有価証券報告書-第62期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/21 13:14
【資料】
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【項目】
116項目

対処すべき課題

ステンレス鋼その他金属材料の販売事業におきましては、コアビジネスである鋼板事業の収益改善が課題であり、積極的かつきめ細かな営業活動により販売数量の確保に努めるとともに、製品歩留り率の向上や生産性の向上に取り組んでまいります。また、チタンをステンレスと並ぶ当社の主力商品と位置付け積極的な需要開拓を図るとともに、加工品分野を中心に付加価値を高める提案営業をさらに充実させる所存です。また、中国をはじめとするアジア諸国など海外需要の捕捉に努める一方、販売費及び一般管理費などのコストを削減し収益率を向上させることが課題と認識しております。
ステンレス鋼その他金属加工製品の製造・販売事業につきましては、中国における造管事業で昨年より新たに開始した、より付加価値の高い加工品製造事業において、顧客ニーズに適合する製品を安定的に製造・供給できる体制を構築するとともに、新規需要家の開拓が課題と認識しております。また、一部の設備について増強・更新投資を予定しております。
機械装置の製造・販売及びエンジニアリング事業におきましては、食品・環境関連設備分野向けに加え、独自の技術により新規顧客の開拓に全力を尽くし、確固たる収益基盤を構築する所存です。
当社企業集団といたしましては、海外子会社を含めたグループ企業間の連携を一層強化して、効率的な販売活動に注力するとともに、コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底により、透明性を確保してまいります。
なお、当社企業集団は、今後の経営施策の実行にあたり、資本効率をはかる尺度としてROE並びにROAを参考としつつ、経常利益の絶対額を経営指標として採用し中長期的な目標を定めることを検討してまいります。また、キャッシュ・フローの充実にも注力していく所存であります。
会社の支配に関する基本方針について
当社は、会社の支配に関する基本方針を定め特定株主グループの株券等保有割合が20%以上を目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの株券等保有割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除く。以下、かかる買付行為を「大量買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大量買付者」という。)への対応策(以下、本対応策という。)を導入しております。
● 株式会社の支配に関する基本方針
(1) 基本方針の内容
当社は、株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大量買付けであっても、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社株式の大量買付提案に応じるかどうかの判断は最終的に株主の意思に基づいて行われるべきものと考えております。しかしながら、株式の大量買付提案の中には、企業価値及び株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社の企業価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものも少なくありません。当社としては、このような当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資さない大量買付けを行う者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、そのような買付提案に対して、当社取締役会は、株主から負託された者の責務として、株主のために必要かつ十分な情報の確保や株式の大量買付けを行う者との交渉などを行う必要があると考えています。
(2) 基本方針の実現に資する取り組み
ステンレス流通業は、日本の経済成長が鈍化していくなか、成熟期を迎えており、従来の問屋機能だけに依存したビジネスモデルでは、当社の企業価値を大幅に向上させていくことは困難になってきています。当社では企業価値を高めていくために、次のような施策に取り組んでおります。
①加工分野を強化することにより、高付加価値商品・サービスの提供を更に充実させるため、レーザー切断機やフライス加工機などの最新鋭の機械・設備を導入し、当社の内製加工力を強化していく一方、社外の加工専門会社を適宜活用し、協働化を図っております。
②海外での展開としては、拡大する中国市場において当社の子会社の業容を拡大し、中国に進出する日系企業向けを中心に販売・サービスを充実させております。また、より付加価値の高い加工分野への展開を図っていきます。中国以外でも今後成長が見込まれる地域における事業展開の可能性の研究を進め、当社の果たせる役割の拡大を図っていきます。
③同業他社との差別化を図るため、取引先への提案営業を実践し、ソリューション機能を強化します。そのため人事制度・社員教育を充実させ、優秀な人材の育成に努めます。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成20年6月26日開催の第54回定時株主総会において当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の導入を株主の皆様にご承認いただき、内容について所要の修正を行い、平成23年6月28日開催の第57回定時株主総会において株主の皆様に継続のご承認をいただきました。当社は、継続後における買収防衛策に関する動向を踏まえて、平成26年5月9日開催の取締役会において内容の一部を修正し再度継続することを決議し、平成26年6月20日開催の第60回定時株主総会において、株主の皆様にご承認をいただきました。本対応策の概要は以下のとおりです。
