有価証券報告書-第61期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 10:10
【資料】
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【項目】
140項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サンリオの経営の基本方針
人間にとり最高の幸せの一つは「心から話し合える仲間をもつこと」です。仲間とは、親子、兄弟、夫婦、友人、恋人といった身近な存在から、学校や会社の同僚、そして世界中の人々にまで広がっております。それらの人々と仲良くしていくために大切なのは、相手を、信じ、尊敬し、愛する、そうした気持ちをまず自分から表現することだと思います。これがサンリオを支える基本理念「ソーシャル・コミュニケーション」です。
サンリオは、これまで子供たちを始めとする世界中の全ての人々に“仲良し”の輪を広めようと考え「スモールギフト、ビッグスマイル」を合言葉にソーシャル・コミュニケーション事業を推進してきております。それは、思いやりの心を伝えるキャラクターの創出、それを活かしたギフト商品の企画・開発、及びコミュニケーション創造の場としてのテーマパークから成り立っております。とくに、テーマパークは、サンリオにとって、一番大切な当社の企業理念の具現化の場であり、キャラクターの世界観作りの場として、そして、商品・キャラクターの開発力の源泉としての経営の根幹を成しております。
これからもサンリオは、夢を感じる商品、友情を育てる空間、愛情溢れる人材を大切にし、誰にでも安心して喜んでいただく、豊かなコミュニケーションの世界を創り続けて行きます。
人々をつないで仲間をつくるため、子供から大人まで楽しめ人々の心を豊かにする商品・サービスを企画し、安全で高品質そして環境に優しいものを適切な価格でお客様に提供するように、徹底した管理体制を整備すること、これらを持続させることを通してサンリオは社会に貢献したいと考えます。
世界中の人々の人権を尊重して、反社会的な力に屈することなく、平和を愛しみんな仲良く幸せになれるような社会づくりに向け、お客様はじめステークホルダーの皆様と一緒になり役職員一同全力を尽くして努めてまいります。それが、世界中の誰もが認める「オンリーワン」の存在へとサンリオを導く道と信じます。
(2)中期的な経営戦略
当社は、この度、2024年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画『未来への創造と挑戦 ”One Day? No. Day One!”』を策定いたしました。
<本中期経営計画概要>1. 実施期間:
2022年3月期から2024年3月期(3ヶ年)
2. 基本方針:
(1) 1995年以来の営業赤字を真摯に受け止め、痛切な反省の下、「第二の創業」という覚悟で取り組む
(2) 本中期経営計画期間中を足場固めと反転の3年と位置付け、根本課題を解決した上で、続く次期中期経営計画を再成長の3年とする
(3) 一人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていく総合エンターテイメント企業に変革する
3. 前回中期経営計画との相違点
(1) 前回中期経営計画は、方向性そのものは間違っていなかったが、抽象的で具体策に欠け、組織風土を変え切れなかった結果として未達
(2) 本中期経営計画は、「何を誰(パートナー)とどの規模で」という具体策と実行力に拘る
(3) 本中期経営計画では、組織風土を実行力のあるものに変革する
4. 本中期経営計画の柱:
組織風土改革、国内外の構造改革の完遂、再成長の種まきを三本柱とする
(1) 組織風土改革
① 社長中心の新・経営チームに刷新
② KGI・KPI体系を整備し、評価に紐付けた上で、責任の所在を明確化
③ 本中期経営計画を進捗管理し、即応する新会議体の設置
④ IP創出・育成・マネタイズ機能強化と機能重複の排除を目的に組織再編
⑤ 組織の壁を壊し、サイロ化の排除に取り組む
⑥ 硬直的だった人材の流動性を高め、成長領域に割り当てる
⑦ これまでの非合理な組織運営で低下した士気を高める為、経営と社員とのコミュニケーションを活性化し、人事制度を刷新
⑧ 人材の流動性を高める職位制度、成果を反映できる新評価制度並びに成果・役割・責任に報いる報酬制度を導入
(2) 国内外の構造改革の完遂
① 赤字が許容されてきた国内物販を利益重視に転換
② これまで業務量増・ロット減・原価高止まりを招いてきた商品SKUを聖域なく削減
③ 本中計期間中に10以上の施策を実行し、国内物販で合計17億円の改善を見込む
④ 外部人材も積極登用し、実行体制を整備
⑤ 米国に於いては、本中期経営計画中に11億円の赤字解消を目指す
⑥ 米国に於ける物販事業の販管費の抜本的削減
⑦ 米国のライセンス事業拡大に向けた外部パートナーとの提携検討
⑧ 欧米のバックオフィス統合による販管費の抜本的削減も並行検討
(3) 再成長の種まき
① 旧態依然のライセンスビジネスに留まっていた中国・東南アジアでは、組織・人事両面を刷新
② 成長と機会が明確な中国では、早期の機会取り込みを目指し、外部パートナーと積極連携
③ 中国に於いては、デジタル領域のEC・ゲームを注力分野に定める
④ 注力するECでは、豊富な実績を持つBaozun Inc.と連携
⑤ EC・ゲーム以外にも、教育ライセンス・キッズパーク・企業ブランディング支援の三分野で新たにパートナー企業を選定中
⑥ 中国事業では、既存事業の成長に加え、新しい成長領域で利益を大きく創出
