有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持株会社として、グループ事業計画の遂行、グループの経営資源の最適な配分、ガバナンス体制の構築、グループの重要課題への対応等に取り組みました。ESGを重視した経営を推進することを宣言、出版業界を含め各業界の持続可能性の向上、地球環境や労働環境を含む社会環境の改善、生活者のより豊かで持続的なくらしの実現を目指します。
(ESGへの取り組みについては、後述の「2(サステナビリティに関する考え方及び取組)」に記載しております。)
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く事業環境は、生成AIをはじめとする技術革新によって、コンテンツの創出・流通・消費のあり方が大きく変化しつつあります。また、インバウンド需要の高まりや、消費行動の多様化により、企業にはそれら変化への適応と新たな価値提供が一層求められています。加えて、人口動態の変化や地域課題の深刻化、労働力不足・コスト上昇、気候変動に起因する自然災害の激甚化やサイバーセキュリティを含むリスクの複雑化など、企業の持続可能性をめぐる課題は広範に及んでおります。
とりわけ、グループの祖業かつコア事業である出版流通事業においては、市場の縮小が続くなかで、運賃をはじめとする流通コストを現行の収益配分では十分に賄い切れていないという課題を抱えております。さらに、2028年以降に予定されるトラック新法の適用により、物流の担い手不足や労務規制の強化を背景として、運賃の大幅な上昇が見込まれています。
また、2026年2月公表の「弊社グループ元従業員による情報漏洩に関するご報告」の通り、当社グループ元従業員1名が社外秘を含む社内メールを複数回、社外関係者に無断で転送・漏洩していた事実が判明しております。当社としましては、今般の事態を厳粛に受け止め、改めて経営の透明性・健全性を確保し、ステークホルダーからの信頼回復に努めることが、最重要経営課題のひとつと認識しております。
こうした環境下において、当社グループは、事業活動を通じてよりよい社会・よりよい未来の実現に貢献しつつ、安定的な収益基盤を確立し、企業価値の持続的向上を図るため、以下を重点課題として取り組んでまいります。
① グループESG経営の推進
② 事業ポートフォリオの最適化
・持続可能な出版流通事業への変革
・新たな顧客価値創造および事業領域の拡大
① グループESG経営の推進
当社グループは、ESGを経営の中核に据え、事業とサステナビリティの両立を推進します。
なかでも、出版流通事業の構造改革を、環境・社会の両面に資する取り組みとして位置付け、脱炭素・資源循環の観点からも実効性を高めてまいります。
また、人財を価値創造の最重要資本と捉え、学び・育成の機会拡充や、女性活躍推進を含むダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの定着を進め、プロフェッショナル人財集団の実現を目指します。
コーポレート・ガバナンスの観点では、情報管理体制の不備を厳粛に受け止め、内部統制・情報セキュリティ等の統制機能の再点検とともに従業員のコンプライアンス教育など再発防止策に徹底して取り組むことで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて、透明かつ公正な経営体制を再構築してまいります。
② 事業ポートフォリオの最適化
当社グループは、2019年10月に持株会社体制に移行して以来、「独立と連携」をキーワードに、各事業が着実な成長を遂げてまいりました。しかしながら、出版流通事業は、依然として改革の途上にあり、厳しい業績が続いています。前述した通り、市場の縮小と輸配送を取り巻く課題が相まって、出版流通の持続性は危機的状況にあります。
そのような課題がある中で、当社グループは、グループ全体で成長し、さらなる企業価値の持続的向上を図るため、「選択と集中」を新たなキーワードに、事業ポートフォリオの最適化に取り組みます。
・持続可能な出版流通事業への変革
出版物の流通を通じて、人々の彩りある生活と豊かな心の育みに貢献し続けることが、当社グループの変わらぬ使命のひとつです。その使命を今後も果たし続けるため、当社は、物流拠点の再編や業務プロセスの見直しを通じた効率化・コスト削減を進めるとともに、出版社・取次・書店の3者で連携・協力し、発売日や書店への配送時間指定などの、出版業界において今まで当たり前だった制約事項の緩和など、配送効率向上に資する取り組みを推進してまいります。
