有価証券報告書-第76期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 16:31
【資料】
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【項目】
207項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) 経営方針
当社は、2023年5月に策定した2026年3月期(2025年度)を最終年度とする「中期経営計画2023」にて掲げた2030年目標に向けて計画の実行段階にありますが、外部環境の変化を含む現状の課題認識に鑑み、目標達成への取り組みを更に力強く推進するべく、2026年3月期を初年度とする5か年計画「中期経営計画 Road to 2030」へと同計画をアップデートいたしました。
「中期経営計画 Road to 2030」の位置付け

2023年3月 2026年3月 2030年3月
(2) 定量目標
2025年3月期
実績
2026年3月期
予想
2028年3月期
計画
2030年3月期
計画
売上高2,430億円2,600億円2,800億円3,000億円
営業利益46億円48億円65億円75億円
親会社株主に帰属する
当期純利益
28億円30億円35億円45億円
ROE5.3%5.3%6.0%超
EBITDA ※66億円70億円90億円100億円
EBITDA(累積)70億円230億円420億円
ROA1.7%1.8%2.0%以上

本計画最終年度である2030年3月期は、売上高3,000億円、営業利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円を定量目標としております。
また、本計画の主要な財務指標として、計画期間中の投資活動を踏まえ、減価償却費及びのれん償却額を営業利益に加算して本業の収益力を示すEBITDA、資産の効率性を示すROAを設定しております。
※ EBITDA:営業利益+減価償却費+のれん償却額
[資本コストに対する現状分析]
当社の株主資本コストの水準は、CAPMによる推計で5~6%と認識しています。WACCについては、CAPMによる株主資本コストと負債コストを加重平均して2.3~3.4%と算出しています。ROE向上への取り組みを推進し、株主資本コストを上回るROEの実現を目指してまいります。
また、PERは6~7倍程度にとどまっています。これは、当社を取り巻く経営環境や事業の成長可能性に係る将来に向けての株式市場からの評価と考えられることから、当社はこれを真摯に受け止め、PERを向上させるため、本計画に掲げる成長ドライバーを下記「(5) 取り組みの進捗報告と課題認識に基づく成長ドライバー」のとおり選定し、より収益性の高い事業への経営資源の配分に注力してまいります。
「中期経営計画2023」において事業の成長性と収益性に加え、投下資本に対する収益性の観点に基づく管理を目的として、ROICを経営管理指標に取り入れ、グループにおける資本収益性の意識向上に努めてまいりました。なお、投下資本が不可欠な事業については、資金回転速度の向上を強化するなど、事業特性に応じた資本効率の向上を更に強化してまいります。
(3) 株主還元
株主の皆様への利益還元を安定かつ充実させるため、今後の成長と競争力強化のための資金需要等を勘案しつつ、中長期的な持続的成長を通じた累進配当を導入しております。本計画では2030年3月期まで毎期7円増配していく計画としております。
2025年3月期
(実績)
2026年3月期
(予想)
2027年3月期
(計画)
2028年3月期
(計画)
2029年3月期
(計画)
2030年3月期
(計画)
1株当たり
配当額
※1 65円72円79円86円93円100円
配当金の総額 ※2771百万円854百万円937百万円1,020百万円1,103百万円1,186百万円

※1 1株当たり配当額65円のうち、期末配当40円については、2025年6月27日開催予定の定時株主総会の決議事項として上程しております。
※2 配当金の総額は、1株当たり配当額×2025年3月期末発行済み株式数(自己株式控除後)により算出しております。
また、株主の皆様の日頃からのご支援に感謝するとともに、当社株式への投資魅力を高め、より多くの株主の皆様に、より長く当社株式を保有していただくことを目的に、株主優待制度を導入いたしました。
本制度の内容については、「第6 提出会社の株式事務の概要 株主に対する特典」または、当社ホームページに掲載しております「株主優待制度導入に関するお知らせ」(https://www.nice.co.jp/uploads/2024_06_27_01.pdf)をご覧ください。
(4) 外部環境の変化と現状の課題認識
当社は、2030年目標の達成に向けて、着実に取り組みを進めており、M&A投資をはじめとする新規事業投資についても計画通りに進捗しております。一方、当社を取り巻く経営環境は、金利の上昇や貿易摩擦の激化といった経済情勢に加え、人口減少や世帯構成の変化等により新設住宅着工戸数が長期的に減少傾向にある中、2024年の着工戸数が15年ぶりに80万戸を割り込むなど、その変化は著しいものとなっています。こうした変化を捉え、事業領域を新築住宅市場から既存住宅流通市場や非住宅市場へ、更には暮らし領域まで拡大していくべく、事業ポートフォリオの見直しを図ってまいります。
新設住宅着工戸数の
減少速度の加速
・長期的な減少傾向
・2024年(暦年)はリーマン・ショック以来15年ぶりの80万戸割れ
・持家が過去最低水準で推移
・地方圏で高い下落率(東北・四国:2015年比30%水準)
輸入材動向の不透明感・海外における環境規制の強化
・米国における関税政策の動向
・相場の不透明感
脱炭素化の更なる加速・「2050年カーボンニュートラル」目標の実現
・2030年度温室効果ガス削減目標:46%削減(2013年度比)
・法改正(4号特例の縮小・省エネ基準適合義務化)
マンション価格の高騰・首都圏における販売価格や用地価格の高騰
・建築費や人件費の高騰、建築工事の長期化
・金利の上昇

