有価証券報告書-第40期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 13:18
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注記事項-後発事象、連結財務諸表(IFRS)

56.重要な後発事象
(1)スプリントのTモバイルとの合併完了について
当社がスプリント、Tモバイルおよびドイツテレコムを含む当事者との間で締結した事業統合合意に基づき、2020年4月1日、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)が完了しました。
本取引の完了に関して、カリフォルニア州の公益事業委員会(California public utility commission、以下「CPUC」)による最終的な承認の取得が本取引の完了の前提条件として事業統合合意に定められていましたが、事業統合合意の当事者間においてかかる前提条件が放棄されたことにより、本取引の完了に必要なすべての規制当局の承認に係る条件が、2020年4月1日までに充足されました。なお、2020年4月16日にCPUCは本取引を承認しています。
本取引の完了に伴い、2020年4月1日から、スプリントは当社の子会社ではなくなり、合併後の新会社であるT-Mobile US, Inc.(以下「新Tモバイル」)が、その株式の約24%(完全希薄化ベース)を当社が保有する持分法適用関連会社となりました。
a.合併の目的
当社は、本取引により想定される大きなシナジーによる統合会社の価値の増大が当社の保有資産価値向上に貢献し、結果として当社の株主にとっての株式価値の向上につながると考えています。
当社は、新Tモバイルが、米国の移動通信、動画、ブロードバンド市場における変革の原動力となり、コストの低減とともに規模の経済性を確保することにより、米国の消費者や企業に、より手ごろな価格、高い品質、比類の無い価値やさらなる競争をもたらすと考えています。
b.本取引の概要
本取引は、2件の連続し、かつ関連する合併を伴う株式を対価とする取引として実行されました。
(a)合併
0105010_009.png
2020年4月1日、Starburst I, Inc.とGalaxy Investment Holdings, Inc.は、それぞれ、Tモバイルが直接保有する米国子会社であるHuron Merger Sub LLC(以下「TモバイルMerger Co.」)との間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、総称して「第一合併」)を行いました。
第一合併の直後、TモバイルMerger Co.が直接保有する米国子会社であるSuperior Merger Sub Corp.(以下「TモバイルMerger Sub」)は、スプリントとの間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、第一合併と総称して「本合併取引」)を行いました。
本合併取引の結果として、以下の通りとなりました。
・スプリントは、新Tモバイルが間接的に保有する完全子会社となりました。
・スプリントの普通株式を購入する権利(スプリントの従業員株式購入プランに基づくものを除きます。)は、新Tモバイルの普通株式を購入する権利に転換されました。
(b)本取引実行後
0105010_010.png本取引における株式の交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約9.75株です。但し、当社は、本取引の実行後すみやかに、本取引により受領する新Tモバイルの普通株式353,357,606株のうち、48,751,557株を新Tモバイルに引き渡しました。これに伴い、本取引の完了および当該引き渡しが有効となった直後において、新Tモバイルの普通株式は、ドイツテレコムが約43%、当社が約24%、一般株主が約33%をそれぞれ保有することになり(各割合は完全希薄化ベースであり、間接保有分を含みます。)、この時点における実質交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.00株(当社および当社子会社保有スプリント株式についてはTモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.31株)となりました。しかしながら、本取引完了日の2年後の応当日から2025年12月31日の期間に、NASDAQ Global Select Marketにおける新Tモバイル普通株式の45日間の出来高加重平均価格が150米ドル以上となった場合、原則として、新Tモバイルは当社に対し無償で上記の引き渡し株式数と同数の普通株式(以下「条件付対価」)を再発行することとなっています(但し、事業統合合意に定められる一定の条件に服します。)。
新Tモバイルの取締役会は、14名の取締役からなり、内9名はドイツテレコムによる指名、3名は当社による指名となっていますが、2020年に開催される新Tモバイルの定時株主総会以降は、9名はドイツテレコムによる指名、4名は当社による指名となる予定です。
一定の除外事由の適用を受ける場合を除き、①当社および子会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、ドイツテレコムに対して、議決権行使に係る指図権(当社が直接または間接的に保有する新Tモバイルの議決権について、ドイツテレコムが当社にその行使内容/方法を指図する権利)が付与されているほか、一定の譲渡制限およびドイツテレコムのための先買権が付されており、②ドイツテレコムおよびその支配する関係会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、当社のための先買権および一定の譲渡制限が付されています。さらに、当社およびドイツテレコム(それぞれの一定の関係会社を含みます。)は、それぞれ、新Tモバイル株式の保有割合が合意された一定の基準を下回るまで、一定の競業制限に服します。
なお、本取引完了後、(i)特定の事項に起因する金銭的損失、および(ii)特定の状況下でのスプリントおよびその子会社の周波数への新Tモバイルおよびその子会社のアクセス停止に起因する損失について、原則として当社は新Tモバイルおよびその子会社に対し補償を行う可能性があります。
c.新Tモバイルの概要
(a)社名T-Mobile US, Inc.
(b)所在地米国ワシントン州ベルビュー(本店所在地)
米国カンザス州オーバーランドパーク(従たる本店所在地)
(c)代表者の役職・氏名Chief Executive Officer
Mike Sievert
(d)事業内容通信事業
(e)大株主および持株比率
(完全希薄化ベース(注))
ドイツテレコム 約43%
当社 約24%

(注)潜在株式数を含めた株式数(間接保有分を含む。)を基に算出
d.本合併取引の前後における当社所有株式の状況
(a)本合併取引前のスプリントの所有株式数(2020年3月31日現在)3,445,374,483株
(議決権の数: 3,445,374,483個)
(議決権所有割合: 83.7%)
(b)本合併取引後の新Tモバイルの所有株式数(注1)304,606,049株
(議決権の数: 304,606,049個)(注2)
(議決権所有割合: 約24%(完全希薄化ベース))

(注1)間接保有分を含む株式数(ワラント行使に係る潜在株式数を含む。)を基に算出
(注2)当該議決権の行使に係る指図権がドイツテレコムに付与されています。
e.今後の業績に与える影響
本取引の完了に伴い、2021年3月31日に終了する1年間の連結損益計算書において、取得した新Tモバイル株式(304,606,049株)と条件付対価(48,751,557株)の2020年4月1日時点の公正価値合計と、当社の連結財政状態計算書上のスプリントの帳簿価額との差額を支配喪失利益として「非継続事業からの純利益」に約7,500億円(税金費用考慮前)計上する見込みです。
(2)自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムの一部実施について
当社は、2020年3月23日に公表した「自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムを決定」(以下「本発表」)の通り、本発表後4四半期にわたって最大4.5兆円の当社保有資産を売却または資金化する方針です。
当社は当該プログラムの一環として、保有資産の売却または資金化を目的に「a.アリババ株式先渡売買契約の締結」、「c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡の実施」、および「d.Tモバイル株式の売却取引の開始」を行いました。これらで得られた資金については、本発表の通り最大2兆円の自己株式取得(「b.自己株式取得の決議」を含む)にくわえ、残額を負債の償還、社債の買入れ、現預金残高に充当する予定です。なお、自己株式の取得や負債の削減に充当するまでの間、現預金で保有するだけでなく、従来から掲げているLTVや手元流動性に関する財務方針を堅持しつつ、流動性の高い優良有価証券等で運用することもあります。本有価証券報告書提出日現在、調達した資金のうち約1兆円をこうした流動性の高い有価証券で運用しています。
a.アリババ株式先渡売買契約の締結
当社の100%子会社であるWest Raptor Holdings2, LLC(以下「WRH2 LLC」)、Skybridge LLCおよびSkylark 2020 Holdings Limited (以下「Skylark Limited」)は2020年4月から6月に、保有するアリババ株式を利用した、以下の複数の先渡売買契約を金融機関との間で締結し、総額で137億米ドルを調達しました。
(a)先渡契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年4月に実施されます。将来の市場株価の変動に関わらず、決済株数および決済株価は固定されています。
(b)フロア契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2023年12月および2024年1月に実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはフロアの設定があります。
(c)カラー契約:調達金額 85億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2022年1月から2022年9月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。
(d)カラー契約およびコールスプレッド:調達金額 22億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年5月から2024年6月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。また当該先渡売買契約とともに、アリババ株式の将来の株価の上昇に備えたコールスプレッド(権利行使価格の異なる買建コールオプションと売建コールオプションの組み合わせ)契約を締結し、調達金額の一部をオプションプレミアムの支払いに充当しています。
上記の先渡売買契約は、すべてフォワード取引の組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定され、同様にコールスプレッドについても公正価値により測定されます。
なお、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは当該すべての先渡売買契約を現金、または現金およびアリババ株式の組み合わせによって決済するオプション(以下「現金決済オプション」)を保有しています。WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedが現金決済オプションを選択した場合は、決済株数のアリババ株式の公正価値と同額の現金が支払われます。
当該すべての先渡売買契約に基づき、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは保有するアリババ株式を金融機関へ担保として提供しており、当該アリババ株式についての使用権を与えていますが、現金決済により当社の裁量で担保を解除することが可能です。当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、これらの取引後においてもアリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。当社がこれらの取引によって担保に供したアリババ株式の2020年3月31日における帳簿価額は364,170百万円です。
これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
b.自己株式取得の決議
ソフトバンクグループ㈱は、2020年5月15日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得することを以下の通り決議しました。
取得の内容
取得する株式の種類当社普通株式
取得する株式の総数135,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合:6.70%)
株式の取得価額の総額5,000億円(上限)
取得期間2020年5月18日~2021年3月31日

