有価証券報告書-第99期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/23 15:51
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3 重要な会計方針
(1)測定の基礎
連結財務諸表は、以下の会計方針で記載されているとおり、公正価値で測定されている特定の流動資産、及び金融商品、退職後給付制度に係る資産・負債等及び超インフレ会計の適用を除き、取得原価に基づき作成しております。
(2)連結の基礎
当社が直接・間接に議決権の過半数を所有する等により支配を有している国内外の連結子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、連結財務諸表に含まれております。連結財務諸表において、当社及び連結子会社間の内部取引及び勘定は消去されております。当社と決算期を統一することが、子会社の所在する現地の法制度上不可能である等の理由により、子会社の財務諸表の決算期が当社の決算期である3月末と異なる子会社については、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
(3)企業結合
企業結合は取得法により会計処理を行っております。取得原価は、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分により構成されております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。
既保有持分の支配獲得時の公正価値と帳簿価額との差額は純損益として認識しております。ただし、被取得企業の持分に関して認識していたその他の包括利益は、取得企業が被取得企業の持分を直接処分した場合と同様に処理しております。発生した取得費用は純損益として処理しております。
当社及び連結子会社は、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債について、原則として支配獲得時に存在する契約条件、経済状況、営業方針又は会計方針及びその他の適切な条件に基づいて、必要な分類及び指定を行っております。
(4)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資
関連会社とは、当社及び連結子会社が議決権の20%以上50%以下を保有すること等により重要な影響力を有している企業であります。
ジョイント・ベンチャーとは、当社及び連結子会社が、取決めに対する共同支配を有する当事者として、当該取決めの純資産に対する権利を有しているジョイント・アレンジメントであります。共同支配とは、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在する、取決めに対する契約上合意された支配の共有であります。
当社及び連結子会社は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資について持分法を用いて処理しております。持分法では、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資は、通常、原価に株式取得日以降の関連会社及びジョイント・ベンチャーの純資産の変動に対する当社及び連結子会社の持分に応じて調整した価額により計上しております。また、関連会社及びジョイント・ベンチャーから受け取った配当金については、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額より減額しております。
連結包括利益計算書には関連会社及びジョイント・ベンチャーの収益・費用に対する当社及び連結子会社の持分を持分法による投資損益として表示しております。関連会社及びジョイント・ベンチャーで認識されたその他の包括利益に変動がある場合には、当該変動に対する当社及び連結子会社の持分はその他の包括利益で認識しております。当社及び連結子会社と関連会社及びジョイント・ベンチャーとの間の取引から生じる未実現利益は、当社及び連結子会社の関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分を消去しております。また、関連会社及びジョイント・ベンチャーの会計方針を当社及び連結子会社の会計方針と一致させるための調整を行っております。
他の株主との関係等により、持分法を適用するために用いられる関連会社及びジョイント・ベンチャーの財務諸表の決算期が、当社の決算期である3月末と異なる関連会社及びジョイント・ベンチャーについては、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
持分法の適用後、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。
認識した減損損失がもはや存在しない、又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する重要な影響力又は共同支配を喪失した場合、公正価値で投資額を測定しております。すなわち、残存持分の公正価値及び関連会社又はジョイント・ベンチャーに対する持分の一部の処分による収入と重要な影響力又は共同支配を喪失した日現在の投資の帳簿価額の差額を純損益として認識しております。なお、持分法により認識していたその他の包括利益は、関連会社及びジョイント・ベンチャーがその他の包括利益に関連する資産又は負債を直接処分した場合と同様に処理しております。
(5)外貨換算
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。連結グループ内の各企業は企業が営業活動を行う主たる経済環境等を考慮して機能通貨を決定しており、各企業の財務諸表は、その機能通貨を使用して測定しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算については、資産及び負債は報告期間の期末日の為替レートで円貨に換算し、収益及び費用は対応する報告期間における平均為替レートで円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。なお、超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表における収益及び費用は報告期間の期末日の為替レートで円貨に換算しております。
