有価証券報告書-第75期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 11:05
【資料】
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【項目】
135項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持株会社として、グループ事業計画の遂行、グループの経営資源の最適な配分、ガバナンス体制の構築、グループの重要課題への対応等に取り組みました。ESGを重視した経営を推進することを宣言、出版業界を含め各業界の持続可能性の向上、地球環境や労働環境を含む社会環境の改善、生活者のより豊かで持続的なくらしの実現を目指します。
(ESGへの取り組みについては、後述の「2(サステナビリティに関する考え方及び取組)」に記載しております。)
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の影響により、人々の暮らしや働き方、価値観等が大きく変化、それに伴い事業構造の変化も加速しています。また自然災害の日常化・甚大化や地方の過疎化などを含め私たちを取り巻く社会的な問題はより深刻化しています。このような環境において、当社グループは事業活動を通じ、よりよい社会、よりよい未来を実現するために、以下3点を対処すべき重点課題として取り組んでいくことで、安定的な収益を確保し、企業価値を持続的に向上させてまいります。
① グループESG経営の推進
② 持続可能な出版流通の実現(出版流通改革)
③ 新たな顧客価値創造及び事業領域の拡大
① グループESG経営の推進
事業活動を通して、持続可能な社会の実現に貢献することが、当社グループの持続的発展と企業価値向上にもつながるとの考えから、ESGを経営の中核に据え、事業とサステナビリティの両立を推進しています。後述する「出版流通改革」は、環境と社会の両面に大きく貢献する最重要の事業構造改革と位置付けて取り組んでいます。
(環境)
環境マテリアリティと表裏一体の出版流通改革の実現を通して、2030年には取次事業にかかるC02排出量26%の削減を実現してまいります。また、2030年度までに「脱プラ」を実現することも環境目標に加え取り組んでまいります。あわせて古紙などのリサイクル素材を活用した商品開発等、事業を通じ循環型社会に寄与することにも取り組んでまいります。
(社会)
人財をグループの価値創造における最重要の資本と位置付け、グループ人財戦略を推進してまいります。具体的には、グループが目指す「文化を創る・文化を伝える・文化を守るという価値創造を実現するプロフェッショナル人財集団」の実現に向け、①継続的な人的投資及び育成、②人財の見える化と健康で多様な働き方を支える環境の整備、③女性の活躍(2030年までに管理職比率30%以上の実現)を含めたダイバーシティ&インクルージョンを企業文化として定着させること、に取り組んでまいります。
あわせて、事業を通じた社会課題解決に取り組んでまいります。具体的には、①書店のない街をなくす(簡単に書店にアクセスできる環境を守る)、②地域創生や地域活性化に貢献する、③出版業界のつながりを活かし社会に良いライフスタイルを浸透させる、④海外で働く方とご家族の心身の健康に貢献する、ということを進めてまいります。
(ガバナンス)
今まで以上に、経営判断の質と透明性の高い経営を実現するための社内制度の再点検と改定を行います。また、グループガバナンス委員会、内部統制委員会及びそのもとで運営されるグループ情報セキュリティ推進委員会、グループコンプライアンス委員会の充実をはかってまいります。
② 持続可能な出版流通の実現(出版流通改革)
街に書店様と本があり続ける世界を守るために、持続可能な出版流通の構築を最重要のミッションとし、取引構造改革とサプライチェーン改革の2つの改革を軸とした「出版流通改革」に取り組んでおります。「出版流通改革」は、2023年度末までの実現をゴールと設定し、ステークホルダーの協力を仰ぎながら、以下の目標の達成に取り組んでまいります。(出版流通改革の詳細な内容や進捗につきましては、日販のWEBサイトより「出版流通改革レポート」をご確認下さい。)
・取引構造改革 書店様のマージン率30%以上
・サプライチェーン改革 全国配送網維持
ドライバーのコンプライアンス遵守
また、日販がこの先も出版流通を支え続けるため、2023年度からの3年間で、持続可能な収益を確保できるよう事業構造の変革に取組んでまいります。1つは業務DX・再構築を進め業務効率を高めます。もう1つは、書店様の持続的な経営の実現に貢献するため、読者を書店へ呼び込むこと、生活者を読者に変えていくことに挑戦し、新たな顧客・市場を創造する「縦横無尽に取り次ぐ」事業へと進化してまいります。その実現にむけ、日販の物流拠点は今後の業量にあわせ統廃合し、2024年度には新センターを稼働させる予定です。新センターでは、汎用的な物流インフラを導入し、生産性向上を図るとともに、多様な商材の取り扱いや物流受託の拡大を志向してまいります。
③ 新たな顧客価値創造及び事業領域の拡大
新型コロナウイルス感染症の影響により、社会のあり方や人々のライフスタイル、消費行動に不可逆的な変化が生じつつありますが、この変化は事業リスクであるとともに新たな成長の機会でもあります。
このような環境下において、日販は、2022年4月に文具一次卸となった文具雑貨事業において、メーカー機能の強化・拡大を図るとともに、「知育」「学び」への領域拡大に取り組んでいます。2022年8月に出版社様等がもつIP(Intellectual property:知的財産)のファンに対し、その「偏愛」を満たすEC事業「Pubip!(パビップ!)」を立ち上げた他、2023年3月には、株式会社オトバンクと資本業務提携を締結、ミドル~シニア層をターゲットとしたオーディオブックの協業検討を開始する等、新たな顧客の創造に取り組んでいます。
2022年4月に事業を開始した㈱駿河屋BASEは、「駿河屋」が書店の重要な複合アイテムとして認知され、順調に事業が拡大しております。またダルトンホーム・ディベロップメント㈱が2022年より販売を開始した「DULTON HOME」は、多くのお客様からの注目を集めており、ブランドの浸透とともに事業の成長が期待されます。
上記以外でも、各事業の中期事業計画に基づき、新しい商品、サービス、体験、その他顧客価値の創造に向けて、組織・体制を整え、すでに取り組んでおります。
当連結会計年度も、事業構造の変革や新たなアライアンスを目的とした投資を行っておりますが、今後も時代の変化に後れをとることなく、グループの各事業成長に向け、積極的な投資やリソースの投下を行い、新たな顧客価値・収益の創造に努めてまいります。
当社グループは、「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける」という経営理念の実現に向けて、これからも様々な挑戦を続けてまいります。

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