(5) 取り組みの進捗報告と課題認識に基づく成長ドライバー
当社は、2024年12月20日開示「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(進捗報告)」にて提示した中長期的な事業ポートフォリオの方向性に基づき、収益基盤である既存のコア事業の深化と、成長性が見込まれるコア事業の周辺事業への投資、更には将来的な成長基盤を見据えた投資を行ってまいります。
これらを踏まえ、かつ現状の課題認識に基づき、2030年目標の達成に向けて、次に掲げる成長ドライバーで取り組みの更なる推進を図ります。

①「超・新築」
主要マーケットである新築住宅市場が長期的に縮小傾向にある中、環境貢献度の高い木材の活用や国産材の取り扱い強化を推進するとともに、住宅ストックビジネスの拡大に取り組み、収益基盤の更なる安定に努めてまいります。
進捗報告成長ドライバー
●農林水産省と建築物木材利用促進協定を締結
●飛島建設㈱と合弁会社を設立(非住宅木造建築)
●構造用集成材の素材(国産スギ)の生産工場を新設
●M&Aにより製材機能(国産ヒノキ)を強化
●住宅ストック事業の強化
●関連会社の統合によるマンション管理機能の強化
●国産木材の供給
●非住宅木造建築
●中古マンション買取再販
●賃貸管理
●マンション総合管理

②「超・物流」
国を挙げてZEH化の動きが加速する中、エネルギー関連商品を含め、躯体・住宅設備機器等、トータルでの提案販売を強化してまいります。また、規制強化をはじめ変革が進む物流業界において、全国の物流拠点を活用し、建築現場へのラストワンマイル機能を発揮するとともに、部位別施工への対応等、機能強化を図ってまいります。
進捗報告成長ドライバー
●資本業務提携により太陽光発電システムの販売強化
●M&Aによりサッシ・エクステリア事業を強化
●エネルギー関連商品の供給
●物流

[成長ドライバーの業績貢献]
成長ドライバー2025年3月期2030年3月期
売上高営業利益売上高営業利益
① 国産木材の供給
② 非住宅木造建築
③ 中古マンション買取再販
④ 賃貸管理
⑤ マンション総合管理
⑥ エネルギー関連商品の供給
⑦ 物流
約750億円約20億円約1,300億円
(550億円増)
約50億円
(30億円増)

③「超・領域」
国産材の更なる利活用に向けて、多様な分野でコンポーネントとしての用途を拡大し、付加価値の高い木質マテリアルメーカーを目指します。また、木造建築において設計、積算、発注、施工、物流に至るデータの共有化を図り、業界全体の業務効率化に貢献します。
進捗報告成長ドライバー
●脱プラ・木質化R&Dセンター設立
●建築資材事業の業務システム更新に着手
●無垢国産材のコンポーネント展開
●木造建築業界の流通プラットフォーム


④主体的な風土の確立
進捗報告成長牽引策
●エンゲージメントサーベイの実施
●eラーニングによる自己啓発ツールを導入
●「ライフサポート休暇」制度を導入
●「オープンコミュニケーションミーティング」実施
●「ラウンドテーブルミーティング」実施
●タレントマネジメントシステムを導入
●360度評価の実施
●「健康経営優良法人 2025」認定取得
●「かながわ治療と仕事の両立推進企業」認定取得
●事業戦略を実行するために必要な人材戦略
・住まいと暮らし領域における専門スキルの拡充
・外部人材の登用
・キャリア採用の拡充
・サクセッションプランによる次世代経営層の育成
●エンゲージメントの向上
・サーベイスコア10ptアップ(2030年3月期)
●DE&I推進
●健康経営の推進