支配の喪失を伴う子会社の処分時には、その他の資本の構成要素において認識している当該在外営業活動体に関連した換算差額の累計額の全額を純損益に振り替えております。また、支配の喪失を伴わない子会社の部分的な処分時には、その他の資本の構成要素として認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分は非支配持分に振り替え、純損益として認識しておりません。
重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴う関連会社及びジョイント・ベンチャーの処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額の全額を純損益に振り替えております。また、重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴わない関連会社及びジョイント・ベンチャーの部分的な処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分を純損益として認識しております。
(6)現金及び現金同等物
現金同等物には、取得時における満期日が3ヵ月以内の定期預金、譲渡性預金を含めております。
(7)金融商品
① 金融資産
当初認識及び測定
IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)の適用対象となる金融資産は、負債性金融資産については、償却原価で測定される負債性金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産(以下「FVTOCIの負債性金融資産」という。)又は純損益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産(以下「FVTPLの負債性金融資産」という。)に分類し、資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産(以下「FVTOCIの資本性金融資産」という。)又は純損益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産(以下「FVTPLの資本性金融資産」という。)に分類しております。なお、金融資産の当初認識時にその分類を決定しております。
FVTPLの負債性金融資産及びFVTPLの資本性金融資産は当初認識時に公正価値で測定しており、それ以外の金融資産は当初認識時に公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
関係する市場における規則又は慣行により一般に定められている期間内での資産の引渡しが要求される金融資産の売買(通常の方法による取引)の場合は、当社及び連結子会社が当該金融商品の契約上の当事者となった取引日により認識しております。
当社及び連結子会社の金融資産には、現金及び現金同等物、営業債権及び貸付金等の負債性金融資産、資本性金融資産、デリバティブ金融資産が含まれております。
事後測定
金融資産は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
償却原価で測定される負債性金融資産
当社及び連結子会社は、以下の双方の条件が満たされる負債性金融資産について、償却原価で測定しております。
・ビジネスモデル上の保有目的が契約上のキャッシュ・フローを回収することである場合
・契約条件がある特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみのキャッシュ・フローを生じさせるものである場合
これらの条件を満たす負債性金融資産は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価から減損損失を控除して測定しております。実効金利法による利息は連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
当社及び連結子会社は、上記の償却原価測定の条件を満たす負債性金融資産に対し、FVTPLの負債性金融資産として指定することにより、償却原価で測定した場合に生じる会計上のミスマッチが解消又は著しく減少する場合には、当初認識時にFVTPLの負債性金融資産として指定する取消不能の選択をする場合があります。
FVTOCIの負債性金融資産
当社及び連結子会社は、以下の双方の条件が満たされる負債性金融資産について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定しております。
・ビジネスモデル上の保有目的が契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方である場合
・契約条件がある特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみのキャッシュ・フローを生じさせるものである場合
これらの条件を満たす負債性金融資産は、当初認識後、公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、FVTOCIの負債性金融資産からの利息については、連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。また、FVTOCIの負債性金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益の累計額を純損益に振り替えております。
当社及び連結子会社は、上記のその他の包括利益を通じた公正価値測定の条件を満たす負債性金融資産に対し、FVTPLの負債性金融資産として指定することにより、その他の包括利益を通じて公正価値で測定した場合に生じる会計上のミスマッチが解消又は著しく減少する場合には、当初認識時にFVTPLの負債性金融資産として指定する取消不能の選択をする場合があります。
FVTPLの負債性金融資産
当社及び連結子会社は、負債性金融資産について、当初認識時に償却原価測定又はFVTOCIの負債性金融資産の条件を満たさない場合、又は償却原価測定又はFVTOCIの負債性金融資産の条件を満たすが当初認識時にFVTPLの負債性金融資産として指定することを選択した場合に、FVTPLの負債性金融資産に分類しております。
当初認識後、FVTPLの負債性金融資産の公正価値の変動は連結包括利益計算書において主に収益又は金融損益として認識しております。
