有価証券報告書-第131期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/26 14:17
【資料】
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【項目】
169項目
② 戦略
当社の戦略については、次のとおりであります。
なお、当社の人材戦略は、経営戦略に基づいて策定されており、企業の成長と持続可能性を支える重要な指標と位置付けております。経営戦略の目標を実現するためには、質の高い人材の確保、育成、そして適切な配置が不可欠であり、そのため、当社は常に経営戦略と連動した人材戦略を構築し、柔軟かつ迅速に対応できる体制を整えております。
前述のとおり、当社は2024年4月~2027年3月を対象期間とする中期経営計画「integration 1.0」を策定しましたので、それに伴い新たに人材戦略を構築し、また各種重点テーマ、指標および目標も見直しております。
(ⅰ)人的資本基本方針
(方針)
新たな価値創造の源泉となる人材(兼松パーソン)を確保・育成し、人材の能力が十分に発揮される組織を作ることで持続的に企業価値を向上させる
(概要)
「お客さまやお取引先に愛され、選ばれる人」これが兼松パーソンです。創業当時より大切にする以下の価値観を一人ひとりが主体的に体現し、兼松パーソンとして持続的な価値の創造を目指しております。
・お客さま・お取引先、社会の課題を解決する使命感、責任感
・一粒の種をまくための創意工夫と挑戦心
・お客さま・お取引先との共創共栄を大切にする誠実心
・働く情熱と共に同じ目的に向かって邁進する団結心
(ⅱ)人材戦略
(方針)
当社が目指す姿(ソリューションプロバイダー)に向けて活躍できる人材を確保、育成し、人材の能力が充分に発揮されるよう社内環境を整備する
(概要)
当社は中期経営計画「integration 1.0」において、兼松が5年後に目指す姿として「効率的かつ持続可能なサプライチェーンの変革をリードするソリューションプロバイダー」を掲げております。ソリューションプロバイダーとして活躍できる人材になるためには、「①深い現場知見に根差した最適な解決策をデザインする力」「②顧客課題解決に向け複数のレイヤーに跨り様々な外部パートナーとの最適な組合せでソリューションを実装・運用する力」の大きく2つの力が必要だと考えております。
後述する人材育成方針、環境整備方針に基づいた取組みを行うことで、中期経営計画「integration 1.0」“組織能力・人的資本の強化”のモニタリング指標として掲げている「新たな行動様式を実践する従業員」、「組織横断プロジェクトに従事する従業員」も増加すると考えております。
当社の人材戦略イメージ
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(ⅲ)人材育成方針
(方針)
新しいビジネスと持続可能な社会を築く商社として、変化を機微に捉えて素早く対応することで、多くのお客さま・取引先の皆さまに愛され選ばれる兼松パーソンとなる人材の採用・研修・育成を実施する
(概要)
上述の兼松パーソンが大切にする価値観を体現するためには、どのような環境下でも実行力を発揮し、最後まで責任を持ってやり遂げる意欲を持ち、取引先や社内関係者と適切なコミュニケーションを取ることができる優れた人格が必要であると考えております。
当社の人材は、新規ビジネスを事業化していく熱意、挑戦心のある旺盛な冒険心、新たなビジネスモデルの構築や既存の概念に捉われない新しい発想の展開ができる革新的な思考を大切にしております。
当社では、持続的な価値創造のために、優れた人格を基盤として、人材戦略に合わせた人材育成を行って参ります。
(重点テーマ)
人材育成に関する重点テーマは、次のとおりであります。
(a)深い現場知見に根差した最適な解決策をデザインする力
・OJT(On the Job Training)制度
深い現場知見を養うために日常の業務を通じて教育するOJT制度を取り入れております。新入社員1名に対し、直接実務を指導する実務指導員に加え、部署の中枢を担う中堅社員がOJTサポーターとしてアサインされ、2名体制で教育をしております。実務指導員、OJTサポーターには研修を実施し、新入社員の育成において必要となる情報提供を行うことで、業務知識のみならず、社会人としての基礎を効果的に指導できる体制を整えております。東京本社の座席には、新入社員+実務指導員+OJTサポーター3名で利用できる優先席を設け、新入社員がいち早く現場知見を身に付けられるようチーム一体となって育成しております。
・若手海外実習制度
グローバルな深い現場知見を養うための初期教育として、若手のうちに実務を通じた海外経験を積むことができる若手海外実習制度を設けております。多様な文化や価値観を体感することはもちろん、海外駐在員としてグローバルな環境でも深く現場に入り込んでいくために求められるスキルと自身の能力のギャップを認識することで、若手社員の自己啓発を促しております。
