有価証券報告書-第62期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サンリオの経営の基本方針
当社はホームページにおいて、企業理念を下記のとおり公表しております。

(2)中期的な経営戦略
当社は、2024年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画『未来への創造と挑戦』を2021年5月25日に発表しました。詳細につきましては、「(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①中期経営計画の取り組み
<実施期間>2022年3月期から2024年3月期までの3ヶ年
<不変の企業理念>「みんななかよく」
<ビジョン>「One World, Connecting Smiles.」
一人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていく。
<経営目標>62期については、新型コロナウイルス感染拡大の経済停滞からの反動、加えて中計施策として取り組んできたコスト構造改革の一部が奏功し、想定以上の営業利益で着地することができました。しかしながら、不安定な世界情勢、局地的な新型コロナウイルス感染拡大等、先行きが不透明なこともまた事実です。どのような局面であっても「簡単に揺るがない“強固な事業基盤”」を作り、いわゆるレジリエンス(適応能力)を重視した土台作りを奢ることなく作り上げ、未来を見据えて「さらなる成長につながる“投資・施策”」を今後も着実に進めていく所存です。

<戦略の三本柱>
ⅰ.組織風土改革
経営チームのガバナンスの課題、個別最適や組織のサイロ化、“頑張っても報われない”組織風土等の課題に対し積極的に対策を講じ、実行力ある組織への変革を進めてまいります。
ⅱ.構造改革の完遂
a.物販事業
聖域化していた国内物販について、利益重視/収益改善を最優先に複数の施策を推進しております。これまで業務量増、ロット減/原価高止まりを招いてきたSKUについても聖域なく見直しを行い、EC事業強化等、トップライン押し上げに寄与する投資・施策も順調に進行しています。中計最終年度の64期末までに17億円(*1)の利益改善を掲げており、62期末時点で約10.7億円の改善額になっています。
※1:対61期比
※2:Direct to Consumer部門における割合
※3:Digital Asset Management、Product Information Management System
b.海外事業
大きなポテンシャルのある海外事業については、複数の施策を講じ抜本的な改革を進めております。特に米国物販事業の見直し、外部パートナーとの連携推進、中国におけるライセンス事業強化等は順調に進捗しています。11億円の赤字解消を掲げている米国事業については、62期末の時点で約6.6億円改善しております。今後もOne Global、永続的な価値創造サイクルの早期実現を目指してまいります。
※1:貢献利益(実質的価値創造額)=営業損益+本社へのロイヤリティ支払い額
ⅲ.再成長の種まき
次期中計での大きな収益の柱づくりを見据え、新規IP仕組み作りや教育領域における新規事業等、IPビジネスへの還流/再活性化に資する取り組みを進めております。また、サステナビリティ経営として相応しいESG経営やSDGsの施策取り組みも全社横断・経営直下の重要プロジェクトとして推進してまいります。
※1:等級ベースで計算
※2:対61期比
②長期成長可能な事業の確立
当社グループは、「One World, Connecting Smiles.」というビジョンを掲げ、1人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていくことによって「みんななかよく」という企業理念の達成を目指しています。世界中の人に寄り添い、すべての人々を笑顔にできるグローバルエンターテイメント企業として、さらに変革を起こしていきます。
