有価証券報告書-第77期(2024/04/01-2025/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持株会社として、グループ事業計画の遂行、グループの経営資源の最適な配分、ガバナンス体制の構築、グループの重要課題への対応等に取り組みました。ESGを重視した経営を推進することを宣言、出版業界を含め各業界の持続可能性の向上、地球環境や労働環境を含む社会環境の改善、生活者のより豊かで持続的なくらしの実現を目指します。
(ESGへの取り組みについては、後述の「2(サステナビリティに関する考え方及び取組)」に記載しております。)
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
私たちの生活には人工知能、生成AIによる会話やストーリー、画像、動画、音楽をはじめ新しいコンテンツやアイデアを生み出していく環境が増えはじめ、人々の暮らしや働き方、価値観等も今後さらに大きく変化していくことが予想されます。ウィズコロナからアフターコロナへ、同時にインバウンド需要の高まりから多くの外国人が日本へも入国、活発となった人流が消費へ向かうことで経済状況も変化し、企業においても事業の構造変化を加速させています。また、温暖化の進行による自然災害の日常化・甚大化や地方の過疎化などを含め、私たちを取り巻く社会的な問題は一部ではとても深刻化しているのも事実です。
こうした環境下において、当社グループは事業活動を通じて、よりよい社会、よりよい未来を実現するために、以下3点を対処すべき重点課題として取り組んでいくことで、安定的な収益を確保し、企業価値を持続的に向上させてまいります。
① グループESG経営の推進
② 持続可能な出版流通の実現(出版流通改革)
③ 新たな顧客価値創造及び事業領域の拡大
① グループESG経営の推進
事業活動を通して、持続可能な社会の実現に貢献することが、当社グループの持続的発展と企業価値向上にも繋がるとの考えから、ESGを経営の中核に据え、事業とサステナビリティの両立を推進しています。後述する「出版流通改革」は、環境と社会の両面に大きく貢献する最重要の事業構造改革と位置付けて取り組んでいます。
環境に関するマテリアリティと表裏一体の出版流通改革の実現を通して、2030年までに取次事業に係るCO2排出量26%の削減を目指してまいりましたが、これを本事業年度で達成したことから、新しいCO2排出削減目標を設定し、その達成に向けてチャレンジを続けます。
また、2030年度までの実現を目指すとした「脱プラ」は、物流拠点の再編と環境変化に合わせて業務を変えていくことで、リターナブル資材やリサイクル資材の活用と拡大を進めていきます。あわせて再生プラスチックなどのリサイクル素材を活用した商品開発等、事業を通じ循環型社会に寄与することにも取り組んでまいります。
その上で人財をグループの価値創造における最重要の資本と位置付け、グループ人財戦略を推進してまいります。具体的には、グループが目指す「文化を創る・文化を伝える・文化を守るという価値創造を実現するプロフェッショナル集団」の実現に向け、人財への積極投資を行うとともに、環境・制度を今後もさらに充実させていきます。なかでも、女性活躍推進は重要項目(2030年までに係長以上の女性管理職比率30%以上の実現)とし、さらにダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを企業文化として定着させていくことを目指していきます。
あわせて、事業を通じた社会課題解決への取り組みは、①書店のない街をなくす(簡単に書店にアクセスできる環境を守る)、②地域創生や地域活性化に貢献する、③出版業界のつながりを活かし社会により良いライフスタイルを浸透させる、④海外で働く方とご家族の心身の健康に貢献する、ということを進めてまいります。
これらを確実に実行していくために、より一層の経営判断の質と透明性の高い経営を実現させ、社内制度の再点検と改定を行います。また、グループESG推進委員会、グループガバナンス委員会、内部統制委員会及びそのもとで運営される各委員会の活動の充実をはかってまいります。
② 持続可能な出版流通の実現(出版流通改革)
街に地域のコミュニティセンターである書店様と本があり続ける世界を守るために、未来に続く出版流通の構築を最重要のミッションとし、引き続き「出版流通改革」に取り組んでまいります。
書店様主導の流通改革において、株式会社ブックセラーズ&カンパニーでは、書店様粗利率を30%以上確保できる仕組みの導入を、出版社様、書店様の協力のもと力強く推進しています。現在、500店舗を上回る参加書店様が今後さらに増えていくことでその相乗効果が大いに期待できます。
また、本との親和性が高い商材による、店頭付加価値の向上への取り組みも進めています。日販のお取引書店店頭の文具売上は2期連続して前年を上回り推移しています。当グループは文具の一次卸機能を備え、メーカー機能も併せ持つことで、最旬の消費者ニーズを捉えた文具雑貨商材を取り扱っています。こうした商材を支えるインフラとして、10月に開設した物流拠点「N-PORT新座」を通じ、書店様へ必要な時に、必要な商材を、必要な量だけ最適に提供することを可能にし、収益の拡大へ貢献してまいります。
