有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:00
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164項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
[内外環境]
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度初めからの米国関税政策の影響を受けながらも、好調な企業収益や雇用・所得環境の改善などを背景に内需が下支えし、総じて緩やかな回復基調が継続しました。一方で、物価高の進行に実質賃金の上昇が追いつかず、消費マインドが下振れるリスクに加え、緊迫した中東情勢など地政学リスクが不確実性を一層高めており、わが国を取り巻く外部環境は依然として不透明な状況が継続しています。
[主要施策]
当社グループにおける3か年(2023~2025年度)の中期経営戦略『SANYEI 2025』は、当年度がその最終年度となりました。当中期計画においては「グループ事業構造、事業ポートフォリオの見直し」を重点テーマに掲げ、グループ貢献度合いが著しく薄れてきた不採算事業の整理を進めること、また、成長領域の事業強化・投資を加速させて、当社グループの中長期的な事業拡大ならびに収益基盤の改善・強化に注力してまいりました。その結果、第2年度である前年度(2024年度)では、定量の利益目標として掲げていた経常利益20億円を実現することができました。
成長投資においては、成長ドライバーとして位置づけてきた「海外取引の拡大」では、営業活動強化により欧州を中心に着実に事業が拡大しております。「EC事業の強化」においては、EC事業に特化した組織を立ち上げ、グループ横断展開やフルフィルメント・ビジネス(ECインフラサービスの外部提供)を推進、また、防災関連分野の新規連結子会社をM&Aにより取得し、EC事業拡大ならびにグループシナジー効果創出に寄与し始めています。
不採算事業の整理においては、株式会社ベネクシーの事業譲渡および会社解散、また、三發電器中国工場の閉鎖を決定するなど、大部分においては目途をつけることができ、一定程度の収益基盤の改善に繋がってきております。一方で、売上規模の伸び悩みや家電事業の再構築といった課題は残されており、2026~2028年度の次期中期経営計画『SANYEI NEXT 2028』において、着実、確実な成長を図ってまいります。
[連結業績]
当連結会計年度の売上高は、欧州ブランド向けキッチンツールの売り上げが好調な家具家庭用品事業セグメントで増収となりましたが、コロナ禍収束後に急速に伸長した旅行・外出需要の反動を特に大きく受けた服飾雑貨事業セグメントでの減収が響き、全体としては前期比8.9%減少の363億3千2百万円となりました。
利益面につきましては、売上高の減少を主因として、売上総利益は前期比16億2千3百万円減少の86億7千3百万円となりました。販管費は、ブランド販売子会社の直営店舗数削減による店舗経費の縮減等により、前期比5億5千3百万円の減少となりましたが、売上総利益の減少を主因に、営業利益および経常利益は、それぞれ前期比10億6千9百万円減少の10億2千6百万円、同9億9千2百万円減少の11億5千6百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益10億2千1百万円を計上したものの、関係会社整理損8億1百万円の計上もあり、前期比4億6百万円減少の5億6千8百万円となりました。
[セグメント別業績]
(家具家庭用品事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比3.4%増加の192億1千2百万円となりました。OEM事業では、海外事業での営業活動強化により欧州ブランド向けキッチンツールの売り上げが大きく伸長し、前期比増加となりました。ブランド事業においては、「MINT(ミント)」などの家具・インテリアのネットショップの売り上げが、マーケット全体の落ち込みや競合の台頭もあり前期比で減少となりましたが、新たに立ち上げたフルフィルメント・ビジネスの事業拡大を推進しました。
セグメント利益については、売上総利益率の低下を主因に、前期比5千5百万円減少の11億4千8百万円となりました。
(服飾雑貨事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比26.7%減少の118億9千8百万円となりました。非常に旺盛な旅行・外出需要を背景に通年で好調だった前期からの反動が大きく、セグメント全体で売り上げが大きく減少しました。一方で、成長分野として注力している環境関連商材を取り扱う「OUR EARTH PROJECT」などのサステナブルビジネスにおいては、ブランド認知の広がりやEC強化によりオリジナルブランド「uF」などが着実に売り上げを積み上げています。ブランド販売子会社では、直営店舗削減の影響もあり前期比減少しましたが、サブライセンス契約を締結した「Cath Kidston」ブランドなどを株式会社L&Sコーポレーションにて販売を開始しており、新たな海外ブランドの発掘・展開を進めました。なお、当社連結子会社である株式会社ベネクシーにつきましては、一部ブランドの事業譲渡および会社解散を決定し、2026年中の清算に向けて手続きを進めております。
セグメント利益については、売上高の減少が大きく影響し、前期比11億4百万円減少の8億6千2百万円となりました。
(家電事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比5.5%減少の30億2千4百万円となりました。OEM事業では、前期比同水準の売り上げとなりましたが、ブランド事業では、「mod's hair」のドライヤーなどの理美容家電および
「Vitantonio」の調理家電において、ECチャネルで伸びを見せ始めているものの、市場の競合激化の影響もあり国内外で伸び悩んだ結果、前期比減少となりました。なお、当社連結子会社である三發電器製品(東莞)有限公司につきましては、2026年末での解散及び清算に向けて手続きを進めております。
セグメント利益については、売上高は減少したものの、販管費の縮減を主因として前期比1億9千9百万円改善した結果、2億6千1百万円の損失となりましたが、引き続き課題として認識しています。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2025年4月1日
至 2026年3月31日
生産実績(千円)前期比(%)
家具家庭用品事業591,992△23.0
家電事業586,096△4.7
合計1,178,089△14.9

