有価証券報告書-第153期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
○グループ経営理念「いつも、人から。」
当社グループは、「いつも、人から。」を経営理念として掲げております。この経営理念には、従業員一人ひとりが「人」としての思いやりや誠実さをもち、自主性・創造性を発揮して行動すること、そしてグループを取り巻くすべての「人」(ステークホルダー)との信頼を深め、ともにこころ豊かな暮らしを築いていきたいという強い思いが込められています。
お客様の豊かな暮らしの実現に奉仕すること、革新的な経営を推進すること、公正で透明な企業活動や社会貢献により社会的責任を果たしていくことなど、企業が成長・発展していくための原動力はすべて「人」に集約されます。企業に対し、より強い倫理観が求められる社会潮流の中で、当社グループはこれからも経営の原点を「人」におき、すべてのステークホルダーの皆様の期待に応えるための取り組みを進めてまいります。
○企業メッセージ「‘変わらない’のに、あたらしい」
心のこもったおもてなしなど「変えてはならないもの」と、お客様にもっと喜んでいただくため「変えるべきもの」を明確にし、全員が一丸となって、お客様を起点に進化し続ける企業グループを目指します。
(2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、毎年5年後をターゲットとした「髙島屋グループ長期プラン」を策定しております。2023年度の連結経営目標は、以下の通りです。
○営業収益 9,900億円
○営業利益 430億円
○ROE 5.0%以上(当期純利益/自己資本)
○ROA 3.7% (経常利益/総資産)
○自己資本比率 42.9%
(3)経営戦略等
髙島屋グループ長期プランでは、2023年度に営業収益は9,900億円、営業利益430億円の達成を目指してまいります。(当目標値を算定するに当たり、IFRS第16号「リース」の適用影響を考慮しておりますが、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」の適用影響につきましては、評価中のため考慮しておりません。なお、両会計基準の詳細につきましては、「未適用の会計基準等」をご参照ください。)
営業収益につきましては、国内市場の縮小や消費増税の影響を織り込みつつ、不動産・金融業などの国内グループ事業および海外事業を成長分野と位置づけ、収益増大を図ってまいります。
営業利益につきましては、社会からの要請に伴うコスト増を含む経費負担増加を見込む一方で、グループ変革プロジェクトを通じた事業構造改革・労働生産性向上を継続するとともに、国内百貨店業を中心とした経営改革の断行、及び国内グループ事業、海外事業の成長により430億円をめざしてまいります。
ROEとROAにつきましては、今後も持続的な向上を図ってまいります。
投資につきましては、5年間で2,300億円を見込んでおります。投資はキャッシュフローの範囲内に抑えた上で、資本コストを意識し、十分なリターンが確保できる案件を実施していくことに加え、長期的な企業価値向上の観点から、「まちづくり戦略」視点における不動産取得、SDGs達成を加速する投資、不動産の維持・管理、バリューアップ等に必要な投資を行ってまいります。
有利子負債(借入もしくは社債。リース債務は含まない)につきましては、これまでの水準と同程度の1,948億円を2023年度の目標としてまいります。
当社グループは、引き続き、グループ総合戦略「まちづくり戦略」を基本戦略とし、国内百貨店、国内グループ、海外事業とのシナジーを発揮することにより、安定的成長を実現してまいります。
まちづくり戦略には2つの考え方があります。
一つは、地域と共生し、街のアンカーとして役割を発揮する、言わば「まちの流れをつくる」という役割発揮です。もう一つは、お客様の多様なニーズに応えるべくグループ力を結集させ、館の魅力を最大化することです。
当社グループは、国内外21店舗、その他、東神開発の商業施設を含め、それぞれの地域やお客様の特性を踏まえた、まちづくり戦略を推進してまいります。
さらに、本年度からSDGsを経営戦略に組み入れ、事業活動を通じて社会課題の解決と企業としての持続的な成長をめざしてまいります。
事業別の基本戦略と主な取り組みは以下の通りです。
○国内百貨店
