有価証券報告書-第78期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 14:22
【資料】
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【項目】
143項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社グループは、「誠意をもって顧客の信頼を得る仕事をする」を経営理念とし、各事業分野において蓄積された専門知識と企画力を基に、お客様のニーズに合った付加価値の高い商品とサービスを提供することにより、お客様の満足と信頼を通して豊かな社会づくりに貢献することを基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、2021年4月より2023年度を最終年度とする中期経営計画“Dash Forward 2023”をスタートいたしました。事業環境が劇的に変化し、先行きを見通すことが困難な状況の中にあり、「全社員が自らの感性を磨き、変革を進めるとともに、新分野・新事業の創造を図り、企業として成長し続ける」ことをテーマに、中期経営計画に掲げた基本戦略を着実に実行することにより、企業としての質を一層高めてまいります。
また、引き続き、コンプライアンスの徹底並びにコーポレートガバナンスの充実を経営の最重要課題と位置付け、社会から信頼される企業グループを築き上げてまいります。
当社グループの事業領域(業界、地域、取扱商品・サービス、技術等)は極めて広範囲で、事業内容も電気機器、建設機械、土木・建築資材、石油類の販売のほか、食品製造設備・物流設備・貯蔵設備などの工事請負や海運・陸運・通関・港湾荷役作業など多岐に渡っております。各事業セグメントは、密接不可分な関係であり、有形無形にシナジー効果を発揮しております。広範な事業領域・事業内容こそが当社グループの強みであり、この強みを今後の事業展開に活かしていくことが、当社グループの持続的成長と中長期的企業価値向上に結び付くものと考えております。
(3)経営環境
わが国経済は、段階的な経済活動の再開により持ち直しているものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期が依然として見通せない状況にあり、また感染再拡大により経済活動が再び抑制されることも懸念されております。
当社グループを取り巻く事業環境は、そうした状況による業績面への影響が懸念されるところではありますが、コロナ禍に伴う新たな生活様式の定着やDXの進展によるデジタルシフトの加速などにより、劇的に変化していくものと思われます。事業環境の変化に適切に対応するとともに、AI・IoT等のデジタル先端技術を駆使したスマート化投資、環境・省エネ関連投資、防災・減災や国土強靭化に向けた公共投資など、当社グループとして社会にお役立ちできる機会、景気回復を実現する材料が数多くあるものと見込んでおります。
先々を見通すことが大変困難な状況ではありますが、顧客のニーズをしっかりと捉え、今できること、今やらなければならないことを確実に実践することが重要であると考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、下記の項目を経営課題及び事業戦略として認識し、その取り組みを通じて「持続的成長」の実現と「企業価値」の向上を目指すとともに、「経営の透明性・公正性・健全性」の更なる充実を図ってまいります。
①成長戦略推進と競争力強化
イ.事業セグメント間の連携強化とグループ総合力の発揮
当社グループの事業領域は極めて広範囲で、事業内容も多岐に渡っており、各事業セグメント間での情報共有化を推進し、連携・協業体制を一層強めることにより、グループとしての総合力を発揮し、更なる収益拡大に努めてまいります。
ロ.コア事業の強化と新事業・新分野の創出
当社グループでは、電機、機械、建設・エネルギー、海運の4セグメントをコア事業と位置付け、販売戦略・地域戦略を機動的に見直すとともに、事業領域の「選択と集中」、高品質サービスの提供による差別化・高付加価値化を推進することにより、収益力向上に努めてまいります。また、環境・エネルギー分野並びに先端技術分野に関しましては、当社グループの特性を活かして新たなビジネスに積極的に取り組み、将来の中核事業への育成を目指してまいります。
ハ.COVID-19への対応と激変する事業環境への適応
新型コロナウイルス感染症拡大防止への取り組みを徹底するとともに、事業環境の変化に適応し、データやデジタル技術を活用し、顧客や社会のニーズに基づく製品・サービスの提供やビジネスモデルの変革を進めてまいります。
②経営基盤の強化
イ.財務基盤の強化とキャッシュフロー経営の徹底
グループとしての収益力の向上と資金の効率的運用を通じて、営業活動によるキャッシュ・フローの増加を図るとともに、有利子負債を削減するなどによりまして、財務体質の改善に取り組んでまいります。また、成長分野や高収益分野に対して経営資源を積極的に投下してまいります。
ロ.人材の確保・育成、働き方改革
年齢バランスや技術承継のために安定採用を基本とし、セグメント毎の事業戦略に基づき人材の適正配置に努めてまいります。また、社員の人格・個性・多様性を尊重するとともに、安全で働きやすい職場環境を確保するとともに、メリハリある働き方を通じて、社員が豊かで充実した生活を実現するための取り組みを今後も継続してまいります。
ハ.コンプライアンスの徹底
グループ行動規範の遵守徹底と社員教育によるコンプライアンス意識の定着化を図ってまいります。また、法令違反の発生を未然に防止するための監視・牽制機能を整備することにより、コンプライアンス体制の一層の強化に取り組んでまいります。
ニ.コーポレートガバナンスの充実
当社は、会社の持続的成長と更なる企業価値向上を図るとともに、経営の透明性・健全性を向上させることをコーポレートガバナンスの基本方針としております。企業としての社会的責任を果たすべく、コーポレートガバナンスの一層の充実に努めてまいります。また、さまざまなリスクを適切にコントロールするためのリスク管理体制を整備してまいります。
ホ.ESGへの取組み強化
事業活動においては常に環境への影響に配慮しつつ、持続可能な社会の発展を実現するために、汚染予防並びに環境保全・保護に主体的に取組んでまいります。また、地域社会との交流を通じてよりよい社会の実現に努めてまいります。加えて、地域の活性化などの社会的課題の解決に向けて、貢献してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①中期経営計画の基本方針
1.事業セグメント間の連携強化とグループ総合力の発揮
2.コア事業の強化と新事業・新分野の創出
3.COVID-19への対応と激変する事業環境への適応
4.財務基盤の強化とキャッシュフロー経営の徹底
5.人材の確保・育成、人事制度の改革、働き方改革
6.コンプライアンスの徹底、ガバナンスの充実、ESGへの取組み強化
②直近3期間における実績並びに中期経営計画の最終年度における連結数値目標
(単位:百万円)
2018年度
実績
2019年度
実績
2020年度
実績
2023年度
中計目標
売上高103,14598,69787,168110,000
営業利益2,5112,3591,8833,000
経常利益2,5932,4271,9003,000
親会社株主に帰属する当期純利益1,7931,5941,4722,000
自己資本比率28.9%34.8%37.5%40.0%
ROE12.3%10.1%8.6%10.0%

当社グループにおきましては、持続的成長と中長期的な企業価値向上の観点から、特に財務状況の安定性に関する指標である自己資本比率と収益性に関する指標である自己資本当期純利益率(ROE)についての目標を掲げております。