FVTOCIの資本性金融資産
当社及び連結子会社は、トレーディング目的で保有されていない資本性金融資産について、当初認識時にFVTOCIの資本性金融資産として指定するか否かの取消不能の選択をしております。
FVTOCIの資本性金融資産として指定される資本性金融資産は、当初認識後、公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、FVTOCIの資本性金融資産からの配当については、連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
FVTPLの資本性金融資産
当社及び連結子会社は、トレーディング目的で保有されている資本性金融資産及び当初認識時においてFVTOCIの資本性金融資産として指定しない資本性金融資産を、FVTPLの資本性金融資産に分類しております。
当初認識後、FVTPLの資本性金融資産の公正価値の変動及び配当は連結包括利益計算書において主に金融損益として認識しております。
認識の中止
当社及び連結子会社は、以下の場合に金融資産の認識を中止しております。
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利が消滅した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、又はパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんど全てのリスクと経済価値を譲受人に移転した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、又はパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんど全てのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、支配を移転している場合
金融資産のほとんど全てのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、譲渡された金融資産に対して支配を継続する場合には、当該金融資産に対して継続的に関与している範囲において金融資産の認識を継続しております。
継続的関与の範囲で金融資産の認識を継続する場合には、関連する負債も認識しております。継続して認識する金融資産又は関連する負債は、当社及び連結子会社が保持する権利及び義務に基づいて測定しております。
償却原価で測定される負債性金融資産及びFVTOCIの負債性金融資産の減損
当社及び連結子会社は、償却原価で測定される負債性金融資産及びFVTOCIの負債性金融資産等については予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。取引先の信用状態の悪化に伴い、回収が困難・不能となるか、あるいは、回収に相当長期を要すると認められた場合に、債務不履行が生じているとみなしております。
各報告期間の期末日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は、貸倒引当金を各報告期間の期末日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(以下「12ヵ月の予想信用損失」という。)に等しい金額で測定しております。一方、各報告期間の期末日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、貸倒引当金を当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(以下「全期間の予想信用損失」という。)に等しい金額で測定しております。ただし、営業債権等については、貸倒引当金を常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
各報告期間の期末日において、認識が要求される金額に修正するために必要となる貸倒引当金の計上又は戻入れの金額は純損益として認識しております。
減損損失は、連結財政状態計算書上、負債性証券については帳簿価額から直接減額することにより、負債性証券以外の金融資産については引当金を計上することにより認識しております。また、連結包括利益計算書上、営業債権等から発生した減損損失は貸倒引当金繰入額、それ以外の減損損失は金融損益として認識しております。
② 金融負債
当初認識及び測定
IFRS第9号の適用対象となる金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債(以下「FVTPLの金融負債」という。)を除き、償却原価で測定する金融負債に分類しております。金融負債の当初認識時に分類を決定しております。
FVTPLの金融負債は当初認識時に公正価値で測定しており、償却原価で測定する金融負債に分類される金融負債は当初認識時に公正価値に取引費用を減算した金額で測定しております。
当社及び連結子会社の金融負債には、社債及び借入金、営業債務、デリバティブ金融負債等が含まれております。
事後測定
金融負債は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債として指定された金融負債は、公正価値により測定しております。
当初認識後、FVTPLの金融負債の公正価値の変動及び利息費用は、企業自身の信用リスクの変動に関連する部分は連結包括利益計算書上、その他の包括利益として認識し、残額は主に金融損益として認識しております。
償却原価で測定される金融負債
FVTPLの金融負債に分類されない金融負債は、償却原価により測定しております。
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価で測定しております。実効金利法による償却は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
認識の中止
金融負債は、契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合に認識を中止しております。
当初と著しく異なる条件による金融負債の交換又は条件の実質的な変更は、新たな金融負債の認識と当初の金融負債の認識の中止として取り扱い、これらの帳簿価額の差額は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
金融保証契約