国内百貨店では、まちづくり戦略推進による営業力強化を図るとともに、経営改革を断行し、2023年度営業利益100億円をめざしてまいります。
○国内グループ
国内グループでは、百貨店とのシナジーにより培った実績を武器に、グループの安定的成長基盤として各社の事業領域を拡大し、特に成長分野と位置付けている不動産業・金融事業の重点強化により、営業利益225億円をめざしてまいります。
不動産業では、東神開発を中心に、既存ショッピングセンターの周辺開発に加え、M&Aやアライアンスによる新規事業領域の拡大に努めてまいります。また金融業では、髙島屋クレジットにおいて、既存カード事業の拡大に加え、ローン事業などあらたな領域にもチャレンジし、百貨店の「お客様づくり」を支えるファイナンス事業会社へと進化させてまいります。
○海外事業
海外事業では、シンガポールを拠点にASEAN戦略を推進してまいります。シンガポール事業の更なる成長に加えて、周辺開発を視野に入れたベトナム事業の拡大、昨年11月に開業したサイアム髙島屋や上海高島屋の収支改善への取り組みを強化し、営業利益110億円をめざしてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
少子化による人口減少と超高齢化社会の進展を背景とした構造的問題が顕在化する中、国内景気は、世界的な貿易摩擦や消費増税の影響懸念などにより、先行きの不透明感が増しています。また、技術革新や価値観の多様化を背景とした社会や消費行動の変化への対応が、企業の中長期的な課題となっています。百貨店業界においては、業態を超えて競合が激化し、足下の業績悪化、労働力不足や物流費などのコスト上昇もあり収益力が低下し、構造改革が課題となっています。
こうした中、当社グループは、「グループシナジーの最大化による成果発揮」を本年度の経営目標に掲げ、グループ総合戦略「まちづくり戦略」の下、各事業の成長を目指してまいります。そのために「収益構造改革」、「百貨店と専門店の融合」及びこれらを進めるための「グループシナジーの発揮」を課題として取り組んでまいります。
また、気候変動や自然災害が経済や社会問題にも波及する中、地球全体に深刻な影響を及ぼすリスクが高まり、企業にも対応が求められています。当社は、SDGsを支持し、全てのステークホルダーの皆様と共に持続可能な消費・サービスモデルを構築することを経営課題として位置づけ、本業を通じて、社会的課題解決への貢献と事業成長の両立を図ってまいります。4月には「髙島屋グループSDGs原則」を策定いたしました。「地球環境への配慮」、「まちづくり」、「持続可能な商品・サービスの提供」、「働きがいの創出」などの重点テーマに積極的に取り組んでまいります。
これらの目標、課題を踏まえ、各事業領域にて、以下の具体的取り組みを行ってまいります。
百貨店業におきましては、「まちづくり戦略」の深化を図ってまいります。そのためには収益性の高い事業体質への転換が必須であることを認識し、「収益構造改革」に取り組んでまいります。デジタル技術を活用した「グループ変革プロジェクト」などにより、人件費や庶務費などの経費削減や働き方改革といった課題に取り組み、経営効率を抜本的に見直し、創出した原資を再投資して、当社グループならではの価値を提供する「まちづくり」を実現してまいります。
「まちづくり戦略」では、グループシナジーを発揮する「百貨店と専門店の融合」を課題としてまいります。百貨店は変わらぬ価値を持つ上質な商品、北海道展などの商品催や文化の発信など、百貨店にしかできない価値の提供を、専門店は鮮度の高いモノやコトMD導入など、専門店ならではの価値の提供を行い、地域のお客様ニーズに合わせて、双方の強みを組み合わせた魅力ある館づくりを実現いたします。また、ECサイトも「まち」として捉え、その戦略や推進を担う「EC事業部」を新設し、店頭とネットの使い分けニーズを含め、楽しさと利便性の向上に取り組んでまいります。