・兼松ユニバーシティ
従来の研修制度を強化・体系化した「兼松ユニバーシティ」(以下「KGU」という。)を、2019年7月より開講しております。KGUのカリキュラムは、教養、対人知識・対人スキル、業務知識・業務スキルの3カテゴリーで構成されており、内容によってe-learningと集合研修に振り分けた豊富な講座を受講できる仕組みになっております。ビジネスマナーや語学など基礎的なものから、事業投資や法務、アンガーマネジメントなど専門的な知識も身に付けることができる内容となっており、次世代のマネジメント層となる人材の育成に努めております。
・ビジネスプラン策定研修
事業創造に必要な「新たなビジネスを生み出し、具体化していく」ためのスキルの習得を目的として、2007年よりビジネスプラン策定研修を行っております。本研修では事業創造を行うための知識や学びを「分かる」状態から「活用できる」状態へと昇華・強化するために、事前学習編と学びの活用編(グループワーク)の2つから構成されております。学びの活用編では現実のビジネス課題をテーマに設定し、ビジネスプランを約半年にわたりチームごとに練り上げ、社内で最終発表会を開いております。
(b)最適な組合せでソリューションを実装・運用する力
・DX人材の育成
当社が関わるサプライチェーンにおいて、デジタル技術や自動化技術を活用しながら次世代に適合したビジネスへのシフトを目指し、取引先と協力して共に変革への困難を克服するDXを推進しております。当社が求めるDX人材には、デジタルの知見だけではなく、ビジネスの知見との掛け合わせが必要と考えており、ITリテラシー向上のための研修のみならず、デジタル技術を扱うグループ内企業との人材交流等も通じて、取引先などのデジタル化段階に合わせたDXを推進できる人材を育成しております。
・GXアクセラレーター
グループ内での環境関連ビジネスの推進に向け、新規案件の企画・立案から、グループ内GX機運の醸成に向けたあらゆるサポート活動を行う「GXアクセラレーター」を組織しております。GXアクセラレーターは、当社グループ各社において高い業界知識を有し活躍している社員で構成されております。
(ⅳ)環境整備方針
(方針)
・新たな事業や既存事業の刷新が次々と生まれるとともに、常に進化することを楽しむ個人/組織/風土に向けて、個々人の能力を活かし、お互いが尊重し合い、団結する組織を目指す。
・これらの実現に向けてオフィス環境や業務フローを継続的に見直し、時間や場所に捉われない環境、基盤となる従業員の健康維持・増進および安全に働くことができる環境を整備し、従業員エンゲージメントをさらに高める。
(概要)
ソリューションプロバイダーとして活躍する人材を活かしサポートするためには、組織の環境を充実させる必要があります。多様な人材がフラットな関係でお互いを尊重・協力し合い、多様なキャリアを築くことができ、チャレンジを促し、チャレンジした人が報われる環境が必要であると考えております。
当社では人材の能力を活かす組織を作るためにはDE&Iの考え方が根底にあると考えております。また、社員エンゲージメント等の観点から、下図のとおり組織・会社作りをしていくうえで重要な価値観(コアバリュー)を4つ(個性を活かす、フラット&リスペクト、チャレンジをサポート、働き方にも選択肢)定めております。コアバリューは一人ひとりの能力を最大化させるために必要に応じて見直して参ります。
人材の能力を活かす組織作りのコアバリューイメージ
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(重点テーマ)
環境整備方針に関する重点テーマは、次のとおりであります。
(a)多様な個性を活かすDE&I
・DE&Iチームの取組み
当社ではDE&Iチームを組成し、多様な価値観や考えを尊重し受け入れることで、誰もがより働きやすく、より能力を発揮できる職場環境の整備を進めております。当事者意識の醸成を目的に、全社向けe-learningや情報発信を行っております。また国際女性デーやLGBTQ+の理解促進を目的としたプライドウィーク、社員のご家族をオフィスに招くファミリーデー等の企画を通して、多様な社員同士の理解を深める取組みを行っております。
・ダイバーシティ採用、キャリア採用
当社内部の知識・経験だけではアプローチできない市場・商材・顧客にも進出していくため、世界中から多様なバックグラウンドを持つ人材の確保に努めております。新卒採用では女性や日本における外国籍留学生に対して目標値を持って採用活動を実施しております。また当社内部とは異なる知識・経験の獲得を期待したキャリア採用の拡大も進めております。
・タレントマネジメント
属人的な人材配置から脱却すべく、人材プールの可視化を目的としてタレントマネジメントを推進しております。一人ひとりのスキル、経験、特性といった人材情報を一元管理し、どのような人材が社内にいるのか適切に把握するよう努めて参ります。
