有価証券報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、当年度前半は企業業績や雇用情勢に改善がみられ緩やかな回復基調にあ
りましたが、年度末にかけて新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、景気は急速に悪化しました。政府は緊急事
態宣言及び緊急経済対策を講じておりますが、企業活動の停滞により景気が下振れしております。世界経済は米中
貿易摩擦や英国のEU離脱が今後の成長に悪影響を及ぼす懸念に加え、新型コロナウイルスの蔓延により先行き不透
明な状況となっております。
当社グループが主力事業を展開する水産物卸売市場業界は、水産資源の減少に加え、大型台風の来襲等の天候不
順により魚種によって好不漁の波が顕著になったことなどから入荷が不安定となりました。こうしたなか、年度末
には新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の自粛で高単価水産物の需要が大きく後退するなど厳しい経
営環境となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a、財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ受取手形及び売掛金の減少3,013百万円、商品及び製品の減少1,582百万円、有形固定資産の減少1,370百万円、投資有価証券の減少1,925百万円等により、7,213百万円減の66,320百万円となりました。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ支払手形及び買掛金の減少2,339百万円、短期借入金の減少3,560百万円、未払金の減少2,382百万円、長期借入金の増加1,467百万円等により、6,352百万円減の41,471百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上683百万円、剰余金の配当239百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,485百万円等により、前連結会計年度末に比べ860百万円減少し24,848百万円となりました。
その結果、自己資本比率は31.9%(前連結会計年度末30.2%)となりました。
b、経営成績
当連結会計年度の経営成績は、当社グループ売上高は主力の水産物卸売事業の伸び悩みにより193,923百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。利益面は貸倒引当金繰入額の減少や集荷販売費の減少及び豊洲市場への移転関連費用等の減少により、全セグメントで増益となり、営業利益は1,095百万円(前連結会計年度比154.2%増)、経常利益は1,209百万円(前連結会計年度比127.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は683百万円(前連結会計年度比55.8%増)となりました。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
水産物卸売事業におきましては養殖ハマチ、養殖マダイ、マアジ、冷凍本マグロ等の売上高は前年を上回りまし
たが冷凍メバチ、冷凍インドマグロ、いくら、冷凍タラバガニ等は全般的に厳しい販売状況となり、セグメント売上高は186,355百万円(前連結会計年度比1.8%減)となりました。売上総利益が増加するとともに、貸倒引当金繰入額の減少、豊洲市場への移転関係費用等が減少したことなどにより、セグメント利益は316百万円(前連結会計年度は198百万円の損失)となりました。
冷蔵倉庫事業におきましては、豊洲冷蔵庫の順調な稼働と埼玉県川島物流センターの営業開始により売上高は6,624百万円(前連結会計年度比28.7%増)となり、セグメント利益は232百万円(前連結会計年度比11.4%増)となりました。
不動産賃貸事業におきましては、グループ全体で順調に推移した結果、売上高は553百万円(前連結会計年度比16.6%増)となり、セグメント利益は502百万円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。
荷役事業におきましては、売上高は量販店等への配送業務が増加したため389百万円(前連結会計年度比31.5%増)となり、セグメント利益は45百万円(前連結会計年度は13百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、投資活動及び財務活動において減少したものの、営業活動において増加し、7,646百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、5,791百万円(前年同期1,586百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,278百万円、減価償却費2,278百万円、売上債権の減少額3,013百万円、仕入債務の減少額2,339百万円及び法人税等の支払額376百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,383百万円(前年同期5,677百万円の使用)となりました。これは主に、預け金の減少額250百万円、有形固定資産の取得による支出3,435百万円、貸付による支出295百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,244百万円(前年同期4,567百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額3,560百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(1)当連結会計年度の生産実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産物卸売事業 | 1,743 | 158.5 |
| 計 | 1,743 | 158.5 |
(注) 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
(2)当連結会計年度の仕入実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産物卸売事業 | ||