店舗政策につきましては、本年3月、「日本橋髙島屋S.C.」の本館・百貨店の改装が完成し、6万6千㎡の新・都市型ショッピングセンターとしてグランドオープンいたしました。東神開発株式会社による専門店とのシナジー効果を発揮し、エリアの賑わいを高めると共に憩いの場として、地域と共に成長させてまいります。日本初の本格的ショッピングセンター「玉川髙島屋S・C」は開業50周年を迎え、「過ごす」ために訪れるライフスタイルセンターへの進化を目指しリニューアルいたします。玉川店も食料品フロアなどを改装し、ショッピングセンター全体としての集客力を高めてまいります。開業60周年を迎える横浜店では、横浜駅西口の環境整備の中で、地下1階を段階的に増床し、2021年春には国内最大級5千㎡の食料品フロアの完成を目指してまいります。また、大阪店に近く、オフィス機能と「髙島屋史料館」を擁する「髙島屋東別館」を、文化的価値の高い建築様式を生かしてリノベーションいたします。メインテナントには、東南アジア最大の不動産会社キャピタランドグループのアスコット社が運営するサービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」を誘致し、大阪店との相互利用を図ってまいります。
商品政策につきましては、お客様のニーズへの対応と、商品利益率の低下が課題となる中、編集売場やオリジナル商品などの施策を通じて、課題解決を図ってまいります。百貨店の強みとなる編集売場の開発では、「日本橋髙島屋S.C.」本館改装にて、パーティーシーンを彩るドレスを内外から集めた「ドレスアップクローゼット」や、発見する楽しみがあるプレステージ雑貨編集ショップ「ギャラリー ル シック」を導入いたしました。今後は、様々なお客様のニーズに対応すべく、全ての商品群においてサイズの品揃えを強化いたします。
「文化の発信」は、百貨店が果たすべき重要な役割と捉え、文化催では、「手塚雄二展 光を聴き、風を視る」の巡回展示や、「御即位30年 御成婚60年記念 特別展『国民とともに歩まれた平成の30年』」などを開催しております。また、新たな文化発信拠点として日本橋店に「髙島屋史料館TOKYO」を新設し、デジタル対応の展示や有識者によるセミナーなど、文化の発信、交流、育成の役割を果たしてまいります。
顧客政策につきましては、店頭でのお客様づくりを第一に、サービスや品揃えをスピーディに改善すると共に、大型店を中心にストアコンシェルジュを再配置し、全館にまたがる接客販売体制を整えてまいります。また、デジタル技術を活用し、お客様との接点を拡充してまいります。インバウンドは、売上の伸びに減速傾向が見られたものの、訪日外国人数の堅調な伸びの中、増大を見込んでおります。現地SNS活用や多言語WEBサイトの充実、モバイル決済対応や免税手続きの簡素化など、快適なお買物環境を整備してまいります。
海外店舗につきましては、シンガポール・上海・ホーチミンでの実績やノウハウを活用し、昨年バンコクに開業した「サイアム髙島屋」の収益改善・早期黒字化を図り、4拠点体制にてASEAN地域における成長の基盤を築き、国内と海外の事業シナジーを高めてまいります。
不動産業におきましては、東神開発株式会社が、百貨店と連携した「日本橋髙島屋S.C.」の集客向上や本年秋の「玉川髙島屋S・C」のリニューアルに取り組むほか、流山エリアでは、鉄道会社や取得した株式会社ティーアンドティーとの連携により、エリアでの事業を拡大いたします。海外では、ホーチミンの「サイゴンセンター」運営事業を中核とし、周辺エリアを開拓してまいります。
金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、百貨店・専門店双方における新規会員獲得・カード利用促進を図り、収入増大を図ってまいります。また、外商お得意様向けの新カード発行や、カードの即日発行等、新たな商品・サービスの提供により、魅力度や利便性を向上させてまいります。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、「まちづくり」への参画と共に、東京オリンピック・パラリンピックに向け活発化する大型プロジェクトの受注に努めるほか、企画、デザインなどのソフト機能を高め、提案型受注による競争力・収益力向上を図ってまいります。
内部統制システムにつきましては、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化し、豪雨や地震など自然災害時の事業継続や災害対策プランの構築などに取り組んでまいります。コーポレートガバナンスにつきましては、改訂されたコーポレートガバナンス・コードへの対応を含め、取締役会の更なる機能強化に取り組み、継続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
昨年、当社は配送料金の改定及び制服の受注事案において公正取引委員会より排除措置命令を受けました。当社といたしましては、このような事態を厳粛かつ真摯に受け止め、コンプライアンス体制の強化・徹底に努めてまいります。