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該金融保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
金融保証契約による負債は、当初認識時に金融保証契約により保証者が将来受領する保証料の合計額に、直接帰属する取引費用を調整した金額の現在価値で測定しております。当該負債は当初認識後、金融保証契約期間にわたり、規則的な方法により償却し、純損益として認識しております。ただし、各報告期間の期末日における現在の保証債務を決済するために要する支出の見積額が当初測定額から償却累計額を控除した金額を上回った場合は、当該負債の残高は各報告期間の期末日における現在の保証債務を決済するために要する支出の見積額で認識しており、その差額は純損益として認識しております。
③ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利が現時点で存在し、かつ、純額で決済するか、若しくは資産の回収と同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、純額を連結財政状態計算書において表示しております。
④ 金融商品の公正価値
各報告期間の期末日現在、金融商品の公正価値は、活発な市場における公表価格で測定しております。金融商品に関する市場が活発でない、又は市場が存在しない場合は、適切な評価技法を用いて公正価値を測定しております。
⑤ 金利指標改革
金利指標改革-フェーズ2
当社及び連結子会社は、2020年8月に公表された「金利指標改革-フェーズ2(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の改訂)」を適用し、金利指標改革によって要求される償却原価で測定される負債性金融資産及び負債性金融負債の契約上のキャッシュ・フローの決定基礎の変更を、変動金利の変動として扱い、実効金利を変更することにより会計処理しております。なお、連結財務諸表への重要な影響はありません。
(8)デリバティブ及びヘッジ会計
当初認識及び事後測定
当社及び連結子会社は、デリバティブを公正価値により、資産又は負債として認識しております。デリバティブの公正価値の変動についての会計処理は、適格なヘッジ手段に指定される場合はヘッジ目的とヘッジ指定により決定され、適格なヘッジ手段に指定されない場合のデリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値の変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、公正価値ヘッジとして、公正価値の変動額を純損益として認識し、ヘッジ対象資産、負債、確定約定の公正価値の変動額と相殺されます。
なお、ヘッジ対象が償却原価により測定する金融商品である場合は、当該金融商品の公正価値と帳簿価額との差額を純損益として認識したうえで、修正後の金融商品の帳簿価額に基づき再計算した実効金利により償却しております。
当社及び連結子会社は、主に商品や商品購入の確定約定における公正価値の変動リスクや、固定利付資産・負債の金利変動による公正価値の変動リスクをヘッジするために、公正価値ヘッジを行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジとして、ヘッジ対象からの純損益が認識されるまで、公正価値の変動額をその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、デリバティブの公正価値の変動額のうち、ヘッジの非有効部分は純損益として認識しております。当社及び連結子会社は、商品の予定仕入、売上等における価格変動や為替の変動に伴う将来のキャッシュ・フローの変動リスクや、変動利付資産・負債の金利変動リスクをヘッジするために、キャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。
ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の資本の構成要素に計上されたヘッジ手段に係る金額についても、純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債として認識されている場合には、その他の資本の構成要素として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えております。
予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれないと判断した場合は、ヘッジ会計を中止しております。この場合には、ヘッジが有効であったときにその他の資本の構成要素に認識していた金額は、ヘッジ会計を中止した時点で純損益に振り替えております。また、ヘッジ会計の中止時以降のヘッジ手段の公正価値の変動は、もはやヘッジ手段ではないものとして将来にわたり純損益として処理しております。ヘッジ会計を中止した場合であっても、ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性が見込まれる限りにおいて、ヘッジ会計の中止時までにその他の資本の構成要素として認識していた金額は、当該予定取引が発生するまで引き続きその他の資本の構成要素に計上しております。
純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ及び借入金等のデリバティブ以外のヘッジ手段は、在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして、為替変動額をヘッジ効果が認められる範囲内でその他の資本の構成要素として認識しております。デリバティブ及びデリバティブ以外のヘッジ手段に係る為替変動額のうち、ヘッジの非有効部分及びヘッジ有効性評価の対象外の部分については純損益として認識しております。
純投資ヘッジにより、その他の資本の構成要素として認識された為替変動額の累積額は、在外営業活動体の処分時に純損益に振り替えております。
(9)棚卸資産
棚卸資産は主に商品、製品及び販売用不動産で構成されており、取得原価(主に個別法又は移動平均法)と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。正味実現可能価額が取得原価より低い場合はその差額を評価減として費用認識しております。また、評価減は棚卸資産から直接減額しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