| 受託品 | 23,998 | 92.5 |
| 買付品 | 148,445 | 97.4 |
| 計 | 172,444 | 96.7 |
(注)1 本表における仕入高は、受託品については販売高から卸売手数料を控除した金
額を、買付品については仕入金額を記載しております。
2 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(3)当連結会計年度の売上実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産物卸売事業 | ||
| 受託品 | 25,394 | 92.5 |
| 買付品 | 160,960 | 99.1 |
| 計 | 186,355 | 98.2 |
| 冷蔵倉庫事業 | 6,624 | 128.7 |
| 不動産賃貸事業 | 553 | 116.6 |
| 荷役事業 | 389 | 131.5 |
| 合計 | 193,923 | 99.1 |
(注)1 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成され
ています。なお、「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結
財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高は、新設の冷蔵設備が売上高増加に寄与したものの、厳しい調達環境下にあった水産物卸売事業において
減少いたしました。その要因として、水産資源の減少に加え、大型台風の来襲等の天候不順により入荷の不安定さが増したことがあげられます。
しかしながら、営業利益、経常利益はともに前連結会計年度比増加となっております。営業利益・経常利益の増
加要因は、水産物卸事業における売上総利益率の改善、新設冷蔵庫による利益増加、並びに豊洲移転のための一時
費用の減少、経営改革推進委員会における経費削減効果などによるものであります。
コロナ感染症による影響の見通しが不透明な状況下、市況が厳しい状況は当面続くと予想されます。こうした中、当社グループは、グループの総合力を生かした顧客ニーズへのソリューション力強化や新規顧客開拓に注力するとともに、コスト意識を徹底して利益拡大に繋がるよう努めて参ります。あわせて前述記載の「2 事業等のリスク」についても適時・迅速に対応し、リスク回避に努める所存であります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原料・商品の仕入資金のほか、集荷に伴う運搬費等の経費、冷蔵倉庫稼動に伴う経費、一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資、システム投資等によるものであります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としており、シンジケートローンや個別の銀行借入によって調達し、安定した資金繰りの確保に努めております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は26,432百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,646百万円となっております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」及び「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、連結ベースの売上高、営業利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率を経営指標としており、業容拡大による利益確保とキャッシュ・フローや利益率を意識した効率的な経営を目指して参ります。
当連結会計年度の各指標の前年比較は以下のとおりであります。
| 経営指標 | 前連結会計年度 金額・率 (百万円・%) | 当連結会計年度 金額・率 (百万円・%) |
| 売上高 | 195,732 | 193,923 |
| 営業利益 | 431 | 1,095 |
| 営業キャッシュ・フロー | 1,586 | 5,791 |
| 売上高営業利益率 | 0.22 | 0.57 |
売上高は、新設冷蔵庫が売上高増加に寄与したものの、厳しい調達環境下にあった水産物卸売事業において減少しました。一方、営業利益は、水産物卸売事業において、売上総利益率の上昇、豊洲市場への移転費用の減少、経営改革推進委員会による経費削減効果などにより増加しました。冷蔵倉庫事業においては新設冷蔵庫が順調に稼働したことにより増加しました。その結果、水産物卸売事業、冷蔵倉庫事業の両事業においてともに増加となり、営業利益率も前年比増加しております。
営業キャッシュ・フローにおいては、税金等調整前当期純利益や減価償却費が前連結会計年度より増加したうえ、売上債権、たな卸資産が減少した結果、前年比増加しました。
以上のとおり、経営指標のうち、売上高は前年比減少となりましたが、その他の指標は前年比増加となりました。当社グループは前掲の経営方針・経営戦略に基づき、引き続き各経営指標の改善に努めて参ります。
⑤セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(水産物卸売事業)
売上高は冷凍メバチ、冷凍インドマグロ、いくら、冷凍タラバガニ等が全般的に厳しい販売状況となり減少しました。
営業利益は、売上総利益率の上昇、豊洲市場への移転費用の減少、経営改革推進委員会による経費削減効果などにより増加しました。
厳しい環境下ではありますが、豊洲市場のもつ温度管理機能を最大限に生かして集荷の拡大、売上高増加を目指すとともに、グループ会社のもつ機能を有機的に活用して付加価値を創出し、利益の拡大に努めてまいります。
(冷蔵倉庫事業)
売上高、営業利益とも新設冷蔵庫が順調に稼働したことにより増加しました。
引き続き効率的な稼働を目指し、売上高、利益の増加に努めてまいります。
(不動産賃貸事業)
売上高は稼働率アップにより増加、営業利益も増加しました。
稼働中の物件については稼働率向上を目指すとともに、2021年4月頃完成を予定している築地ビルのような再開発案件についても検討してまいります。
(荷役事業)
売上高は新規商流の確保などにより増加し、営業利益も増加しました。
今後は移転した豊洲市場内での更なる業務の効率化に向けて合理的な人員配置と経費の削減に取り組んでまいります。