有価証券報告書-第67期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 11:06
【資料】
PDFをみる
【項目】
111項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社は、卸売市場法に基づく東京都中央卸売市場の荷受会社として、“国民の健康的な食生活への貢献”という社会的使命を果たしていくとともに、集荷力・販売力の強化に努め、首都圏の一大消費地を抱える市場荷受としての優位性を発揮しつつ、”旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換”を図り、新たな価値創造によってステークスホールダーの期待に応えて参ります。
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
水産卸売業界は、国内漁業生産者の減少・資源保護問題、及び海外需要増大による魚価上昇という供給サイドの状況、国内消費停滞と食文化の変化(=魚離れ)という需要サイドの状況、更には、流通経路多様化による市場経由率低下(=市場規模のダウンサイジング)に直面し、厳しい業界環境が継続しています。
一方、老朽化、狭隘化、非効率化といった課題を抱え、新市場への移転が永年の懸案事項であった東京都中央卸売市場・築地市場は、平成28年11月に豊洲新市場(仮称)への移転が決定し、現在、本格的な施設建設工事が進行しております。豊洲新市場(仮称)は、高度な品質・衛生管理と効率的な物流システムを備えた、首都圏のハブ市場として生まれ変わる予定です。
また、中長期な視点で見ると、2020年の東京五輪開催及び規制緩和等によって東京湾岸地域の再開発が進展、これらを契機とする新たな“食”の需要が創出され、新市場の発展が増幅されるものと期待されます。
当社グループは、これらの環境変化に機敏に対応する諸施策の推進、特に、新市場移転に向けた機能拡充並びに業容拡大を喫緊の経営課題と捉える中、当連結会計年度(平成27年3月期)は新経営計画=CHALLENGE―2020”フェーズⅠ”の1年目を迎えました。
フェーズⅠでは、積極的な営業施策(=産地の集荷加工機能、消費地の加工販売機能の拡充等)と共に、ローコストオペレーション・的確な在庫・資金管理・リスクマネージメント強化に取り組んでおります。
また、平成27年5月11日開催の取締役会において、豊洲新市場(仮称)内に、CHALLENGE―2020の戦略的投資と位置付けた、新設冷蔵庫を建設することを決定しました。この消費地市場流通に相応しい多温度帯、多機能の新設冷蔵庫建設によって、多種多様な水産物が流通する、豊洲新市場(仮称)の機能拡充に貢献できることと確信しております。
当社は、CHALLENGE―2020の最終年度(=2020年度)の業績目標、
『新経営計画 = CHALLENGE-2020』
売上高:1,000億円 経常利益:7億円 純利益:6億円
総資産: 200億円 純資産 :70億円 自己資本比率:35%

の達成に向けて引き続きまい進してまいります。