有価証券報告書-第23期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)

【提出】
2020/10/20 16:54
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「医薬」(Pharmaceuticals)と「食」(Foods)の融合からなる「ファーマフーズ(Pharmafoods)」を目指し、健康維持と生活の質の向上に役立つ機能性素材の開発を行っております。
当社グループは、人々の健康に貢献することを経営の基本方針としており、今後ますます重要性が高まる健康分野において、独自の技術、製品を創造してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、『Bio Business Triangle』をコンセプトとして、バイオテクノロジーを基軸に、「機能性素材事業(Bio seeds)」「通信販売事業(Bio value)」「バイオメディカル事業(Bio medical)」の三事業を展開しております。
事業の展開としては「機能性素材事業(Bio seeds)」で、収益基盤を構築、事業の裾野を拡大し、「通信販売事業(Bio value)」では機能性素材事業の技術シーズを基に事業規模の拡大を図り、これらの技術、収益を基盤にして「バイオメディカル事業(Bio medical)」を進めております。
当社グループの事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による免疫力向上及びストレス低減等への需要増加並びに100歳時代という価値観の広がりによるアンチエイジング、運動機能及び認知機能等への需要増加という経営環境の変化に直面しております。このような変化の局面においても、当社が従来行ってきた健康維持と生活の質の向上に役立つ研究は引続き求められているため、当社はこれまでの経営方針・経営戦略等を見直す必要は無いと認識しております。
当社グループ事業の根幹は研究開発力にあり、科学的根拠に基づいた独自の技術及び製品を提供することでオンリーワン企業を目指してまいります。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、継続的な事業の拡大を通じて企業価値の向上を目指しております。目標とする経営指標としては、事業の規模、成長性及び企業の収益力を表す各項目を重視しております。特に事業規模の拡大、成長性を重視する指標として売上高の前期比増加率30%以上、収益性を重視する指標として営業利益率5%以上を目標としております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えようとしております。このような中、当社グループは、『「医薬」と「食」の融合』という経営理念のもと、「100歳時代に価値ある豊かさと価値ある健康を」というビジョンを掲げ、中長期的な成長を図っております。市場環境及び事業環境の現状並びに新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた当社グループとして認識している対処すべき課題については、以下のように考えております。
(バイオメディカル事業)
① パイプラインの拡充
当社グループは、保有するパイプラインを製薬会社へライセンスアウトすることにより、契約一時金、マイルストン収入及びロイヤリティを受けとるビジネスモデルをとっております。現在は「自己免疫疾患」、「悪性腫瘍」、「骨再生」の分野で3つのパイプラインを有しておりますが、その数を増加させていくことが必要となっております。今後も、パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を目指してまいります。
② 企業及び公的研究機関との連携強化
創薬分野において、企業及び公的研究機関が日進月歩で創薬開発を進めております。競争力強化のため、創薬開発力の一層の強化が必要となっております。自社開発を進めつつ、企業及び公的研究機関と共同で創薬開発を行うことで、開発スピードを加速させてまいります。
(機能性素材事業)
① 各国の許認可取得及び安定供給体制の構築
当セグメントにおける海外販売比率は33.6%であり、拡大の余地が残されております。海外販売強化のため、現地食品メーカー及び卸売事業者との連携により、各国において必要な許認可の取得を迅速に行ってまいります。また、販売拡大とともに、海外市場での安定供給のため、海外における生産体制を構築してまいります。
② 営業人材の育成及び即戦力人材の獲得
海外での販売体制強化のため、海外営業のスキルを持った人材の獲得が必要となっております。海外市場に対応する人材の増強を図り、主力の北米・中国に加え、今後市場拡大が見込まれる東南アジア地域での展開に注力してまいります。
③ 新しい価値を想像する新規素材の開発
当セグメントの売上高に占める「ファーマギャバⓇ」の割合は48.0%となっており、当セグメントの業績に与える影響が強まっております。当該製品に続く、機能性表示が可能な価値ある製品の研究開発を行い、セグメント業績の安定化を目指してまいります。
(通信販売事業)
① 商品開発
当セグメントが継続的に成長するためには、絶えず新たな主力商品の開発を続けることが必要となっております。新型コロナウイルス感染症拡大により、心身ともに健康であることへのニーズがさらに高まっております。当社の研究成果をエビデンスとする機能性表示食品、化粧品等の機能性の高い価値ある商品の拡充等を進め、お客様のニーズに対応してまいります。
② 広告クリエイティブの開発
広告クリエイティブは、広告宣伝の効率性を左右します。お客様に高い価値を伝えるため、他にはない研究開発力及び機能性などの訴求を行い、魅力的な広告クリエイティブの開発に取り組んでまいります。
③ システムによる効率化
受注の急増により、当社グループのコールセンターにつながりにくい状況が発生しております。また、新型コロナウイルス感染防止のため、外出を控える生活様式へと変化が起こっております。コールセンター、ECサイト、受注管理及び広告管理システムの効率化を実現し、お客様のニーズに迅速に応える体制を構築してまいります。
(全社的事項)
① 人材の獲得及び組織体制の強化
当社グループの成長を支える人材の獲得が必要となっております。年齢、性別、国籍等にとらわれることなく、意欲、実力を重視した評価、育成を行い、強固な組織体制の構築を目指します。また、優秀な人材、グローバルな人材の積極的な採用を進めてまいります。
② 収益力の向上及び財務基盤の維持・確保
当社グループは、金融機関からの借入を活用しながら、事業拡大のための積極投資を継続すると同時に、一定程度の収益性を確保するため、営業利益率5%以上を収益性の目標としております。今後は、規模の拡大に伴うスケールメリットを発揮し、投下資本に対する利益率の向上を図ってまいります。
そのために、キャッシュ・フローを重視した経営を行い、適切な投資判断を行ってまいります。さらに財務状況や投資計画に応じた資金調達を柔軟に行ってまいります。
③ M&Aの強化
継続的な企業価値向上には、既存事業の成長のみならず、M&Aによる事業領域の拡大が必要と考えております。当社グループが過去5年に実施したM&Aは2件にとどまっていることから、継続的な企業価値向上を目指し、M&Aに積極的に取り組んでまいります。