(1)経営方針
○グループ経営理念「いつも、人から。」
当社グループは、「いつも、人から。」を経営理念として掲げております。この経営理念には、従業員一人ひとりが「人」としての思いやりや誠実さをもち、自主性・創造性を発揮して行動すること、そしてグループを取り巻くすべての「人」(ステークホルダー)との信頼を深め、ともにこころ豊かな暮らしを築いていきたいという強い思いが込められています。
お客様の豊かな暮らしの実現に奉仕すること、革新的な経営を推進すること、公正で透明な企業活動や社会貢献により社会的責任を果たしていくことなど、企業が成長・発展していくための原動力はすべて「人」に集約されます。企業に対し、より強い倫理観が求められる社会潮流の中で、当社グループはこれからも経営の原点を「人」におき、すべてのステークホルダーの皆様の期待に応えるための取り組みを進めてまいります。
○企業メッセージ「‘変わらない’のに、あたらしい」
心のこもったおもてなしなど「変えてはならないもの」と、お客様にもっと喜んでいただくため「変えるべきもの」を明確にし、全員が一丸となって、お客様を起点に進化し続ける企業グループを目指します。
(2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、毎年5年後をターゲットとした「髙島屋グループ長期プラン」を策定しております。2023年度の連結経営目標は、以下の通りです。
○営業収益 9,900億円
○営業利益 430億円
○ROE 5.0%以上(当期純利益/自己資本)
○ROA 3.7% (経常利益/総資産)
○自己資本比率 42.9%
(3)経営戦略等
髙島屋グループ長期プランでは、2023年度に営業収益は9,900億円、営業利益430億円の達成を目指してまいります。(当目標値を算定するに当たり、IFRS第16号「リース」の適用影響を考慮しておりますが、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」の適用影響につきましては、評価中のため考慮しておりません。なお、両会計基準の詳細につきましては、「未適用の会計基準等」をご参照ください。)
営業収益につきましては、国内市場の縮小や消費増税の影響を織り込みつつ、不動産・金融業などの国内グループ事業および海外事業を成長分野と位置づけ、収益増大を図ってまいります。
営業利益につきましては、社会からの要請に伴うコスト増を含む経費負担増加を見込む一方で、グループ変革プロジェクトを通じた事業構造改革・労働生産性向上を継続するとともに、国内百貨店業を中心とした経営改革の断行、及び国内グループ事業、海外事業の成長により430億円をめざしてまいります。
ROEとROAにつきましては、今後も持続的な向上を図ってまいります。
投資につきましては、5年間で2,300億円を見込んでおります。投資はキャッシュフローの範囲内に抑えた上で、資本コストを意識し、十分なリターンが確保できる案件を実施していくことに加え、長期的な企業価値向上の観点から、「まちづくり戦略」視点における不動産取得、SDGs達成を加速する投資、不動産の維持・管理、バリューアップ等に必要な投資を行ってまいります。
有利子負債(借入もしくは社債。リース債務は含まない)につきましては、これまでの水準と同程度の1,948億円を2023年度の目標としてまいります。
当社グループは、引き続き、グループ総合戦略「まちづくり戦略」を基本戦略とし、国内百貨店、国内グループ、海外事業とのシナジーを発揮することにより、安定的成長を実現してまいります。
まちづくり戦略には2つの考え方があります。
一つは、地域と共生し、街のアンカーとして役割を発揮する、言わば「まちの流れをつくる」という役割発揮です。もう一つは、お客様の多様なニーズに応えるべくグループ力を結集させ、館の魅力を最大化することです。
当社グループは、国内外21店舗、その他、東神開発の商業施設を含め、それぞれの地域やお客様の特性を踏まえた、まちづくり戦略を推進してまいります。
さらに、本年度からSDGsを経営戦略に組み入れ、事業活動を通じて社会課題の解決と企業としての持続的な成長をめざしてまいります。
事業別の基本戦略と主な取り組みは以下の通りです。
○国内百貨店
国内百貨店では、まちづくり戦略推進による営業力強化を図るとともに、経営改革を断行し、2023年度営業利益100億円をめざしてまいります。