c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡
当社は、2020年5月21日に100%子会社であるソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)を通じて保有する当社子会社ソフトバンク㈱の普通株式3,182,919,470株の一部である240,000,000株を譲渡すること(以下「本譲渡」)を決定しました。
なお、本譲渡は2020年5月22日に譲渡価額3,102億円で完了しています。
(a)譲渡対象会社の概要
名称ソフトバンク株式会社
所在地東京都港区東新橋1丁目9番1号
代表者の役職・氏名代表取締役社長 執行役員 兼 CEO 宮内 謙
事業内容移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供
資本金204,309百万円(2020年3月31日現在)

(b)譲渡株式数および譲渡前後の当社がSBGJを通じ間接的に所有する株式の状況
譲渡前の所有株式数3,182,919,470株
(所有割合:67.1%)
譲渡株式数240,000,000株
(所有割合:5.0%)
譲渡後の所有株式数2,942,919,470株
(所有割合:62.1%)

(注)所有割合は、ソフトバンクの2020年3月期決算短信に記載された2020年3月31日時点の発行済株式(自己株式を除く)の総数4,741,145,170株に対する割合です。
(c)当社連結業績への影響
本譲渡後もソフトバンクは引き続き当社の子会社であるため、本譲渡における売却益相当額(税金考慮後)は、連結財政状態計算書の資本剰余金として計上されます。これに加え、本譲渡に伴いSBGJで生じるソフトバンク株式売却益に対して、繰延税金資産を認識していなかった繰越欠損金が使用されることなどにより、法人所得税の押し下げ効果が純利益へのプラス影響として認識されますが、これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
d.Tモバイル株式の売却取引の開始
当社は2020年6月23日に、当社子会社を通じて保有する当社の持分法適用関連会社Tモバイルの普通株式について、売却取引を開始することを決定しました。
(a)本売却の概要
当社はTモバイルの普通株式最大198,314,426株(以下「本売却対象株式」)を当社子会社を通じて同社に売却します(以下「本売却」)。
Tモバイルは当社子会社から購入した株式を米国内における公募、現金強制転換証券(Cash Mandatory Exchangeable Trust Securities)を発行する信託を通じた私募、株主割当による株式募集(注)および同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却(以下「本件関連取引」)を通じて処分し、その手取金は当社子会社に引渡されます。
当社は本売却および本件関連取引の実施に関連して、Tモバイルに対して3億米ドルを支払うことおよび本件関連取引に係る費用をTモバイルに対して支払うことに合意しました。
なお、本売却における売却価額の総額は、本件関連取引におけるTモバイルの手取金と同額であり、
(b)に記載の本件関連取引における売却価額の総額の合計である最大20,115百万米ドルから引受手数料その他一定の費用を差し引いた金額となります。
(注)当社、ドイツテレコム、マルセロ・クラウレおよびその関連当事者は、割当てを受ける権利を放棄します。
(b)本売却売却株式数および売却価額
ⅰ Tモバイルによる米国内における公募の対象株式数および売却価額143,392,582株
(ただし、引受証券会社が追加購入オプションを行使した場合には最大154,147,026株)
1株当たりの売却価額 103.00米ドル
売却価額の総額 14,769百万米ドル
(ただし、上記オプションが行使された場合には最大15,877百万米ドル)
ⅱ Tモバイルによる信託を通じた私募においてTモバイルが信託に対して売却する株式数および売却価額18,062,698株
(ただし、当初買受人が追加購入オプションを行使した場合には最大19,417,400株)
売却価額の総額1,570百万米ドル(ただし、上記オプションが行使された場合には最大1,689百万米ドル)(注1)
ⅲ Tモバイルによる株主割当による株式募集の売却対象株式数および売却価額(注2)最大19,750,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 2,034百万米ドル
ⅳ Tモバイルによる同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却対象株式数および売却価額5,000,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 515百万米ドル

(注1)売却価額の一部としてTモバイルは債券を受領し、これに応じて、Tモバイルは当社子会社にかかる債券を引渡すことにより支払いを行います。
(注2)株主割当による株式募集の引受権は、期限が延長されない場合、2020年7月27日の午後5時(米国東部時間)に消滅します。
(注3)Tモバイルによる米国内における公募の1株当たりの売却価額と同額。
(c)ドイツテレコムのオプション行使に伴う株式売却の概要
ドイツテレコムは当社が当社子会社を通じて保有するTモバイル株式101,491,623株を対象株式とする株式購入オプション(以下「本オプション」)を受領します。
ⅰ.上記101,491,623株のうち44,905,479株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、2020年6月19日のTモバイル株式市場終値、または本売却対象株式について引受けを伴う公募が行われた場合の募集価格を加重平均した金額のいずれか低い金額となります。
ⅱ.上記101,491,623株のうち56,586,144株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、行使に先立つ20日間のTモバイル株式市場株価の加重平均価額の平均となります。
(注)上記iは当社子会社がTモバイルの完全子会社であるTモバイルの代理人に対してオプションを付与し、当該代理人がドイツテレコムに対してオプションを付与する仕組みであり、それぞれのオプションの行使に伴い、ドイツテレコムはTモバイルの代理人から、Tモバイルの代理人が当社子会社から取得するのと同数の株式を、同一の経済条件で取得します。上記ⅱは当社子会社がドイツテレコムに対してオプションを付与し、オプションの行使に伴いドイツテレコムが当社子会社から株式を取得します。本オプションは、早期終了をもたらす一定の事象が発生しない限り、2024年6月22日に行使期限が到来します。
(d)本売却株式数、本オプションの対象株式数および本取引前後の当社が所有する株式の状況
ⅰ 本売却前の所有株式数304,606,049株
ⅱ 本売却対象株式数最大198,314,426株
ⅲ 本売却後の所有株式数(注1)106,291,623株
ⅳ 本オプションの対象株式数101,491,623株
ⅴ 本オプションが行使された場合の所有株式数(注2)4,800,000株

(注1)ⅱ記載の最大株数が売却されたと仮定して算出しています。
(注2)本オプションの全てが行使されたと仮定して算出しています。
(e)今後の見通しおよび当社連結業績への影響
当社子会社を通じたTモバイル普通株式の同社への受渡完了は2020年6月26日(米国東部時間)を予定していますが、上記(b)ⅲおよびⅳの取引については、2020年7月以降に完了する見込みです。2020年6月26日の取引完了後、Tモバイルは当社の持分法適用関連会社ではなくなる見込みですが、本売却に伴う関連会社株式売却損益と引き続き保有する株式に係る再評価損益が、2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。

注記事項-後発事象、連結財務諸表(IFRS)