②受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注状況は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2025年4月1日
至 2026年3月31日
受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
家具家庭用品事業19,627,19510.63,158,28215.1
服飾雑貨事業10,780,807△31.91,994,419△35.9
家電事業2,416,143△31.960,256△91.0
報告セグメント計32,824,146△11.65,212,958△20.1
その他2,051,4775.8161,124△47.5
合計34,875,623△10.75,374,082△21.3

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2025年4月1日
至 2026年3月31日
販売高(千円)前期比(%)
家具家庭用品事業19,212,6963.4
服飾雑貨事業11,898,046△26.7
家電事業3,024,304△5.5
報告セグメント計34,135,047△10.2
その他2,197,14319.3
合計36,332,190△8.9

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
当連結会計年度
自 2025年4月1日
至 2026年3月31日
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
㈱良品計画22,608,70956.718,643,73851.3

(注) 上記販売額には、㈱良品計画および同社の子会社への売上高を記載しております。
次期連結会計年度の見通し
わが国の今後の経済見通しは、[内外環境]にも記載したとおり様々なリスク要因が前期より続いており、特に緊迫した中東情勢による原油高が、先行きに対する一層の不透明感を引き起こしています。
こうした状況下、当社グループは創業80周年となる2026年を初年度とする中期経営計画『SANYEI NEXT 2028』を策定し、外部環境に左右されにくい、持続的かつ着実な成長戦略を進めて参ります。恒常的に事業ポートフォリオの見直しを行うとともに、事業ドメインである「生活用品」を商品軸からだけでなく、サービス、販売チャネル、個々のマーケットといった視点から見直し、高付加価値化と差別化を図ります。
その結果、次期連結業績としては売上高365億円(前期比0.5%増加)、営業利益10億円(前期比26百万円減少)、経常利益10億円(前期比156百万円減少)、親会社株主に帰属する当期純利益7億円(前期比131百万円増加)となる見込です。前期までに関係会社の整理が一段落したことから、親会社株主に帰属する当期純利益においては前期比増益となる見込です。
なお、通期の業績見通しの前提となる為替レートは1米ドル158.00円としております。
(業績予想に関する留意事項)
本資料における業績予想および将来の予測等に関する記述は、当連結会計年度末現在で入手した情報に基づき判断した予想であり、潜在的なリスクや不確実性が含まれております。
従いまして、実際の業績は様々な要因により、これらの業績予想とは異なることがありますことをご承知おきください。
(2)財政状態
①流動資産
ブランド販売子会社の事業譲渡・清算決議などにより「商品及び製品」が8億3千2百万円減少した結果、当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末と比べて8億3千6百万円減少の163億6千8百万円となりました。
②固定資産
新規連結子会社取得により発生した「のれん」が5億4千5百万円増加、保有株式の時価評価上昇により「投資有価証券」が12億9千7百万円増加となり、当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末と比べて17億7千6百万円増加の82億7千9百万円となりました。
③流動負債
当連結会計年度末の流動負債は前連結会計年度末と比べて13億8千7百万円減少の67億2千万円となりました。これは主に「短期借入金」の減少(返済および固定負債での再調達)によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末の固定負債は前連結会計年度末と比べて10億1千5百万円増加の31億8千5百万円となりました。これは主に、金利上昇局面での金利固定化を主目的とした私募債の発行により「社債」が7億円増加したことや投資有価証券時価評価に係る繰延税金負債の増加によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末と比べて13億1千1百万円増加の147億4千1百万円となりました。これは主に、「利益剰余金」「その他有価証券評価差額金」がそれぞれ2億2千2百万円、9億3千1百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は59.6%、1株当たり純資産は1,545円11銭となりました。