当社グループはこれまで、『ハローキティ』をはじめとしたキャラクターをブランドとして育て、他社にライセンスすること、また、ギフト商品の企画・製造・販売を行うことで利益を獲得し事業を拡大してまいりました。その主たる収益要因は商品化権ビジネス、いわゆるプロダクトライセンスでした。キャラクターは『ハローキティ』が中心でした。2015年3月期から前連結会計年度の2021年3月期まで7期連続で営業減益となったのは、欧州、米州での、プロダクトライセンス中心、『ハローキティ』中心のビジネスに偏ったことが大きな要因であったと考えています。一方で、中国を中心としたアジア地域については、収益の源泉として、商品化権ビジネス(プロダクトライセンス)以外に広告化権ビジネス(企業向けプロモーションライセンス、カフェ、カラオケ店舗や航空機などのスペースデザインライセンス)とフランチャイズ化権ビジネス(店舗ライセンス)、興行権ビジネス(遊園地、水族館、劇場、テーマパークなどのエンターテイメントライセンス)が並立しており、キャラクターも『ハローキティ』をはじめとする主要キャラクターや、毎年送り出される新キャラクターが、競合・補完し合っています。また、マーケットを熟知した優秀な現地マネジメントが常に市場の変化に合わせた経営を行っています。このようなことから、当社が今後長期成長を図る上では、グローバルな視点でのマネジメント体制の構築と、サンリオのキャラクターライセンスビジネスを理解し、市場の変化にチャレンジできる組織体制の確立が不可欠と考えています。中国を中心としたアジア地域のさらなる事業拡大と、『ハローキティ』の再活性化とともに、現地マネジメントを強化し、欧米市場の再成長、そして中東、東欧、インド、アセアン諸国、アフリカ、中南米などの新規市場の開拓を実行していくことが、当社の長期成長を確実にするものと確信しております。
③ダイバーシティ・マネジメントの活用
当社グループは130の国と地域にキャラクタービジネスを展開しており、今後もますます地域を広げていこうとしております。また、キャラクタービジネスはお子様からお年寄りまで年齢に関係なくマーケットが広がっております。このような状況では、ダイバーシティの考えに根差した商品開発と企業との密接な協業が必須となる一方で、各地域、文化、思想で分断された戦略ではグローバルな人材と商品の流れ、流行への迅速な対応が困難です。そこで、グローバルに一体化した情報管理システムとダイバーシティ・マネジメントによるグローバルなマーケティング体制と連結グループ経営の確立が必須と認識しております。
④キャラクターポートフォリオの構築
キャラクターの開発、育成は、当社の根幹の課題であると認識しております。長期成長には『ハローキティ』を中心とし、二番手キャラクターとしての『マイメロディ』『リトルツインスターズ』『シナモロール』『ポムポムプリン』『クロミ』などの強化、そして、それに続く誰からも愛されるような新キャラクターの不断の開発が重要である一方で、SNSやネット配信などを含むメディア、ゲームなどを通じて『アグレッシブ烈子』『ぐでたま』のようなキャラクター開発や、従来とは異なる市場に向けたキャラクターの開発、そして『ミスターメン リトルミス』などによるキャラクターミックスの適正な構築が必須であると確信しております。
⑤新型コロナウイルス感染症拡大等の危機への対応策の構築
当社グループにおいては、社内外の感染被害抑止と従業員の健康と安全を確保するため、リモートワークの実施、テーマパークの臨時休園、店舗営業の自粛等の緊急の対策を講じてまいりました。今後、世界的な感染症の拡大、気候の変動、紛争の勃発等の予想を超えた事象の発生に備え、在宅勤務時の事業効率化を図るハードウェアやソフトウェアの拡充、それに伴うペーパーレス化の推進、また、商品の製造委託先の所在国の分散などサプライチェーンの見直しによる商品供給リスクの低減を行い、長期にわたり安定した事業運営を継続していくための環境の構築が重要であると認識しております。
(1)サンリオの経営の基本方針
当社はホームページにおいて、企業理念を下記のとおり公表しております。

(2)中期的な経営戦略
当社は、2024年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画『未来への創造と挑戦』を2021年5月25日に発表しました。詳細につきましては、「(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①中期経営計画の取り組み
<実施期間>2022年3月期から2024年3月期までの3ヶ年
<不変の企業理念>「みんななかよく」
<ビジョン>「One World, Connecting Smiles.」
一人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていく。
<経営目標>62期については、新型コロナウイルス感染拡大の経済停滞からの反動、加えて中計施策として取り組んできたコスト構造改革の一部が奏功し、想定以上の営業利益で着地することができました。しかしながら、不安定な世界情勢、局地的な新型コロナウイルス感染拡大等、先行きが不透明なこともまた事実です。どのような局面であっても「簡単に揺るがない“強固な事業基盤”」を作り、いわゆるレジリエンス(適応能力)を重視した土台作りを奢ることなく作り上げ、未来を見据えて「さらなる成長につながる“投資・施策”」を今後も着実に進めていく所存です。

