有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、卸売市場法に基づく東京都中央卸売市場の荷受会社として、“国民の健康的な食生活への貢献”という社会的使命を果たしていくとともに、集荷力・販売力の強化に努め、首都圏の一大消費地を抱える市場荷受としての優位性を発揮しつつ、“旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換”を図り、新たな価値創造によってステークホルダーの期待に応えてまいります。
(2)経営戦略等
上記経営方針のもと、当社グループは海洋資源保護や環境に配慮した水産物の取扱いを増やすことにより、出荷者・生産者から、買受人の皆様の顧客満足度を高められるよう、集荷及び販売に注力しております。また、生産地加工・消費地加工の充実、豊洲市場内の冷蔵庫などの設備を活用し、多種多様な顧客ニーズに沿った販売を心掛けております。加えて、生鮮冷凍物流通網を構築するため、当社の営業部内に営業サポート室を設置し進めております。
(3)経営環境
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用情勢改善や賃金上昇等により所得環境には一定の改善が見られたものの、日銀による金融政策の正常化に向けた取り組みによる段階的な利上げや、円安進行による物価上昇圧力が強く、個人消費は引き続き節約志向となっております。また、海外紛争の長期化に加え、ホルムズ海峡の実質的な封鎖などもあり、原油や天然ガス等の調達環境は厳しさを増し、企業活動や家計を含むさまざまな分野に影響を及ぼしており、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
当社を取り巻く水産物卸売業界におきましては、訪日外国人観光客数の増加などによりインバウンド関連消費は引き続き伸長しており、外食を中心とした業務筋への販売は総じて順調に推移しております。しかしながら、前述のような物価上昇圧力に加え、地球温暖化などの影響による水産物の漁獲量は減少傾向が続いており、輸入水産物についても仕入単価は高値圏で推移しており、コスト上昇による販売単価の引き上げが課題となっております。さらにエネルギー価格や原材料価格の上昇に加え、物流コスト等も上昇傾向にあり、加工品に限らず、食品全般において今後も値上げ傾向は続くと思われ、引き続き厳しい状況となっております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題
〇新中期経営計画の策定
当社グループは、2024年度(2025年3月期)から2026年度(2027年3月期)までを対象期間とした新中期経営計画「MF-2026」(Move Forward 2026)を策定しております。当社グループが前中期経営計画(SG-2023)で積み残した課題の解決、また、当社グループが2026年度(2027年3月期)までの持続的な成長をするための諸施策と最終目標数値達成に向け進めております。
計画の骨子は、「①前中計の積み残し課題・現状当社グループが抱える課題」×「②当社が求める機能」× ③当社の経営方針の一部である「旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換を図る」を掛け合わせ、2026年に向け“前進”(=Move Forward)するための重点課題を以下の3点に集約いたしました。これら諸施策の推進により、社会および市場から選ばれる企業グループを目指しております。
1 重点課題と課題達成に向けた具体的なアクションプラン
①生鮮水産物の取扱拡大および冷凍水産物の加工製造販売事業の強化
1)産地との連携を基に、仲卸様等への商流を拡大
2)供給と品質の安定に資する「鮮冷」・「養殖魚」・「一般凍魚」の強化
3)新たな投資・提携を視野に入れ、産地加工・消費地加工をさらに強化
②人員採用拡大によりダイバーシティを推進し、強靭な組織力を構築
1)新卒採用・キャリア採用を強化し、組織を活性化
2)ワークライフバランスの一層の改善
③物流2024年問題への対応を踏まえた、市場内外の物流効率化を推進
1)市場内外物流の効率化を行うとともに、グループ内商流の集約(ベンダー機能・受発注機能)を図り、「商・物流」の一元化を推進
2 投資政策
財務健全性からネットDER1倍以下を維持しつつ、当社の成長戦略に資する投資活動を適宜実施
①加工機能強化のため、産地加工・消費地加工のさらなる深堀
②物流機能・販売機能強化のための投資
③人材投資・DXを推進するさらなるシステム投資
3 経営目標・株主還元
○中期経営計画の第2期の総括
一昨年、スタートいたしました中期経営計画「MF-2026」に掲げた数値目標とアクションプランの進捗状況は次のとおりとなっております。
<計画第2期と実績との比較、および計画第3期>
計画第2期目の総括としましては、物価上昇等の影響もあり売上高が伸長し計画を上回ることができました。しかしながら、同時に物価上昇や円安の影響に加え、資材等の高騰や労務費のコストが増加しており、コストの一部については、削減することができましたが、連結子会社において多額の貸倒引当金を計上せざるを得ず、営業利益、経常利益は計画に届きませんでした。特別利益に投資有価証券売却益の計上等もあり、親会社株主に帰属する当期純利益においては計画を達成することができました。
目標とする指標については次のとおりです。
ROEについてはアクションプランを実行することで、計画最終年度7%の達成を目指してまいります。なお、PBR、ネットDER、連結配当性向につきましては、引き続き同様の水準で維持してまいります。
