有価証券報告書-第38期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/21 11:04
【資料】
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【項目】
70項目
当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下の通りです。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループを目指し、情報・テクノロジー領域において、さまざまな事業に取り組んでいます。
(2)目標とする経営指標
当社は、調整後EBITDA(注)の成長および保有株式価値の増大を通じて、中長期的に企業価値の最大化を図っていきます。
(注)調整後EBITDA
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業以外
調整後EBITDA=セグメント利益(損失)+減価償却費及び償却費±その他の調整項目
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
調整後EBITDA=セグメント利益(損失)+減価償却費及び償却費±投資の未実現損益±その他の調整項目
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、情報技術の発展によって社会やライフスタイルが変革する「情報革命」の主要な担い手となり、長きにわたり人々の幸せに貢献していきたいと考えています。そのためには、特定のテクノロジーやビジネスモデルに固執することなく、時代の変遷とともに自己変革を繰り返していくことが不可欠です。そこで現在当社は「群戦略」という独自の組織戦略に取り組むとともに、今世紀中にも到来する、人工知能(AI)が人類の知能を超える人類最大のパラダイムシフトである「シンギュラリティー(技術的特異点)」を見据え、ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの参画を通じた戦略的投資を強化しています。
「群戦略」は、特定の分野において優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ多様な企業群が、それぞれ自律的に意思決定を行いつつも、資本関係と同志的結合を通じてシナジーを創出しながら共に進化・成長を続けていくことを志向するものです。ソフトバンクグループ㈱は、戦略的持株会社として群を構成する各企業の意思決定に影響を与えるものの、多様性や自律性を重んじるため、出資比率は過半にこだわらず、ブランドを統一することもありません。こうした多種多様な企業で構成されたグループであれば、時代の変遷とともに柔軟に業容を変化・拡大させることができ、300年にわたり成長を続けることも可能となります。
また今後、シンギュラリティーの到来とともにあらゆる産業が再定義されて、既存の産業にとってのビジネスモデルが大きく広がるとともに、新たな産業が創出されていくものと期待されます。この巨大なチャンスを確実にとらえるため、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2017年に本格的に活動を開始しました。同ファンドは、次世代のイノベーションを引き起こす可能性のある企業やプラットフォーム・ビジネスに対して、大規模かつ長期的な投資を行うことを目指しています。当社は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドにおける投資リターンの最大化を図るとともに、「群戦略」の実現を通じて当社の持続的な成長につなげていきます。
(4)経営環境および対処すべき課題
①ソフトバンク・ビジョン・ファンドの成功
ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、英国ロンドンに拠点を置く、金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)に登録された当社の100%子会社SB Investment Advisers (UK) Limited (以下「SBIA」)が運営を行っています。SBIAはソフトバンク・ビジョン・ファンドを成功に導き、ファンドの利益を最大化することをめざしています。
a.ファンドの意義
SBIAは、日米のアドバイザリー会社の助言を受けながら、ファンドの投資先選定や各種投資意思決定プロセスの管理を行っており、ファンドの投資の状況に応じて、管理報酬および成功報酬を受け取ります。
また、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして同ファンドに出資を行います。同ファンドへの参加は、他のリミテッド・パートナーの拠出金額と合わせた大規模かつ長期的な投資への参画だけでなく、自らの資金のみで行う場合と比較して、財務的負担および信用性への影響を抑制した持続的な投資活動が可能となります。
b.運用体制
SBIAは、当社取締役であるラジーブ・ミスラがCEOを務めるほか、投資銀行やベンチャー・キャピタル、テクノロジー企業などそれぞれ多様な経歴を持つ約10名のマネージング・パートナーが中心となって投資先候補の選定や評価、投資先のモニタリングを行っています。SBIAに設置された投資委員会がソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資の意思決定を行い、ラジーブ・ミスラと当社代表取締役会長 兼 社長の孫正義が同委員会に参画しています。SBIAおよびアドバイザリー会社の従業員数は、2018年3月31日現在、159名に達しており、ファンドの投資規模の拡大に合わせ、組織の拡充を図っています。
c.投資アプローチ
ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、上場・非上場や保有株式割合の多寡を問わず、新興テクノロジー企業から成長のために大規模な資金を必要とする数十億米ドル規模の企業価値の大企業まで、投資を行っていきます。917億米ドル(2018年3月31日現在)という巨額の出資コミットメントを保有することにより、企業価値の高い非上場企業への投資を複数行うことが可能であるほか、ファンドの存続期間が長期に渡るため、中長期的な投資リターンを追求することが可能です。
d.投資先価値の最大化の追求
SBIAは、投資先を慎重に選定することに加え、投資後も様々な支援を行い投資先の成長を促すことにより、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先価値の最大化を追求します。SBIAは、このような投資活動の中で、情報・テクノロジー分野における当社グループの知見を活用することが可能です。
②健全な財務運営および財務基盤の継続的な改善
当社は、通信事業のキャッシュ・フローに依拠した財務運営から移行し、より純粋持株会社としての機能を強めるとともに、ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの参画を通じ戦略的投資を引き続き行っていきます。このような展開を持続的に支えるために、当社はこれまで以上に安定した財務運営が求められます。同ファンドへの出資コミットメントの履行のための資金調達は、保有有価証券の活用ならびに売却などにより行う予定です。これらの資金調達にあたっては、既存のステークホルダーに配慮し、国内通信事業についてはネットレバレッジ・レシオ(注1)を、その他の事業については負債カバー水準(注2)を主な指標として、それぞれ一定の水準以下に維持することを心掛け、健全な財務運営および財務基盤の継続的な改善に取り組んでいきます。
(注1)ネットレバレッジ・レシオ=純有利子負債÷調整後EBITDA。純有利子負債=有利子負債-手元流動性
(注2)負債カバー水準=純有利子負債÷保有株式価値
③今後の成長分野でのアームのシェア拡大
プロセッサーの設計を手がけるアームのテクノロジーは、省電力性に優れており、現在、スマートフォン用メインチップの95%以上に採用されています。アームの製品・サービスが属する世界の半導体市場は堅調な成長が見込まれており、アームは、研究開発にさらに積極的に取り組むことで、スマートフォン分野での圧倒的なシェアを維持するとともに、ネットワーク・インフラ、サーバー、車載機器、IoT、AIなどの成長余地が大きいとみられる分野でもシェアを拡大させていきます。
世界の半導体市場
(十億米ドル)
2015年4月
~2016年3月
2016年4月
~2017年3月
2017年4月
~2018年3月
市場規模(金額ベース)150.9154.8168.9
年間成長率△2.7%2.6%9.2%

