四半期報告書-第72期第3四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

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2018/08/14 9:22
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32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善、世界経済の成長等を背景として緩やかに回復しているものの、米国を中心とした通商政策の動向による今後の世界経済への影響が不確実であり、国内景気の先行きも不透明であります。
食品流通業界におきましては、雇用環境及び所得環境は堅調に推移しているものの、日常の生活関連消費については節約志向が根強く、生活防衛意識の強さが続いています。一方で、消費者の生活スタイルの変化等による食生活や購買行動の多様化も見られ、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなり、さらに、人手不足や燃料価格の高騰などに伴う物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況下において当社グループは、グループミッションである『豊かな食生活を提供して人々の幸せを実現すること』を目指して、卸売業の役割である「つなぎ」と自販力を基盤とした営業機能を強化して店舗の売場創造提案を行うとともに、自社ブランド商品の開発・販売においても、価格だけに頼らない価値の提供に取り組みました。また、業務の効率化や生産性向上に取り組むことで、ローコストオペレーションを進めてまいりました。
海外事業においては、今後の当社グループの成長戦略の一つとして位置づけ、中国・シンガポール・ベトナム国内での食品卸売事業の展開と食品流通事業の構築を図っております。さらに、平成30年1月にはマレーシアに本社を置くLein Hing Holdings Sdn. Bhd.の株式を取得して連結子会社とし、日本を含めたアジア地域における事業展開の一層の強化を進めております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同四半期に比べて2.7%増加して7,446億28百万円となり、営業利益は76億37百万円(前年同四半期比9.5%増)、経常利益は87億77百万円(前年同四半期比7.5%増)となりました。そして、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期に比べて3.7%増加し、55億32百万円となりました。
セグメントの業績の概況は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
<常温流通事業>当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、日常の生活関連消費における節約志向の強さが続いている一方で、消費者の生活スタイルの変化等によって需要の多様化も見られ、小売業の業態を超えた競争が激しくなっています。さらに、人手不足等に伴う物流を中心としたコスト負担も大きく、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況下において、価格だけに頼らない価値の提供に取り組むために、仕入先と連携しながら得意先との関係強化を一層深めるとともに、自社ブランド商品の開発・販売においても価値訴求を進めました。また、業務の生産性向上に取り組むことで諸経費の抑制に努めました。
以上の結果、売上高は5,357億80百万円(前年同四半期比2.8%増)となりましたが、Lein Hing Holdings Sdn. Bhd.の株式取得に関連する費用等により、営業利益は57億47百万円(前年同四半期比1.7%減)となりました。
<低温流通事業>低温流通事業につきましては、企業収益の改善は見られるものの、小売業の業種・業態を超えた販売形態の多様化に加え、人件費や物流コストの上昇等により経営を取り巻く環境は依然として厳しい状況で推移いたしました。
このような状況下において、開発商品など積極的な提案を行うことで売上及び収益面の改善に取り組むとともに、生産性を高めるための業務改善により一層注力してまいりました。
以上の結果、売上高は749億65百万円(前年同四半期比3.7%増)となり、営業利益は1億73百万円(前年同四半期比12.4%増)となりました。
<酒類流通事業>酒類流通事業につきましては、消費者の低価格志向が続いている一方で、所得環境の改善を背景に価格と価値を伴った上級化・上質化商品やこだわり商品への需要移行が見られ、消費の二極化が一層鮮明になっております。また、成熟化した市場の中で、人口減少や少子高齢化に伴う飲酒人口の減少、若年層のアルコール離れによって酒類市場の縮小傾向が続いており、依然として厳しい経営環境で推移いたしました。そして、平成29年6月には酒税法等の一部改正法が施行されたことで酒類業界全体の収益改善が図られているものの、消費者の購買行動に変化が見られ、今後の消費動向及び企業間の競争環境は先行き不透明であります。
このような状況下において、主要取引先との取り組みや利益商材の拡売など自販力及び提案型営業の強化を図るとともに、商品毎の利益管理を徹底し、生産性向上やコスト削減によるローコストオペレーションにも取り組むことにより収益の改善を進めました。
以上の結果、売上高は1,395億10百万円(前年同四半期比1.2%増)となり、営業利益は9億40百万円(前年同四半期比391.5%増)となりました。
<その他>その他の事業につきましては、物流事業での取引増加により売上高は91億15百万円(前年同四半期比3.2%増)となりましたが、営業利益は7億62百万円(前年同四半期比0.4%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ112億96百万円増加し3,504億53百万円となりました。
流動資産は、主に現金及び預金が減少した一方、売上債権及びたな卸資産が増加したことから、62億74百万円増加し2,415億35百万円となりました。また固定資産は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により、50億21百万円増加し1,089億17百万円となりました。
流動負債は、主に仕入債務が増加したことから、24億36百万円増加し2,147億82百万円となり、固定負債は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により繰延税金負債が増加したことから、14億16百万円増加し147億65百万円となりました。
純資産は、74億42百万円増加し1,209億5百万円となり、その結果、自己資本比率は33.4%となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、記載すべき重要な事項はありません。
(6) 従業員数
当第3四半期連結累計期間において、Lein Hing Holdings Sdn.Bhd.の株式を取得し、同社及び同社子会社であるL H Marketing Sdn.Bhd.他3社を連結子会社としたことにより、従業員数が増加しております。
各セグメントにおける当第3四半期連結会計期間末現在の連結会社(当社及び連結子会社)の従業員数は、次のとおりであります。
平成30年6月30日現在
セグメントの名称従業員数(人)
常温流通事業2,277(309)
低温流通事業198(7)
酒類流通事業254(27)
報告セグメント計2,729(343)
その他503(82)
全社(共通)278(11)
合計3,510(436)

(注)1 従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む)であり、準社員及び嘱託社員を含めております。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(パートタイマー・アルバイト)の当第3四半期連結会計期間末における平均雇用人員であります。
3 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。