棚卸資産を評価減する原因となった従前の状況がもはや存在しない場合、又は経済的状況の変化により正味実現可能価額の増加が明らかである証拠がある場合には、評価減の戻入れを行っております。戻入れ後の帳簿価額は取得原価と新たな正味実現可能価額とのいずれか低い方の額で認識しております。評価減の戻入額は純損益として認識しております。
なお、短期的な市場価格の変動により利益を獲得することを意図して棚卸資産を保有している場合、当該棚卸資産は販売費用控除後の公正価値で測定し、販売費用控除後の公正価値の変動は当該変動が発生した期の純損益として認識しております。
(10)有形固定資産
有形固定資産は、取引費用を含めた取得原価で当初認識しております。取得原価には、意図した使用が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産の取得、建設等に直接起因する借入費用を含んでおります。また、使用終了時の見積廃棄費用の現在価値は、引当金の認識基準を満たす場合については資産の取得原価に含めて、その有形固定資産の耐用年数にわたり減価償却により費用として認識しております。
当社及び連結子会社は、当初認識後、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。有形固定資産の減価償却費は、償却可能額を、主として、当該資産の耐用年数(建物及び構築物は概ね2年~60年、機械及び装置は概ね2年~45年)にわたる定額法、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により各期に配分しております。土地は減価償却をしておりません。有形固定資産項目に1つ又は複数の重要な構成要素が存在する場合は、重要な構成要素は個別に減価償却を行っております。
有形固定資産は、処分した時点、又はその使用若しくは処分により将来いかなる経済的便益も期待されなくなった時点で認識を中止しております。当該資産の正味の処分対価と帳簿価額との差額は、認識が中止された時点で純損益として認識しております。
有形固定資産の残存価額、耐用年数及び減価償却方法は、各報告期間の期末日に見直しを実施しており、修正が必要と判断された場合は会計上の見積りの変更として、将来に向かって調整しております。
(11)無形資産
のれん以外の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値で測定しております。無形資産を当初認識後、当社及び連結子会社は原価モデルを適用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。内部創出の無形資産は資産化の基準を満たすものを除き、発生時に関連する支出を費用として認識しております。
無形資産は耐用年数を確定できる資産と耐用年数を確定できない資産に区分しております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、当該資産の耐用年数(販売権及び顧客との関係等は概ね2年~35年、ソフトウェアは概ね2年~20年)にわたり、主に定額法により各期に配分しております。耐用年数及び償却方法は、各報告期間の期末日に見直しを実施しており、修正が必要と判断された場合は会計上の見積りの変更として、将来に向かって調整しております。
耐用年数を確定できない無形資産は償却をしておりません。耐用年数を確定できないという判断をした場合についても、耐用年数を確定できないことの裏付けとなっている事象や状況が引き続き存在しているか否かについて、各報告期間の期末日に見直しを実施しております。耐用年数を確定できないという判断が妥当でなくなった場合においては、耐用年数を確定できない無形資産から確定できる無形資産に変更し、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しております。
無形資産は、処分した時点、又はその使用若しくは処分により将来いかなる経済的便益も期待されなくなった時点で認識を中止しております。当該資産の正味の処分対価と帳簿価額との差額は、認識が中止された時点で純損益として認識しております。
のれん
のれんは、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分の合計(以下「対価の総額」という。)から、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の支配獲得時の公正価値の純額を差し引いた残額により認識しております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。この対価の総額が被取得企業の識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、その差額は純損益として認識しております。
当初認識後、のれんは償却を実施せず、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。企業結合で取得されたのれんは、取得日以後、減損テスト実施のために、当該企業結合から便益を得ることが期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
のれんが配分された資金生成単位又は資金生成単位グループ内の事業を処分する場合は、処分される事業と関連するのれんは当該事業の帳簿価額に含めて、利得及び損失を計算しております。この場合、のれんは、より合理的な方法がある場合を除いて、処分される事業と存続する資金生成単位との価値の比率に基づき測定しております。
(12)石油・ガス及び鉱物資源の採掘活動
石油・ガスの探査及び評価費用並びに開発費用は、成功成果法に基づき会計処理しております。利権鉱区取得費用、試掘井及び開発井の掘削・建設費用、及び関連設備は資産として認識し、試掘井に係る費用は商業採算性がないことが判明した時点で、地質調査費用等のその他の探査及び評価費用は発生時点で、それぞれ費用化しております。また、鉱物資源の探査及び評価費用は、鉱物の採掘活動の商業採算性が確認されるまで発生時に費用認識しております。