⑦ 東南アジアに於いては、Avex Asia Pte. Ltd.の現地チャネル・リレーションを活用し、現地の文化に根差したビジネスを展開
⑧ デジタルプラットフォーム上での露出を増やし、グローバルに顧客接点を拡大
5. 目標指数:
(1) 本中期経営計画最終年度に、営業利益30億円までの反転を目指す
(2) 次期中期経営計画では、トップライン成長によって更に利益を積み増す
(3) 本中期経営計画では、EPS成長率30%以上を目安とし、V字回復後は、株主総利回り(TSR)を展望
(4) 構造改革投資として、20億円規模を見込むほか、IP育成に向けて、グローバルで数十億円~100億円規模をパートナーと共同投資
(5) ESG目標
① Environment(環境):CO2削減を視野に入れた調達先の見直し検討
② Social(社会):教育サービスの立ち上げ、女性管理職比率の目標設定
③ Governance(ガバナンス):取締役会に於ける社外取締役比率の適正化、取締役インセンティブプランの導入、指名・報酬諮問委員会の設置
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い各国政府・自治体からの自粛要請や規制により店舗等の営業時間の短縮や休業等を余儀なくされるなど厳しい状態が生じました。その後、各国政府・自治体による自粛要請や規制の緩和により店舗等の営業は順次再開しておりますが、各国での新型コロナウイルス感染症の再拡大及び国内での緊急事態宣言の再発令に伴い、国内外での消費低迷やライセンス需要の減少等が想定されます。このような環境下において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
①長期成長可能な事業の確立
当社グループは、スモールギフトビッグスマイルを標語としたギフト商品の企画・製造・販売を行い利益を上げていくことが事業の柱であります。また、『ハローキティ』をはじめとしたキャラクターをブランドとして育て、他社にライセンスすることで事業を拡大してまいりました。その主たる収益要因は商品化権ビジネス、いわゆるプロダクトライセンスでした。キャラクターは『ハローキティ』が中心でした。2015年3月期以降、7期連続で営業減益となったのは、欧州、米州での、プロダクトライセンス中心、『ハローキティ』中心のビジネスに偏ったことが大きな要因と考えています。一方で、中国を中心としたアジア地域については、収益の源泉として、商品化権ビジネス(プロダクトライセンス)以外に広告化権ビジネス(企業向けプロモーションライセンス、カフェ、カラオケ店舗や航空機などのスペースデザインライセンス)とフランチャイズ化権ビジネス(店舗ライセンス)、興行権ビジネス(遊園地、水族館、劇場、テーマパークなどのエンターテイメントライセンス)が並立しており、キャラクターも『ハローキティ』をはじめとする主要キャラクターや、毎年送り出される新キャラクターが、競合・補完し合っています。また、マーケットを熟知した優秀な現地マネジメントが常に市場の変化に合わせた経営を行っていることにもよります。したがって、中東、ロシア、インド、アセアン諸国、アフリカ、中南米などのこれから開拓すべき市場と欧米市場の再成長は、『ハローキティ』の再活性化とともに、サンリオのキャラクターライセンスビジネスを理解し、市場の変化にチャレンジできる現地マネジメント組織の確立によって、長期成長が確実になるものと確信しております。
②ダイバーシティ・マネジメントの活用
当社グループは130の国と地域にキャラクタービジネスを展開しており、今後もますます地域を広げていこうとしております。また、キャラクタービジネスはお子様からお年寄りまで年齢に関係なくマーケットが広がっております。このような状況では、ダイバーシティの考えに根差した商品開発と企業との密接な協業が必須となる一方で、各地域、文化、思想で分断された戦略ではグローバルな人材と商品の流れ、流行への迅速な対応が困難です。そこで、グローバルに一体化した情報管理システムとダイバーシティ・マネジメントによるグローバルなマーケティング体制と連結グループ経営の確立が必須と認識しております。
③キャラクターポートフォリオの構築
キャラクターの開発、育成は、当社の根幹の課題であると認識しています。長期成長には『ハローキティ』を中心とし、二番手キャラクターとしての『マイメロディ』『リトルツインスターズ』『シナモロール』『ポムポムプリン』『クロミ』などの強化、そして、それに続く誰からも愛されるような新キャラクターの不断の開発が重要である一方で、SNSやネット配信などを含むメディア、ゲームなどを通じて『アグレッシブ烈子』『ミュークルドリーミー』のようなキャラクター開発や、従来とは異なる市場に向けたキャラクターの開発、そして『ミスターメン リトルミス』などによるキャラクターミックスの適正な構築が必須であると確信しております。
④新型コロナウイルス感染症拡大等の危機への対応策の構築
当社グループにおいては、社内外の感染被害抑止と従業員の健康と安全を確保するため、リモートワークの実施、テーマパークの臨時休園、店舗営業の自粛等の緊急の対策を講じてまいりました。今後、世界的な感染症の拡大、気候の変動、紛争の勃発等の予想を超えた事象の発生に備え、在宅勤務時の事業効率化を図るハードウェアやソフトウェアの拡充、それに伴うペーパーレス化の推進、また、商品の製造委託先の所在国の分散などサプライチェーンの見直しによる商品供給リスクの低減を行い、長期にわたり安定した事業運営を継続していくための環境の構築が重要であると認識しております。

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