○国内グループ
国内グループでは、百貨店とのシナジーにより培った実績を武器に、グループの安定的成長基盤として各社の事業領域を拡大し、特に成長分野と位置付けている不動産業・金融事業の重点強化により、営業利益225億円をめざしてまいります。
不動産業では、東神開発を中心に、既存ショッピングセンターの周辺開発に加え、M&Aやアライアンスによる新規事業領域の拡大に努めてまいります。また金融業では、髙島屋クレジットにおいて、既存カード事業の拡大に加え、ローン事業などあらたな領域にもチャレンジし、百貨店の「お客様づくり」を支えるファイナンス事業会社へと進化させてまいります。
○海外事業
海外事業では、シンガポールを拠点にASEAN戦略を推進してまいります。シンガポール事業の更なる成長に加えて、周辺開発を視野に入れたベトナム事業の拡大、昨年11月に開業したサイアム髙島屋や上海高島屋の収支改善への取り組みを強化し、営業利益110億円をめざしてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
少子化による人口減少と超高齢化社会の進展を背景とした構造的問題が顕在化する中、国内景気は、世界的な貿易摩擦や消費増税の影響懸念などにより、先行きの不透明感が増しています。また、技術革新や価値観の多様化を背景とした社会や消費行動の変化への対応が、企業の中長期的な課題となっています。百貨店業界においては、業態を超えて競合が激化し、足下の業績悪化、労働力不足や物流費などのコスト上昇もあり収益力が低下し、構造改革が課題となっています。
こうした中、当社グループは、「グループシナジーの最大化による成果発揮」を本年度の経営目標に掲げ、グループ総合戦略「まちづくり戦略」の下、各事業の成長を目指してまいります。そのために「収益構造改革」、「百貨店と専門店の融合」及びこれらを進めるための「グループシナジーの発揮」を課題として取り組んでまいります。
また、気候変動や自然災害が経済や社会問題にも波及する中、地球全体に深刻な影響を及ぼすリスクが高まり、企業にも対応が求められています。当社は、SDGsを支持し、全てのステークホルダーの皆様と共に持続可能な消費・サービスモデルを構築することを経営課題として位置づけ、本業を通じて、社会的課題解決への貢献と事業成長の両立を図ってまいります。4月には「髙島屋グループSDGs原則」を策定いたしました。「地球環境への配慮」、「まちづくり」、「持続可能な商品・サービスの提供」、「働きがいの創出」などの重点テーマに積極的に取り組んでまいります。
これらの目標、課題を踏まえ、各事業領域にて、以下の具体的取り組みを行ってまいります。
百貨店業におきましては、「まちづくり戦略」の深化を図ってまいります。そのためには収益性の高い事業体質への転換が必須であることを認識し、「収益構造改革」に取り組んでまいります。デジタル技術を活用した「グループ変革プロジェクト」などにより、人件費や庶務費などの経費削減や働き方改革といった課題に取り組み、経営効率を抜本的に見直し、創出した原資を再投資して、当社グループならではの価値を提供する「まちづくり」を実現してまいります。
「まちづくり戦略」では、グループシナジーを発揮する「百貨店と専門店の融合」を課題としてまいります。百貨店は変わらぬ価値を持つ上質な商品、北海道展などの商品催や文化の発信など、百貨店にしかできない価値の提供を、専門店は鮮度の高いモノやコトMD導入など、専門店ならではの価値の提供を行い、地域のお客様ニーズに合わせて、双方の強みを組み合わせた魅力ある館づくりを実現いたします。また、ECサイトも「まち」として捉え、その戦略や推進を担う「EC事業部」を新設し、店頭とネットの使い分けニーズを含め、楽しさと利便性の向上に取り組んでまいります。
店舗政策につきましては、本年3月、「日本橋髙島屋S.C.」の本館・百貨店の改装が完成し、6万6千㎡の新・都市型ショッピングセンターとしてグランドオープンいたしました。東神開発株式会社による専門店とのシナジー効果を発揮し、エリアの賑わいを高めると共に憩いの場として、地域と共に成長させてまいります。日本初の本格的ショッピングセンター「玉川髙島屋S・C」は開業50周年を迎え、「過ごす」ために訪れるライフスタイルセンターへの進化を目指しリニューアルいたします。玉川店も食料品フロアなどを改装し、ショッピングセンター全体としての集客力を高めてまいります。開業60周年を迎える横浜店では、横浜駅西口の環境整備の中で、地下1階を段階的に増床し、2021年春には国内最大級5千㎡の食料品フロアの完成を目指してまいります。また、大阪店に近く、オフィス機能と「髙島屋史料館」を擁する「髙島屋東別館」を、文化的価値の高い建築様式を生かしてリノベーションいたします。メインテナントには、東南アジア最大の不動産会社キャピタランドグループのアスコット社が運営するサービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」を誘致し、大阪店との相互利用を図ってまいります。
