有価証券報告書-第147期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 15:08
【資料】
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【項目】
186項目
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、建設業や物流業を中心に人手不足が常態化しているものの、所得環境などに改善がみられ景気は緩やかな回復が続きました。一方、米国の通商政策や地政学リスクなどにより先行きは引き続き不透明な状況となりました。
工業分野では、自動車関連産業が通商政策の影響を受けたものの、一部の半導体や航空機関連産業などに底堅い設備投資需要がみられました。住宅分野では、「省エネ基準」の適合義務化などにより戸建て住宅を中心に新設住宅着工戸数に落ち込みがみられた一方、機能性の高い商品の需要が堅調に推移しました。建設分野では、社会インフラ整備に関連する需要が高まりました。
海外では、米国の通商政策等の影響により先行きに不透明感がみられましたが、インドやインドネシアなど東南アジア地域で景気が底堅く推移しました。一方、中国では景気の停滞感がみられました。
このような状況の中、創業360年を迎える2026年3月期は「ユアサビジョン360」並びに中期経営計画「Growing Together 2026」の最終年度であり、「風土改革」「DX推進」「サステナビリティ推進」による企業価値の向上に引き続き取り組み、モノづくり、すまいづくり、環境づくり、まちづくりの分野において、「モノ売り」と「コト売り」の両面でマーケットアウト型へのビジネス変革を推進しました。
「風土改革」では、働きがい向上と人間尊重をテーマとしたYUASA PRIDEプロジェクトにより社員のエンゲージメントを高め、「総合力」「チャレンジ」「コミュニケーション」をキーワードに、「つなぐ」イノベーションで社会課題を解決できる人材の育成に取り組みました。
「DX推進」では、データ活用基盤構築、DX人材育成、業務プロセス改革、イノベーション創出を進めました。
「サステナビリティ推進」では、営業活動及び自社オフィスにおけるCO₂排出量の削減に取り組むとともに、お取引先さまのカーボンニュートラルを支援するグリーン事業を全社で推進しました。
成長戦略として、デジタル戦略においては、無人搬送ロボットなど現場の省人化・省力化に貢献するロボット・AI活用ソリューションの展開を推進しました。海外戦略では、タイ・バンコクのラートクラバン地区に、日本の複数メーカーと連携し日本の住宅ソリューションを集約したモデルハウス「YUASA SAKURA HOUSE」を昨年12月に開設しました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3.1%増の5,450億27百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が167億40百万円(前連結会計年度比6.2%増)、経常利益は172億36百万円(前連結会計年度比7.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比17.4%増の120億20百万円となりました。
セグメント別の売上高の詳細については、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容に記載しております。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて154億9百万円増加し、3,035億7百万円となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産が91億33百万円減少した一方で、電子記録債権が71億34百万円、投資有価証券が51億36百万円、現金及び預金が47億91百万円それぞれ増加したことなどによります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて33億79百万円増加し、1,820億61百万円となりました。これは、電子記録債務が26億44百万円、繰延税金負債が12億47百万円それぞれ増加したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて120億29百万円増加し、1,214億46百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が76億87百万円、その他有価証券評価差額金が29億75百万円それぞれ増加したことなどによります。
なお、2026年3月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2025年3月期に係る資産額については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させ比較しております。この結果、自己資本比率は、39.5%(前連結会計年度末は37.8%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、484億85百万円となり、前連結会計年度末より47億75百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、195億69百万円(前連結会計年度比35億86百万円の収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益170億52百万円、売上債権の減少額49億51百万円を計上した一方、棚卸資産の増加額16億52百万円、仕入債務の減少額10億10百万円を計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、63億80百万円(前連結会計年度比35億84百万円の支出減)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出55億99百万円、有形固定資産の取得による支出13億76百万円を計上したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、90億78百万円(前連結会計年度比42億81百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払額による支出41億20百万円、長期借入金の返済による支出31億73百万円をそれぞれ計上したことなどによります。
④販売、仕入及び受注の実績
a.販売実績
期間前連結会計年度
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
当連結会計年度
自 2025年4月1日
至 2026年3月31日
セグメントの名称金額
(百万円)
前年同期比
(%)
構成比率
(%)
金額
(百万円)
前年同期比
(%)
構成比率
(%)
産業機器77,767△2.514.777,739△0.014.3
工業機械107,403△9.520.3105,444△1.819.3
住設・管材・空調209,6886.339.7223,4926.641.0
建築・エクステリア57,3425.410.963,80911.311.7
建設機械36,868△1.17.037,0760.66.8
エネルギー18,607△2.93.517,496△6.03.2
その他20,7093.63.919,968△3.63.7
合計528,3870.3100.0545,0273.1100.0

b.仕入実績
仕入実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
c.受注実績
受注実績の金額と販売実績の金額の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3.1%増の5,450億27百万円となりました。利益面につきましては、営業利益が167億40百万円(前連結会計年度比6.2%増)、経常利益は172億36百万円(前連結会計年度比7.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比17.4%増の120億20百万円となりました。