56.重要な後発事象
(1)スプリントのTモバイルとの合併完了について
当社がスプリント、Tモバイルおよびドイツテレコムを含む当事者との間で締結した事業統合合意に基づき、2020年4月1日、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)が完了しました。
本取引の完了に関して、カリフォルニア州の公益事業委員会(California public utility commission、以下「CPUC」)による最終的な承認の取得が本取引の完了の前提条件として事業統合合意に定められていましたが、事業統合合意の当事者間においてかかる前提条件が放棄されたことにより、本取引の完了に必要なすべての規制当局の承認に係る条件が、2020年4月1日までに充足されました。なお、2020年4月16日にCPUCは本取引を承認しています。
本取引の完了に伴い、2020年4月1日から、スプリントは当社の子会社ではなくなり、合併後の新会社であるT-Mobile US, Inc.(以下「新Tモバイル」)が、その株式の約24%(完全希薄化ベース)を当社が保有する持分法適用関連会社となりました。
a.合併の目的
当社は、本取引により想定される大きなシナジーによる統合会社の価値の増大が当社の保有資産価値向上に貢献し、結果として当社の株主にとっての株式価値の向上につながると考えています。
当社は、新Tモバイルが、米国の移動通信、動画、ブロードバンド市場における変革の原動力となり、コストの低減とともに規模の経済性を確保することにより、米国の消費者や企業に、より手ごろな価格、高い品質、比類の無い価値やさらなる競争をもたらすと考えています。
b.本取引の概要
本取引は、2件の連続し、かつ関連する合併を伴う株式を対価とする取引として実行されました。
(a)合併
0105010_009.png
2020年4月1日、Starburst I, Inc.とGalaxy Investment Holdings, Inc.は、それぞれ、Tモバイルが直接保有する米国子会社であるHuron Merger Sub LLC(以下「TモバイルMerger Co.」)との間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、総称して「第一合併」)を行いました。
第一合併の直後、TモバイルMerger Co.が直接保有する米国子会社であるSuperior Merger Sub Corp.(以下「TモバイルMerger Sub」)は、スプリントとの間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、第一合併と総称して「本合併取引」)を行いました。
本合併取引の結果として、以下の通りとなりました。
・スプリントは、新Tモバイルが間接的に保有する完全子会社となりました。
・スプリントの普通株式を購入する権利(スプリントの従業員株式購入プランに基づくものを除きます。)は、新Tモバイルの普通株式を購入する権利に転換されました。
(b)本取引実行後
0105010_010.png本取引における株式の交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約9.75株です。但し、当社は、本取引の実行後すみやかに、本取引により受領する新Tモバイルの普通株式353,357,606株のうち、48,751,557株を新Tモバイルに引き渡しました。これに伴い、本取引の完了および当該引き渡しが有効となった直後において、新Tモバイルの普通株式は、ドイツテレコムが約43%、当社が約24%、一般株主が約33%をそれぞれ保有することになり(各割合は完全希薄化ベースであり、間接保有分を含みます。)、この時点における実質交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.00株(当社および当社子会社保有スプリント株式についてはTモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.31株)となりました。しかしながら、本取引完了日の2年後の応当日から2025年12月31日の期間に、NASDAQ Global Select Marketにおける新Tモバイル普通株式の45日間の出来高加重平均価格が150米ドル以上となった場合、原則として、新Tモバイルは当社に対し無償で上記の引き渡し株式数と同数の普通株式(以下「条件付対価」)を再発行することとなっています(但し、事業統合合意に定められる一定の条件に服します。)。
新Tモバイルの取締役会は、14名の取締役からなり、内9名はドイツテレコムによる指名、3名は当社による指名となっていますが、2020年に開催される新Tモバイルの定時株主総会以降は、9名はドイツテレコムによる指名、4名は当社による指名となる予定です。
一定の除外事由の適用を受ける場合を除き、①当社および子会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、ドイツテレコムに対して、議決権行使に係る指図権(当社が直接または間接的に保有する新Tモバイルの議決権について、ドイツテレコムが当社にその行使内容/方法を指図する権利)が付与されているほか、一定の譲渡制限およびドイツテレコムのための先買権が付されており、②ドイツテレコムおよびその支配する関係会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、当社のための先買権および一定の譲渡制限が付されています。さらに、当社およびドイツテレコム(それぞれの一定の関係会社を含みます。)は、それぞれ、新Tモバイル株式の保有割合が合意された一定の基準を下回るまで、一定の競業制限に服します。
なお、本取引完了後、(i)特定の事項に起因する金銭的損失、および(ii)特定の状況下でのスプリントおよびその子会社の周波数への新Tモバイルおよびその子会社のアクセス停止に起因する損失について、原則として当社は新Tモバイルおよびその子会社に対し補償を行う可能性があります。
c.新Tモバイルの概要
(a)社名T-Mobile US, Inc.
(b)所在地米国ワシントン州ベルビュー(本店所在地)
米国カンザス州オーバーランドパーク(従たる本店所在地)
(c)代表者の役職・氏名Chief Executive Officer
Mike Sievert
(d)事業内容通信事業
(e)大株主および持株比率
(完全希薄化ベース(注))
ドイツテレコム 約43%
当社 約24%

(注)潜在株式数を含めた株式数(間接保有分を含む。)を基に算出
d.本合併取引の前後における当社所有株式の状況
(a)本合併取引前のスプリントの所有株式数(2020年3月31日現在)3,445,374,483株
(議決権の数: 3,445,374,483個)
(議決権所有割合: 83.7%)
(b)本合併取引後の新Tモバイルの所有株式数(注1)304,606,049株
(議決権の数: 304,606,049個)(注2)
(議決権所有割合: 約24%(完全希薄化ベース))

(注1)間接保有分を含む株式数(ワラント行使に係る潜在株式数を含む。)を基に算出
(注2)当該議決権の行使に係る指図権がドイツテレコムに付与されています。
e.今後の業績に与える影響
本取引の完了に伴い、2021年3月31日に終了する1年間の連結損益計算書において、取得した新Tモバイル株式(304,606,049株)と条件付対価(48,751,557株)の2020年4月1日時点の公正価値合計と、当社の連結財政状態計算書上のスプリントの帳簿価額との差額を支配喪失利益として「非継続事業からの純利益」に約7,500億円(税金費用考慮前)計上する見込みです。
(2)自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムの一部実施について
当社は、2020年3月23日に公表した「自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムを決定」(以下「本発表」)の通り、本発表後4四半期にわたって最大4.5兆円の当社保有資産を売却または資金化する方針です。
当社は当該プログラムの一環として、保有資産の売却または資金化を目的に「a.アリババ株式先渡売買契約の締結」、「c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡の実施」、および「d.Tモバイル株式の売却取引の開始」を行いました。これらで得られた資金については、本発表の通り最大2兆円の自己株式取得(「b.自己株式取得の決議」を含む)にくわえ、残額を負債の償還、社債の買入れ、現預金残高に充当する予定です。なお、自己株式の取得や負債の削減に充当するまでの間、現預金で保有するだけでなく、従来から掲げているLTVや手元流動性に関する財務方針を堅持しつつ、流動性の高い優良有価証券等で運用することもあります。本有価証券報告書提出日現在、調達した資金のうち約1兆円をこうした流動性の高い有価証券で運用しています。
a.アリババ株式先渡売買契約の締結
当社の100%子会社であるWest Raptor Holdings2, LLC(以下「WRH2 LLC」)、Skybridge LLCおよびSkylark 2020 Holdings Limited (以下「Skylark Limited」)は2020年4月から6月に、保有するアリババ株式を利用した、以下の複数の先渡売買契約を金融機関との間で締結し、総額で137億米ドルを調達しました。
(a)先渡契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年4月に実施されます。将来の市場株価の変動に関わらず、決済株数および決済株価は固定されています。
(b)フロア契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2023年12月および2024年1月に実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはフロアの設定があります。
(c)カラー契約:調達金額 85億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2022年1月から2022年9月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。
(d)カラー契約およびコールスプレッド:調達金額 22億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年5月から2024年6月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。また当該先渡売買契約とともに、アリババ株式の将来の株価の上昇に備えたコールスプレッド(権利行使価格の異なる買建コールオプションと売建コールオプションの組み合わせ)契約を締結し、調達金額の一部をオプションプレミアムの支払いに充当しています。
上記の先渡売買契約は、すべてフォワード取引の組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定され、同様にコールスプレッドについても公正価値により測定されます。
なお、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは当該すべての先渡売買契約を現金、または現金およびアリババ株式の組み合わせによって決済するオプション(以下「現金決済オプション」)を保有しています。WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedが現金決済オプションを選択した場合は、決済株数のアリババ株式の公正価値と同額の現金が支払われます。
当該すべての先渡売買契約に基づき、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは保有するアリババ株式を金融機関へ担保として提供しており、当該アリババ株式についての使用権を与えていますが、現金決済により当社の裁量で担保を解除することが可能です。当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、これらの取引後においてもアリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。当社がこれらの取引によって担保に供したアリババ株式の2020年3月31日における帳簿価額は364,170百万円です。
これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
b.自己株式取得の決議
ソフトバンクグループ㈱は、2020年5月15日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得することを以下の通り決議しました。
取得の内容
取得する株式の種類当社普通株式
取得する株式の総数135,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合:6.70%)
株式の取得価額の総額5,000億円(上限)
取得期間2020年5月18日~2021年3月31日

