有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をグループスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。
現在、わが国では、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定や長期収載品への選定療養の導入、OTC類似薬の追加負担の検討など医療費抑制のための様々な施策が導入されております。あわせて、質の高い医療・ケアを提供するための医療DXの推進や、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みも加速しております。さらに、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額かつ厳密な管理を要する医薬品の登場によりモダリティ(注)が多様化しており、これらに対応し得る営業・物流体制の構築が急務となっております。
このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速している中、医療機関・健康を願う人々をはじめとするステークホルダーへの付加価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるべく、本年4月に2028年度を最終年度とする、中期経営計画2026-2028「次代を翔ける」を新たに策定いたしました。当中期経営計画は、前中期経営計画期間で築き上げた次代に向けての「基盤」を土台にし、成長を目指した更なる投資による「収益化フェーズ」として営業利益の非連続な飛躍の実現にフォーカスした戦略、施策を実行する期間と位置付けております。コア事業である医薬品卸売事業の収益力強化とともに、積極的なアライアンスの実行による新規事業の早期拡大を通して、ヘルスケアビジネスに関わるあらゆるステークホルダーの皆様に新たな価値を創造し、提供する「ヘルスケア・トータルソリューション・プロバイダー」へと転換いたします。挑戦を恐れない自律型の社員がリードする価値創造組織への進化を通して、変化の激しい次代を力強く飛躍し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。
当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスのそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けて取り組むサステナビリティ経営を推進しております。医薬品流通を担う社会的責任として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題の一つと位置づけ、温室効果ガス排出量の中長期的な削減目標のもと、配送効率の向上による走行距離の削減や事業拠点への太陽光パネルの設置をはじめとした再生可能エネルギーへの切り替えを強力に進めてまいります。こうした自社の取り組みに加え、他社との協業によるサプライチェーン全体での環境負荷低減にも取り組んでまいります。
人財活用に関しては、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、性別・国籍・障がい・年齢・価値観等を問わない幅広い登用を行っております。社員一人ひとりの成長と組織強化を促す制度改革、経営戦略を見据えた適切な人財配置と教育システムの導入、心理的安全性を軸とした企業風土改革を実践し、挑戦を恐れない自律型人財への転換をはかり、価値創造組織へと進化させてまいります。
また、経営の透明性と公正性を担保すべく、取締役会による監督機能の強化や、実効性の高い内部統制システムの運用を通じて、高度なガバナンス体制を確立してまいります。リスクの的確な把握と評価を行うリスクマネジメント体制を整備し、損失の未然防止と影響の最小化を図ることで、経営の健全性を堅持してまいります。そして、全ての役職員が「関連法規の遵守」を最優先事項として行動し、ステークホルダーからの確固たる信頼を築くべく、規律ある経営を実践いたします。
加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。
このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
(注)モダリティとは、創薬技術や手法等の治療手段の種別のことであります。