有価証券報告書-第66期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
対処すべき課題
(1)会社の経営の基本方針
当社は、卸売市場法に基づく東京都中央卸売市場の荷受会社として、“国民の健康的な食生活への貢献”という社会的使命を果たしていくとともに、集荷力・販売力の強化に努め、首都圏の一大消費地を抱える市場荷受としての優位性を発揮しつつ、”旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換”を図り、新たな価値創造によってステークスホールダーの期待に応えて参ります。
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、「東市A-Plan」推進により健全な企業体質の確立を目指し、過去2年間(平成24・25年度)に、有価証券処分・事業統廃合・在庫圧縮等により含み損を一掃、有利子負債を削減のうえ財務内容を改善すると同時に、経費削減等の収益基盤強化と営業キャッシュフロー黒字化にも取組み、下記のとおり、一定の成果を収めることができました。なお、「東市A-Plan」は、平成26年3月末を以て終了いたします。
<業界環境>水産卸売業界は、国内漁業生産者の減少・資源保護問題、及び海外需要増大による魚価上昇という供給サイドの状況、国内消費停滞と食文化の変化(=魚離れ)という需要サイドの状況、更には、流通経路多様化による市場経由率低下(=市場規模のダウンサイジング)に直面し、厳しい業界環境が継続しています。
一方、老朽化、狭隘化、非効率化といった課題を抱え、新市場への移転が永年の懸案事項であった東京都中央卸売市場・築地市場は、本年2月、豊洲新市場予定地での本格的な施設建設工事が着工され、約2年後には、高度な品質・衛生管理と効率的な物流システムを備えた、首都圏のハブ市場として生まれ変わる予定です。
また、中長期な視点で見ると、昨年決定した2020年の東京五輪招致及び規制緩和等によって東京湾岸地域の再開発が進展、これらを契機とする新たな“食”の需要が創出され、新市場の発展が増幅されるものと期待されます。
当社グループは、これらの環境変化に機敏に対応する諸施策の推進、特に、新市場移転に向けた機能拡充並びに業容拡大を喫緊の経営課題と捉え推進していく方針です。
<新経営計画=CHALLENGE-2020>平成26年度(2014年度)より開始する『新経営計画=CHALLENGE-2020』では、
東京オリンピック開催の2020年度までの7年間を、当社グループが新たな飛躍を遂げる好機と捉え、新市場移転までの2年間を“フェーズⅠ”、移転後の2年間を“フェーズⅡ”、その後の3年間を“フェーズⅢ”とする3つのタイムスパンに分け、“変革”、“挑戦”をスローガンに、長期的な道筋や展望を描きながら、着実に歩を進めて参ります。
“フェーズⅠ”では、新規施策として、当社グループの今後の戦略拠点となり、新市場全体の機能拡充にも資する多機能型冷蔵庫の建設計画を、2016年度の操業開始を目途に推進。また、新市場に於ける物流業務の共有化・効率化に向けた検討も進めて参ります。一方、当社グループにとっての最重要テーマは、厳しい業界環境(=市場規模縮小)へ対応する収益基盤の強化であり、引続き、積極的な営業施策(=産地の集荷加工機能、消費地の加工販売機能の拡充等)と共に、ローコストオペレーション・的確な在庫・資金管理・リスクマネージメント強化に取り組んで参ります。
“フェーズⅡ”は、移転後の機能拡充を目指す期間として位置づけており、“フェーズⅠ”で実施した諸施策の成果を結実させると共に、2017年度に本格稼働となる新設冷蔵庫の投資効果を最大限に引出し、着実な業績伸長を目指して参ります。
“フェーズⅢ”は、『新中期経営計画』の仕上げの期間と位置づけ、各事業の持続的成長と新規収益機会の獲得により、トップラインの引上げと優良資産のレバレッジ効果により収益率向上を図り、最終年度(=2020年度)の業績目標を
に設定のうえ、より存在感のある水産流通会社への変革を目指して参ります。
当社株式の大規模取得行為への対応策(事前警告型買収防衛策)の非継続
当社は、平成19年2月6日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入し、直近では平成25年6月27日開催の当社第65回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続しておりました(以下、継続後のプランを「現プラン」といいます)。
当社は、当社の企業価値および株主共同の利益を保護するという観点から、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にするとともに、一定の場合には大規模買付行為を行おうとする者に対し相当と認められる範囲内で対抗措置を講ずることができるようにすることを目的として、買収防衛策を導入いたしました。
しかしながら、当社を取り巻く経営環境の変化、金融商品取引法の整備等による買収防衛策を取り巻く環境の変化等を参考にしながら慎重に検討を重ねた結果、買収防衛策を導入する意義は相対的に低下してきていると考えられます。
当社としては、新経営計画「CHALLENGE-2020」を着実に実行していくことこそが、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものであることと考えており、現プランの有効期間の満了を迎えるにあたり、平成26年5月21日開催の取締役会において、平成26年6月開催の第66回定時株主総会終結の時をもって現プランを継続しないことを決議いたしました。
なお、当社は、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
当社は、卸売市場法に基づく東京都中央卸売市場の荷受会社として、“国民の健康的な食生活への貢献”という社会的使命を果たしていくとともに、集荷力・販売力の強化に努め、首都圏の一大消費地を抱える市場荷受としての優位性を発揮しつつ、”旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換”を図り、新たな価値創造によってステークスホールダーの期待に応えて参ります。
