有価証券報告書-第62期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/21 13:14
【資料】
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【項目】
116項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府及び日銀による経済政策・金融政策によって企業収益や雇用環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、中国経済の減速や原油安に加え、年明け以降の市場の不安定な動き等もあり、今後の見通しに対して慎重な見方がでてきております。
ステンレス鋼業界におきましては、国内市場では需要が盛り上がらず、鋼板受注実績は、産業用機器用、船舶用は前年を上回ったものの建設用、自動車用、電気機器用等を中心に前年を下回りました。また、輸出においてもアジア向けを含めて前年を下回りました。この結果、平成27年(暦年)のステンレス鋼生産量(熱間圧延鋼材ベース)は、276万トンと前年実績の300万トンから8.0%の減少となりました。価格面につきましては、ニッケルをはじめとした原料価格が低下傾向となり、ステンレス鋼市況は軟調に推移しました。
このような状況のなか、当社企業集団の連結業績は、主力事業であるステンレス鋼その他金属材料の販売事業において、受注・販売量の確保に注力するとともに休眠顧客の掘起しや高付加価値商品の販売など積極的な営業展開を図った結果、売上高は前連結会計年度に比べ1.3%増加の41,675,356千円となりました。利益面では、原価の上昇を十分に販売価格に転嫁することができず売上総利益率が低下し、販売費及び一般管理費を削減したものの、営業利益は前連結会計年度に比べ2.8%減少の651,358千円、経常利益は前連結会計年度に比べ14.8%減少の586,935千円を計上しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、保有株式の評価損計上に加え、繰延税金資産について、税制改正に伴う税率を適用するとともに欠損金に係る部分について回収可能性を検討した結果、法人税等調整額186,883千円を計上したことにより前連結会計年度に比べ67.4%減少の223,411千円となりました。
ステンレス鋼その他金属材料の販売事業
ステンレス鋼の販売において、販売価格が前期に比べ0.5%低下したものの販売数量が4.2%増加したことなどにより、売上高は前連結会計年度に比べ3.4%増加の39,882,030千円となりました。営業利益は、加工品等の高付加価値商品の販売に注力する一方、人件費を中心に販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、前連結会計年度に比べ19.2%増加の482,721千円を計上しました。
ステンレス鋼その他金属加工製品の製造・販売事業
国内建築分野のステンレス加工品販売は引き続き好調に推移しましたが、中国における造管事業は主力の自動車関連向けが減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ9.8%減少の1,159,028千円、営業利益は前連結会計年度に比べ9.8%減少の164,497千円となりました。
機械装置の製造・販売及びエンジニアリング事業
当期は主要な物件の売上計上がなく、売上高は前連結会計年度に比べ51.7%減少の634,298千円、営業利益は販売費及び一般管理費を上回る売上総利益を確保することができず10,840千円の損失(前連結会計年度は72,406千円の利益)を計上しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により581,566千円の収入、投資活動により394,505千円の支出、財務活動により198,364千円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物は換算差額も含め37,126千円の減少となり、期末残高は前連結会計年度末に比べ1.8%減少し2,015,938千円となっております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上542,760千円、減価償却費の計上370,252千円などにより581,566千円の収入となりました。(前連結会計年度は902,805千円の収入)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得378,463千円などにより394,505千円の支出となりました。(前連結会計年度は170,498千円の支出)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより198,364千円の支出となりました。(前連結会計年度は687,764千円の支出)