商品政策につきましては、お客様のニーズへの対応と、商品利益率の低下が課題となる中、編集売場やオリジナル商品などの施策を通じて、課題解決を図ってまいります。百貨店の強みとなる編集売場の開発では、「日本橋髙島屋S.C.」本館改装にて、パーティーシーンを彩るドレスを内外から集めた「ドレスアップクローゼット」や、発見する楽しみがあるプレステージ雑貨編集ショップ「ギャラリー ル シック」を導入いたしました。今後は、様々なお客様のニーズに対応すべく、全ての商品群においてサイズの品揃えを強化いたします。
「文化の発信」は、百貨店が果たすべき重要な役割と捉え、文化催では、「手塚雄二展 光を聴き、風を視る」の巡回展示や、「御即位30年 御成婚60年記念 特別展『国民とともに歩まれた平成の30年』」などを開催しております。また、新たな文化発信拠点として日本橋店に「髙島屋史料館TOKYO」を新設し、デジタル対応の展示や有識者によるセミナーなど、文化の発信、交流、育成の役割を果たしてまいります。
顧客政策につきましては、店頭でのお客様づくりを第一に、サービスや品揃えをスピーディに改善すると共に、大型店を中心にストアコンシェルジュを再配置し、全館にまたがる接客販売体制を整えてまいります。また、デジタル技術を活用し、お客様との接点を拡充してまいります。インバウンドは、売上の伸びに減速傾向が見られたものの、訪日外国人数の堅調な伸びの中、増大を見込んでおります。現地SNS活用や多言語WEBサイトの充実、モバイル決済対応や免税手続きの簡素化など、快適なお買物環境を整備してまいります。
海外店舗につきましては、シンガポール・上海・ホーチミンでの実績やノウハウを活用し、昨年バンコクに開業した「サイアム髙島屋」の収益改善・早期黒字化を図り、4拠点体制にてASEAN地域における成長の基盤を築き、国内と海外の事業シナジーを高めてまいります。
不動産業におきましては、東神開発株式会社が、百貨店と連携した「日本橋髙島屋S.C.」の集客向上や本年秋の「玉川髙島屋S・C」のリニューアルに取り組むほか、流山エリアでは、鉄道会社や取得した株式会社ティーアンドティーとの連携により、エリアでの事業を拡大いたします。海外では、ホーチミンの「サイゴンセンター」運営事業を中核とし、周辺エリアを開拓してまいります。
金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、百貨店・専門店双方における新規会員獲得・カード利用促進を図り、収入増大を図ってまいります。また、外商お得意様向けの新カード発行や、カードの即日発行等、新たな商品・サービスの提供により、魅力度や利便性を向上させてまいります。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、「まちづくり」への参画と共に、東京オリンピック・パラリンピックに向け活発化する大型プロジェクトの受注に努めるほか、企画、デザインなどのソフト機能を高め、提案型受注による競争力・収益力向上を図ってまいります。
内部統制システムにつきましては、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化し、豪雨や地震など自然災害時の事業継続や災害対策プランの構築などに取り組んでまいります。コーポレートガバナンスにつきましては、改訂されたコーポレートガバナンス・コードへの対応を含め、取締役会の更なる機能強化に取り組み、継続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
昨年、当社は配送料金の改定及び制服の受注事案において公正取引委員会より排除措置命令を受けました。当社といたしましては、このような事態を厳粛かつ真摯に受け止め、コンプライアンス体制の強化・徹底に努めてまいります。