<戦略の三本柱>

ⅰ.組織風土改革
経営チームのガバナンスの課題、個別最適や組織のサイロ化、“頑張っても報われない”組織風土等の課題に対し積極的に対策を講じ、実行力ある組織への変革を進めてまいります。
| テーマ | 中計で掲げた施策/目標 | 進捗(62期) | |||||
| “形・行動” の改革 | 経営の若返り -取締役級65歳→40~50代、-執行役員級54歳→30~40代、組織横断PJT、成長分野への人材集約/再編 KGI/KPI整備、PDCA マネジメントサイクル徹底、会議体改革、新会議組成 | ●“第二の創業”に資するマネジメント体制構築
●部門の機能重複を解消し、責任と権限を明確化するための部門再編を完了(4月) ●KGI/KPIに基づくマネジメント層の評価体系の導入を完了 | |||||
| “人事”の改革 | 育成(研修制度の高度化等) 評価制度(360度評価導入等) 配置制度(ジョブローテ等) 給与体系(KPI/成果連動等) 外部人材登用(数十人規模) | ●等級/評価/報酬の全制度を見直し (変革済) -等級制度にデザイナー専用コース (新設) -加点形式の挑戦目標、プロセス評価 (新設) -賞与額の算出を成果連動型に (変更済) -適正な運用に向けた説明会/研修 (実施済) -上期目標の評価から多面評価 (導入済) | |||||
| “意識・文化” の改革 | 社長対話・社長月報 社員コンディション見える化 (コンディション調査実施) | ●「全社員⇔社長」の直接対話の場を設置 (全社員のうち、3月末時点で約6割が完了済) ●新VMVの全社浸透プログラムの加速 (認知→理解→実践を促す社員表彰、等計画・実践) ●結果、最新の社員コンディションは大幅良化 「全社戦略や目標の明確さ」 (2.8→3.7point) 「挑戦が称賛される風土」 (2.6→3.1point) |
ⅱ.構造改革の完遂
a.物販事業
聖域化していた国内物販について、利益重視/収益改善を最優先に複数の施策を推進しております。これまで業務量増、ロット減/原価高止まりを招いてきたSKUについても聖域なく見直しを行い、EC事業強化等、トップライン押し上げに寄与する投資・施策も順調に進行しています。中計最終年度の64期末までに17億円(*1)の利益改善を掲げており、62期末時点で約10.7億円の改善額になっています。
| テーマ | 中計で掲げた施策/目標 | 進捗(62期) |
| SKU マネジメント | MD起点の企画・販売機能強化 (本部主導振分け、店間移動等) | ●MD機能強化に向けたシステム投資実行 ※22年9月より新システム稼働予定 -全店・倉庫在庫の単品管理の実現 -定番自動発注の機能実装 |
| 商品投入頻度・投入量の適正化 (開発サイクル見直し、等) | ||
| 総SKU数管理の徹底 (64期までにSKU数60%減) | ●61期開発SKU数4,700から削減 ⇒62期 3,350SKU(達成) ⇒63期 2,700SKU(計画確定) | |
| 開発・調達 マネジネント | 商品仕様の標準化 | |
| 相見積もり徹底 | ●Global 対応商品拡大(下期より) ⇒62期 1,650SKU(実績) ⇒63期 2,000SKU(目標) | |
| 中国ECとの共同供給 (グローバル共通商品) | ||
| EC | EC事業強化(デジマ含) (64期EC比率30%以上・売上30億円以上) | ●62期実績:EC売上25億円 EC売上比率 約21%(※2)、対前年売上約129% ●63期主要施策: EC新システム稼働予定(22年下期始動) ECを支える総合コンタクトセンター設立 パーソナライズ商品、クラウドファンディング商品の新開発・投入 |
| 販売機能 マネジメント | Markdownの仕組み構築 | |
| アウトレット強化 (EC・実OL店舗・GG) | ●62期実績: 退店10店、新規出店6店、条件変更2店 ●63期主要施策: 退店8店、新規出店3店 | |
| 赤字店舗撤退 | ||
| 人材 マネジメント | 要員調整 (退職者未補充、配置転換等) | ●62期実績:61期比28人削減(9%減) ●63期主要施策: BPRプロジェクトの範囲拡大 DAM/PIM(※3)、電子カタログ導入 |
| 帳票最適化・BPR |
※1:対61期比
※2:Direct to Consumer部門における割合
※3:Digital Asset Management、Product Information Management System
b.海外事業
