有価証券報告書-第35期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 9:52
【資料】
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【項目】
125項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国経済が世界的な原油価格の下落と新興国の減速により鉱工業部門に陰りがあるものの堅調な個人消費に支えられ底堅く回復を続けました。又、欧州経済も緩やかな回復基調を継続しましたが、中国経済は過剰設備問題等により減速いたしました。
我が国経済は、個人消費の弱含みが続くと同時に輸出も伸び悩み本格回復に至りませんでした。
当社グループを取巻く非鉄金属業界においては高機能・高級化が進む一部のスマートフォン・タブレット端末向け等を除き、中国経済の減速が響き需要が弱含みで推移しました。
このような経済環境のもと、当社グループの売上面においては、チタン展伸材の輸出取引、スマートフォン・タブレット端末関連部材、航空機関連部品、及び当連結会計年度に連結子会社化した平和金属株式会社が貢献いたしましたが、中国における需要低迷を主要因に市況下落が続いたことにより、非鉄原料及びレアメタル・レアアースの売上が減少いたしました。
利益面では販売費及び一般管理費の増加により営業利益は減益となり、経常利益は前年度にはケィ・マック株式会社の持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益を含む持分法投資利益という一過性の利益要因が含まれていたこともあり減益となりました。なお、当連結会計年度より連結子会社となった平和金属株式会社の株式取得に伴う負ののれん発生益1,975百万円を特別利益に計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。
この結果、当連結会計年度における連結経営成績は、売上高201,755百万円(前期比0.1%増加)、営業利益3,792百万円(同17.3%減少)、経常利益4,281百万円(同17.8%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益4,977百万円(同42.0%増加)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。
・軽金属・銅製品事業
中国経済が調整局面を迎え、国内外で需要面の停滞感は払拭できなかったものの、業務用空調、自動車、2輪、航空機分野は期を通じて堅調に推移いたしましたが、住宅用建材、半導体並びに液晶関係部材、家庭用空調分野はやや低調な業績にとどまりました。一方、国内製造子会社はスマートフォン部品関連の製造設備や航空機部品の堅調な需要を背景に高いレベルでの業績貢献となりました。なお利益面では前連結会計年度においてケィ・マック株式会社を持分法適用関連会社としたことに伴う負ののれん発生益628百万円を営業外収益に計上したことを受けセグメント利益は減益となりました。
この結果、当セグメントにおける売上高は88,031百万円(前期比14.8%増加)、セグメント利益は2,573百万円(同14.3%減少)となりました。
・電子・機能材事業
スマートフォン・タブレット端末向け部材は、端末数量の伸長率は鈍化いたしましたが、通信機能の高度化が引続き進んだため高機能受動部品用部材は大幅に伸長し、端末向け二次電池部材も堅調に推移いたしました。また、チタン・ニッケル製品輸出は、為替効果と中国電力プロジェクトの復活により欧州・中国向けは、いずれも順調に推移いたしました。しかし太陽光発電関連部材は政府による補助金政策の見直しにより減速し、環境関連部材においても取引先による在庫調整の遅れの影響もあり、取扱いが減少いたしました。
一方、レアメタル・レアアースの分野においては、中国の需要減少を主要因とする市況下落の影響が大きく、レアアースを中心に売上高は前年同期に比べ減少いたしました。
この結果、当セグメントにおける売上高は72,419百万円(同6.9%減少)、セグメント利益は1,498百万円(同13.6%減少)となりました。
・非鉄原料事業
中国経済の減速で商品市況が急落する中、当セグメントが取扱う銅スクラップ、アルミ再生塊、亜鉛地金、鉛地金、金属珪素、軽金属圧延用マグネシウム地金等の市況が下落し、これに伴い顧客の在庫調整が加わったため、売上価格、売上数量はともに低下し、当セグメントにおける売上高は前期に比べ減少いたしました。また、在庫販売を行っている連結子会社のアルミ銅センター株式会社は、市況急落による収益減少によりセグメント利益を大きく押し下げました。
この結果、当セグメントにおける売上高は32,824百万円(同10.4%減少)、セグメント利益は49百万円(同81.7%減少)となりました。
・建設・産業資材事業
当連結会計年度における国内建設市場は新設住宅着工戸数が増加に転じたものの、人手不足による工期遅れと円安による資材高騰により引続き需要が低迷しており、民間設備投資も徐々に回復の兆しがみえておりますが、配管機材需要は全体的に低調でありました。これに加え円安継続に伴う輸入コスト上昇により、バルク貯槽やダイカスト製品の輸入取引が大幅に減少いたしました。一方、配管機材の輸出・海外取引は円安効果もあり好調に推移し、当連結会計年度に連結子会社化した東海溶業株式会社も業績に寄与いたしましたが、全体的な収益減少をカバーするには至りませんでした。
この結果、当セグメントにおける売上高は12,822百万円(同10.5%減少)、セグメント利益は166百万円(同19.7%減少)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,259百万円増加し、19,773百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
キャッシュ・フローの状況
営業活動による
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは10,630百万円の増加(前期比10,080百万円の増加)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益6,229百万円、のれん償却を含む減価償却費等1,591百万円、売上債権の減少額3,320百万円、及びたな卸資産の減少5,153百万円であります。また主な減少要因は仕入債務の減少1,917百万円、法人税等の支払額2,080百万円、及び平和金属株式会社の株式取得に伴う負ののれん発生益1,975百万円であります。
投資活動による
キャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは5,188百万円の減少(前期比5,083百万円の減少)となりました。主な増加要因は平和金属株式会社の連結子会社化に伴う収入2,192百万円であります。また主な減少要因は有形固定資産の取得による支出1,846百万円、及び東海溶業株式会社、マークテック株式会社の連結子会社化に伴う支出5,721百万円であります。
財務活動による
キャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは2,112百万円の増加(前期比3,557百万円の増加)となりました。主な増加要因は短期借入金の純増加額6,316百万円、及び新株予約権の行使に伴う株式発行による収入67百万円であります。また主な減少要因は長期借入金の純減少額2,974百万円、社債の償還による支出600百万円、及び配当金の支払額565百万円であります。