有価証券報告書-第72期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用情勢に改善がみられ緩やかな回復基調にあるものの、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題などが世界経済に悪影響を及ぼす懸念もあり、先行き不透明な状況となっております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a、財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、預け金の減少1,139百万円、建設仮勘定の増加8,870百万円等により前連結会計年度末に比べ7,937百万円増の73,533百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、未払金の増加2,392百万円、短期借入金の減少1,620百万円、長期借入金の増加6,900百万円等により前連結会計年度末に比べ、7,291百万円増の47,824百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上438百万円、配当金の支払額239百万円、その他有価証券評価差額金の増加298百万円等により前連結会計年度末に比べ645百万円増加し25,709百万円となりました。その結果、自己資本比率は30.2%(前連結会計年度33.1%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
b、経営成績
当連結会計年度の経営成績は、主力の水産物卸売事業の伸び悩みにより195,732百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。利益面は水産物卸売事業における売上高減少による影響と冷蔵倉庫事業の他社との競争激化、豊洲市場への移転に伴うインフラ関連費用等の増加により、営業利益は431百万円(前連結会計年度比50.6%減)、経常利益は531百万円(前連結会計年度比52.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産の売却益により438百万円(前連結会計年度比34.0%増)となりました。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
水産物卸売事業におきましては、国産マグロ、冷凍インドマグロ、冷凍銀鮭、生鮮ウニ、サンマ等の売上高は前年を上回りましたが、冷凍マグロ、いくら、冷凍銀鱈など全般的に厳しい販売状況となり、セグメント売上高は189,812百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。売上総利益も減少し、加えて豊洲市場への移転に係わる一時費用の増加により、セグメント損失は198百万円(前連結会計年度は23百万円の損失)となりました。
冷蔵倉庫事業におきましては、新たに豊洲冷蔵庫が稼働したことにより売上高は5,148百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりましたが、他社の大型冷蔵庫の稼動に伴う競争激化により、セグメント利益は208百万円(前連結会計年度比50.5%減)となりました。
不動産賃貸事業におきましては、各賃貸物件の稼働率が高水準で推移した結果、売上高は475百万円(前連結会計年度比1.3%増)となり、セグメント利益は経費節減により437百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。
荷役事業におきましては、売上高は296百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりましたが、人事制度見直しに伴う一時的な費用の増加により、セグメント損失は13百万円(前連結会計年度は73百万円の利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、投資活動において減少したものの、営業活動・財務活動において増加し、7,483百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュフロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,586百万円(前年同期4,084百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,091百万円、減価償却費が1,424百万円及び法人税等の支払額538百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュフロー)
投資活動の結果使用した資金は、5,677百万円(前年同期120百万円の使用)となりました。これは主に、預け金の減少額900百万円、有形固定資産の売却による収入700百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出7,367百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュフロー)
財務活動の結果獲得した資金は、4,567百万円(前年同期3,448百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(1)当連結会計年度の生産実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産物卸売事業 | 1,099 | 109.1 |
| 計 | 1,099 | 109.1 |
(注) 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
(2)当連結会計年度の仕入実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産物卸売事業 | ||
| 受託品 | 25,943 | 98.8 |
| 買付品 | 152,384 | 98.3 |
| 計 | 178,327 | 98.3 |
(注)1 本表における仕入高は、受託品については販売高から卸売手数料を控除した金
額を、買付品については仕入金額を記載しております。
2 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(3)当連結会計年度の売上実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産物卸売事業 | ||
| 受託品 | 27,453 | 98.8 |
| 買付品 | 162,358 | 97.6 |
| 計 | 189,812 | 97.8 |
| 冷蔵倉庫事業 | 5,148 | 102.5 |
| 不動産賃貸事業 | 475 | 101.3 |
| 荷役事業 | 296 | 102.1 |
| 合計 | 195,732 | 97.9 |
(注)1 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成され
ています。なお、「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高減少の大部分は水産物卸売事業が占めており、その減少要因は、漁獲高が減少する一方で世界的に魚の需要が高まり、需給が逼迫したことによるものであります。
また、営業利益、経常利益とも前連結会計年度比減少となっております。営業利益の減少要因は水産物卸売事業の売上減少に加え、冷蔵倉庫事業における他社との競争激化によるものであります。経常利益の減少要因は営業利益の減少に加え、設備投資資金の一時的な調達コスト増によるものであります。
市況が厳しい状況は当面続くと予想されるなか、当社グループは、グループの総合力を生かした顧客ニーズへのソリューション力強化や新規顧客開拓に注力するとともに、コスト意識を徹底して利益拡大に繋がるよう努めて参ります。あわせて前述記載の「2 事業等のリスク」についても適時・迅速に対応し、リスク回避に努める所存であります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原料・商品の仕入資金のほか、集荷に伴う運搬費等の経費、冷蔵倉庫稼動に伴う経費、一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資、システム投資等によるものであります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としており、シンジケートローンや個別の銀行借入によって調達し、安定した資金繰りの確保に努めております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は27,882百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,483百万円となっております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」及び「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、連結ベースの売上高、営業利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率を経営指標としており、業容拡大による利益確保とキャッシュ・フローや利益率を意識した効率的な経営を目指して参ります。
当連結会計年度の各指標の前年比較は以下のとおりであります。
| 経営指標 | 前連結会計年度 金額・率 (百万円・%) | 当連結会計年度 金額・率 (百万円・%) |
| 売上高 | 199,915 | 195,732 |
| 営業利益 | 871 | 431 |
| 営業キャッシュ・フロー | 4,084 | 1,586 |
| 売上高営業利益率 | 0.44 | 0.22 |
売上高は、主に水産物卸売事業における厳しい販売状況により減少し、また、営業利益は、主に豊洲市場への移転に伴う一時費用の負担や冷蔵倉庫事業の競争激化により、水産物卸売事業、冷蔵倉庫事業の両事業において減少となりました。そのため、営業利益率も前年比減少しております。
営業キャッシュ・フローにおいては、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と同水準であったものの、たな卸資産や営業債権債務に大きな増減がなかったため前年比減少しました。
以上のとおり、経営指標が前年比いずれも減少となりましたが、当社グループは前掲の経営方針・経営戦略に基づき、引き続き各経営指標の改善に努めて参ります。
⑤セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(水産物卸売事業)
売上高は冷凍マグロ、いくら、冷凍銀鱈などが全般的に厳しい販売状況となり減少しました。
営業利益は売上高減少に加え、豊洲移転の一時費用を計上した結果、減少しました。
厳しい環境下ではありますが、豊洲市場のもつ温度管理機能を最大限に生かして集荷の拡大、売上高増加を目指すとともに、グループ会社のもつ機能を有機的に活用して付加価値を創出し、利益の拡大に努めてまいります。
(冷蔵倉庫事業)
豊洲冷蔵庫の稼動により売上高は増加しましたが、他社の大型冷蔵庫の稼動に伴う競争激化により、営業利益は減少しました。
今後は新規稼動する川島物流センターを中心に売上高、利益の増加に努めてまいります。
(不動産賃貸事業)
売上高は稼働率アップにより増加、利益も経費削減により増加しました。
稼働中の物件については稼働率向上を目指すとともに、2021年4月頃完成を予定している築地ビルのような再開発案件についても検討してまいります。
(荷役事業)
売上高は増加しましたが、人事制度見直しに伴う一時的な費用の増加により、損失となりました。
今後は移転した豊洲市場内での更なる業務の効率化に向けて合理的な人員配置と経費の削減に取り組んでまいります。