大きなポテンシャルのある海外事業については、複数の施策を講じ抜本的な改革を進めております。特に米国物販事業の見直し、外部パートナーとの連携推進、中国におけるライセンス事業強化等は順調に進捗しています。11億円の赤字解消を掲げている米国事業については、62期末の時点で約6.6億円改善しております。今後もOne Global、永続的な価値創造サイクルの早期実現を目指してまいります。
| テーマ | 中計で掲げた施策/目標 | 進捗(62期) |
| 米国 | 米国事業全体 (64期までに11億円赤字解消) | ●62期実績:ライセンス事業・ECともに順調に伸長。 営業利益:▲4.4億円(対60期+6.9億円) <貢献利益※1:約4.4億円(対60期+9.3億円)>●63期計画:62期の物販構造改革の通年発現 ライセンス事業・ECの更なる成長を志向 営業利益:▲1.7億円(対60期+9.6億円) <貢献利益※1:7.7億円(対60期+12.5億円)> |
| ライセンス事業外部パートナーとの連携 | ●62期実績:自営ライセンス事業順調に回復。外部パートナー個別連携推進(Forever21等) ●63期計画:ライセンス・EC両事業シナジー追求、自営成長推進/外部パートナー個別連携推進、IP価値創造-ライセンス事業両輪ドライブ、欧州事業協業による欧米シナジー最大化 | |
| 欧州事業とのバックオフィス統合 | ||
| 現直営店撤退 (2億円利益改善) | ●62期実績:直営店舗撤退・卸事業の外部委託実行/物販事業構造改革による対60期利益改善額:+約2.3億円 *調整金額後 EC売上:約7.2億円(対61期163%) ●63期計画:EC・SNS連携・定番SKU強化・ライセンシー連携 EC売上:8.7億円(対62期114%) | |
| Wholesale事業外部委託 (3億円利益改善) | ||
| EC効率化 (3億円利益改善) | ||
| 東南アジア | 東南アジア事業梃入れ (SSEA設立・事業推進強化) | ●62期実績/●63期計画:SWHKから事業移管は完了、事業順調立上げ、Avex連携/売上8.6億円・貢献利益3.2億円 |
| 共通 | グローバルでのIP育成 (映画、映像、マーケ投資) | ●62期実績:映画案件の進捗 ●63期計画:映画+グローバルプラットフォーマー連携 |
| 中国 | マスターライセンシー検討 (63期から効果発現) | ●62期実績:KTLと2022年単年MLA契約締結 ●63期計画:2023年以降MLAは2022年6月中旬の締結 MGは過去を上回る/強力なマーケ投資 IP価値創造-ライセンス事業両輪ドライブ |
| EC事業の拡大 (62期にパートナー選定) | ●62期実績:提携パートナーBaozunを選定・運用開始 ●63期計画:SNS連携/定番SKU強化/ライセンシー連携 売上目標:5.5億円(61期比268%) | |
| デジタル人材採用・強化 | ●62期実績/●63期計画:2名着任。事業開拓推進中(年10~件 ペース) | |
| 教育・キッズパーク・企業ブランディング/コラボ・新規ゲーム (62期にパートナー選定) | ●62期実績/●63期計画:教育・キッズパークは、政府方針・環境 変化により、現時点では事業機会ほぼ消失 | |
| サンリオ上海とSBDS統合 | ●62期実績/●63期計画:資産譲渡によりSBDSをサンリオ上海へ統合、物販事業とライセンス事業のシナジー創出 |
※1:貢献利益(実質的価値創造額)=営業損益+本社へのロイヤリティ支払い額
ⅲ.再成長の種まき
次期中計での大きな収益の柱づくりを見据え、新規IP仕組み作りや教育領域における新規事業等、IPビジネスへの還流/再活性化に資する取り組みを進めております。また、サステナビリティ経営として相応しいESG経営やSDGsの施策取り組みも全社横断・経営直下の重要プロジェクトとして推進してまいります。
| テーマ | 中計で掲げた施策/目標 | 進捗(62期) | ||
| 再成長の種まき | 新規IP創造・育成の仕組みづくり | ●社長直下に全社横断での新キャラクター創出を担う“IP創造部”を組成 ●IP別の事業計画・中期育成プランを立案するプロデューサ職の導入 ●グローバルでの露出拡大に向けたコンテンツ投資及び監修体制の構築 | ||
| 教育事業での成長機会取り込み (63期目処に事業立上げ、単体での収益化) | ●社長直下に教育ビジネスを専門で行う“エデュテイメント事業室”を組成 ●教育オーソリティ/協業パートナーとサンリオ英語通信教材の開発スタート ●やる気スイッチグループへの資本参加 | |||
| ESG経営/ SDGs | 教育 (教育サービス立上げ) ジェンダー (64期末に女性管理職比率43%に) 生産・消費 (CO2削減に資する廃棄量80%減(※2)、および輸送方法の見直し) パートナーシップ (国内外の企業/団体を繋ぎSDGs支援) | ●62期末女性管理職比率:25%(※1)、当社物販事業における62期廃棄額85%減(※2)(いずれも計画達成)