資産として計上された探査及び評価費用並びに開発費用は、有形固定資産(機械及び装置)に計上しております。また、探査権等の取得に対する支出は無形資産に計上し、技術的可能性と経済的実行可能性が立証可能となった時点で有形固定資産(機械及び装置)に振り替え、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により償却を行っております。
なお、事実と状況から探査及び評価資産の帳簿価額が回収可能価額を超過すると判断される場合には、帳簿価額をその回収可能価額まで減額しております。
(13)リース
当社及び連結子会社は、リースにより固定資産の賃貸事業及び固定資産の賃借を行っております。
契約がリース又はリースを含んだものであるか否かについては、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するかに基づき、リース契約日に判定しております。
リース資産の借手である場合
リース開始日において、原資産を使用する権利を表す使用権資産及びリース料を支払う義務を表すリース負債を認識しております。使用権資産は取得原価で測定され、取得原価はリース負債の当初測定の金額、リース開始日以前に支払ったリース料、当初直接コスト及び原状回復費用等により構成されております。使用権資産は原則としてリース期間にわたって減価償却しております。リース期間は、リースの解約不能期間に、リースを延長するオプションを行使すること又はリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実な期間を加えて決定しております。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。当該リース料は、リースの計算利子率が容易に算定できる場合は当該利子率で割り引き、当該利子率が容易に算定できない場合は借手の追加借入利子率で割り引いております。リース負債に係る支払利息は、リース負債の残高に対して毎期一定の利率により算定された金額としております。
連結財政状態計算書上、使用権資産は主に「有形固定資産」に含め、リース負債は「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」に含めております。
なお、リース期間が12ヵ月以内であるリース(以下「短期リース」という。)及び原資産が少額であるリース(以下「少額資産のリース」という。)については、他の規則的な方法が借手の便益のパターンをより適切に表す場合を除いて、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
リース資産の貸手である場合
原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを移転するファイナンス・リースについては、リース開始日において、リースに供された原資産の認識を中止し、ファイナンス・リースにより保有する資産を正味リース投資未回収額に等しい金額でリース債権を認識しております。当初直接コストは、原則として正味リース投資未回収額の当初測定額に含めて認識しております。
オペレーティング・リースについては、その対象となる原資産を、原資産の性質に応じて連結財政状態計算書に表示しており、当該原資産に係る減価償却の方針は、貸手の同様の資産に係る減価償却の方針と整合しております。リース収益は、他の規則的な方法が原資産の使用により便益が減少するパターンをより適切に表す場合を除いて、リース期間にわたり定額法により認識しております。また、リース契約を獲得するために発生した当初直接コストは原資産の帳簿価額に加算し、リース期間にわたりリース収益と同じ基礎によって費用として認識しております。
(14)棚卸資産を除く非金融資産の減損
減損損失
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。
有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。
耐用年数を確定できない無形資産及びのれん:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。なお、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。
減損の戻入
各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
(15)売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
非流動資産又は処分グループの帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引によって回収される場合で、以下の条件を満たす場合は売却目的保有に該当すると判断しております。
・通常又は慣例的な条件のみに基づいて現状で直ちに売却可能である。
・売却の可能性が非常に高い。
売却目的保有に分類する非流動資産及び処分グループは、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額により測定しております。
非流動資産が、売却目的保有に分類されている間、又は売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、当該非流動資産について減価償却又は償却を行っておりません。
(16)引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。割引計算が実施される場合、時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しております。
資産除去債務については、資産の解体、除去及び敷地の原状回復費用並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
(17)退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、大部分の従業員を対象として確定給付型企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は予測単位積増方式に基づき制度ごとに算定しております。
確定給付資産又は負債の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。再測定は、確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。また、過去勤務費用は直ちに純損益として認識しております。
