界におきましては、パチンコホール運営者における機械選別が進んでいることから、一部の主力製品に受注が集中する傾向にあり、パチスロ遊技機における新台入替は引き続き堅調に推移しているものの、パチンコ遊技機の新台入替はやや低調に推移しております。今後の市場活性化に向けては、エンドユーザーに支持される機械の開発、供給等が求められております。
アミューズメント業界におきましては、スマートフォンをはじめとした遊びの多様化並びに市場を牽引するタイトルの不在により、市場が低調に推移しております。今後の市場活性化に向けては、多様化する顧客ニーズに応じた斬新なゲーム機の開発、供給等が期待されています。
家庭用ゲーム業界におきましては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やスマートフォン向けなどのデジタルゲーム市場における需要が拡大する一方で、パッケージゲーム市場は低調に推移しております。
このような経営環境のもと、当連結会計年度における売上高は3,780億11百万円(前期比17.6%増)、営業利益は385億33百万円(前期比102.0%増)、経常利益は405億31百万円(前期比93.8%増)となり、投資有価証券売却益など特別利益を157億95百万円、一部の欧米子会社を清算したことによる為替換算調整勘定の取崩しに伴う関係会社清算損など特別損失を87億82百万円計上した結果、当期純利益は307億21百万円(前期比8.2%減)となりました。
なお、当期純利益が前期を下回った主な要因は、前期において、一部米国子会社の清算結了に伴い発生した法人税法上の欠損金に対して、課税所得により控除可能と見込まれる部分につき繰延税金資産を計上したためであります。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
《遊技機事業》
パチスロ遊技機におきましては、サミーブランド『パチスロ北斗の拳 転生の章』や『パチスロ交響詩篇エウレカセブン2』などを販売し、概ね堅調に推移いたしました。一部タイトルの販売スケジュールを見直したものの、パチスロ遊技機全体では前期実績を上回る301千台の販売となりました。
パチンコ遊技機におきましては、サミーブランド『ぱちんこCR北斗の拳5百裂』や『ぱちんこCRモンスターハンター』などの販売を行ったものの、低調な市場環境を受けて主力タイトル以外のタイトルについては低調に推移した結果、前期実績を下回る200千台の販売となりました。
以上の結果、売上高は1,819億84百万円(前期比27.4%増)、営業利益は452億92百万円(前期比92.4%増)となりました。
遊技機の主要販売機種名及び販売台数
パチスロ遊技機
機種名ブランド販売台数
パチスロ北斗の拳 転生の章(サミー)114千台
パチスロ交響詩篇エウレカセブン2(サミー)59千台
パチスロ獣王 王者の帰還(サミー)43千台
パチスロ化物語(サミー)31千台
回胴黙示録カイジ3(銀座)25千台


パチンコ遊技機
機種名ブランド販売台数
ぱちんこCR北斗の拳5百裂(サミー)69千台
ぱちんこCRモンスターハンター(サミー)32千台
ぱちんこCR蒼天の拳(サミー)27千台
CR火曜サスペンス劇場(タイヨーエレック)18千台
ぱちんこCRルーキーズ(サミー)12千台

《アミューズメント機器事業》
アミューズメント機器事業におきましては、『WORLD CLUB Champion Football』におけるCVTキットやカード等の消耗品の販売、『CODE OF JOKER』などのレベニューシェアタイトルによる配分収益が計上されましたが、『THE WORLD of THREE KINGDOMS』をはじめとした新規タイトルは厳しい市場環境の影響を受けて苦戦を強いられた結果、売上高は438億55百万円(前期比2.9%増)、営業損失は12億64百万円(前期は営業利益19億2百万円)となりました。
《アミューズメント施設事業》
アミューズメント施設事業におきましては、前期に引き続き既存店舗の運営力強化を行いましたが、市場を牽引するタイトルの不在により、国内既存店舗の売上高は、前期比96.1%と低調に推移いたしました。
当期末の国内店舗数は、5店舗の出店、9店舗の閉店を行った結果、店舗数は198店舗となりました。
なお、当期より店舗数につきましては、国内アミューズメント施設(ゲームセンター)の直営店舗のみを対象としております。
以上の結果、売上高は432億27百万円(前期比1.2%増)、営業利益は60百万円(前期比94.9%減)となりました。
《コンシューマ事業》
コンシューマ事業におきましては、パッケージゲーム分野において、『Total War: ROME II』、『Football Manager 2014』など複数の新作タイトルを販売したものの、厳しい市場環境を受けて低調に推移いたしました。パッケージ販売本数は、米国280万本、欧州377万本、日本215万本、合計873万本となり、前期実績を下回りました。
一方で、携帯電話・スマートフォン・PCダウンロード等のデジタルゲーム分野におきましては、オンラインRPG『ファンタシースターオンライン2』、スマートフォン向けに配信する『ぷよぷよ!!クエスト』、『チェインクロニクル』の好調が継続しております。また、携帯電話・PC向けパチンコ・パチスロゲームサイトにおいては、スマートフォン対応版『777TOWN for Android』及び『777TOWN for iOS』並びにDeNA向け『モバ7』の取り組みを強化しております。なお、国内配信タイトル数は平成26年3月末時点で141本(うち、売切り型73本、無料プレイ型68本)となりました。
玩具販売事業におきましては、『アンパンマンシリーズ』及び『ジュエルポッドシリーズ』などの定番商品の販売を実施いたしましたが、玩具販売事業全体は低調に推移いたしました。
アニメーション映像事業におきましては、観客動員が300万人以上を記録した劇場版『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』などが好調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は1,005億41百万円(前期比18.6%増)、営業利益は20億89百万円(前期は営業損失7億32百万円)となりました。
なお、当社子会社である株式会社セガが100%出資して新設した子会社において、平成25年9月18日に株式会社インデックスの事業譲受に関する契約の締結を行い、平成25年11月1日に事業譲受を行っております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ285億30百万円増加し、2,027億41百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益475億45百万円及び減価償却費197億43百万円を計上したこと、売上債権が165億17百万円減少したこと等により、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは752億1百万円の収入(前連結会計年度は186億3百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の売却により161億99百万円の収入があった一方で、有形固定資産の取得により271億23百万円、事業譲受により143億59百万円、関係会社株式の取得により78億46百万円、無形固定資産の取得により68億70百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは385億47百万円の支出(前連結会計年度は63億96百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の発行により99億35百万円を調達した一方で、配当金の支払(少数株主への配当金を含む)により97億23百万円を、長期借入金の返済により123億69百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは115億12百万円の支出(前連結会計年度は11億16百万円の支出)となりました。