c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡
当社は、2020年5月21日に100%子会社であるソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)を通じて保有する当社子会社ソフトバンク㈱の普通株式3,182,919,470株の一部である240,000,000株を譲渡すること(以下「本譲渡」)を決定しました。
なお、本譲渡は2020年5月22日に譲渡価額3,102億円で完了しています。
(a)譲渡対象会社の概要
名称ソフトバンク株式会社
所在地東京都港区東新橋1丁目9番1号
代表者の役職・氏名代表取締役社長 執行役員 兼 CEO 宮内 謙
事業内容移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供
資本金204,309百万円(2020年3月31日現在)

(b)譲渡株式数および譲渡前後の当社がSBGJを通じ間接的に所有する株式の状況
譲渡前の所有株式数3,182,919,470株
(所有割合:67.1%)
譲渡株式数240,000,000株
(所有割合:5.0%)
譲渡後の所有株式数2,942,919,470株
(所有割合:62.1%)

(注)所有割合は、ソフトバンクの2020年3月期決算短信に記載された2020年3月31日時点の発行済株式(自己株式を除く)の総数4,741,145,170株に対する割合です。
(c)当社連結業績への影響
本譲渡後もソフトバンクは引き続き当社の子会社であるため、本譲渡における売却益相当額(税金考慮後)は、連結財政状態計算書の資本剰余金として計上されます。これに加え、本譲渡に伴いSBGJで生じるソフトバンク株式売却益に対して、繰延税金資産を認識していなかった繰越欠損金が使用されることなどにより、法人所得税の押し下げ効果が純利益へのプラス影響として認識されますが、これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
d.Tモバイル株式の売却取引の開始
当社は2020年6月23日に、当社子会社を通じて保有する当社の持分法適用関連会社Tモバイルの普通株式について、売却取引を開始することを決定しました。
(a)本売却の概要
当社はTモバイルの普通株式最大198,314,426株(以下「本売却対象株式」)を当社子会社を通じて同社に売却します(以下「本売却」)。
Tモバイルは当社子会社から購入した株式を米国内における公募、現金強制転換証券(Cash Mandatory Exchangeable Trust Securities)を発行する信託を通じた私募、株主割当による株式募集(注)および同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却(以下「本件関連取引」)を通じて処分し、その手取金は当社子会社に引渡されます。
当社は本売却および本件関連取引の実施に関連して、Tモバイルに対して3億米ドルを支払うことおよび本件関連取引に係る費用をTモバイルに対して支払うことに合意しました。
なお、本売却における売却価額の総額は、本件関連取引におけるTモバイルの手取金と同額であり、
(b)に記載の本件関連取引における売却価額の総額の合計である最大20,115百万米ドルから引受手数料その他一定の費用を差し引いた金額となります。
(注)当社、ドイツテレコム、マルセロ・クラウレおよびその関連当事者は、割当てを受ける権利を放棄します。
(b)本売却売却株式数および売却価額
ⅰ Tモバイルによる米国内における公募の対象株式数および売却価額143,392,582株
(ただし、引受証券会社が追加購入オプションを行使した場合には最大154,147,026株)
1株当たりの売却価額 103.00米ドル
売却価額の総額 14,769百万米ドル
(ただし、上記オプションが行使された場合には最大15,877百万米ドル)
ⅱ Tモバイルによる信託を通じた私募においてTモバイルが信託に対して売却する株式数および売却価額18,062,698株
(ただし、当初買受人が追加購入オプションを行使した場合には最大19,417,400株)
売却価額の総額1,570百万米ドル(ただし、上記オプションが行使された場合には最大1,689百万米ドル)(注1)
ⅲ Tモバイルによる株主割当による株式募集の売却対象株式数および売却価額(注2)最大19,750,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 2,034百万米ドル
ⅳ Tモバイルによる同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却対象株式数および売却価額5,000,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 515百万米ドル

(注1)売却価額の一部としてTモバイルは債券を受領し、これに応じて、Tモバイルは当社子会社にかかる債券を引渡すことにより支払いを行います。
(注2)株主割当による株式募集の引受権は、期限が延長されない場合、2020年7月27日の午後5時(米国東部時間)に消滅します。
(注3)Tモバイルによる米国内における公募の1株当たりの売却価額と同額。
(c)ドイツテレコムのオプション行使に伴う株式売却の概要
ドイツテレコムは当社が当社子会社を通じて保有するTモバイル株式101,491,623株を対象株式とする株式購入オプション(以下「本オプション」)を受領します。
ⅰ.上記101,491,623株のうち44,905,479株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、2020年6月19日のTモバイル株式市場終値、または本売却対象株式について引受けを伴う公募が行われた場合の募集価格を加重平均した金額のいずれか低い金額となります。
ⅱ.上記101,491,623株のうち56,586,144株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、行使に先立つ20日間のTモバイル株式市場株価の加重平均価額の平均となります。
(注)上記iは当社子会社がTモバイルの完全子会社であるTモバイルの代理人に対してオプションを付与し、当該代理人がドイツテレコムに対してオプションを付与する仕組みであり、それぞれのオプションの行使に伴い、ドイツテレコムはTモバイルの代理人から、Tモバイルの代理人が当社子会社から取得するのと同数の株式を、同一の経済条件で取得します。上記ⅱは当社子会社がドイツテレコムに対してオプションを付与し、オプションの行使に伴いドイツテレコムが当社子会社から株式を取得します。本オプションは、早期終了をもたらす一定の事象が発生しない限り、2024年6月22日に行使期限が到来します。
(d)本売却株式数、本オプションの対象株式数および本取引前後の当社が所有する株式の状況
ⅰ 本売却前の所有株式数304,606,049株
ⅱ 本売却対象株式数最大198,314,426株
ⅲ 本売却後の所有株式数(注1)106,291,623株
ⅳ 本オプションの対象株式数101,491,623株
ⅴ 本オプションが行使された場合の所有株式数(注2)4,800,000株

(注1)ⅱ記載の最大株数が売却されたと仮定して算出しています。
(注2)本オプションの全てが行使されたと仮定して算出しています。
(e)今後の見通しおよび当社連結業績への影響
当社子会社を通じたTモバイル普通株式の同社への受渡完了は2020年6月26日(米国東部時間)を予定していますが、上記(b)ⅲおよびⅳの取引については、2020年7月以降に完了する見込みです。2020年6月26日の取引完了後、Tモバイルは当社の持分法適用関連会社ではなくなる見込みですが、本売却に伴う関連会社株式売却損益と引き続き保有する株式に係る再評価損益が、2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。

注記事項-後発事象、連結財務諸表(IFRS)