加えて、株式会社ブックセラーズ&カンパニーによる書店主導の流通改革や、株式会社KADOKAWAのマーケットイン・プロフィットシェア取引、大手出版社と株式会社PubteXが進める流通DXとそれにもとづく適時適量送品、大日本印刷株式会社のデジタルショートラン技術を活用した小部数需要への対応など、各社が志向する革新的な取り組みを主体的に流通面で支えていくことで、出版業界の流通構造を今の時代や環境にあったものへと再構築してまいります。
一方で、トラック新法等により構造的に進行する運賃等流通コストの上昇は、当社の企業努力のみで対応することには限界があります。変化した事業環境の中でも、紙の出版物を流通し続けるためには、定価の見直しとあわせて、出版社・取次・書店の3者の利益配分を適正なものに見直す必要があります。業界各社と十分な議論を重ね共通認識を形成することで、持続可能な出版流通への転換を実現してまいります。
・新たな顧客価値創造および事業領域の拡大
事業環境変化を機会と捉え、新たな顧客価値創造および事業領域の拡大を目指し、成長領域への本格投資を行っていきます。既存の成長領域においては、小売(リユース)・コンテンツ・エンタメの3事業を重点領域と定め、グループのリソースを集中的に投下し、成長を加速させていきます。あわせて、グループの事業ポートフォリオ最適化のなかで、外部アライアンスをひとつの手段としながら、新規領域の開拓も進めていきます。
そして、グループの全事業において、顧客接点をグローバルに捉え、事業領域を拡大していくことを目指します。グローバル展開への環境を整え、海外市場において新たな顧客価値を創造していきます。
上記方針に基づき、2026年4月に、日販グループホールディングス株式会社の直下にグローバル戦略室、グループAI推進室、グループHR室の3つの組織を、社長室内にESG推進チームを、それぞれ新設いたしました。
当社グループは、「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」という経営理念の実現に向け、今後も挑戦を続けてまいります。
(1)経営方針、経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持株会社として、グループ事業計画の遂行、グループの経営資源の最適な配分、ガバナンス体制の構築、グループの重要課題への対応等に取り組みました。ESGを重視した経営を推進することを宣言、出版業界を含め各業界の持続可能性の向上、地球環境や労働環境を含む社会環境の改善、生活者のより豊かで持続的なくらしの実現を目指します。
(ESGへの取り組みについては、後述の「2(サステナビリティに関する考え方及び取組)」に記載しております。)
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く事業環境は、生成AIをはじめとする技術革新によって、コンテンツの創出・流通・消費のあり方が大きく変化しつつあります。また、インバウンド需要の高まりや、消費行動の多様化により、企業にはそれら変化への適応と新たな価値提供が一層求められています。加えて、人口動態の変化や地域課題の深刻化、労働力不足・コスト上昇、気候変動に起因する自然災害の激甚化やサイバーセキュリティを含むリスクの複雑化など、企業の持続可能性をめぐる課題は広範に及んでおります。
とりわけ、グループの祖業かつコア事業である出版流通事業においては、市場の縮小が続くなかで、運賃をはじめとする流通コストを現行の収益配分では十分に賄い切れていないという課題を抱えております。さらに、2028年以降に予定されるトラック新法の適用により、物流の担い手不足や労務規制の強化を背景として、運賃の大幅な上昇が見込まれています。
また、2026年2月公表の「弊社グループ元従業員による情報漏洩に関するご報告」の通り、当社グループ元従業員1名が社外秘を含む社内メールを複数回、社外関係者に無断で転送・漏洩していた事実が判明しております。当社としましては、今般の事態を厳粛に受け止め、改めて経営の透明性・健全性を確保し、ステークホルダーからの信頼回復に努めることが、最重要経営課題のひとつと認識しております。
こうした環境下において、当社グループは、事業活動を通じてよりよい社会・よりよい未来の実現に貢献しつつ、安定的な収益基盤を確立し、企業価値の持続的向上を図るため、以下を重点課題として取り組んでまいります。