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、「東市A-Plan」推進により健全な企業体質の確立を目指し、過去2年間(平成24・25年度)に、有価証券処分・事業統廃合・在庫圧縮等により含み損を一掃、有利子負債を削減のうえ財務内容を改善すると同時に、経費削減等の収益基盤強化と営業キャッシュフロー黒字化にも取組み、下記のとおり、一定の成果を収めることができました。なお、「東市A-Plan」は、平成26年3月末を以て終了いたします。
連 結 | 平成26年3月期 | 当会計年度 | |
経営指標 | 単年度目標 | 実 績 | 結果 |
純 利 益 | 2億円 | 4.9億円 | ↗ |
在 庫 | 23 〃 | 21 〃 | ↘ |
有価証券 | 14 〃 | 13 〃 | ↘ |
事業拡張資金 | 10 〃 | 3 〃 | ↘ |
ネット有利子負債 | 45 〃 | 32 〃 | ↘ |
純 資 産 | 38 〃 | 42 〃 | ↗ |
ネットD/E・Ratio | 1.2倍程度 | 0.8倍 | ↘ |
営業CF | 4億円 | 9億円 | ↗ |
総 資 産 | 150億円程度 | 146億円 | ↘ |
自己資本比率 | 25%程度 | 28.5% | ↗ |
<業界環境>水産卸売業界は、国内漁業生産者の減少・資源保護問題、及び海外需要増大による魚価上昇という供給サイドの状況、国内消費停滞と食文化の変化(=魚離れ)という需要サイドの状況、更には、流通経路多様化による市場経由率低下(=市場規模のダウンサイジング)に直面し、厳しい業界環境が継続しています。
一方、老朽化、狭隘化、非効率化といった課題を抱え、新市場への移転が永年の懸案事項であった東京都中央卸売市場・築地市場は、本年2月、豊洲新市場予定地での本格的な施設建設工事が着工され、約2年後には、高度な品質・衛生管理と効率的な物流システムを備えた、首都圏のハブ市場として生まれ変わる予定です。
また、中長期な視点で見ると、昨年決定した2020年の東京五輪招致及び規制緩和等によって東京湾岸地域の再開発が進展、これらを契機とする新たな“食”の需要が創出され、新市場の発展が増幅されるものと期待されます。
当社グループは、これらの環境変化に機敏に対応する諸施策の推進、特に、新市場移転に向けた機能拡充並びに業容拡大を喫緊の経営課題と捉え推進していく方針です。
<新経営計画=CHALLENGE-2020>平成26年度(2014年度)より開始する『新経営計画=CHALLENGE-2020』では、
東京オリンピック開催の2020年度までの7年間を、当社グループが新たな飛躍を遂げる好機と捉え、新市場移転までの2年間を“フェーズⅠ”、移転後の2年間を“フェーズⅡ”、その後の3年間を“フェーズⅢ”とする3つのタイムスパンに分け、“変革”、“挑戦”をスローガンに、長期的な道筋や展望を描きながら、着実に歩を進めて参ります。
第3次中計 | CHALLENGE-2020 | ||||||
『A-Plan』 | ”フェーズⅠ” | ”フェーズⅡ” | ”フェーズⅢ” | ||||
2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
(平成25年度) | (平成26年度) | (平成27年度) | (平成28年度) | (平成29年度) | (平成30年度) | (平成31年度) | (平成32年度) |
構造改革→ | ←新市場移転への助走期間→ | ←移転後の機能拡充期間→ | ← 新たな挑戦・ジャンプアップ期間 → |
“フェーズⅠ”では、新規施策として、当社グループの今後の戦略拠点となり、新市場全体の機能拡充にも資する多機能型冷蔵庫の建設計画を、2016年度の操業開始を目途に推進。また、新市場に於ける物流業務の共有化・効率化に向けた検討も進めて参ります。一方、当社グループにとっての最重要テーマは、厳しい業界環境(=市場規模縮小)へ対応する収益基盤の強化であり、引続き、積極的な営業施策(=産地の集荷加工機能、消費地の加工販売機能の拡充等)と共に、ローコストオペレーション・的確な在庫・資金管理・リスクマネージメント強化に取り組んで参ります。
“フェーズⅡ”は、移転後の機能拡充を目指す期間として位置づけており、“フェーズⅠ”で実施した諸施策の成果を結実させると共に、2017年度に本格稼働となる新設冷蔵庫の投資効果を最大限に引出し、着実な業績伸長を目指して参ります。
“フェーズⅢ”は、『新中期経営計画』の仕上げの期間と位置づけ、各事業の持続的成長と新規収益機会の獲得により、トップラインの引上げと優良資産のレバレッジ効果により収益率向上を図り、最終年度(=2020年度)の業績目標を
『新経営計画 = CHALLENGE-2020』 売上高:1,000億円 経常利益:7億円 純利益:6億円 総資産: 200億円 純資産 :70億円 自己資本比率:35% |
に設定のうえ、より存在感のある水産流通会社への変革を目指して参ります。
当社株式の大規模取得行為への対応策(事前警告型買収防衛策)の非継続
当社は、平成19年2月6日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入し、直近では平成25年6月27日開催の当社第65回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続しておりました(以下、継続後のプランを「現プラン」といいます)。
当社は、当社の企業価値および株主共同の利益を保護するという観点から、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にするとともに、一定の場合には大規模買付行為を行おうとする者に対し相当と認められる範囲内で対抗措置を講ずることができるようにすることを目的として、買収防衛策を導入いたしました。
しかしながら、当社を取り巻く経営環境の変化、金融商品取引法の整備等による買収防衛策を取り巻く環境の変化等を参考にしながら慎重に検討を重ねた結果、買収防衛策を導入する意義は相対的に低下してきていると考えられます。
当社としては、新経営計画「CHALLENGE-2020」を着実に実行していくことこそが、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものであることと考えており、現プランの有効期間の満了を迎えるにあたり、平成26年5月21日開催の取締役会において、平成26年6月開催の第66回定時株主総会終結の時をもって現プランを継続しないことを決議いたしました。
なお、当社は、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。