56.重要な後発事象
(1)スプリントのTモバイルとの合併完了について
当社がスプリント、Tモバイルおよびドイツテレコムを含む当事者との間で締結した事業統合合意に基づき、2020年4月1日、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)が完了しました。
本取引の完了に関して、カリフォルニア州の公益事業委員会(California public utility commission、以下「CPUC」)による最終的な承認の取得が本取引の完了の前提条件として事業統合合意に定められていましたが、事業統合合意の当事者間においてかかる前提条件が放棄されたことにより、本取引の完了に必要なすべての規制当局の承認に係る条件が、2020年4月1日までに充足されました。なお、2020年4月16日にCPUCは本取引を承認しています。
本取引の完了に伴い、2020年4月1日から、スプリントは当社の子会社ではなくなり、合併後の新会社であるT-Mobile US, Inc.(以下「新Tモバイル」)が、その株式の約24%(完全希薄化ベース)を当社が保有する持分法適用関連会社となりました。
a.合併の目的
当社は、本取引により想定される大きなシナジーによる統合会社の価値の増大が当社の保有資産価値向上に貢献し、結果として当社の株主にとっての株式価値の向上につながると考えています。
当社は、新Tモバイルが、米国の移動通信、動画、ブロードバンド市場における変革の原動力となり、コストの低減とともに規模の経済性を確保することにより、米国の消費者や企業に、より手ごろな価格、高い品質、比類の無い価値やさらなる競争をもたらすと考えています。
b.本取引の概要
本取引は、2件の連続し、かつ関連する合併を伴う株式を対価とする取引として実行されました。
(a)合併
0105010_009.png
2020年4月1日、Starburst I, Inc.とGalaxy Investment Holdings, Inc.は、それぞれ、Tモバイルが直接保有する米国子会社であるHuron Merger Sub LLC(以下「TモバイルMerger Co.」)との間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、総称して「第一合併」)を行いました。
第一合併の直後、TモバイルMerger Co.が直接保有する米国子会社であるSuperior Merger Sub Corp.(以下「TモバイルMerger Sub」)は、スプリントとの間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、第一合併と総称して「本合併取引」)を行いました。
本合併取引の結果として、以下の通りとなりました。
・スプリントは、新Tモバイルが間接的に保有する完全子会社となりました。
・スプリントの普通株式を購入する権利(スプリントの従業員株式購入プランに基づくものを除きます。)は、新Tモバイルの普通株式を購入する権利に転換されました。
(b)本取引実行後
0105010_010.png本取引における株式の交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約9.75株です。但し、当社は、本取引の実行後すみやかに、本取引により受領する新Tモバイルの普通株式353,357,606株のうち、48,751,557株を新Tモバイルに引き渡しました。これに伴い、本取引の完了および当該引き渡しが有効となった直後において、新Tモバイルの普通株式は、ドイツテレコムが約43%、当社が約24%、一般株主が約33%をそれぞれ保有することになり(各割合は完全希薄化ベースであり、間接保有分を含みます。)、この時点における実質交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.00株(当社および当社子会社保有スプリント株式についてはTモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.31株)となりました。しかしながら、本取引完了日の2年後の応当日から2025年12月31日の期間に、NASDAQ Global Select Marketにおける新Tモバイル普通株式の45日間の出来高加重平均価格が150米ドル以上となった場合、原則として、新Tモバイルは当社に対し無償で上記の引き渡し株式数と同数の普通株式(以下「条件付対価」)を再発行することとなっています(但し、事業統合合意に定められる一定の条件に服します。)。
新Tモバイルの取締役会は、14名の取締役からなり、内9名はドイツテレコムによる指名、3名は当社による指名となっていますが、2020年に開催される新Tモバイルの定時株主総会以降は、9名はドイツテレコムによる指名、4名は当社による指名となる予定です。
一定の除外事由の適用を受ける場合を除き、①当社および子会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、ドイツテレコムに対して、議決権行使に係る指図権(当社が直接または間接的に保有する新Tモバイルの議決権について、ドイツテレコムが当社にその行使内容/方法を指図する権利)が付与されているほか、一定の譲渡制限およびドイツテレコムのための先買権が付されており、②ドイツテレコムおよびその支配する関係会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、当社のための先買権および一定の譲渡制限が付されています。さらに、当社およびドイツテレコム(それぞれの一定の関係会社を含みます。)は、それぞれ、新Tモバイル株式の保有割合が合意された一定の基準を下回るまで、一定の競業制限に服します。
なお、本取引完了後、(i)特定の事項に起因する金銭的損失、および(ii)特定の状況下でのスプリントおよびその子会社の周波数への新Tモバイルおよびその子会社のアクセス停止に起因する損失について、原則として当社は新Tモバイルおよびその子会社に対し補償を行う可能性があります。
c.新Tモバイルの概要
(a)社名T-Mobile US, Inc.
(b)所在地米国ワシントン州ベルビュー(本店所在地)
米国カンザス州オーバーランドパーク(従たる本店所在地)
(c)代表者の役職・氏名Chief Executive Officer
Mike Sievert
(d)事業内容通信事業
(e)大株主および持株比率
(完全希薄化ベース(注))
ドイツテレコム 約43%
当社 約24%

(注)潜在株式数を含めた株式数(間接保有分を含む。)を基に算出
d.本合併取引の前後における当社所有株式の状況
(a)本合併取引前のスプリントの所有株式数(2020年3月31日現在)3,445,374,483株
(議決権の数: 3,445,374,483個)
(議決権所有割合: 83.7%)
(b)本合併取引後の新Tモバイルの所有株式数(注1)304,606,049株
(議決権の数: 304,606,049個)(注2)
(議決権所有割合: 約24%(完全希薄化ベース))

(注1)間接保有分を含む株式数(ワラント行使に係る潜在株式数を含む。)を基に算出
(注2)当該議決権の行使に係る指図権がドイツテレコムに付与されています。
e.今後の業績に与える影響
本取引の完了に伴い、2021年3月31日に終了する1年間の連結損益計算書において、取得した新Tモバイル株式(304,606,049株)と条件付対価(48,751,557株)の2020年4月1日時点の公正価値合計と、当社の連結財政状態計算書上のスプリントの帳簿価額との差額を支配喪失利益として「非継続事業からの純利益」に約7,500億円(税金費用考慮前)計上する見込みです。
(2)自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムの一部実施について
当社は、2020年3月23日に公表した「自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムを決定」(以下「本発表」)の通り、本発表後4四半期にわたって最大4.5兆円の当社保有資産を売却または資金化する方針です。
当社は当該プログラムの一環として、保有資産の売却または資金化を目的に「a.アリババ株式先渡売買契約の締結」、「c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡の実施」、および「d.Tモバイル株式の売却取引の開始」を行いました。これらで得られた資金については、本発表の通り最大2兆円の自己株式取得(「b.自己株式取得の決議」を含む)にくわえ、残額を負債の償還、社債の買入れ、現預金残高に充当する予定です。なお、自己株式の取得や負債の削減に充当するまでの間、現預金で保有するだけでなく、従来から掲げているLTVや手元流動性に関する財務方針を堅持しつつ、流動性の高い優良有価証券等で運用することもあります。本有価証券報告書提出日現在、調達した資金のうち約1兆円をこうした流動性の高い有価証券で運用しています。
a.アリババ株式先渡売買契約の締結
当社の100%子会社であるWest Raptor Holdings2, LLC(以下「WRH2 LLC」)、Skybridge LLCおよびSkylark 2020 Holdings Limited (以下「Skylark Limited」)は2020年4月から6月に、保有するアリババ株式を利用した、以下の複数の先渡売買契約を金融機関との間で締結し、総額で137億米ドルを調達しました。
(a)先渡契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年4月に実施されます。将来の市場株価の変動に関わらず、決済株数および決済株価は固定されています。
(b)フロア契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2023年12月および2024年1月に実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはフロアの設定があります。
(c)カラー契約:調達金額 85億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2022年1月から2022年9月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。
(d)カラー契約およびコールスプレッド:調達金額 22億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年5月から2024年6月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。また当該先渡売買契約とともに、アリババ株式の将来の株価の上昇に備えたコールスプレッド(権利行使価格の異なる買建コールオプションと売建コールオプションの組み合わせ)契約を締結し、調達金額の一部をオプションプレミアムの支払いに充当しています。
上記の先渡売買契約は、すべてフォワード取引の組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定され、同様にコールスプレッドについても公正価値により測定されます。
なお、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは当該すべての先渡売買契約を現金、または現金およびアリババ株式の組み合わせによって決済するオプション(以下「現金決済オプション」)を保有しています。WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedが現金決済オプションを選択した場合は、決済株数のアリババ株式の公正価値と同額の現金が支払われます。
当該すべての先渡売買契約に基づき、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは保有するアリババ株式を金融機関へ担保として提供しており、当該アリババ株式についての使用権を与えていますが、現金決済により当社の裁量で担保を解除することが可能です。当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、これらの取引後においてもアリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。当社がこれらの取引によって担保に供したアリババ株式の2020年3月31日における帳簿価額は364,170百万円です。
これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
b.自己株式取得の決議
ソフトバンクグループ㈱は、2020年5月15日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得することを以下の通り決議しました。
取得の内容
取得する株式の種類当社普通株式
取得する株式の総数135,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合:6.70%)
株式の取得価額の総額5,000億円(上限)
取得期間2020年5月18日~2021年3月31日