確定給付資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、連結財政状態計算書で資産又は負債として認識しております。
(18)自己株式
当社及び連結子会社が自己の資本性金融商品(自己株式)を買い戻す場合には、自己株式を取得原価で認識し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却、発行又は消却時において、いかなる利得及び損失も純損益として認識しておりません。なお、帳簿価額と売却対価との差額は、資本剰余金として認識しております。
(19)株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して譲渡制限付株式報酬制度及び時価総額条件型譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。それぞれの付与日における公正価値は、所定の権利確定条件の全てが満たされるまでの期間にわたり費用として認識し、対応する金額を資本として認識しております。なお、譲渡制限付株式及び時価総額条件型譲渡制限付株式の公正価値は適切な評価技法を用いて算出しております。
(20)収益
当社及び連結子会社は、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客に移転する財やサービスと交換に権利を得ることとなる対価を回収する可能性が高い場合に収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
(21)法人所得税等
当期税金
各報告期間の期末日の未払(未収)法人所得税は、税務当局に対する納付若しくは税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の測定においては、各報告期間の期末日における法定税率又は実質的法定税率を使用しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金は、その他の包括利益として認識しており、資本に直接認識される項目に関する当期税金は、資本として直接認識しております。当社及び連結子会社は、税務上の技術的な解釈に基づき、税務ポジションが税務当局による調査において認められる公算が大きい場合に、その財務諸表における影響を認識しております。
未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつ企業が純額により決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合には、未収法人所得税と未払法人所得税は相殺しております。
繰延税金
当社及び連結子会社は、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その測定に当たっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。
繰延税金負債は、以下を除く将来加算一時差異に対して認識しております。
・のれんの当初認識
・企業結合でなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識
・子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来加算一時差異について、一時差異の解消時期をコントロールすることが可能であり、かつ当該一時差異が予測可能な将来に解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、企業結合でなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合を除き、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しております。
子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高く、かつ当該一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識しております。
一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性について、各報告期間の期末日で再検討し、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しております。未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日で再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は非流動資産又は非流動負債として表示しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する繰延税金はその他の包括利益に、資本に直接認識される項目に関する繰延税金は資本に直接認識しております。繰延税金資産と繰延税金負債は、企業が未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法律上強制力のある権利を有する場合、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しております。
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が未収法人所得税と未払法人所得税を純額により決済すること、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
(22)組替
連結財務諸表及び連結財務諸表に対する注記の表示方法を変更した場合には、比較情報を組替表示しております。
(23)新たに適用する基準書及び解釈指針
IAS第12号「法人所得税」(2023年5月改訂)の改訂に伴い、当連結会計年度より国際最低課税制度に関する強制的な一時的例外措置を遡及して適用しております。そのため、国際最低課税制度から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債は認識しておらず、関連する情報の開示も行っておりません。
(24)未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、重要な影響があるものはありません。