(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて3億7千1百万円増加の80億9千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、8億8千6百万円(前期は37億7千5百万円のキャッシュイン)となりました。これは主に、棚卸資産の減少(13億6千8百万円)および法人税等の支払(10億9千3百万円)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、2億6千7百万円(前期は8千2百万円のキャッシュアウト)となりました。これは主に、子会社株式の取得による支出(7億4百万円)および投資有価証券の売却収入(11億1千6百万円)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、8億5千3百万円(前期は6億8千9百万円のキャッシュアウト)となりました。これは主に、配当金の支払(3億4千6百万円)、短期借入金の減少(11億3千万円)および社債の発行(7億円)によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
自己資本比率(%)48.151.353.756.459.6
時価ベースの自己資本比率(%)18.719.729.738.031.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)△8.05.08.51.14.2
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)△19.026.217.8155.516.9

(注)1 各項目における算出式は、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債(リース債務を除く)を
対象としております。
6 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資金需要
当社グループの主要な資金需要は、棚卸資産の購入のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の費用ならびに当社グループの設備の新設および改修等に係る投資となります。また、今後、当社グループの新たな収益源となり、企業価値向上に資するとの判断から、M&Aを含む新規事業への投資も資金需要の対象となります。
財務政策
資金需要の財源といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、主要取引銀行から供与された円資金借入枠に基づく借入金となります。なお、当社および国内関係会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、これにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理することで、資金効率の向上に努めています。また、「流動性の確保」「金利上昇リスクのヘッジ」等を目的に社債の発行および長期借入金の実行もしております。
一方、当社では、為替相場変動リスクのヘッジ方法の一環として、国内OEM取引先との間で商品代金等の決済を米ドル建てで行う契約を締結しています。このため、短期のつなぎ資金として米ドル資金が必要となりますが、その調達源として、当社では、主要取引銀行との間で中長期多通貨コミットメントラインを締結しております。これにより、今後、本邦において米ドル資金調達リスクが想定外に顕在化した場合でも、米ドル資金の流動性を確保することができます。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失として過去の貸倒実績率により、貸倒引当金を見積り計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる可能性があります。
また、当社においては子会社への貸付金等債権があり、子会社の支払能力について毎期検討をしております。支払能力が低いと判断した場合には追加引当が必要な可能性があります。
②投資の減損
当社グループは、特定の顧客および金融機関に対する株式を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、一定の基準に基づいて投資の減損処理をしております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合は、評価損の計上が必要になる可能性があります。
また、当社においても子会社への投資について、1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産が取得価額の50%以下となる場合は減損処理の要否を検討し回収不能と判定した場合は評価損の計上が必要になる可能性があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上する場合に将来の課税所得を合理的な予想に基づき回収可能性を検討しておりますが、繰延税金資産の一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の一部を費用として計上する可能性があります。
④固定資産の減損損失について
当社グループは、経営環境の変化や収益性の低下等により、事業等に供する土地、建物や小売店内装等の投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損損失の追加計上が必要になる可能性があります。
当該見積りのうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
⑤棚卸資産の評価について
当社グループが取り扱う商品は特性上、陳腐化などは発生しにくいものと見込んでいるものの、顧客需要の減少などによる過剰在庫の発生に備え、一定のルールで過剰割合を算出し、一定の割合で簿価切り下げを行っておりますが、見込みを超える経済環境の変化等が発生した場合は、評価損の追加計上が必要になる可能性があります。
当該見積りのうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

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