c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡
当社は、2020年5月21日に100%子会社であるソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)を通じて保有する当社子会社ソフトバンク㈱の普通株式3,182,919,470株の一部である240,000,000株を譲渡すること(以下「本譲渡」)を決定しました。
なお、本譲渡は2020年5月22日に譲渡価額3,102億円で完了しています。
(a)譲渡対象会社の概要
名称ソフトバンク株式会社
所在地東京都港区東新橋1丁目9番1号
代表者の役職・氏名代表取締役社長 執行役員 兼 CEO 宮内 謙
事業内容移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供
資本金204,309百万円(2020年3月31日現在)

(b)譲渡株式数および譲渡前後の当社がSBGJを通じ間接的に所有する株式の状況
譲渡前の所有株式数3,182,919,470株
(所有割合:67.1%)
譲渡株式数240,000,000株
(所有割合:5.0%)
譲渡後の所有株式数2,942,919,470株
(所有割合:62.1%)

(注)所有割合は、ソフトバンクの2020年3月期決算短信に記載された2020年3月31日時点の発行済株式(自己株式を除く)の総数4,741,145,170株に対する割合です。
(c)当社連結業績への影響
本譲渡後もソフトバンクは引き続き当社の子会社であるため、本譲渡における売却益相当額(税金考慮後)は、連結財政状態計算書の資本剰余金として計上されます。これに加え、本譲渡に伴いSBGJで生じるソフトバンク株式売却益に対して、繰延税金資産を認識していなかった繰越欠損金が使用されることなどにより、法人所得税の押し下げ効果が純利益へのプラス影響として認識されますが、これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
d.Tモバイル株式の売却取引の開始
当社は2020年6月23日に、当社子会社を通じて保有する当社の持分法適用関連会社Tモバイルの普通株式について、売却取引を開始することを決定しました。
(a)本売却の概要
当社はTモバイルの普通株式最大198,314,426株(以下「本売却対象株式」)を当社子会社を通じて同社に売却します(以下「本売却」)。
Tモバイルは当社子会社から購入した株式を米国内における公募、現金強制転換証券(Cash Mandatory Exchangeable Trust Securities)を発行する信託を通じた私募、株主割当による株式募集(注)および同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却(以下「本件関連取引」)を通じて処分し、その手取金は当社子会社に引渡されます。
当社は本売却および本件関連取引の実施に関連して、Tモバイルに対して3億米ドルを支払うことおよび本件関連取引に係る費用をTモバイルに対して支払うことに合意しました。
なお、本売却における売却価額の総額は、本件関連取引におけるTモバイルの手取金と同額であり、
(b)に記載の本件関連取引における売却価額の総額の合計である最大20,115百万米ドルから引受手数料その他一定の費用を差し引いた金額となります。
(注)当社、ドイツテレコム、マルセロ・クラウレおよびその関連当事者は、割当てを受ける権利を放棄します。
(b)本売却売却株式数および売却価額
ⅰ Tモバイルによる米国内における公募の対象株式数および売却価額143,392,582株
(ただし、引受証券会社が追加購入オプションを行使した場合には最大154,147,026株)
1株当たりの売却価額 103.00米ドル
売却価額の総額 14,769百万米ドル
(ただし、上記オプションが行使された場合には最大15,877百万米ドル)
ⅱ Tモバイルによる信託を通じた私募においてTモバイルが信託に対して売却する株式数および売却価額18,062,698株
(ただし、当初買受人が追加購入オプションを行使した場合には最大19,417,400株)
売却価額の総額1,570百万米ドル(ただし、上記オプションが行使された場合には最大1,689百万米ドル)(注1)
ⅲ Tモバイルによる株主割当による株式募集の売却対象株式数および売却価額(注2)最大19,750,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 2,034百万米ドル
ⅳ Tモバイルによる同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却対象株式数および売却価額5,000,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 515百万米ドル

(注1)売却価額の一部としてTモバイルは債券を受領し、これに応じて、Tモバイルは当社子会社にかかる債券を引渡すことにより支払いを行います。
(注2)株主割当による株式募集の引受権は、期限が延長されない場合、2020年7月27日の午後5時(米国東部時間)に消滅します。
(注3)Tモバイルによる米国内における公募の1株当たりの売却価額と同額。
(c)ドイツテレコムのオプション行使に伴う株式売却の概要
ドイツテレコムは当社が当社子会社を通じて保有するTモバイル株式101,491,623株を対象株式とする株式購入オプション(以下「本オプション」)を受領します。
ⅰ.上記101,491,623株のうち44,905,479株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、2020年6月19日のTモバイル株式市場終値、または本売却対象株式について引受けを伴う公募が行われた場合の募集価格を加重平均した金額のいずれか低い金額となります。
ⅱ.上記101,491,623株のうち56,586,144株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、行使に先立つ20日間のTモバイル株式市場株価の加重平均価額の平均となります。
(注)上記iは当社子会社がTモバイルの完全子会社であるTモバイルの代理人に対してオプションを付与し、当該代理人がドイツテレコムに対してオプションを付与する仕組みであり、それぞれのオプションの行使に伴い、ドイツテレコムはTモバイルの代理人から、Tモバイルの代理人が当社子会社から取得するのと同数の株式を、同一の経済条件で取得します。上記ⅱは当社子会社がドイツテレコムに対してオプションを付与し、オプションの行使に伴いドイツテレコムが当社子会社から株式を取得します。本オプションは、早期終了をもたらす一定の事象が発生しない限り、2024年6月22日に行使期限が到来します。
(d)本売却株式数、本オプションの対象株式数および本取引前後の当社が所有する株式の状況
ⅰ 本売却前の所有株式数304,606,049株
ⅱ 本売却対象株式数最大198,314,426株
ⅲ 本売却後の所有株式数(注1)106,291,623株
ⅳ 本オプションの対象株式数101,491,623株
ⅴ 本オプションが行使された場合の所有株式数(注2)4,800,000株

(注1)ⅱ記載の最大株数が売却されたと仮定して算出しています。
(注2)本オプションの全てが行使されたと仮定して算出しています。
(e)今後の見通しおよび当社連結業績への影響
当社子会社を通じたTモバイル普通株式の同社への受渡完了は2020年6月26日(米国東部時間)を予定していますが、上記(b)ⅲおよびⅳの取引については、2020年7月以降に完了する見込みです。2020年6月26日の取引完了後、Tモバイルは当社の持分法適用関連会社ではなくなる見込みですが、本売却に伴う関連会社株式売却損益と引き続き保有する株式に係る再評価損益が、2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。

注記事項-後発事象、連結財務諸表(IFRS)