その他、アクションプランの状況は次のとおりであります。
①生鮮水産物の取扱拡大および冷凍水産物の加工製造販売事業の強化
新規取引先の開拓においては、継続的な営業活動により新たな出荷者との取引が拡大し、あわせて販路の多様化も進めております。
また、グループ会社である共同水産㈱(消費地加工)や㈱キタショク(産地加工)との連携について強化しており、加工魚種を増すことや、生産効率の向上に取り組んでおり、限定的ではありますが利益への貢献がみられます。
さらに原料の安定的な確保を含め、グループ一体で製品開発・販売を推進するとともに、長年取引のある水産加工会社とも情報交換等を通じて市場ニーズに即した商品展開と販売体制の強化を進めております。
②人員採用拡大により、ダイバーシティを推進し、強靭な組織力を構築
厳しい採用環境が続く中、待遇や働き方の見直しを進めるとともに、新卒・キャリア採用の両面で人材確保に注力しております。
大学求人イベントや水産高校、専門学校への訪問に加え動画配信やホームページ刷新による情報発信の強化、採用の間口拡大に取り組んでおります。
また多様な人材活用を通じて、業務改善を進め、組織全体の生産性と持続的成長を支える組織づくりを推進しております。
③物流2024年問題への対応を踏まえた、市場内外の物流効率化を推進
市場内外の物流効率化とグループ内商流の集約を継続して進めております。営業サポート室の設置により一定の成果を得られているものの、労務費の上昇等により物流コストは増加傾向にあります。DX化を含め、物流の効率化・合理化は当社単独での対応は困難であることから、業界団体等との連携を通じ、より広い視点で物流体制を構築できるよう取り組んでまいります。
○計画第3期について
計画第3期につきましては、最近のホルムズ海峡の実質封鎖や物価上昇、円安などの影響を考慮して各目標値を当初の計画から見直しております。上記アクションプランをさらに推し進めることで、目標達成を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、卸売市場法に基づく東京都中央卸売市場の荷受会社として、“国民の健康的な食生活への貢献”という社会的使命を果たしていくとともに、集荷力・販売力の強化に努め、首都圏の一大消費地を抱える市場荷受としての優位性を発揮しつつ、“旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換”を図り、新たな価値創造によってステークホルダーの期待に応えてまいります。
(2)経営戦略等
上記経営方針のもと、当社グループは海洋資源保護や環境に配慮した水産物の取扱いを増やすことにより、出荷者・生産者から、買受人の皆様の顧客満足度を高められるよう、集荷及び販売に注力しております。また、生産地加工・消費地加工の充実、豊洲市場内の冷蔵庫などの設備を活用し、多種多様な顧客ニーズに沿った販売を心掛けております。加えて、生鮮冷凍物流通網を構築するため、当社の営業部内に営業サポート室を設置し進めております。
(3)経営環境
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用情勢改善や賃金上昇等により所得環境には一定の改善が見られたものの、日銀による金融政策の正常化に向けた取り組みによる段階的な利上げや、円安進行による物価上昇圧力が強く、個人消費は引き続き節約志向となっております。また、海外紛争の長期化に加え、ホルムズ海峡の実質的な封鎖などもあり、原油や天然ガス等の調達環境は厳しさを増し、企業活動や家計を含むさまざまな分野に影響を及ぼしており、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
当社を取り巻く水産物卸売業界におきましては、訪日外国人観光客数の増加などによりインバウンド関連消費は引き続き伸長しており、外食を中心とした業務筋への販売は総じて順調に推移しております。しかしながら、前述のような物価上昇圧力に加え、地球温暖化などの影響による水産物の漁獲量は減少傾向が続いており、輸入水産物についても仕入単価は高値圏で推移しており、コスト上昇による販売単価の引き上げが課題となっております。さらにエネルギー価格や原材料価格の上昇に加え、物流コスト等も上昇傾向にあり、加工品に限らず、食品全般において今後も値上げ傾向は続くと思われ、引き続き厳しい状況となっております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題
〇新中期経営計画の策定
当社グループは、2024年度(2025年3月期)から2026年度(2027年3月期)までを対象期間とした新中期経営計画「MF-2026」(Move Forward 2026)を策定しております。当社グループが前中期経営計画(SG-2023)で積み残した課題の解決、また、当社グループが2026年度(2027年3月期)までの持続的な成長をするための諸施策と最終目標数値達成に向け進めております。
計画の骨子は、「①前中計の積み残し課題・現状当社グループが抱える課題」×「②当社が求める機能」× ③当社の経営方針の一部である「旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換を図る」を掛け合わせ、2026年に向け“前進”(=Move Forward)するための重点課題を以下の3点に集約いたしました。これら諸施策の推進により、社会および市場から選ばれる企業グループを目指しております。
1 重点課題と課題達成に向けた具体的なアクションプラン
①生鮮水産物の取扱拡大および冷凍水産物の加工製造販売事業の強化
1)産地との連携を基に、仲卸様等への商流を拡大