|
※1:等級ベースで計算
※2:対61期比
②長期成長可能な事業の確立
当社グループは、「One World, Connecting Smiles.」というビジョンを掲げ、1人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていくことによって「みんななかよく」という企業理念の達成を目指しています。世界中の人に寄り添い、すべての人々を笑顔にできるグローバルエンターテイメント企業として、さらに変革を起こしていきます。
当社グループはこれまで、『ハローキティ』をはじめとしたキャラクターをブランドとして育て、他社にライセンスすること、また、ギフト商品の企画・製造・販売を行うことで利益を獲得し事業を拡大してまいりました。その主たる収益要因は商品化権ビジネス、いわゆるプロダクトライセンスでした。キャラクターは『ハローキティ』が中心でした。2015年3月期から前連結会計年度の2021年3月期まで7期連続で営業減益となったのは、欧州、米州での、プロダクトライセンス中心、『ハローキティ』中心のビジネスに偏ったことが大きな要因であったと考えています。一方で、中国を中心としたアジア地域については、収益の源泉として、商品化権ビジネス(プロダクトライセンス)以外に広告化権ビジネス(企業向けプロモーションライセンス、カフェ、カラオケ店舗や航空機などのスペースデザインライセンス)とフランチャイズ化権ビジネス(店舗ライセンス)、興行権ビジネス(遊園地、水族館、劇場、テーマパークなどのエンターテイメントライセンス)が並立しており、キャラクターも『ハローキティ』をはじめとする主要キャラクターや、毎年送り出される新キャラクターが、競合・補完し合っています。また、マーケットを熟知した優秀な現地マネジメントが常に市場の変化に合わせた経営を行っています。このようなことから、当社が今後長期成長を図る上では、グローバルな視点でのマネジメント体制の構築と、サンリオのキャラクターライセンスビジネスを理解し、市場の変化にチャレンジできる組織体制の確立が不可欠と考えています。中国を中心としたアジア地域のさらなる事業拡大と、『ハローキティ』の再活性化とともに、現地マネジメントを強化し、欧米市場の再成長、そして中東、東欧、インド、アセアン諸国、アフリカ、中南米などの新規市場の開拓を実行していくことが、当社の長期成長を確実にするものと確信しております。
③ダイバーシティ・マネジメントの活用
当社グループは130の国と地域にキャラクタービジネスを展開しており、今後もますます地域を広げていこうとしております。また、キャラクタービジネスはお子様からお年寄りまで年齢に関係なくマーケットが広がっております。このような状況では、ダイバーシティの考えに根差した商品開発と企業との密接な協業が必須となる一方で、各地域、文化、思想で分断された戦略ではグローバルな人材と商品の流れ、流行への迅速な対応が困難です。そこで、グローバルに一体化した情報管理システムとダイバーシティ・マネジメントによるグローバルなマーケティング体制と連結グループ経営の確立が必須と認識しております。
④キャラクターポートフォリオの構築
キャラクターの開発、育成は、当社の根幹の課題であると認識しております。長期成長には『ハローキティ』を中心とし、二番手キャラクターとしての『マイメロディ』『リトルツインスターズ』『シナモロール』『ポムポムプリン』『クロミ』などの強化、そして、それに続く誰からも愛されるような新キャラクターの不断の開発が重要である一方で、SNSやネット配信などを含むメディア、ゲームなどを通じて『アグレッシブ烈子』『ぐでたま』のようなキャラクター開発や、従来とは異なる市場に向けたキャラクターの開発、そして『ミスターメン リトルミス』などによるキャラクターミックスの適正な構築が必須であると確信しております。
⑤新型コロナウイルス感染症拡大等の危機への対応策の構築
当社グループにおいては、社内外の感染被害抑止と従業員の健康と安全を確保するため、リモートワークの実施、テーマパークの臨時休園、店舗営業の自粛等の緊急の対策を講じてまいりました。今後、世界的な感染症の拡大、気候の変動、紛争の勃発等の予想を超えた事象の発生に備え、在宅勤務時の事業効率化を図るハードウェアやソフトウェアの拡充、それに伴うペーパーレス化の推進、また、商品の製造委託先の所在国の分散などサプライチェーンの見直しによる商品供給リスクの低減を行い、長期にわたり安定した事業運営を継続していくための環境の構築が重要であると認識しております。