出典:World Semiconductor Trade Association Trade Statistics(WSTS)、2018年5月時点。プロセッサー技術を含まないメモリーおよびアナログチップを除く。
④スプリントの着実な改善
米国の移動通信市場は成熟期を迎えているものの、同業他社のデータ無制限プラン導入後は顧客獲得競争が激化しています。こうした状況下、スプリントは、豊富な周波数を最大限に活用してネットワーク品質および顧客価値の向上を推し進め、ポストペイドおよびプリペイド携帯電話の契約数の増加とARPUの安定化による売上高の拡大を図っています。2019年3月期からは、他事業者との差別化戦略を推進するため、通信設備への投資額(現金支出ベース)を大幅に増やしネットワーク品質をさらに改善させる計画です。そのほか、事業運営の効率性を向上させることで、コスト削減にも継続的に取り組んでいます。
なお、2018年4月29日(米国東部時間)、スプリントとT-Mobile US, Inc.は、両社の全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)(注)に関して最終的な合意に至りました。当社は、本取引により想定されるコストの低減と規模の経済性による大きなシナジーが、統合会社の価値の増大と当社の資産価値向上に貢献し、結果として当社の株主にとっての株式価値向上につながると確信しています。
(注)本取引は、両社の株主および規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を必要とします。本取引のクロージングは、遅くとも2019年半ばまでに行われることを見込んでいます。本取引の完了後、統合後の会社は当社の持分法適用関連会社となり、スプリントは当社の子会社ではなくなる見込みです。
米国の移動通信市場
(千件)
2016年3月末2017年3月末2018年3月末
累計回線数(IoT端末(注)除く)342,870345,297342,455
年間成長率4.0%0.7%△0.8%
累計回線数(IoT端末含む)401,438416,654438,700
年間成長率6.7%3.8%5.3%

出典:GSMA Intelligence。
(注)IoT端末のうち、免許不要帯域を利用するものを除く。
⑤国内通信事業の着実な利益成長と安定的なキャッシュ・フローの創出
日本の国内通信市場は、世界的に見ても高い利益率を誇る安定した市場の一つですが、近年では、仮想移動体通信事業者(注)各社が登場し、顧客獲得競争の進展がみられるほか、日本市場全体として少子高齢化の進展に伴う人口減少の問題に直面しています。このような構造問題を背景に、国内通信事業を担うソフトバンク㈱では着実な利益成長と安定的なキャッシュ・フローの創出を達成することを課題とし、顧客基盤の拡大と、通信領域以外の新規ビジネスの育成・拡大を進めていきます。
顧客基盤の拡大にあたっては、「SoftBank」「Y!mobile」「LINEモバイル」の3ブランドによるマルチブランドを採用し、種々様々なニーズに的確に対応していきます。また、「SoftBank 光」などのブロードバンドサービスと移動通信サービスとのセット契約割引「おうち割」や、通信サービスと「ソフトバンクでんき」のセット契約割引「おうち割でんきセット」の提供により、顧客との接点を個人から家庭へと拡大し収益機会を創出していきます。これに加え、通信サービスを営むことにより得られるビッグデータの分析を通じ、新たなビジネスソリューションの開発・提案に生かしていきます。
また、ヤフー㈱との連携を深めることで、同業他社に対する差別化を図っており、イーコマースやコンテンツ、シェアリングビジネス等の分野における連携したサービス提供により、新たな収益源の確保によるグループ利益の最大化を図っていきます。
このほか、通信領域以外の新規ビジネスの育成・拡大を目指す「Beyond Carrier」戦略を推進していきます。ソフトバンク㈱が構築してきた顧客などステークホルダーとの良好な関係、通信ネットワーク、店舗、販売ノウハウといった事業資産のポテンシャルを最大限に発揮しながら、新たな成長エンジンを見出すべく投資を実施していくとともに、当社グループのもつ世界中の優れたテクノロジー企業とのつながりを活用した次世代サービスを展開していきます。
(注)仮想移動通信事業者:Mobile Virtual Network Operator(MVNO)。移動通信事業者からネットワークを借りて移動通信サービスを提供する事業者。
日本の移動通信市場
(千件)
2016年3月末2017年3月末2018年3月末
累計契約数156,459162,730168,440
年間成長率4.1%4.0%3.5%

出典:電気通信事業者協会および当社データ。PHSを除く。MVNOへの貸出し回線を含む。

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