さらに、書店運営コスト低減に向けては、完全無人書店として2023年10月に開業した「ほんたす」のノウハウを活かし、有人・無人のハイブリッド型書店経営を叶える省力化ソリューションを開発しました。人件費や後継者不足に対する課題解決のみならず、今後はテクノロジーで快適な購買体験を提供することで、書店そのものが読者の身近にあり続けるためのソリューションとして利活用できるよう、さらなる機能拡充を目指していきます。
縮小を続ける出版市場においては、従来、地域に「根ざす」コミュニティセンターである書店様が、その価値を高め発揮し続けるため、当グループは他業種や地場企業、自治体と共創に向けたチャレンジを続けていきます。書店と無印良品をシームレスに繋いだ共創型モデル店舗をはじめ、株式会社はやし住宅とともに下関に根を張る、まちの本屋&ホテル「ねをはす」を開業(11月)、入場料のある本屋「文喫」は、六本木、福岡・天神に続き名古屋・栄に3店舗目を4月にオープンしました。2025年9月には東京・高輪へ4店舗目を出店予定です。
③ 新たな顧客価値創造及び事業領域の拡大
当社グループを取り巻く環境変化に対応するため、コアバリューである取次事業を持続的な事業に作りかえることが大切であると考えています。昨今、日本の人口は2004年をピークに2030年には1億2千万人を切る予想であり、一方、訪日外国人は今期過去最多の3,600万人を超え、2030年には6,000万人を目指すとされています。コロナ禍を経て、社会のあり方やライフスタイルそのものも変化し、人々の消費行動も一段とグローバル化に向かっています。
このような環境変化を当社グループは好機と捉え、国内において持続可能な出版流通を目指すと同時に、コンテンツ、エンタメそして雑貨各事業を始めとするコンテンツを、国内に留まらず海外へも「縦横無尽に」グループで取り次いでいくことを目指していきます。
そのためにも、グループが担う全ての事業において、投資やパートナー企業を始めとするアライアンスを積極的に進め、顧客接点をグローバルに捉えることで事業領域を拡大し、新しい顧客価値を創っていきます。
当社グループは、「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」という経営理念の実現に向けて、これからも様々な挑戦を続けてまいります。
(1)経営方針、経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持株会社として、グループ事業計画の遂行、グループの経営資源の最適な配分、ガバナンス体制の構築、グループの重要課題への対応等に取り組みました。ESGを重視した経営を推進することを宣言、出版業界を含め各業界の持続可能性の向上、地球環境や労働環境を含む社会環境の改善、生活者のより豊かで持続的なくらしの実現を目指します。
(ESGへの取り組みについては、後述の「2(サステナビリティに関する考え方及び取組)」に記載しております。)
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
私たちの生活には人工知能、生成AIによる会話やストーリー、画像、動画、音楽をはじめ新しいコンテンツやアイデアを生み出していく環境が増えはじめ、人々の暮らしや働き方、価値観等も今後さらに大きく変化していくことが予想されます。ウィズコロナからアフターコロナへ、同時にインバウンド需要の高まりから多くの外国人が日本へも入国、活発となった人流が消費へ向かうことで経済状況も変化し、企業においても事業の構造変化を加速させています。また、温暖化の進行による自然災害の日常化・甚大化や地方の過疎化などを含め、私たちを取り巻く社会的な問題は一部ではとても深刻化しているのも事実です。
こうした環境下において、当社グループは事業活動を通じて、よりよい社会、よりよい未来を実現するために、以下3点を対処すべき重点課題として取り組んでいくことで、安定的な収益を確保し、企業価値を持続的に向上させてまいります。
① グループESG経営の推進
② 持続可能な出版流通の実現(出版流通改革)
③ 新たな顧客価値創造及び事業領域の拡大
① グループESG経営の推進
事業活動を通して、持続可能な社会の実現に貢献することが、当社グループの持続的発展と企業価値向上にも繋がるとの考えから、ESGを経営の中核に据え、事業とサステナビリティの両立を推進しています。後述する「出版流通改革」は、環境と社会の両面に大きく貢献する最重要の事業構造改革と位置付けて取り組んでいます。
環境に関するマテリアリティと表裏一体の出版流通改革の実現を通して、2030年までに取次事業に係るCO2排出量26%の削減を目指してまいりましたが、これを本事業年度で達成したことから、新しいCO2排出削減目標を設定し、その達成に向けてチャレンジを続けます。