56.重要な後発事象
(1)スプリントのTモバイルとの合併完了について
当社がスプリント、Tモバイルおよびドイツテレコムを含む当事者との間で締結した事業統合合意に基づき、2020年4月1日、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)が完了しました。
本取引の完了に関して、カリフォルニア州の公益事業委員会(California public utility commission、以下「CPUC」)による最終的な承認の取得が本取引の完了の前提条件として事業統合合意に定められていましたが、事業統合合意の当事者間においてかかる前提条件が放棄されたことにより、本取引の完了に必要なすべての規制当局の承認に係る条件が、2020年4月1日までに充足されました。なお、2020年4月16日にCPUCは本取引を承認しています。
本取引の完了に伴い、2020年4月1日から、スプリントは当社の子会社ではなくなり、合併後の新会社であるT-Mobile US, Inc.(以下「新Tモバイル」)が、その株式の約24%(完全希薄化ベース)を当社が保有する持分法適用関連会社となりました。
a.合併の目的
当社は、本取引により想定される大きなシナジーによる統合会社の価値の増大が当社の保有資産価値向上に貢献し、結果として当社の株主にとっての株式価値の向上につながると考えています。
当社は、新Tモバイルが、米国の移動通信、動画、ブロードバンド市場における変革の原動力となり、コストの低減とともに規模の経済性を確保することにより、米国の消費者や企業に、より手ごろな価格、高い品質、比類の無い価値やさらなる競争をもたらすと考えています。
b.本取引の概要
本取引は、2件の連続し、かつ関連する合併を伴う株式を対価とする取引として実行されました。
(a)合併
0105010_009.png
2020年4月1日、Starburst I, Inc.とGalaxy Investment Holdings, Inc.は、それぞれ、Tモバイルが直接保有する米国子会社であるHuron Merger Sub LLC(以下「TモバイルMerger Co.」)との間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、総称して「第一合併」)を行いました。
第一合併の直後、TモバイルMerger Co.が直接保有する米国子会社であるSuperior Merger Sub Corp.(以下「TモバイルMerger Sub」)は、スプリントとの間で同社を存続会社とする吸収合併(以下、第一合併と総称して「本合併取引」)を行いました。
本合併取引の結果として、以下の通りとなりました。
・スプリントは、新Tモバイルが間接的に保有する完全子会社となりました。
・スプリントの普通株式を購入する権利(スプリントの従業員株式購入プランに基づくものを除きます。)は、新Tモバイルの普通株式を購入する権利に転換されました。
(b)本取引実行後
0105010_010.png本取引における株式の交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約9.75株です。但し、当社は、本取引の実行後すみやかに、本取引により受領する新Tモバイルの普通株式353,357,606株のうち、48,751,557株を新Tモバイルに引き渡しました。これに伴い、本取引の完了および当該引き渡しが有効となった直後において、新Tモバイルの普通株式は、ドイツテレコムが約43%、当社が約24%、一般株主が約33%をそれぞれ保有することになり(各割合は完全希薄化ベースであり、間接保有分を含みます。)、この時点における実質交換比率は、Tモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.00株(当社および当社子会社保有スプリント株式についてはTモバイル株式1株当たりスプリント株式約11.31株)となりました。しかしながら、本取引完了日の2年後の応当日から2025年12月31日の期間に、NASDAQ Global Select Marketにおける新Tモバイル普通株式の45日間の出来高加重平均価格が150米ドル以上となった場合、原則として、新Tモバイルは当社に対し無償で上記の引き渡し株式数と同数の普通株式(以下「条件付対価」)を再発行することとなっています(但し、事業統合合意に定められる一定の条件に服します。)。
新Tモバイルの取締役会は、14名の取締役からなり、内9名はドイツテレコムによる指名、3名は当社による指名となっていますが、2020年に開催される新Tモバイルの定時株主総会以降は、9名はドイツテレコムによる指名、4名は当社による指名となる予定です。
一定の除外事由の適用を受ける場合を除き、①当社および子会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、ドイツテレコムに対して、議決権行使に係る指図権(当社が直接または間接的に保有する新Tモバイルの議決権について、ドイツテレコムが当社にその行使内容/方法を指図する権利)が付与されているほか、一定の譲渡制限およびドイツテレコムのための先買権が付されており、②ドイツテレコムおよびその支配する関係会社が直接的または間接的に保有する新Tモバイルの株式については、当社のための先買権および一定の譲渡制限が付されています。さらに、当社およびドイツテレコム(それぞれの一定の関係会社を含みます。)は、それぞれ、新Tモバイル株式の保有割合が合意された一定の基準を下回るまで、一定の競業制限に服します。
なお、本取引完了後、(i)特定の事項に起因する金銭的損失、および(ii)特定の状況下でのスプリントおよびその子会社の周波数への新Tモバイルおよびその子会社のアクセス停止に起因する損失について、原則として当社は新Tモバイルおよびその子会社に対し補償を行う可能性があります。
c.新Tモバイルの概要
(a)社名T-Mobile US, Inc.
(b)所在地米国ワシントン州ベルビュー(本店所在地)
米国カンザス州オーバーランドパーク(従たる本店所在地)
(c)代表者の役職・氏名Chief Executive Officer
Mike Sievert
(d)事業内容通信事業
(e)大株主および持株比率
(完全希薄化ベース(注))
ドイツテレコム 約43%
当社 約24%

(注)潜在株式数を含めた株式数(間接保有分を含む。)を基に算出
d.本合併取引の前後における当社所有株式の状況
(a)本合併取引前のスプリントの所有株式数(2020年3月31日現在)3,445,374,483株
(議決権の数: 3,445,374,483個)
(議決権所有割合: 83.7%)
(b)本合併取引後の新Tモバイルの所有株式数(注1)304,606,049株
(議決権の数: 304,606,049個)(注2)
(議決権所有割合: 約24%(完全希薄化ベース))

(注1)間接保有分を含む株式数(ワラント行使に係る潜在株式数を含む。)を基に算出
(注2)当該議決権の行使に係る指図権がドイツテレコムに付与されています。
e.今後の業績に与える影響
本取引の完了に伴い、2021年3月31日に終了する1年間の連結損益計算書において、取得した新Tモバイル株式(304,606,049株)と条件付対価(48,751,557株)の2020年4月1日時点の公正価値合計と、当社の連結財政状態計算書上のスプリントの帳簿価額との差額を支配喪失利益として「非継続事業からの純利益」に約7,500億円(税金費用考慮前)計上する見込みです。
(2)自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムの一部実施について
当社は、2020年3月23日に公表した「自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムを決定」(以下「本発表」)の通り、本発表後4四半期にわたって最大4.5兆円の当社保有資産を売却または資金化する方針です。
当社は当該プログラムの一環として、保有資産の売却または資金化を目的に「a.アリババ株式先渡売買契約の締結」、「c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡の実施」、および「d.Tモバイル株式の売却取引の開始」を行いました。これらで得られた資金については、本発表の通り最大2兆円の自己株式取得(「b.自己株式取得の決議」を含む)にくわえ、残額を負債の償還、社債の買入れ、現預金残高に充当する予定です。なお、自己株式の取得や負債の削減に充当するまでの間、現預金で保有するだけでなく、従来から掲げているLTVや手元流動性に関する財務方針を堅持しつつ、流動性の高い優良有価証券等で運用することもあります。本有価証券報告書提出日現在、調達した資金のうち約1兆円をこうした流動性の高い有価証券で運用しています。
a.アリババ株式先渡売買契約の締結
当社の100%子会社であるWest Raptor Holdings2, LLC(以下「WRH2 LLC」)、Skybridge LLCおよびSkylark 2020 Holdings Limited (以下「Skylark Limited」)は2020年4月から6月に、保有するアリババ株式を利用した、以下の複数の先渡売買契約を金融機関との間で締結し、総額で137億米ドルを調達しました。
(a)先渡契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年4月に実施されます。将来の市場株価の変動に関わらず、決済株数および決済株価は固定されています。
(b)フロア契約:調達金額 15億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2023年12月および2024年1月に実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはフロアの設定があります。
(c)カラー契約:調達金額 85億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2022年1月から2022年9月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。
(d)カラー契約およびコールスプレッド:調達金額 22億米ドル
当該先渡売買契約に基づくアリババ株式の決済は2024年5月から2024年6月にかけて実施されます。その決済株数は決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にはキャップおよびフロアの設定があります。また当該先渡売買契約とともに、アリババ株式の将来の株価の上昇に備えたコールスプレッド(権利行使価格の異なる買建コールオプションと売建コールオプションの組み合わせ)契約を締結し、調達金額の一部をオプションプレミアムの支払いに充当しています。
上記の先渡売買契約は、すべてフォワード取引の組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定され、同様にコールスプレッドについても公正価値により測定されます。
なお、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは当該すべての先渡売買契約を現金、または現金およびアリババ株式の組み合わせによって決済するオプション(以下「現金決済オプション」)を保有しています。WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedが現金決済オプションを選択した場合は、決済株数のアリババ株式の公正価値と同額の現金が支払われます。
当該すべての先渡売買契約に基づき、WRH2 LLC、Skybridge LLCおよびSkylark Limitedは保有するアリババ株式を金融機関へ担保として提供しており、当該アリババ株式についての使用権を与えていますが、現金決済により当社の裁量で担保を解除することが可能です。当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、これらの取引後においてもアリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。当社がこれらの取引によって担保に供したアリババ株式の2020年3月31日における帳簿価額は364,170百万円です。
これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
b.自己株式取得の決議
ソフトバンクグループ㈱は、2020年5月15日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得することを以下の通り決議しました。
取得の内容
取得する株式の種類当社普通株式
取得する株式の総数135,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合:6.70%)
株式の取得価額の総額5,000億円(上限)
取得期間2020年5月18日~2021年3月31日