2)供給と品質の安定に資する「鮮冷」・「養殖魚」・「一般凍魚」の強化
3)新たな投資・提携を視野に入れ、産地加工・消費地加工をさらに強化
②人員採用拡大によりダイバーシティを推進し、強靭な組織力を構築
1)新卒採用・キャリア採用を強化し、組織を活性化
2)ワークライフバランスの一層の改善
③物流2024年問題への対応を踏まえた、市場内外の物流効率化を推進
1)市場内外物流の効率化を行うとともに、グループ内商流の集約(ベンダー機能・受発注機能)を図り、「商・物流」の一元化を推進
2 投資政策
財務健全性からネットDER1倍以下を維持しつつ、当社の成長戦略に資する投資活動を適宜実施
①加工機能強化のため、産地加工・消費地加工のさらなる深堀
②物流機能・販売機能強化のための投資
③人材投資・DXを推進するさらなるシステム投資
3 経営目標・株主還元
| (連結ベース) | 25年3月期 (計画第1期) | 26年3月期 (計画第2期) | 27年3月期 (計画第3期) |
| 売上高 | 600億円 | 620億円 | 650億円 |
| 営業利益 | 3.5億円 | 4.8億円 | 6億円 |
| 経常利益 | 3.5億円 | 4.8億円 | 6億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.5億円 | 3.8億円 | 5億円 |
| ROE(株主資本利益率) | 計画最終年度7%以上を目指す | ||
| PBR(株価純資産倍率) | 1倍以上 | ||
| ネットDER | 1倍以下 | ||
| 連結配当性向 | 20~30%を目途に安定配当を実施 | ||
○中期経営計画の第2期の総括
一昨年、スタートいたしました中期経営計画「MF-2026」に掲げた数値目標とアクションプランの進捗状況は次のとおりとなっております。
<計画第2期と実績との比較、および計画第3期>
| (連結ベース) | 26年3月期 (計画第2期) | 26年3月期 (実績) | 27年3月期 (計画第3期) | |
| 売上高 | 635億円 | 674億円 | 700億円 | |
| 営業利益 | 4.8億円 | 1.6億円 | 6.3億円 | |
| 経常利益 | 4.8億円 | 1.9億円 | 6.3億円 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.8億円 | 3.8億円 | 5.0億円 | |
| ROE(株主資本利益率) | 計画最終年度7%以上を目指す | 5.7% | 計画最終年度7%以上を目指す | |
| PBR(株価純資産倍率) | 1倍以上 | 1.25倍 | 1倍以上 | |
| ネットDER | 1倍以下 | 0.39倍 | 1倍以下 | |
| 連結配当性向 | 20~30%を目途に安定配当を実施 | 20% | 20~30%を目途に安定配当を実施 |
計画第2期目の総括としましては、物価上昇等の影響もあり売上高が伸長し計画を上回ることができました。しかしながら、同時に物価上昇や円安の影響に加え、資材等の高騰や労務費のコストが増加しており、コストの一部については、削減することができましたが、連結子会社において多額の貸倒引当金を計上せざるを得ず、営業利益、経常利益は計画に届きませんでした。特別利益に投資有価証券売却益の計上等もあり、親会社株主に帰属する当期純利益においては計画を達成することができました。
目標とする指標については次のとおりです。
ROEについてはアクションプランを実行することで、計画最終年度7%の達成を目指してまいります。なお、PBR、ネットDER、連結配当性向につきましては、引き続き同様の水準で維持してまいります。
その他、アクションプランの状況は次のとおりであります。
①生鮮水産物の取扱拡大および冷凍水産物の加工製造販売事業の強化
新規取引先の開拓においては、継続的な営業活動により新たな出荷者との取引が拡大し、あわせて販路の多様化も進めております。
また、グループ会社である共同水産㈱(消費地加工)や㈱キタショク(産地加工)との連携について強化しており、加工魚種を増すことや、生産効率の向上に取り組んでおり、限定的ではありますが利益への貢献がみられます。
さらに原料の安定的な確保を含め、グループ一体で製品開発・販売を推進するとともに、長年取引のある水産加工会社とも情報交換等を通じて市場ニーズに即した商品展開と販売体制の強化を進めております。
②人員採用拡大により、ダイバーシティを推進し、強靭な組織力を構築
厳しい採用環境が続く中、待遇や働き方の見直しを進めるとともに、新卒・キャリア採用の両面で人材確保に注力しております。
大学求人イベントや水産高校、専門学校への訪問に加え動画配信やホームページ刷新による情報発信の強化、採用の間口拡大に取り組んでおります。
また多様な人材活用を通じて、業務改善を進め、組織全体の生産性と持続的成長を支える組織づくりを推進しております。
③物流2024年問題への対応を踏まえた、市場内外の物流効率化を推進
市場内外の物流効率化とグループ内商流の集約を継続して進めております。営業サポート室の設置により一定の成果を得られているものの、労務費の上昇等により物流コストは増加傾向にあります。DX化を含め、物流の効率化・合理化は当社単独での対応は困難であることから、業界団体等との連携を通じ、より広い視点で物流体制を構築できるよう取り組んでまいります。
○計画第3期について
計画第3期につきましては、最近のホルムズ海峡の実質封鎖や物価上昇、円安などの影響を考慮して各目標値を当初の計画から見直しております。上記アクションプランをさらに推し進めることで、目標達成を目指してまいります。