(b)エンゲージメント向上によるパフォーマンスの最大化
・エンゲージメント調査
当社では、中期ビジョン「future 135」から継続して従業員エンゲージメントの向上を重視しております。2021年度に2回目となるエンゲージメント調査を実施し、第1回目の調査と比較して、エンゲージメントの改善が見られたものの、協力体制などいまだ複数の課題が残っていることも分かり、これらの課題に対する施策を検討・実行することにより、部門や組織の壁に縛られないチャレンジを奨励する会社となり更なるエンゲージメントの向上を図って参ります。
なお、エンゲージメント調査自体は2024年度に第3回目を実施しており、その結果に対する施策の検討も今後あわせて進めて参ります。
・エンゲージメント向上のための施策
(ヒトツブクラブ)
新規事業のためのアイデア創出・事業化推進を行うコミュニティである「ヒトツブクラブ」を発足しております。研修ではなく、参加型イベントやTeamsグループを通じて、新規事業の創造に挑戦する「時間」と「場」を設けるだけでなく、参加者の熱意さえあれば、アイデアの具現化に向けた支援・サポートを実施しております。
(新人事制度)
2024年4月より新人事制度を導入し、各々がチャレンジングな目標を掲げ、組織全体の底上げを図るような土壌形成と、その取組み・成果に報いる仕組み作りを行っております。
(TANEMATSU ~カルチャーデザインプロジェクト~)
創業主意「わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す」の更なる浸透・再解釈を土台とした「兼松らしい企業文化づくり」を目指す全社横断プロジェクトを2023年12月から開始しております。当社が大切にする価値観に共感することで従業員のエンゲージメントを高め、その結果、新たな事業や既存事業・業務の刷新と改善が次々と生まれる企業文化にするべく、当社ひいては当社グループ会社一体となって企業理念に向き合い、未来を考える機会を創出して参ります。
(c)多様な働き方
・フルフレックス制度
柔軟な働き方を推奨するため、2021年度よりコアタイムのないフルフレックスタイム制度を導入しております。従業員が業務の繁閑に合わせて出社・退社時刻を原則自由に設定でき、今まで以上に自身の業務に合わせた効率的な働き方が可能となりました。
・テレワーク制度
従業員のWell-beingの観点や、外出時の移動時間削減等による業務効率化の観点から、テレワーク(在宅勤務・サテライトオフィス勤務)を制度化いたしました。「従業員の自律的な働き方の尊重」と「会社業績の向上」を両輪で実現することを目指し、働き方の選択肢としてテレワーク(在宅勤務・サテライトオフィス勤務)を位置付けております。
・有給休暇取得推奨
「働きやすく、働きがいのある職場環境」の実現を目指し、従業員が有給休暇を取得しやすい制度として、年次有給休暇の計画的付与制度「ブロンズウィーク・プラス制度」を導入しております。より働きやすい職場環境を整え、公私のメリハリをつけて業務にあたることを目指しております。
(d)従業員のWell-beingを追求する健康経営、安心して働ける労働慣行
・健康経営宣言
従業員が能力を拡大し可能性を育てながら生き生きと働くためには、健康経営の推進が必須であると考えております。当社は2025年3月に、経済産業省および日本健康会議が実施する健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門において「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」の認定を受けております。
・健康状態の把握
当社では従業員の健康に関するデータを可視化するため健康管理システムを2024年3月に導入いたしました。同システムを用いて、兼松健康保険組合と連携してデータ分析を行い、従業員の健康状態に即した健康施策を実施し、効果を測定しております。また、従業員自身も同システムを使うことで、自身の健康課題の把握、健康的な生活の習慣づけが可能となっており、全従業員の健康意識向上を図っております。
・安全衛生委員会
従業員の健康を守り、明朗な職場環境をつくるため安全衛生委員会を設置しております。同委員会は総括安全衛生管理者(人事部長)の監督の下、産業医、安全管理者、衛生管理者、会社推薦の社員、そして労働組合が推薦した社員で構成されております。月に1度、委員会を開催し、産業医から助言を受けながら、労使共同で各施策を協議し、推進しております。
・ハラスメント対策
ハラスメントについては、社内相談窓口を設置しており、ハンドブックの配布による啓蒙活動に加え、ハラスメント防止のための研修を実施しております。

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