また、2030年度までの実現を目指すとした「脱プラ」は、物流拠点の再編と環境変化に合わせて業務を変えていくことで、リターナブル資材やリサイクル資材の活用と拡大を進めていきます。あわせて再生プラスチックなどのリサイクル素材を活用した商品開発等、事業を通じ循環型社会に寄与することにも取り組んでまいります。
その上で人財をグループの価値創造における最重要の資本と位置付け、グループ人財戦略を推進してまいります。具体的には、グループが目指す「文化を創る・文化を伝える・文化を守るという価値創造を実現するプロフェッショナル集団」の実現に向け、人財への積極投資を行うとともに、環境・制度を今後もさらに充実させていきます。なかでも、女性活躍推進は重要項目(2030年までに係長以上の女性管理職比率30%以上の実現)とし、さらにダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを企業文化として定着させていくことを目指していきます。
あわせて、事業を通じた社会課題解決への取り組みは、①書店のない街をなくす(簡単に書店にアクセスできる環境を守る)、②地域創生や地域活性化に貢献する、③出版業界のつながりを活かし社会により良いライフスタイルを浸透させる、④海外で働く方とご家族の心身の健康に貢献する、ということを進めてまいります。
これらを確実に実行していくために、より一層の経営判断の質と透明性の高い経営を実現させ、社内制度の再点検と改定を行います。また、グループESG推進委員会、グループガバナンス委員会、内部統制委員会及びそのもとで運営される各委員会の活動の充実をはかってまいります。
② 持続可能な出版流通の実現(出版流通改革)
街に地域のコミュニティセンターである書店様と本があり続ける世界を守るために、未来に続く出版流通の構築を最重要のミッションとし、引き続き「出版流通改革」に取り組んでまいります。
書店様主導の流通改革において、株式会社ブックセラーズ&カンパニーでは、書店様粗利率を30%以上確保できる仕組みの導入を、出版社様、書店様の協力のもと力強く推進しています。現在、500店舗を上回る参加書店様が今後さらに増えていくことでその相乗効果が大いに期待できます。
また、本との親和性が高い商材による、店頭付加価値の向上への取り組みも進めています。日販のお取引書店店頭の文具売上は2期連続して前年を上回り推移しています。当グループは文具の一次卸機能を備え、メーカー機能も併せ持つことで、最旬の消費者ニーズを捉えた文具雑貨商材を取り扱っています。こうした商材を支えるインフラとして、10月に開設した物流拠点「N-PORT新座」を通じ、書店様へ必要な時に、必要な商材を、必要な量だけ最適に提供することを可能にし、収益の拡大へ貢献してまいります。
さらに、書店運営コスト低減に向けては、完全無人書店として2023年10月に開業した「ほんたす」のノウハウを活かし、有人・無人のハイブリッド型書店経営を叶える省力化ソリューションを開発しました。人件費や後継者不足に対する課題解決のみならず、今後はテクノロジーで快適な購買体験を提供することで、書店そのものが読者の身近にあり続けるためのソリューションとして利活用できるよう、さらなる機能拡充を目指していきます。
縮小を続ける出版市場においては、従来、地域に「根ざす」コミュニティセンターである書店様が、その価値を高め発揮し続けるため、当グループは他業種や地場企業、自治体と共創に向けたチャレンジを続けていきます。書店と無印良品をシームレスに繋いだ共創型モデル店舗をはじめ、株式会社はやし住宅とともに下関に根を張る、まちの本屋&ホテル「ねをはす」を開業(11月)、入場料のある本屋「文喫」は、六本木、福岡・天神に続き名古屋・栄に3店舗目を4月にオープンしました。2025年9月には東京・高輪へ4店舗目を出店予定です。
③ 新たな顧客価値創造及び事業領域の拡大
当社グループを取り巻く環境変化に対応するため、コアバリューである取次事業を持続的な事業に作りかえることが大切であると考えています。昨今、日本の人口は2004年をピークに2030年には1億2千万人を切る予想であり、一方、訪日外国人は今期過去最多の3,600万人を超え、2030年には6,000万人を目指すとされています。コロナ禍を経て、社会のあり方やライフスタイルそのものも変化し、人々の消費行動も一段とグローバル化に向かっています。
このような環境変化を当社グループは好機と捉え、国内において持続可能な出版流通を目指すと同時に、コンテンツ、エンタメそして雑貨各事業を始めとするコンテンツを、国内に留まらず海外へも「縦横無尽に」グループで取り次いでいくことを目指していきます。
そのためにも、グループが担う全ての事業において、投資やパートナー企業を始めとするアライアンスを積極的に進め、顧客接点をグローバルに捉えることで事業領域を拡大し、新しい顧客価値を創っていきます。
当社グループは、「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」という経営理念の実現に向けて、これからも様々な挑戦を続けてまいります。