c.ソフトバンク㈱株式の一部譲渡
当社は、2020年5月21日に100%子会社であるソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)を通じて保有する当社子会社ソフトバンク㈱の普通株式3,182,919,470株の一部である240,000,000株を譲渡すること(以下「本譲渡」)を決定しました。
なお、本譲渡は2020年5月22日に譲渡価額3,102億円で完了しています。
(a)譲渡対象会社の概要
名称ソフトバンク株式会社
所在地東京都港区東新橋1丁目9番1号
代表者の役職・氏名代表取締役社長 執行役員 兼 CEO 宮内 謙
事業内容移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供
資本金204,309百万円(2020年3月31日現在)

(b)譲渡株式数および譲渡前後の当社がSBGJを通じ間接的に所有する株式の状況
譲渡前の所有株式数3,182,919,470株
(所有割合:67.1%)
譲渡株式数240,000,000株
(所有割合:5.0%)
譲渡後の所有株式数2,942,919,470株
(所有割合:62.1%)

(注)所有割合は、ソフトバンクの2020年3月期決算短信に記載された2020年3月31日時点の発行済株式(自己株式を除く)の総数4,741,145,170株に対する割合です。
(c)当社連結業績への影響
本譲渡後もソフトバンクは引き続き当社の子会社であるため、本譲渡における売却益相当額(税金考慮後)は、連結財政状態計算書の資本剰余金として計上されます。これに加え、本譲渡に伴いSBGJで生じるソフトバンク株式売却益に対して、繰延税金資産を認識していなかった繰越欠損金が使用されることなどにより、法人所得税の押し下げ効果が純利益へのプラス影響として認識されますが、これらの取引による2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。
d.Tモバイル株式の売却取引の開始
当社は2020年6月23日に、当社子会社を通じて保有する当社の持分法適用関連会社Tモバイルの普通株式について、売却取引を開始することを決定しました。
(a)本売却の概要
当社はTモバイルの普通株式最大198,314,426株(以下「本売却対象株式」)を当社子会社を通じて同社に売却します(以下「本売却」)。
Tモバイルは当社子会社から購入した株式を米国内における公募、現金強制転換証券(Cash Mandatory Exchangeable Trust Securities)を発行する信託を通じた私募、株主割当による株式募集(注)および同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却(以下「本件関連取引」)を通じて処分し、その手取金は当社子会社に引渡されます。
当社は本売却および本件関連取引の実施に関連して、Tモバイルに対して3億米ドルを支払うことおよび本件関連取引に係る費用をTモバイルに対して支払うことに合意しました。
なお、本売却における売却価額の総額は、本件関連取引におけるTモバイルの手取金と同額であり、
(b)に記載の本件関連取引における売却価額の総額の合計である最大20,115百万米ドルから引受手数料その他一定の費用を差し引いた金額となります。
(注)当社、ドイツテレコム、マルセロ・クラウレおよびその関連当事者は、割当てを受ける権利を放棄します。
(b)本売却売却株式数および売却価額
ⅰ Tモバイルによる米国内における公募の対象株式数および売却価額143,392,582株
(ただし、引受証券会社が追加購入オプションを行使した場合には最大154,147,026株)
1株当たりの売却価額 103.00米ドル
売却価額の総額 14,769百万米ドル
(ただし、上記オプションが行使された場合には最大15,877百万米ドル)
ⅱ Tモバイルによる信託を通じた私募においてTモバイルが信託に対して売却する株式数および売却価額18,062,698株
(ただし、当初買受人が追加購入オプションを行使した場合には最大19,417,400株)
売却価額の総額1,570百万米ドル(ただし、上記オプションが行使された場合には最大1,689百万米ドル)(注1)
ⅲ Tモバイルによる株主割当による株式募集の売却対象株式数および売却価額(注2)最大19,750,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 2,034百万米ドル
ⅳ Tモバイルによる同社取締役のマルセロ・クラウレへの売却対象株式数および売却価額5,000,000株
1株当たりの売却価額 103.00米ドル(注3)
売却価額の総額 515百万米ドル

(注1)売却価額の一部としてTモバイルは債券を受領し、これに応じて、Tモバイルは当社子会社にかかる債券を引渡すことにより支払いを行います。
(注2)株主割当による株式募集の引受権は、期限が延長されない場合、2020年7月27日の午後5時(米国東部時間)に消滅します。
(注3)Tモバイルによる米国内における公募の1株当たりの売却価額と同額。
(c)ドイツテレコムのオプション行使に伴う株式売却の概要
ドイツテレコムは当社が当社子会社を通じて保有するTモバイル株式101,491,623株を対象株式とする株式購入オプション(以下「本オプション」)を受領します。
ⅰ.上記101,491,623株のうち44,905,479株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、2020年6月19日のTモバイル株式市場終値、または本売却対象株式について引受けを伴う公募が行われた場合の募集価格を加重平均した金額のいずれか低い金額となります。
ⅱ.上記101,491,623株のうち56,586,144株を対象とするオプションについては、オプション行使価額は、行使に先立つ20日間のTモバイル株式市場株価の加重平均価額の平均となります。
(注)上記iは当社子会社がTモバイルの完全子会社であるTモバイルの代理人に対してオプションを付与し、当該代理人がドイツテレコムに対してオプションを付与する仕組みであり、それぞれのオプションの行使に伴い、ドイツテレコムはTモバイルの代理人から、Tモバイルの代理人が当社子会社から取得するのと同数の株式を、同一の経済条件で取得します。上記ⅱは当社子会社がドイツテレコムに対してオプションを付与し、オプションの行使に伴いドイツテレコムが当社子会社から株式を取得します。本オプションは、早期終了をもたらす一定の事象が発生しない限り、2024年6月22日に行使期限が到来します。
(d)本売却株式数、本オプションの対象株式数および本取引前後の当社が所有する株式の状況
ⅰ 本売却前の所有株式数304,606,049株
ⅱ 本売却対象株式数最大198,314,426株
ⅲ 本売却後の所有株式数(注1)106,291,623株
ⅳ 本オプションの対象株式数101,491,623株
ⅴ 本オプションが行使された場合の所有株式数(注2)4,800,000株

(注1)ⅱ記載の最大株数が売却されたと仮定して算出しています。
(注2)本オプションの全てが行使されたと仮定して算出しています。
(e)今後の見通しおよび当社連結業績への影響
当社子会社を通じたTモバイル普通株式の同社への受渡完了は2020年6月26日(米国東部時間)を予定していますが、上記(b)ⅲおよびⅳの取引については、2020年7月以降に完了する見込みです。2020年6月26日の取引完了後、Tモバイルは当社の持分法適用関連会社ではなくなる見込みですが、本売却に伴う関連会社株式売却損益と引き続き保有する株式に係る再評価損益が、2021年3月31日に終了する1年間の業績に与える影響は、現時点では確定していません。

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