⑤社会的使命の達成
進捗報告成長牽引策
●サステナビリティ委員会(全21回開催)
●ナイスグループ中央安全衛生委員会の開催
●自社排出量のカーボンニュートラルを早期達成
●社有林の保有面積の拡大
●二酸化炭素吸収量の増加
●リスクマネジメント強化
●自社排出量(Scope1・2)の削減及びカーボンニュートラルの継続
●サプライチェーン排出量の実質ゼロの実現

(6) 環境目標の進捗状況
環境目標の進捗状況については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 重要なサステナビリティ項目 ① 気候変動への対応(TCFD) d 指標と目標」に記載しております。
(7) キャッシュ・アロケーション
2024年5月24日、「中期経営計画2023」達成に向けた取り組みとして、中長期的な財務健全性を維持しながら、営業活動によるキャッシュの創出、保有資産の整理、有利子負債の効果的な活用を通じて生み出した原資を様々な成長投資に分配しつつ、社員や株主への還元を実行するため、キャッシュ・アロケーションを策定しました。それぞれの実施状況は次に示す通りです。
[実施状況]
分配想定金額実施済備考
●新規事業投資
(M&A・研究開発投資)
100億円~110億円㈱ウッドエンジニアリング(合弁)出資
㈱シェアリングエネルギー出資
セレックスホールディングス㈱株式取得
㈱かつら木材商店株式取得
●成長投資(既存事業)115億円~77億円IT投資、設備投資、CATV投資
<新規設備投資>㈱アルボレックス第2工場
ウッドファースト㈱第2工場
●株主還元15億円~
※2年間の想定金額
15億円配当金
23/3期末30円+24/3中間20円
24/3期末40円+25/3中間25円

[Road to 2030 キャッシュ・アロケーション]
「Road to 2030」期間(2026年3月期~2030年3月期)におけるキャッシュ・フロー及び資金調達を原資とし、株主還元に50億円以上、新規事業投資に145億円以上、既存事業の成長投資に120億円以上を充ててまいります。

(8) 会社の対処すべき課題
住宅・建築業界においては、少子高齢化による人口減少や単身世帯の増加に伴い、新設住宅着工戸数は長期的に減少傾向にあります。建築費や人件費の上昇等による住宅価格の高騰に加え、住宅ローン金利上昇への懸念から住宅取得マインドの低下が憂慮されるほか、法改正に伴う業務負担の増加等も危惧されています。このように外部環境が著しく変化する中、企業経営においては迅速な対応が求められます。
当社は、2023年5月に策定した「中期経営計画2023」にて掲げた2030年目標に向けて計画の実行段階にありますが、こうした外部環境の変化を含む現状の課題認識に鑑み、目標達成への取り組みを力強く推進するべく、2026年3月期を初年度とする5か年計画「中期経営計画 Road to 2030」へとアップデートいたしました。本計画において、当社が有する国産木材の調達力や全国規模の販売網、川上から川下までのサプライチェーン、建築物の木造化・木質化提案機能といった競争優位性を発揮し、成長を一層加速するべく、「超・新築」「超・物流」「超・領域」をキーワードとする成長ドライバーを掲げました。
「超・新築」では、新築住宅市場が縮小傾向にある中、環境貢献度の高い木材の活用や国産材の取り扱い強化を推進するとともに、住宅ストックビジネスの拡大に取り組み、収益基盤の更なる安定に努めてまいります。「超・物流」では、国を挙げてZEH化の動きが加速する中、エネルギー関連商品を含め、躯体・住宅設備機器など、トータルでの提案販売を強化していきます。また、全国の物流拠点を活用し、建築現場へのラストワンマイル機能を発揮するとともに、部位別施工への対応など、機能強化を図ってまいります。「超・領域」では、国産材の更なる利活用に向けて、多様な分野でコンポーネントとしての用途を拡大し、付加価値の高い木質マテリアルメーカーを目指すとともに、木造建築における設計から積算、物流に至るデータの共有化を図り、業界全体の業務効率化に貢献してまいります。
当社は、「樹とともに、人と暮らしをつなぎ、はぐくみ、彩りある未来をつくります」を社会的存在意義と定義しています。地球温暖化対策として重要な役割を担う森林資源の循環利用に向け、当社のルーツであり、エコマテリアルである木材の利活用を通じて、経済価値のみならず、社会価値及び環境価値の向上と社会課題解決の一翼を担うべく、「中期経営計画 Road to 2030」に掲げた諸施策を確実に実行していくことで、成長の加速と飛躍的進化を図り、更なる企業価値の向上を実現してまいります。

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