① グループESG経営の推進
② 事業ポートフォリオの最適化
・持続可能な出版流通事業への変革
・新たな顧客価値創造および事業領域の拡大
① グループESG経営の推進
当社グループは、ESGを経営の中核に据え、事業とサステナビリティの両立を推進します。
なかでも、出版流通事業の構造改革を、環境・社会の両面に資する取り組みとして位置付け、脱炭素・資源循環の観点からも実効性を高めてまいります。
また、人財を価値創造の最重要資本と捉え、学び・育成の機会拡充や、女性活躍推進を含むダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの定着を進め、プロフェッショナル人財集団の実現を目指します。
コーポレート・ガバナンスの観点では、情報管理体制の不備を厳粛に受け止め、内部統制・情報セキュリティ等の統制機能の再点検とともに従業員のコンプライアンス教育など再発防止策に徹底して取り組むことで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて、透明かつ公正な経営体制を再構築してまいります。
② 事業ポートフォリオの最適化
当社グループは、2019年10月に持株会社体制に移行して以来、「独立と連携」をキーワードに、各事業が着実な成長を遂げてまいりました。しかしながら、出版流通事業は、依然として改革の途上にあり、厳しい業績が続いています。前述した通り、市場の縮小と輸配送を取り巻く課題が相まって、出版流通の持続性は危機的状況にあります。
そのような課題がある中で、当社グループは、グループ全体で成長し、さらなる企業価値の持続的向上を図るため、「選択と集中」を新たなキーワードに、事業ポートフォリオの最適化に取り組みます。
・持続可能な出版流通事業への変革
出版物の流通を通じて、人々の彩りある生活と豊かな心の育みに貢献し続けることが、当社グループの変わらぬ使命のひとつです。その使命を今後も果たし続けるため、当社は、物流拠点の再編や業務プロセスの見直しを通じた効率化・コスト削減を進めるとともに、出版社・取次・書店の3者で連携・協力し、発売日や書店への配送時間指定などの、出版業界において今まで当たり前だった制約事項の緩和など、配送効率向上に資する取り組みを推進してまいります。
加えて、株式会社ブックセラーズ&カンパニーによる書店主導の流通改革や、株式会社KADOKAWAのマーケットイン・プロフィットシェア取引、大手出版社と株式会社PubteXが進める流通DXとそれにもとづく適時適量送品、大日本印刷株式会社のデジタルショートラン技術を活用した小部数需要への対応など、各社が志向する革新的な取り組みを主体的に流通面で支えていくことで、出版業界の流通構造を今の時代や環境にあったものへと再構築してまいります。
一方で、トラック新法等により構造的に進行する運賃等流通コストの上昇は、当社の企業努力のみで対応することには限界があります。変化した事業環境の中でも、紙の出版物を流通し続けるためには、定価の見直しとあわせて、出版社・取次・書店の3者の利益配分を適正なものに見直す必要があります。業界各社と十分な議論を重ね共通認識を形成することで、持続可能な出版流通への転換を実現してまいります。
・新たな顧客価値創造および事業領域の拡大
事業環境変化を機会と捉え、新たな顧客価値創造および事業領域の拡大を目指し、成長領域への本格投資を行っていきます。既存の成長領域においては、小売(リユース)・コンテンツ・エンタメの3事業を重点領域と定め、グループのリソースを集中的に投下し、成長を加速させていきます。あわせて、グループの事業ポートフォリオ最適化のなかで、外部アライアンスをひとつの手段としながら、新規領域の開拓も進めていきます。
そして、グループの全事業において、顧客接点をグローバルに捉え、事業領域を拡大していくことを目指します。グローバル展開への環境を整え、海外市場において新たな顧客価値を創造していきます。
上記方針に基づき、2026年4月に、日販グループホールディングス株式会社の直下にグローバル戦略室、グループAI推進室、グループHR室の3つの組織を、社長室内にESG推進チームを、それぞれ新設いたしました。
当社グループは、「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」という経営理念の実現に向け、今後も挑戦を続けてまいります。