① 本対応策の内容
a.本対応策の概要
本対応策は、当社株券等の大量買付行為が行われる場合に、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間を確保するとともに、大量買付者との協議・交渉の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させることを目的としています。
b. 独立委員会の設置
本対応策においては、対抗措置の発動にあたって当社取締役会の恣意的な判断を排除し、その客観性及び合理性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置します。
② 本対応策の手続
a.本対応策の適用対象
本対応策は、以下の(a)又は(b)に該当する当社株券等の大量買付行為を行おうとする大量買付者に適用するものといたします(ただし、当社取締役会があらかじめ同意したものを除きます)。
(a) 当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け
(b) 当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
b. 大量買付者による買付意向表明書提出及び当社取締役会からの本必要情報の要求
大量買付者は、大量買付行為の開始に先立ち、大量買付行為の概要等を買付意向表明書にて当社取締役会に対して提出していただきます。当社取締役会は大量買付者より買付意向表明書を受領した日から10営業日以内に、大量買付者に対して大量買付行為にかかる買付内容を検討するのに必要な情報のリストを交付します。
c. 当社取締役会による評価期間
当社取締役会は大量買付者より本必要情報の提供が完了した後、大量買付行為の難易度に応じて、60日間又は90日間を当社取締役会による評価、意見、交渉、代替案の作成及び対抗措置発動の適否を判断するための期間として設定し、大量買付者は当該評価期間が終了するまで大量買付行為を開始しないこととします。
d. 対抗措置の概要
大量買付者が本対応策に規定された手続を遵守しない場合や、大量買付行為により当社の企業価値及び株主共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は、新株予約権の無償割当て、会社法その他の法令もしくは当社定款によって認められる対抗措置をとることがあります。
e. 株主総会における決議
当社取締役会は、独立委員会が買付内容等を考慮の上、対抗措置の発動につき株主総会の招集を勧告した場合には、速やかに株主総会を招集し、対抗措置発動に関する議案を当該株主総会に付議するものとし、対抗措置発動の決議がなされた場合には、株主総会の決議に従うものとします。大量買付者は株主総会の決議がなされるまでの間、買付を実行してはならないものとします。
③ 本対応策の有効期間、廃止及び変更
本対応策の有効期間は、平成29年6月開催予定の当社定時株主総会の終結時までとします。ただし、本対応策の継続後、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本対応策を廃止する旨の議案が承認された場合、または当社取締役会において本対応策を廃止する旨の決議がなされた場合には、本対応策はその時点で廃止されるものとします。
(4) 本対応策が基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由
本対応策は、以下の理由により、上記(1)の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
① 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本対応策は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」、また株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致するものです。
② 企業価値及び株主共同の利益の確保・向上させる目的をもって継続されていること
本対応策は、当社株券等に対する大量買付行為がなされた際に、株主が当該買付行為に応じるべきか否かを適切に判断するために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大量買付者との協議・交渉の機会を確保し、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるという目的をもって継続されるものです。
③ 株主の意思を重視するものであること
本対応策は、株主総会における株主からの承認をもって継続され、有効期間の満了前であっても、当社取締役会において廃止する旨の決議が行われた場合、その時点で廃止されるものとします。このため、本対応策の継続、廃止及び対抗措置発動の際に株主総会が開催される場合には、株主の意向が反映されるものとなっています。
④ デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本対応策は、いわゆるデッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策でもありません。
⑤ 独立性の高い社外者による判断の重視
本対応策は、対抗措置の発動にあたって当社取締役会の恣意的な判断を排除し、その客観性及び合理性を担保するために当社取締役会から独立した組織として独立委員会が設置されています。
⑥ 客観的発動要件の設定
本対応策は、予め定められた合理的な客観的要件が充足されなければ対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されています。