《産業機器部門》
産業機器部門につきましては、自動車関連産業における通商政策や国際情勢の変動といった不確実性は残るものの、サプライチェーンの混乱は徐々に緩和され、需要環境にも安定化の兆しがみられ、切削工具及び工作機械周辺機器の販売が底堅く推移しました。また、深刻化する人手不足を背景に、自動化・省人化ソリューションへの投資意欲は引き続き高水準で推移しました。
このような状況の中、スマートファクトリー化に向けた設備投資や食品製造工場向けのソリューション提案などのフードテック事業は堅調であり、災害対策やBCP(事業継続計画)関連商材も安定した需要を確保しましたが、売上高は777億39百万円(前連結会計年度比0.0%減)となりました。
《工業機械部門》
工業機械部門につきましては、深刻化する人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズは存在するものの、実際の投資決定が先送りされるなど、全体として厳しい事業環境となりました。一方、国内外を通じ、半導体・データセンター向け冷却装置等の製造設備は好調に推移しており、国内では防衛・航空宇宙関連・造船分野が活況であるとともに、海外では米国現地生産の航空機部品、空調機製造が堅調に推移し、受注環境には改善の傾向がみられました。
このような状況の中、国内の注力分野である精密板金市場・脆性材加工市場に対して、顧客の生産現場における課題を解決する高付加価値商品の提案を継続し、受注獲得と収益基盤の強化に努めました。また、海外においては、東南アジア諸国を中心に現地資本企業への販売に注力しましたが、売上高は1,054億44百万円(前連結会計年度比1.8%減)となりました。
《住設・管材・空調部門》
住設・管材・空調部門につきましては、少子化の進行、不動産価格の上昇、建築コスト高騰や改正建築基準法の厳格化により、新設住宅着工戸数は減少し、働き方改革、人手不足に伴う工期遅延もみられました。一方で、リフォーム需要は増加し、住宅設備機器は堅調に推移しました。また、データセンターの新設、都市部での大型再開発の増加により、空調関連機器や管材商品などが底堅い動きとなるとともに、物流倉庫や工場建設の省エネ設備投資需要も堅調に推移しました。
このような状況の中、工期短縮及び省施工の現場ニーズに応えるべく、施工省力化製品の提案や空調改装などエンジニアリング機能の強化に努めました。また、再生可能エネルギー分野においては、一部自治体による太陽光パネル設置義務化の動きや企業のカーボンニュートラル促進を受け、太陽光パネルや蓄電池などのシステム提案を推進した結果、売上高は2,234億92百万円(前連結会計年度比6.6%増)となりました。
《建築・エクステリア部門》
建築・エクステリア部門につきましては、人手不足の常態化と人件費の上昇に加え、資材高騰や納期遅延が継続しました。これらに伴う工期の長期化によって、厳しい市場環境となりました。特に商業施設・店舗や公共施設・学校向けの公共エクステリア製品の販売が伸び悩みました。一方で、自然災害や交通事故対策への意識の高まりから、社会インフラ投資は底堅く推移しました。特に止水板や監視管理システムの防災・防犯関連商品は需要が増加しました。
このような状況の中、再生可能エネルギーを活用したソーラーカーポートやウォーカブルな街づくりに寄与する外構・エクステリア製品のパッケージ提案、再開発案件への建築製作金物の納入に加え、宅配ボックスの拡販に注力した結果、売上高は638億9百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。
《建設機械部門》
建設機械部門につきましては、国土強靭化に向けたインフラ整備や再開発・更新需要が底堅く推移しました。一方、機械・資材・エネルギー価格の高止まりや人件費の高騰に加え、働き方改革による労働時間制限の影響を受けました。特に技能資格者不足による工事遅延や人手不足の常態化といった構造的課題が顕在化しました。
このような状況の中、さまざまな社会課題の解決を主軸とし、AI・IoT技術による省人化ソリューションや安全対策、CO₂見える化商品の拡販、行政機関への防災・BCP関連商材の提案等を推進しました。さらに、中古建機・農機等のオークション事業をはじめ、建設機械の整備・レンタル機能の拡充に努めた結果、売上高は370億76百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
《エネルギー部門》
エネルギー部門につきましては、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰に対し、政府による「燃料油価格激変緩和対策事業」が継続実施されたほか、緊急措置として国家原油備蓄の放出が行われるなど、厳しい外部環境となりました。
このような状況の中、東海地方を中心に展開するガソリンスタンド事業では、付加価値の高い洗車、車検、コーティングのほか、レンタカーやカーメンテナンス事業等の強化に注力しました。また、京浜地区における船舶用燃料の販売強化に取り組みましたが、売上高は174億96百万円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。
《その他》
その他部門につきましては、消費財事業では、物価上昇による消費者の購買意欲の落ち込みや季節商品需要の分散化がみられる中、スポットクーラーや空調服に代表される熱中症対策商品の提案に注力し販売が伸長しました。木材事業では、新設住宅着工戸数の減少や建築基準法の改正による駆け込み需要の反動、加えて、輸入木材は円安の影響を受けるなど、年間を通じて木材需要は厳しい状況が続きました。また、造船分野向けの特注木材製品の展開にも人手不足による工期遅延の影響がみられましたが、国内グループ間の連携を強化し、国産材を用いた用途提案や新商品開発、新市場開拓を通じた社会課題解決に向けた取り組みを進めました。
この結果、売上高は199億68百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。
当社グループは、2036年の創業370周年を見据えた長期ビジョン「YUASA vision 370」と、2026年4月から2031年3月までの5カ年を対象とする中期経営計画「Reborn 2031」を策定しました。当連結会計年度の経営成績等を踏まえた、具体的な施策等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況及び(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
なお、2027年3月期の連結業績予想は下記のとおりであります。
指標2026年3月期実績2027年3月期予想
売上高5,450億27百万円5,460億円
経常利益172億36百万円175億円
経常利益率3.2%3.2%

(注)2027年3月期予想は、2026年5月8日公表の「2026年3月期 決算短信[日本基準](連結)」によるものです。
③当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金、設備投資等の資金需要に対して、短期借入金及び自己資金を充当することを基本方針としております。
また、当社グループ内でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の充実を図っております。
当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末より47億75百万円増加し、484億85百万円となっており、充分な流動性を確保していると考えております。
なお、将来当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合には借入金の増額も検討いたしますが、財務の健全性を維持しつつ、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することにより、1株当たり当期純利益を増大させ、株主価値の向上を図ってまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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