有価証券報告書-第114期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
我が国の景気は,雇用環境が改善するなど緩やかな回復基調にあるものの、中国・アジア諸国経済の減速、英国のEU離脱、米国の新政権の政策等の経済動向の先行きの不透明感は拭えません。
しかしながら、国内製造業の生産設備投資は低水準に留まるものの、新素材向けの投資や自動車関連業界のモデルチェンジに向けた投資、半導体製造機器への投資,IoTの導入など、事業基盤を強化する投資は続くものと予想されます。
又、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた交通インフラ機器・環境関連と人手不足の流通業界への物流施設整備等の投資も継続的に見込まれております。
企業の海外投資は、グローバル化対応の方向性は変わらないものの、国内投資とバランスをとりながら、特にアジアへの展開で活路を見出す戦略に変更はないものと思われます。
創業100周年を迎えました当企業グループは、2017年4月より第10次連結中期経営計画をスタートさせました。
初心に戻り、経営理念である「常に怠りなき商品の開発」と「たゆみなき販路の開拓」で、株主重視、人材重視を目指し、ATOM (Advanced Technology for Optimum Machinary)を掲げ、経営の効率化と業績の拡大を図ります。
(1) 今後の課題として
①バランスの取れた組織作りと経営基盤の充実
世代間・事業部門間・エリア(拠点)間で、先を見据えた人材確保と計画的人材配置を進めます。
複眼的視野に立った人材(次世代を担う人材)を育成する為、営業・技術・人事労務等の教育を実施します。
②エリア制を進化させ、ビジネスの拡大を図る
顧客ファースト・顧客満足度アップを達成する為、営業所及び子会社を全事業の営業拠点としての機能強化を図ります。
海外の拠点として整備の進んだアジア諸国において、国内顧客と同レベルのサービス体制を更に進めます。
③取扱商品の拡大と仕入先メーカーとの連携強化
IoT等急速に変化する製造環境に対応したシステム等、新商品の開拓に注力します。
また、主要商品見本市への出展参画と、仕入先への営業情報のフィードバックの徹底で、仕入先との連携強化を図ります。
以上を課題として、収益面では、コスト管理と技術評価の徹底で、経営効率の向上を図ると共に、リスクマネジメント、コーポレート・ガバナンスならびにその基盤となる内部統制システム等の更なる強化に取り組み、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの満足度向上を目指します。
(2)中期経営計画方針
5年前より展開している「エリア戦略」の推進で、更に顧客満足度アップを目指すと共に投資意欲の高い特定業界(食品・交通インフラ機器・先端素材・環境設備分野へのプロセス機器等)に対して提案商品の販売強化を図り、仕入先メーカーとの協力関係を強化して下記施策を進めてまいります。
①機器設置工事が請負えるエンジニアリング商社の自覚をもって、法令順守・安全管理・労務管理を徹底し技術の向上と継承により、競業他社との差別化を図ること。
②取扱商品の充実(e-カタログ)と主要仕入先メーカーとの連携強化により、変化する顧客ニーズを掴むこと。
③当企業グループの取扱主力商品である㈱椿本チエイングループ製品の拡販により顧客の拡大と充実を図ること。
④取扱商品の付加価値と差別化が提案でき、ソリューション営業のコーディネイト力をつける為の教育を実施すること。
⑤グローバル事業の拡大では、特にアジア市場に進出された顧客に対して、日本と同等レベルの商品・情報供給を提供できるようにすると同時に、更に現地化(人材教育と登用)を進めること。
⑥テクノマテ事業では、有望市場(医療、医薬、衛生、エネルギー、工作機器等)への新商品の用途提案で事業領域の拡大を目指すこと。
⑦先端技術分野への開拓では、センシングビジネス構築の他、工場の設備故障予知や稼動監視等、IoTやAIを取り込んだビジネスを開拓していくこと。
⑧コンプライアンス意識の向上に努め、コーポレートガバナンスを強化すること。
コンプライアンス意識の浸透と、企業価値向上の為、リスク管理システムを構築し、リスクの極少化を目指す。
今後、以上に掲げた施策を丁寧かつ継続的に実施しながら、必要に応じ中期的な目標・方針・施策の修正を進めてまいります。