有価証券報告書-第65期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 9:21
【資料】
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【項目】
103項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)きもの事業について
当社グループの主力商品であるきものに関しましては、その市場規模は当社の調査によりますと、きもの消費のピークと考えられる昭和50年前後には1兆8千億円の市場規模を有していたものと推計され、その後ライフスタイルの変化ときものの着用機会の減少、またバブル崩壊後の景気低迷もあいまって、平成26年にはその市場規模は2,900億円程度まで縮小したものと推計いたしております。卸売業者におきましてもメーカー、小売業者の低迷に伴い競争の激化と淘汰が進んでおり、きもの市場は今後も引続き厳しい環境が継続するものと考えております。
当社グループにおきましては、きもの市場を取巻く環境が厳しい中、これからの卸売業は従来の商品供給機能に加え、メーカーへの商品開発提案や小売業者への販促企画提案を行う等付加価値サービス機能が求められていると考えております。この為、これら付加価値サービス機能をもち、「メーカー機能と小売機能を兼ね備えた商社」を事業領域として位置づけ、具体的には、和の文化・伝統を生かした「花布季」、タレントのローラを起用した振袖ブランド「ROLA」等当社オリジナルブランドのメーカーとの共同開発、また小売情報のフィードバック等メーカー・サポートを行うとともに、当社主催催事への小売業者の参加、小売業者主催催事への商品供給、販売促進企画の提供等きめ細かなリテイル・サポートを行っております。
当社グループはこれらの実践により、企業として業界のトップクラスと自負いたしておりますが、このことは従来の卸売業の枠組みを拡大することになり、販売の強化と売上総利益の確保を可能とします。同時にメーカーの商品開発リスクを負担しながら、小売業の機能を果たすということが要求されることになり、将来においても有効に競争できるという保証はありません。有効に競争できないことにより当社グループの経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(2)ジュエリー事業について
当社グループはジュエリー事業においてスペインの貴金属宝飾品「カレラ イ カレラ」を主力ブランドとして、ダイヤ・色石・真珠商品等を全国の宝石専門店等への販売を行っております。「カレラ イ カレラ」商品につきましては日本の代理店として全国に展開いたしております。当社グループでは本代理店契約につきましてはジュエリー事業の展開に必要な契約であり、契約期間満了後も継続する考えでおりますが、経営・財務またはその他の理由により当事者間で合意に至らない場合は、当社グループの経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、商品のファッション性が高いことから、消費動向及び流行の影響をうけることにより当社グループの経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(3)ファッション事業について
当社グループはファッション事業において毛皮・レザー製品など冬物衣料、高級ハンドバッグを取扱っております。これらの事業は、商品のファッション性が高いことから、消費動向及び流行の影響をうけることにより当社グループの経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(4)債権回収リスクについて
当社の主要販売商品であるきもの業界におきましては、盆暮れの節季払い等古くからの慣習もあり売上債権の回収期間が長いことが、一般的な取引慣行になっています。このため、当社グループにおきましては、売上債権の縮小を目的に同回転期間の早期化を図るとともに、「与信管理規程」に基づき得意先毎に与信限度管理を行い、経営委員会において与信状況の報告と情報の共有化を行う等できる限りの対応を行っております。しかし、当社の事業を取巻く市場環境は依然として厳しい状況が続いていることもあり、債権回収リスクが顕在化することにより当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、最近5ヶ年の売上高及び売上債権回転期間につきましては下記のとおりであります。
決算年月平成23年3月期平成24年3月期平成25年3月期平成26年3月期平成27年3月期
売上高 A(百万円)11,06610,2349,8329,7979,256
1ヶ月平均売上高 B
(A÷12)
(百万円)922852819816771
受取手形(百万円)2,2252,370
(2,118)
2,136
(1,928)
1,6871,470
売掛金(百万円)1,7081,6871,7071,7641,701
売上債権合計 C(百万円)3,9344,057
(3,805)
3,843
(3,636)
3,4513,171
売上債権回転期間 C÷B(ヶ月)4.274.76
(4.46)
4.69
(4.43)
4.234.11

(注)( )は決算期末日が金融機関の休日であったため、当該期日の受取手形を期末日に決済されたものとして計算しております。
(5)連結子会社について
当社の100%子会社である株式会社優彩美は、きもの小売市場の厳しい状況下において、懸命な営業努力をした結果、平成27年3月期の当期純利益は18百万円と前年同期比7百万円(59.4%)の増加とすることができました。
しかし、同社は平成27年3月末現在、71百万円の債務超過となっております。
かかる子会社の業績回復の遅れや予期せぬ災害の発生等によって、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。